469 / 990
12章 人間模様、恋模様
第469話 火種⑧何をしなかったのか
しおりを挟む
次の日、夕方寮に帰り、ローマンおばあちゃんから報告を受けて、鞄を落とした。身を翻すと、リズ先輩に言われる。
「どこ、行くのよ?」
「……会いに」
「やめなさい。ガネットは私たちを見るのが辛いの。だから、家を選んだの!」
「そういうことにすれば、会わずに、自分は傷つかずにすみますよね? でもそれ、逃げてるだけですよ」
リズ先輩の顔が赤くなって、わたしに向かってくる。
手を振り上げて。
あ。間一髪でシールドを解いた。パーンと小気味いい音がわたしの頬で鳴る。
あ、という顔をして、自分の赤くなった掌をリズ先輩は見ている。
もふさまも、わたしを見上げた。
「向き合う相手、間違ってますよ」
「リ、リディア、大丈夫?」
ダリアに頷く。けっこう痛かったけど。
いつもシールドに守られているから、こういう痛みは久しぶりだ。
「ガネットは決めたら覆さないわ。今から何を言ったって無駄よ」
「そうやってここで手を離したら、永遠に会えませんよ? 次に会う約束ぐらい取り付けておかないとでしょう?」
先輩たちは泣きそうなのを我慢している顔だ。迷い子みたいな表情。
「光魔法でも治せないものがあります。……心の傷。光の使い手だって、魔法で心の傷は治せない。けど、人の思いだけがそれを癒せるんです」
「どうしたら、ガネットを癒せるのよ?」
「わかりません」
「わかりません?」
リズ先輩は、わからないくせに、じゃあなんでそんな話をしたのよと言いだけだ。
「わからないから。わからなければ、今の精一杯でぶつかるしかないでしょう? わからないなら、知らないなら、今ある自分の知識やら経験を総動員して、やれることを、思うことを精一杯するしかないでしょう? それ以外に方法あります?」
なんだってそうだよ。いつだって正しい対処法というのがわかるものなら、解決方法というのが決まっているなら、いいよね。それをすればいいんだから。
でもわからなかったら、知らなかったら、今ある自分の精一杯のことをするしかないじゃないか。
「ほら、行きますよ。帰ってくる日を聞かなくちゃ」
大股で歩き出すと、泣きながらも、みんなついてきている。
わたしはズルをしてもふさまに大きくなってもらって、背中に乗る。学園へ。ガネット先輩のいるところへ導いてもらう。
「ガネットは、休園することになりました。家で療養すると」
ローマンおばあちゃんの声が蘇る。
後ろを向くと、みんなすぐ後ろを走ってついてきていた。
『リディア、迷い子は学園から出たようだ』
多分もふさま、聖樹さまとコンタクトをとった。
……帰るとしたら転移門か。
「転移門に向かったみたいです。先に行って引き留めます」
わたしは首だけ後ろに向かって言って、もふさまに早く走ってもらった。
『あれだ』
保健医の神官の魔力を感じるそうだ。メリヤス先生が付き添いなんだろう。
その馬車に並走してもらって、ガネット先輩を呼んだ。
というか、もふさまに乗って走っているわけだから、馭者さんたちには、わたしが見えているわけで。
ガネット先輩が乗っている馬車は止められた。
メリヤス先生が降りてくる。
「シュタインさん、何事ですか?」
「挨拶をさせてください」
先生はわたしの正面で、膝に手を置いて少し屈む。
「ガネットさんは体調が悪いんです。今はそっと……」
馬車のドアが開いた。
「ガネットさん?」
「挨拶、します」
ガネット先輩がよろよろと降りてきた。
その憔悴ぶりにわたしは息を飲んだ。
目の下のくまもだけど、頬がげっそりしている。目だけがぎょろっと目立つ。
たった1日でこんなに……。
「シュタインさん、私、具合が悪くて……」
「ガネット!」
叫ぶような呼びかけに、先輩が後ろをみた。
制服姿のドーン寮生が、次々と到着する。みんな肩で息をして、まだ話せない。
「……みんな……」
リズ先輩がガネット先輩の両肩を掴んだ。
「……あんた、……逃げるの?」
荒い息の合間に言葉を紡ぐ。
ガネット先輩の顔がくしゃっとした。
「……どうしていいか、わからなくなっちゃった」
ガバッとリズ先輩が、ガネット先輩に抱きついた。
「言うなって、止めてごめん。私を叩いて!」
「リズは私のためを思って止めてくれたの、知ってるよ」
「ガネットのためじゃない。私たち、知ってたの、とっくに。最初から知ってた。でも、何も言えないから黙っていただけ。それをガネットに知られたら嫌われると思ったから止めたの!」
「え? 知ってた?」
「私たち5年も一緒にいるのよ? ガネットの成績だって知ってるわ。よりによってあの時の試験でのあの点数、なんでわからないと思うの?」
ガネット先輩の顔が歪んだ。
「ご、ごめんなさい。私、あの時」
口元に添えられた手がブルブル震えている。
「ガネット、言わ……」
止めようとしたリズ先輩をわたしは止めた。首を横に振ると、リズ先輩も泣き出しそうになっている。
「わざと、答えをずらして書いたの。負けた……勝負の差は5点だった。あの時、私があんなことをしなければ、みんな大変な思いをすることはなかった!」
ボロボロと涙が溢れている。
「……なんで、そんなことしたんですか?」
4年生のリコ先輩が静かに尋ねた。
「辛かったの。勝ったら、また寮長会議で槍玉にあがると思って。それなら負けて従えば、許されると思った」
「……私も同じことをしたと思います」
リコ先輩がそう言えば。
「私だったらもっと前に挫けてます」
「手が出てたかも」
いくつもの意見が飛び出す。
「ごめん、ごめんなさい」
ガネット先輩が崩れて、地面に膝をつく。
「先輩が謝るなら、私も謝らなきゃです。私、知ってました。会議で辛くなっているのも、いろんなことにガネット先輩が耐えているの知ってました。でも私が寮長を変わる勇気はなかった。怖くて、できなかった。だから、見て見ぬふりしてました。ごめんなさい」
代わる代わる懺悔が続く。
そうだよね。一緒の学園に通い、一緒の寮に住んでいる。
ガネット先輩がどんな目にあっていたか、みんな知っていた。
シヴァルリィ寮長であるカラ先輩だけじゃない、ドーン寮のみんなも辛かったんだ。ガネット先輩を見ているのも、何もできない自分も。
「ガネット先輩、私たちの謝罪を受け入れてくれますか?」
リコ先輩が不安そうに聞いた。
「受け入れるも何も、あなたたちが謝るような……」
「謝罪を受け入れてくれますか?」
強い調子でガネット先輩の言葉を遮る。
ガネット先輩は頷いた。
「……受け入れます。許します」
「ガネット先輩、私たちも、ガネット先輩のしたことを許します」
ガネット先輩が〝無〟表情になる。それから目と口のあたりが揺れて、涙が溢れた。
リズ先輩が再びガネット先輩を抱きしめた。
今度はガネット先輩の手がリズ先輩の背中に回って、ぎゅーっとした。
ああ、もう大丈夫だ。そう思えた。
あ、ここ、普通の道だった!
あれ、薄い幕に覆われている?
『その神官が魔力を使った。外から干渉されにくくなっているようだ』
わたしの〝路傍の石〟と同じような、神力なのだろう。
みんな泣きまくったので目が真っ赤だ。
ふたりが手を解いて、顔を見て、ぐちゃぐちゃの顔で笑った。
「……メリヤス先生」
ガネット先輩は、先生を振り返った。
「私、寮に帰りたいです。だめでしょうか?」
「あなたが望むなら、そうするのが一番いいでしょう」
わたしたちはその言葉で湧きあがり、慌ててお互い静かにするように制しあった。
メリヤス先生の路傍の石が解かれて、周りの目があることに気づいたからだ。
でも薄暗いから、制服の女の子たちがいっぱい何してんだ? って感じだったけどね。うん、この時間でよかった。
「どこ、行くのよ?」
「……会いに」
「やめなさい。ガネットは私たちを見るのが辛いの。だから、家を選んだの!」
「そういうことにすれば、会わずに、自分は傷つかずにすみますよね? でもそれ、逃げてるだけですよ」
リズ先輩の顔が赤くなって、わたしに向かってくる。
手を振り上げて。
あ。間一髪でシールドを解いた。パーンと小気味いい音がわたしの頬で鳴る。
あ、という顔をして、自分の赤くなった掌をリズ先輩は見ている。
もふさまも、わたしを見上げた。
「向き合う相手、間違ってますよ」
「リ、リディア、大丈夫?」
ダリアに頷く。けっこう痛かったけど。
いつもシールドに守られているから、こういう痛みは久しぶりだ。
「ガネットは決めたら覆さないわ。今から何を言ったって無駄よ」
「そうやってここで手を離したら、永遠に会えませんよ? 次に会う約束ぐらい取り付けておかないとでしょう?」
先輩たちは泣きそうなのを我慢している顔だ。迷い子みたいな表情。
「光魔法でも治せないものがあります。……心の傷。光の使い手だって、魔法で心の傷は治せない。けど、人の思いだけがそれを癒せるんです」
「どうしたら、ガネットを癒せるのよ?」
「わかりません」
「わかりません?」
リズ先輩は、わからないくせに、じゃあなんでそんな話をしたのよと言いだけだ。
「わからないから。わからなければ、今の精一杯でぶつかるしかないでしょう? わからないなら、知らないなら、今ある自分の知識やら経験を総動員して、やれることを、思うことを精一杯するしかないでしょう? それ以外に方法あります?」
なんだってそうだよ。いつだって正しい対処法というのがわかるものなら、解決方法というのが決まっているなら、いいよね。それをすればいいんだから。
でもわからなかったら、知らなかったら、今ある自分の精一杯のことをするしかないじゃないか。
「ほら、行きますよ。帰ってくる日を聞かなくちゃ」
大股で歩き出すと、泣きながらも、みんなついてきている。
わたしはズルをしてもふさまに大きくなってもらって、背中に乗る。学園へ。ガネット先輩のいるところへ導いてもらう。
「ガネットは、休園することになりました。家で療養すると」
ローマンおばあちゃんの声が蘇る。
後ろを向くと、みんなすぐ後ろを走ってついてきていた。
『リディア、迷い子は学園から出たようだ』
多分もふさま、聖樹さまとコンタクトをとった。
……帰るとしたら転移門か。
「転移門に向かったみたいです。先に行って引き留めます」
わたしは首だけ後ろに向かって言って、もふさまに早く走ってもらった。
『あれだ』
保健医の神官の魔力を感じるそうだ。メリヤス先生が付き添いなんだろう。
その馬車に並走してもらって、ガネット先輩を呼んだ。
というか、もふさまに乗って走っているわけだから、馭者さんたちには、わたしが見えているわけで。
ガネット先輩が乗っている馬車は止められた。
メリヤス先生が降りてくる。
「シュタインさん、何事ですか?」
「挨拶をさせてください」
先生はわたしの正面で、膝に手を置いて少し屈む。
「ガネットさんは体調が悪いんです。今はそっと……」
馬車のドアが開いた。
「ガネットさん?」
「挨拶、します」
ガネット先輩がよろよろと降りてきた。
その憔悴ぶりにわたしは息を飲んだ。
目の下のくまもだけど、頬がげっそりしている。目だけがぎょろっと目立つ。
たった1日でこんなに……。
「シュタインさん、私、具合が悪くて……」
「ガネット!」
叫ぶような呼びかけに、先輩が後ろをみた。
制服姿のドーン寮生が、次々と到着する。みんな肩で息をして、まだ話せない。
「……みんな……」
リズ先輩がガネット先輩の両肩を掴んだ。
「……あんた、……逃げるの?」
荒い息の合間に言葉を紡ぐ。
ガネット先輩の顔がくしゃっとした。
「……どうしていいか、わからなくなっちゃった」
ガバッとリズ先輩が、ガネット先輩に抱きついた。
「言うなって、止めてごめん。私を叩いて!」
「リズは私のためを思って止めてくれたの、知ってるよ」
「ガネットのためじゃない。私たち、知ってたの、とっくに。最初から知ってた。でも、何も言えないから黙っていただけ。それをガネットに知られたら嫌われると思ったから止めたの!」
「え? 知ってた?」
「私たち5年も一緒にいるのよ? ガネットの成績だって知ってるわ。よりによってあの時の試験でのあの点数、なんでわからないと思うの?」
ガネット先輩の顔が歪んだ。
「ご、ごめんなさい。私、あの時」
口元に添えられた手がブルブル震えている。
「ガネット、言わ……」
止めようとしたリズ先輩をわたしは止めた。首を横に振ると、リズ先輩も泣き出しそうになっている。
「わざと、答えをずらして書いたの。負けた……勝負の差は5点だった。あの時、私があんなことをしなければ、みんな大変な思いをすることはなかった!」
ボロボロと涙が溢れている。
「……なんで、そんなことしたんですか?」
4年生のリコ先輩が静かに尋ねた。
「辛かったの。勝ったら、また寮長会議で槍玉にあがると思って。それなら負けて従えば、許されると思った」
「……私も同じことをしたと思います」
リコ先輩がそう言えば。
「私だったらもっと前に挫けてます」
「手が出てたかも」
いくつもの意見が飛び出す。
「ごめん、ごめんなさい」
ガネット先輩が崩れて、地面に膝をつく。
「先輩が謝るなら、私も謝らなきゃです。私、知ってました。会議で辛くなっているのも、いろんなことにガネット先輩が耐えているの知ってました。でも私が寮長を変わる勇気はなかった。怖くて、できなかった。だから、見て見ぬふりしてました。ごめんなさい」
代わる代わる懺悔が続く。
そうだよね。一緒の学園に通い、一緒の寮に住んでいる。
ガネット先輩がどんな目にあっていたか、みんな知っていた。
シヴァルリィ寮長であるカラ先輩だけじゃない、ドーン寮のみんなも辛かったんだ。ガネット先輩を見ているのも、何もできない自分も。
「ガネット先輩、私たちの謝罪を受け入れてくれますか?」
リコ先輩が不安そうに聞いた。
「受け入れるも何も、あなたたちが謝るような……」
「謝罪を受け入れてくれますか?」
強い調子でガネット先輩の言葉を遮る。
ガネット先輩は頷いた。
「……受け入れます。許します」
「ガネット先輩、私たちも、ガネット先輩のしたことを許します」
ガネット先輩が〝無〟表情になる。それから目と口のあたりが揺れて、涙が溢れた。
リズ先輩が再びガネット先輩を抱きしめた。
今度はガネット先輩の手がリズ先輩の背中に回って、ぎゅーっとした。
ああ、もう大丈夫だ。そう思えた。
あ、ここ、普通の道だった!
あれ、薄い幕に覆われている?
『その神官が魔力を使った。外から干渉されにくくなっているようだ』
わたしの〝路傍の石〟と同じような、神力なのだろう。
みんな泣きまくったので目が真っ赤だ。
ふたりが手を解いて、顔を見て、ぐちゃぐちゃの顔で笑った。
「……メリヤス先生」
ガネット先輩は、先生を振り返った。
「私、寮に帰りたいです。だめでしょうか?」
「あなたが望むなら、そうするのが一番いいでしょう」
わたしたちはその言葉で湧きあがり、慌ててお互い静かにするように制しあった。
メリヤス先生の路傍の石が解かれて、周りの目があることに気づいたからだ。
でも薄暗いから、制服の女の子たちがいっぱい何してんだ? って感じだったけどね。うん、この時間でよかった。
150
お気に入りに追加
1,443
あなたにおすすめの小説

【完結】転生したら脳筋一家の令嬢でしたが、インテリ公爵令息と結ばれたので万事OKです。
櫻野くるみ
恋愛
ある日前世の記憶が戻ったら、この世界が乙女ゲームの舞台だと思い至った侯爵令嬢のルイーザ。
兄のテオドールが攻略対象になっていたことを思い出すと共に、大変なことに気付いてしまった。
ゲーム内でテオドールは「脳筋枠」キャラであり、家族もまとめて「脳筋一家」だったのである。
私も脳筋ってこと!?
それはイヤ!!
前世でリケジョだったルイーザが、脳筋令嬢からの脱却を目指し奮闘したら、推しの攻略対象のインテリ公爵令息と恋に落ちたお話です。
ゆるく軽いラブコメ目指しています。
最終話が長くなってしまいましたが、完結しました。
小説家になろう様でも投稿を始めました。少し修正したところがあります。
伯爵令嬢の秘密の知識
シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。

疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!
ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。
退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた!
私を陥れようとする兄から逃れ、
不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。
逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋?
異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。
この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

偉物騎士様の裏の顔~告白を断ったらムカつく程に執着されたので、徹底的に拒絶した結果~
甘寧
恋愛
「結婚を前提にお付き合いを─」
「全力でお断りします」
主人公であるティナは、園遊会と言う公の場で色気と魅了が服を着ていると言われるユリウスに告白される。
だが、それは罰ゲームで言わされていると言うことを知っているティナは即答で断りを入れた。
…それがよくなかった。プライドを傷けられたユリウスはティナに執着するようになる。そうティナは解釈していたが、ユリウスの本心は違う様で…
一方、ユリウスに関心を持たれたティナの事を面白くないと思う令嬢がいるのも必然。
令嬢達からの嫌がらせと、ユリウスの病的までの執着から逃げる日々だったが……
老女召喚〜聖女はまさかの80歳?!〜城を追い出されちゃったけど、何か若返ってるし、元気に異世界で生き抜きます!〜
二階堂吉乃
ファンタジー
瘴気に脅かされる王国があった。それを祓うことが出来るのは異世界人の乙女だけ。王国の幹部は伝説の『聖女召喚』の儀を行う。だが現れたのは1人の老婆だった。「召喚は失敗だ!」聖女を娶るつもりだった王子は激怒した。そこら辺の平民だと思われた老女は金貨1枚を与えられると、城から追い出されてしまう。実はこの老婆こそが召喚された女性だった。
白石きよ子・80歳。寝ていた布団の中から異世界に連れてこられてしまった。始めは「ドッキリじゃないかしら」と疑っていた。頼れる知り合いも家族もいない。持病の関節痛と高血圧の薬もない。しかし生来の逞しさで異世界で生き抜いていく。
後日、召喚が成功していたと分かる。王や重臣たちは慌てて老女の行方を探し始めるが、一向に見つからない。それもそのはず、きよ子はどんどん若返っていた。行方不明の老聖女を探す副団長は、黒髪黒目の不思議な美女と出会うが…。
人の名前が何故か映画スターの名になっちゃう天然系若返り聖女の冒険。全14話+間話8話。
元貧乏貴族の大公夫人、大富豪の旦那様に溺愛されながら人生を謳歌する!
楠ノ木雫
恋愛
貧乏な実家を救うための結婚だった……はずなのに!?
貧乏貴族に生まれたテトラは実は転生者。毎日身を粉にして領民達と一緒に働いてきた。だけど、この家には借金があり、借金取りである商会の商会長から結婚の話を出されてしまっている。彼らはこの貴族の爵位が欲しいらしいけれど、結婚なんてしたくない。
けれどとある日、奴らのせいで仕事を潰された。これでは生活が出来ない。絶体絶命だったその時、とあるお偉いさんが手紙を持ってきた。その中に書いてあったのは……この国の大公様との結婚話ですって!?
※他サイトにも投稿しています。
※一話を改稿しました。

私はモブのはず
シュミー
恋愛
私はよくある乙女ゲーのモブに転生をした。
けど
モブなのに公爵家。そしてチート。さらには家族は美丈夫で、自慢じゃないけど、私もその内に入る。
モブじゃなかったっけ?しかも私のいる公爵家はちょっと特殊ときている。もう一度言おう。
私はモブじゃなかったっけ?
R-15は保険です。
ちょっと逆ハー気味かもしれない?の、かな?見る人によっては変わると思う。
注意:作者も注意しておりますが、誤字脱字が限りなく多い作品となっております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる