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10章 準備が大切、何事も
第428話 囚われのお姫さま⑥自演
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兄さまが静かに話し出した。
あの日、メロディー嬢を護衛する最後の日。
門を出て寮へとメロディー嬢を送るはずだった。
その時前方から歩いてきたおばあさんが倒れるように座り込んだ。胸を押さえている。メロディー嬢が駆け寄ろうとして、兄さまはそれを止めた。
けれど、それを振り切ってメロディー嬢はおばあさんに寄り添った。
そこからはお約束のように、わらわらと人が湧いて出て、兄さまとメロディー嬢を捕獲した。
兄さまは「これは何の茶番ですか?」と尋ねた。
みんなおどおどとメロディー嬢を仰ぎ見た。
老婆が座り込んだのもメロディー嬢とアイコンタクトを取った後だったし、メロディー嬢を緩く縛ったりしていて、彼らがメロディー嬢から頼まれてこんなことをしているのはすぐにわかった。一人でみんなを捕らえることもできたが、どんな目的なのかと大人しくしていたそうだ。
メロディー嬢は「わかってしまいました?」と笑ったそうだ。
メロディー嬢の指示で兄さまは目隠しをされ、ある屋敷につれていかれた。
どういうつもりかと尋ねると1日だけ〝茶番〟に付き合ってくださいと言われた。彼女は寮に送られてきたあの手紙、あれだけは他のものと趣きが違うと思ったそうだ。そして学園に不審者が入ってきて自分の前に現れたときに、これは本気だと思った。でもそれにいつまでも怯えて暮らすのはまっぴらごめんだった。
そこで、彼女は自ら誘拐されることにした。
あの侵入者が捕らえられたことで学園内の守りは隙がないことがわかった。だからこうして誰かに誘拐されていれば今が好機と、本当の犯人が出てくるはず。つまり無防備な状態を作り出して敵を呼び寄せ、そして逆に捕らえると一計を案じた。
兄さまは茶番にのる代わりに、ひとつ条件を出した。それがエイウッド家の手を借りることだった。メロディー嬢はしぶしぶであったが承諾した。
兄さまは秘密裏にジェイお兄さんとブライに繋ぎを取った。そしてメロディー嬢の案にのったような素振りで彼女を監視した。
護衛要員であった、ジェイお兄さん、ブライ、兄さまは最初から、この護衛自体が茶番だと感じていたそうだ。もっとはっきり言えば、寮に置かれた脅迫状、彼女がこれだけは趣きが違うといったそれが、メロディー嬢の自作自演だと思っていた。不審者はそれに便乗して学園の警備体制を確かめるためのものだとも推測していた。
兄さまたちはメロディー嬢が自作自演する意味がわからなかった。それゆえ警戒していた。何か不審さを感じた場合、3人で連絡を取れるように手段を持った。まさか本当にその通信手段を使うことになるとは思ってなかったが。
3人は万全の態勢で臨むために騎士団を紛れさせて守りを固くした。護衛の話があってからエイウッド家と兄さまで話をして、何か不測の事態が起きそうなときにはと決めた約束事だった。
メロディー嬢の〝安全〟を確保しつつ、1日だけメロディー嬢を狙う者を見定めることにした。メロディー嬢の案にのったのだ。
監視していたメロディー嬢の様子が変だった。隙あらばひとりになろうとする。それは囮になろうというのとは少し違って見えた。そこで公爵令嬢の侍女につけた者に令嬢の持ち物を改めさせた。そこには〝魔剣〟と〝薬〟が入っていた。見かけだけではどんな〝魔剣〟と〝薬〟であるかはわからなかったが、メロディー嬢に何か企みがあるのは見て取れた。
兄さまたちは学生でありながら〝神官〟の位を賜っているルシオを呼び出して、メロディー嬢の意識を奪った。要するに眠らせた。
そうしておいて〝魔剣〟と〝薬〟を調べさせたところ、魔剣は血を欲する剣だった。剣の心得がなくても剣が持った者の魔力を使い血を得ようとする恐ろしいもの。護身用に持つには度が過ぎているようにも思えるが、脅迫状がきていて身の危険を感じていたのなら頷けることでもある。ただ鑑定士が首を傾げたのが、それに相反するようにその〝血〟を少量で満足させるような〝護符〟がついていたことだ。
結局どういうことかと尋ねると、剣の心得がない者でも相手に傷を負わせることのできる剣だが、致命傷までは負わせないようブロックがされているとのこと。
薬の方は毒薬だった。ただし命に別状はないように薄められたものだった。
捕らえたくはあるけれど〝命までは取りたくない〟という令嬢の優しさかと思ったが、鑑定士は言った。飲み干されていたら、薄まっていたことはわからないでしょう、と。身体の中に取り込まれたり、少量では〝濃度〟がわからない〝工夫〟がされていた、と。
兄さまたちは結論づけた。メロディー嬢は実行犯を捕まえた場合、その黒幕を吐かせるのに拷問しようと思っていて、こんなものを用意しているのではないかと。メロディー嬢の本気を感じ取り、自作自演と思っていたことを悪く思った。
そうこうしているうちに、わたしが行方不明になったという情報が飛び込んできた。教室移動中に姿が見えなくなり、寮にも、王都の家にも帰っていない。
兄さまたちはわたしの捜索をした。情報は得られなくて、わたしは学園の中で忽然と消えたように思われた。けれど、聖樹さまの護りがあり、もふさまもいるなら、園内でわたしが行方不明になるのはおかしい。ということは自身で学園から出たことが考えられる。普通に考えても、いなくなった婚約者を探しに外に出てアクシデントがあり帰れないでいると推測された。
わたしが兄さまを探すとして飛び出したなら、王都にいる。
兄さまたちは〝いつもと違う〟をキーワードに街をしらみつぶしに調べだした、そこで、ただの宿屋なのに魔法がやたらめったら注ぎ込まれている怪しい場所に目が留まる。
「メロディー嬢は、今はどこに?」
「エイウッド家にいる。ルシオと騎士団が守っているから大丈夫だ」
よかった。胸を撫で下ろす。
「ロジールナ令嬢に何かされたわけじゃないのね?」
てっきりそうだと思っていたので、思わず確かめると、
「ロジールナ?」
「令嬢?」
ジェイお兄さんとブライが揃って首を傾げる。
「なぜロジールナ令嬢が関わっていると思ったんだい?」
「だって、彼女は兄さまを監禁すると言った人よ。メロディー嬢に改心させられたようだけど、それはそういうことにしておいて、修道院へは行かず王都にいて、それで兄さまとメロディー嬢を監禁しようとしたんじゃないかって思ったのよ」
一拍の間。
「リディーは、リディーたちは、どうしてここに?」
あの日、メロディー嬢を護衛する最後の日。
門を出て寮へとメロディー嬢を送るはずだった。
その時前方から歩いてきたおばあさんが倒れるように座り込んだ。胸を押さえている。メロディー嬢が駆け寄ろうとして、兄さまはそれを止めた。
けれど、それを振り切ってメロディー嬢はおばあさんに寄り添った。
そこからはお約束のように、わらわらと人が湧いて出て、兄さまとメロディー嬢を捕獲した。
兄さまは「これは何の茶番ですか?」と尋ねた。
みんなおどおどとメロディー嬢を仰ぎ見た。
老婆が座り込んだのもメロディー嬢とアイコンタクトを取った後だったし、メロディー嬢を緩く縛ったりしていて、彼らがメロディー嬢から頼まれてこんなことをしているのはすぐにわかった。一人でみんなを捕らえることもできたが、どんな目的なのかと大人しくしていたそうだ。
メロディー嬢は「わかってしまいました?」と笑ったそうだ。
メロディー嬢の指示で兄さまは目隠しをされ、ある屋敷につれていかれた。
どういうつもりかと尋ねると1日だけ〝茶番〟に付き合ってくださいと言われた。彼女は寮に送られてきたあの手紙、あれだけは他のものと趣きが違うと思ったそうだ。そして学園に不審者が入ってきて自分の前に現れたときに、これは本気だと思った。でもそれにいつまでも怯えて暮らすのはまっぴらごめんだった。
そこで、彼女は自ら誘拐されることにした。
あの侵入者が捕らえられたことで学園内の守りは隙がないことがわかった。だからこうして誰かに誘拐されていれば今が好機と、本当の犯人が出てくるはず。つまり無防備な状態を作り出して敵を呼び寄せ、そして逆に捕らえると一計を案じた。
兄さまは茶番にのる代わりに、ひとつ条件を出した。それがエイウッド家の手を借りることだった。メロディー嬢はしぶしぶであったが承諾した。
兄さまは秘密裏にジェイお兄さんとブライに繋ぎを取った。そしてメロディー嬢の案にのったような素振りで彼女を監視した。
護衛要員であった、ジェイお兄さん、ブライ、兄さまは最初から、この護衛自体が茶番だと感じていたそうだ。もっとはっきり言えば、寮に置かれた脅迫状、彼女がこれだけは趣きが違うといったそれが、メロディー嬢の自作自演だと思っていた。不審者はそれに便乗して学園の警備体制を確かめるためのものだとも推測していた。
兄さまたちはメロディー嬢が自作自演する意味がわからなかった。それゆえ警戒していた。何か不審さを感じた場合、3人で連絡を取れるように手段を持った。まさか本当にその通信手段を使うことになるとは思ってなかったが。
3人は万全の態勢で臨むために騎士団を紛れさせて守りを固くした。護衛の話があってからエイウッド家と兄さまで話をして、何か不測の事態が起きそうなときにはと決めた約束事だった。
メロディー嬢の〝安全〟を確保しつつ、1日だけメロディー嬢を狙う者を見定めることにした。メロディー嬢の案にのったのだ。
監視していたメロディー嬢の様子が変だった。隙あらばひとりになろうとする。それは囮になろうというのとは少し違って見えた。そこで公爵令嬢の侍女につけた者に令嬢の持ち物を改めさせた。そこには〝魔剣〟と〝薬〟が入っていた。見かけだけではどんな〝魔剣〟と〝薬〟であるかはわからなかったが、メロディー嬢に何か企みがあるのは見て取れた。
兄さまたちは学生でありながら〝神官〟の位を賜っているルシオを呼び出して、メロディー嬢の意識を奪った。要するに眠らせた。
そうしておいて〝魔剣〟と〝薬〟を調べさせたところ、魔剣は血を欲する剣だった。剣の心得がなくても剣が持った者の魔力を使い血を得ようとする恐ろしいもの。護身用に持つには度が過ぎているようにも思えるが、脅迫状がきていて身の危険を感じていたのなら頷けることでもある。ただ鑑定士が首を傾げたのが、それに相反するようにその〝血〟を少量で満足させるような〝護符〟がついていたことだ。
結局どういうことかと尋ねると、剣の心得がない者でも相手に傷を負わせることのできる剣だが、致命傷までは負わせないようブロックがされているとのこと。
薬の方は毒薬だった。ただし命に別状はないように薄められたものだった。
捕らえたくはあるけれど〝命までは取りたくない〟という令嬢の優しさかと思ったが、鑑定士は言った。飲み干されていたら、薄まっていたことはわからないでしょう、と。身体の中に取り込まれたり、少量では〝濃度〟がわからない〝工夫〟がされていた、と。
兄さまたちは結論づけた。メロディー嬢は実行犯を捕まえた場合、その黒幕を吐かせるのに拷問しようと思っていて、こんなものを用意しているのではないかと。メロディー嬢の本気を感じ取り、自作自演と思っていたことを悪く思った。
そうこうしているうちに、わたしが行方不明になったという情報が飛び込んできた。教室移動中に姿が見えなくなり、寮にも、王都の家にも帰っていない。
兄さまたちはわたしの捜索をした。情報は得られなくて、わたしは学園の中で忽然と消えたように思われた。けれど、聖樹さまの護りがあり、もふさまもいるなら、園内でわたしが行方不明になるのはおかしい。ということは自身で学園から出たことが考えられる。普通に考えても、いなくなった婚約者を探しに外に出てアクシデントがあり帰れないでいると推測された。
わたしが兄さまを探すとして飛び出したなら、王都にいる。
兄さまたちは〝いつもと違う〟をキーワードに街をしらみつぶしに調べだした、そこで、ただの宿屋なのに魔法がやたらめったら注ぎ込まれている怪しい場所に目が留まる。
「メロディー嬢は、今はどこに?」
「エイウッド家にいる。ルシオと騎士団が守っているから大丈夫だ」
よかった。胸を撫で下ろす。
「ロジールナ令嬢に何かされたわけじゃないのね?」
てっきりそうだと思っていたので、思わず確かめると、
「ロジールナ?」
「令嬢?」
ジェイお兄さんとブライが揃って首を傾げる。
「なぜロジールナ令嬢が関わっていると思ったんだい?」
「だって、彼女は兄さまを監禁すると言った人よ。メロディー嬢に改心させられたようだけど、それはそういうことにしておいて、修道院へは行かず王都にいて、それで兄さまとメロディー嬢を監禁しようとしたんじゃないかって思ったのよ」
一拍の間。
「リディーは、リディーたちは、どうしてここに?」
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