518 / 823
13章 いざ尋常に勝負
第518話 ロサの辻褄合わせ(前編)
しおりを挟む
アラ兄とロビ兄は頷き合って、ロビ兄は魔使いさんのものだった魔導書を持ってきた。
恐らく魔導書にある3つの工程を使った魔具をロビ兄が読み解いて、アラ兄が綿菓子機に必要な工程に書き換えながら作るのだろう。
わたしが作るとしたら、ぐるぐる回る風を起こす魔具を作ってもらって、そこに真ん中の筒に熱すという機能をプラス、かな。あ、熱をプラスするとなると、ぐるぐる回す風の温度を設定してもらわないとだね、そうじゃないとプラスできない。と考える。
けど、もしこれができたら、新商品にちょっと良くない?
子供、絶対喜ぶよね? 雲を食べてるみたいって。
大人には飲み物に浮かべて上からあったかい飲み物を注ぎ入れ溶かす。パフォーマンス付きの砂糖として売り出すのもありかもね。
あ、わたあめはすぐ萎んじゃうから、売るのは無理か。
でもカフェの目玉になるかも。
誰かが目を輝かせてわたあめに夢中になるところを想像すると、気が昂ってくる。いますぐやってみて、それが実現できるか確かめたくなる。
顔をあげると、ロサがわたしを見てニヤニヤしていた。
「な、何?」
「何か思いついたんだろう? リディア嬢はそうでなくちゃ」
「ロサ、……ありがとう」
心からわたしはお礼を言うことができた。
いつもなんだかんだ、ロサにも助けてもらってる。
「リディア嬢は絆されやすいな。だから兄や婚約者がしっかりしていて、ちょうどいいのだな」
そんな憎まれ口を叩いた。
「リディア嬢が伏せっている時に、カートライト令嬢から驚くべきことを打ち明けられたんだ」
わたしはギョッとした。今、ここでそのこと言うの?
ロビ兄たちも、手を止めてロサを見た。
「彼女は、私に相談してきたんだ。〝にわかに信じるのは難しいだろうけれど、今から言うことが起こったら、あたしの話を信じてもらえませんか〟と」
ロサは紅茶をひと口、上品に飲んだ。
「聞いてみないと信じるも信じないも何も言えないと言ってみたけれど、アイリス嬢はいつもと様子が違ってとても真剣だった。
自分のスキルで時々未来視みたいなことができると言った。
それで、ある劇団の最終公演日に教会の鐘つき塔から、真っ赤な髪の少女が落ちるの映像を見たのだと。
その少女が落ちて、地面に血だまりができると、羽あるものたちが一斉に飛び立ち空を覆い、地が騒ぎ、遠くの海も荒れ狂うのだと。
カートライト嬢は、その少女を助けるのを手伝ってくれないかと言ったんだ。少女は術にかかっているようにぼうっとしていたと。
カートライト嬢に尋ねたんだ。その少女が落ちると、世界が荒れ狂うから少女を助けたいと思うのかと。そうしたら彼女は首を横に振った。まだ自分より小さい女の子に命を落として欲しくないのだと」
その言葉が気に入って、ロサは協力することにしたそうだ。
アイリスが未来視で見たのは、赤い髪の女の子が鐘つき塔へと登っていく姿。なぜか下には衛兵たちが大勢いた。幟のようなものが見えて、最終公演とかかれていた。それから子供が落ちたと叫び声がして、振り返ると、赤い髪した女の子が地面に伏せっていて血がじわじわと広がっていったのだと。そして天と地が騒ぎ出した。
鐘つき塔は王都に3つもある。自分だけでは3つ見張ることは不可能。でもこんな未来があってはいけないと、アイリス嬢は止めたかった。
ロサはすぐに全ての塔を見張ることはないだろうと思った。
最終公演の幟が見えたのなら、公演をやっている3区が怪しい。他の塔にも念のため人を行かせたようだが。
アイリス嬢に、その塔でアイリス嬢が言うようなことが起こったとしたら、未来視の証明となるのに、私に他の何を信じて欲しいのだ?とロサは尋ねた。
アイリス嬢は口を少し噛みしめてから、拳を握り言った。
自分は数年後、聖女になると。今までいくつもの自分が聖女になった未来をみたが、その数年後にはユオブリアが攻撃され、瘴気が蔓延して、世界と生き物の7分の6を失ってしまうのだと。
その話をしている途中に、わたしの名前がちょろっと出てきて。ロサが聞き返し、わたしに相談に乗ってもらっていると聞いたそうだ。
それで、このこともわたしにまず相談に行ったのだが、風邪で会えなかったんだと、経緯がわかった。
少女が落ちるのを止めるには自分一人では無理。助っ人がいる。そしてどうせなら、ユオブリアが攻撃されるその出来事が起こる前に、それを止めるために、ロサたちに話す、いい機会なのではと思ったという。
少女が現れたら、未来視を少しでも信用してくれるだろうから。
「他の塔にも人は送ったものの、3区の教会だと見当がついた。劇団の最終公演もそうだが、……そこで劇団のオーナーと〝赤い魔石〟の取り引きがあると密告があったんだ」
アラ兄とロビ兄が息を飲んだ。
「赤い魔石って、シンシアダンジョンのですか?」
「赤い魔石に……赤い髪の女の子」
そういえばウィッグは収納ポケットにしまったよね? 特に意識していないから、クリーンをかけた後にしまったはずだけど、記憶に残ってない。
「まだ全てはわかっていないものの、赤い魔石のことでわかったこともある。少女とは関係なかったようだけど……」
ロサがわたしを見ている気がする。ちょっと顔をあげにくい。
「赤い髪の少女は、本当にいたんですね?」
「ああ。その劇団の役者と一緒に塔から落ちた」
「落ちた!?」
ふたりが声を揃える。
「ああ。でも風に助けられて、ふたりは無事だ。……ただ少女はその時から行方不明だ」
なんて心臓に悪い会話だ。
「でも無事だったのはわかっているんですね?」
アラ兄が確かめる。
「劇団員が少女を守りながら落ちて気を失う前に、少女がふらふらと歩いていくのを見たそうだ。怖い思いをしたから、その場から逃げて家に帰ったのだろうと思われている。少女についてはよくわかっていない」
思わずロサを見ると、目が合った。ロサは続ける。
「少女は劇団員と劇団のオーナーと一緒に鐘つき塔に来て登ったんだが、オーナーのいうことには、少女が鐘つき塔を見たいと言ったからだと言っている。
ひとりで劇を見にきていたそうでね。前日に見にきていて、劇団員が公演後に声をかけたら悩み事があり劇をてんで見ていなかったことがわかった。子供にとって決して安くない料金だ。悩み事があって辛そうなのも気になったし、最終日のチケットを渡して、明日も見にきてくれと言ったそうだ。少女はまたひとりで見にきた。帰りがけに具合が悪くなったみたいで、手洗いに駆け込んだそうだ」
そんなことまで言わなくていいと思うんだけど!
それにあれは好きでトイレに篭ったわけでなくて、ロサがいたからなのに! ただ隠れただけなのに!
「具合が悪そうなので表通りまで送ることにした。そうしている間に、運悪くオーナーの赤い魔石を見てしまったらしい」
恐らく魔導書にある3つの工程を使った魔具をロビ兄が読み解いて、アラ兄が綿菓子機に必要な工程に書き換えながら作るのだろう。
わたしが作るとしたら、ぐるぐる回る風を起こす魔具を作ってもらって、そこに真ん中の筒に熱すという機能をプラス、かな。あ、熱をプラスするとなると、ぐるぐる回す風の温度を設定してもらわないとだね、そうじゃないとプラスできない。と考える。
けど、もしこれができたら、新商品にちょっと良くない?
子供、絶対喜ぶよね? 雲を食べてるみたいって。
大人には飲み物に浮かべて上からあったかい飲み物を注ぎ入れ溶かす。パフォーマンス付きの砂糖として売り出すのもありかもね。
あ、わたあめはすぐ萎んじゃうから、売るのは無理か。
でもカフェの目玉になるかも。
誰かが目を輝かせてわたあめに夢中になるところを想像すると、気が昂ってくる。いますぐやってみて、それが実現できるか確かめたくなる。
顔をあげると、ロサがわたしを見てニヤニヤしていた。
「な、何?」
「何か思いついたんだろう? リディア嬢はそうでなくちゃ」
「ロサ、……ありがとう」
心からわたしはお礼を言うことができた。
いつもなんだかんだ、ロサにも助けてもらってる。
「リディア嬢は絆されやすいな。だから兄や婚約者がしっかりしていて、ちょうどいいのだな」
そんな憎まれ口を叩いた。
「リディア嬢が伏せっている時に、カートライト令嬢から驚くべきことを打ち明けられたんだ」
わたしはギョッとした。今、ここでそのこと言うの?
ロビ兄たちも、手を止めてロサを見た。
「彼女は、私に相談してきたんだ。〝にわかに信じるのは難しいだろうけれど、今から言うことが起こったら、あたしの話を信じてもらえませんか〟と」
ロサは紅茶をひと口、上品に飲んだ。
「聞いてみないと信じるも信じないも何も言えないと言ってみたけれど、アイリス嬢はいつもと様子が違ってとても真剣だった。
自分のスキルで時々未来視みたいなことができると言った。
それで、ある劇団の最終公演日に教会の鐘つき塔から、真っ赤な髪の少女が落ちるの映像を見たのだと。
その少女が落ちて、地面に血だまりができると、羽あるものたちが一斉に飛び立ち空を覆い、地が騒ぎ、遠くの海も荒れ狂うのだと。
カートライト嬢は、その少女を助けるのを手伝ってくれないかと言ったんだ。少女は術にかかっているようにぼうっとしていたと。
カートライト嬢に尋ねたんだ。その少女が落ちると、世界が荒れ狂うから少女を助けたいと思うのかと。そうしたら彼女は首を横に振った。まだ自分より小さい女の子に命を落として欲しくないのだと」
その言葉が気に入って、ロサは協力することにしたそうだ。
アイリスが未来視で見たのは、赤い髪の女の子が鐘つき塔へと登っていく姿。なぜか下には衛兵たちが大勢いた。幟のようなものが見えて、最終公演とかかれていた。それから子供が落ちたと叫び声がして、振り返ると、赤い髪した女の子が地面に伏せっていて血がじわじわと広がっていったのだと。そして天と地が騒ぎ出した。
鐘つき塔は王都に3つもある。自分だけでは3つ見張ることは不可能。でもこんな未来があってはいけないと、アイリス嬢は止めたかった。
ロサはすぐに全ての塔を見張ることはないだろうと思った。
最終公演の幟が見えたのなら、公演をやっている3区が怪しい。他の塔にも念のため人を行かせたようだが。
アイリス嬢に、その塔でアイリス嬢が言うようなことが起こったとしたら、未来視の証明となるのに、私に他の何を信じて欲しいのだ?とロサは尋ねた。
アイリス嬢は口を少し噛みしめてから、拳を握り言った。
自分は数年後、聖女になると。今までいくつもの自分が聖女になった未来をみたが、その数年後にはユオブリアが攻撃され、瘴気が蔓延して、世界と生き物の7分の6を失ってしまうのだと。
その話をしている途中に、わたしの名前がちょろっと出てきて。ロサが聞き返し、わたしに相談に乗ってもらっていると聞いたそうだ。
それで、このこともわたしにまず相談に行ったのだが、風邪で会えなかったんだと、経緯がわかった。
少女が落ちるのを止めるには自分一人では無理。助っ人がいる。そしてどうせなら、ユオブリアが攻撃されるその出来事が起こる前に、それを止めるために、ロサたちに話す、いい機会なのではと思ったという。
少女が現れたら、未来視を少しでも信用してくれるだろうから。
「他の塔にも人は送ったものの、3区の教会だと見当がついた。劇団の最終公演もそうだが、……そこで劇団のオーナーと〝赤い魔石〟の取り引きがあると密告があったんだ」
アラ兄とロビ兄が息を飲んだ。
「赤い魔石って、シンシアダンジョンのですか?」
「赤い魔石に……赤い髪の女の子」
そういえばウィッグは収納ポケットにしまったよね? 特に意識していないから、クリーンをかけた後にしまったはずだけど、記憶に残ってない。
「まだ全てはわかっていないものの、赤い魔石のことでわかったこともある。少女とは関係なかったようだけど……」
ロサがわたしを見ている気がする。ちょっと顔をあげにくい。
「赤い髪の少女は、本当にいたんですね?」
「ああ。その劇団の役者と一緒に塔から落ちた」
「落ちた!?」
ふたりが声を揃える。
「ああ。でも風に助けられて、ふたりは無事だ。……ただ少女はその時から行方不明だ」
なんて心臓に悪い会話だ。
「でも無事だったのはわかっているんですね?」
アラ兄が確かめる。
「劇団員が少女を守りながら落ちて気を失う前に、少女がふらふらと歩いていくのを見たそうだ。怖い思いをしたから、その場から逃げて家に帰ったのだろうと思われている。少女についてはよくわかっていない」
思わずロサを見ると、目が合った。ロサは続ける。
「少女は劇団員と劇団のオーナーと一緒に鐘つき塔に来て登ったんだが、オーナーのいうことには、少女が鐘つき塔を見たいと言ったからだと言っている。
ひとりで劇を見にきていたそうでね。前日に見にきていて、劇団員が公演後に声をかけたら悩み事があり劇をてんで見ていなかったことがわかった。子供にとって決して安くない料金だ。悩み事があって辛そうなのも気になったし、最終日のチケットを渡して、明日も見にきてくれと言ったそうだ。少女はまたひとりで見にきた。帰りがけに具合が悪くなったみたいで、手洗いに駆け込んだそうだ」
そんなことまで言わなくていいと思うんだけど!
それにあれは好きでトイレに篭ったわけでなくて、ロサがいたからなのに! ただ隠れただけなのに!
「具合が悪そうなので表通りまで送ることにした。そうしている間に、運悪くオーナーの赤い魔石を見てしまったらしい」
71
お気に入りに追加
1,239
あなたにおすすめの小説
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて
ゆうた
ファンタジー
森の国編 ヴェルトゥール王国戦記
大学2年生の誠一は、大学生活をまったりと過ごしていた。
それが何の因果か、異世界に突然、転生してしまった。
生まれも育ちも恵まれた環境の伯爵家の嫡男に転生したから、
まったりのんびりライフを楽しもうとしていた。
しかし、なぜか脳に直接、神様ぽいのから、四六時中、依頼がくる。
無視すると、身体中がキリキリと痛むし、うるさいしで、依頼をこなす。
これって異世界ブラック企業?神様の社畜的な感じ?
依頼をこなしてると、いつの間か英雄扱いで、
いろんな所から依頼がひっきりなし舞い込む。
誰かこの悪循環、何とかして!
まったりどころか、ヘロヘロな毎日!誰か助けて
転生したけど平民でした!もふもふ達と楽しく暮らす予定です。
まゆら
ファンタジー
回収が出来ていないフラグがある中、一応完結しているというツッコミどころ満載な初めて書いたファンタジー小説です。
温かい気持ちでお読み頂けたら幸い至極であります。
異世界に転生したのはいいけど悪役令嬢とかヒロインとかになれなかった私。平民でチートもないらしい‥どうやったら楽しく異世界で暮らせますか?
魔力があるかはわかりませんが何故か神様から守護獣が遣わされたようです。
平民なんですがもしかして私って聖女候補?
脳筋美女と愛猫が繰り広げる行きあたりばったりファンタジー!なのか?
常に何処かで大食いバトルが開催中!
登場人物ほぼ甘党!
ファンタジー要素薄め!?かもしれない?
母ミレディアが実は隣国出身の聖女だとわかったので、私も聖女にならないか?とお誘いがくるとか、こないとか‥
◇◇◇◇
現在、ジュビア王国とアーライ神国のお話を見やすくなるよう改稿しております。
しばらくは、桜庵のお話が中心となりますが影の薄いヒロインを忘れないで下さい!
転生もふもふのスピンオフ!
アーライ神国のお話は、国外に追放された聖女は隣国で…
母ミレディアの娘時代のお話は、婚約破棄され国外追放になった姫は最強冒険者になり転生者の嫁になり溺愛される
こちらもよろしくお願いします。
善人ぶった姉に奪われ続けてきましたが、逃げた先で溺愛されて私のスキルで領地は豊作です
しろこねこ
ファンタジー
「あなたのためを思って」という一見優しい伯爵家の姉ジュリナに虐げられている妹セリナ。醜いセリナの言うことを家族は誰も聞いてくれない。そんな中、唯一差別しない家庭教師に貴族子女にははしたないとされる魔法を教わるが、親切ぶってセリナを孤立させる姉。植物魔法に目覚めたセリナはペット?のヴィリオをともに家を出て南の辺境を目指す。
【完結】婚姻無効になったので新しい人生始めます~前世の記憶を思い出して家を出たら、愛も仕事も手に入れて幸せになりました~
Na20
恋愛
セレーナは嫁いで三年が経ってもいまだに旦那様と使用人達に受け入れられないでいた。
そんな時頭をぶつけたことで前世の記憶を思い出し、家を出ていくことを決意する。
「…そうだ、この結婚はなかったことにしよう」
※ご都合主義、ふんわり設定です
※小説家になろう様にも掲載しています
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
我儘令嬢なんて無理だったので小心者令嬢になったらみんなに甘やかされました。
たぬきち25番
恋愛
「ここはどこですか?私はだれですか?」目を覚ましたら全く知らない場所にいました。
しかも以前の私は、かなり我儘令嬢だったそうです。
そんなマイナスからのスタートですが、文句はいえません。
ずっと冷たかった周りの目が、なんだか最近優しい気がします。
というか、甘やかされてません?
これって、どういうことでしょう?
※後日談は激甘です。
激甘が苦手な方は後日談以外をお楽しみ下さい。
※小説家になろう様にも公開させて頂いております。
ただあちらは、マルチエンディングではございませんので、その関係でこちらとは、内容が大幅に異なります。ご了承下さい。
タイトルも違います。タイトル:異世界、訳アリ令嬢の恋の行方は?!~あの時、もしあなたを選ばなければ~
モブに転生したので前世の好みで選んだモブに求婚しても良いよね?
狗沙萌稚
恋愛
乙女ゲーム大好き!漫画大好き!な普通の平凡の女子大生、水野幸子はなんと大好きだった乙女ゲームの世界に転生?!
悪役令嬢だったらどうしよう〜!!
……あっ、ただのモブですか。
いや、良いんですけどね…婚約破棄とか断罪されたりとか嫌だから……。
じゃあヒロインでも悪役令嬢でもないなら
乙女ゲームのキャラとは関係無いモブ君にアタックしても良いですよね?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる