394 / 823
9章 夏休みとシアター
第394話 コンサートとメッセージ(後編)
しおりを挟む
何曲か題名当てをして、会場が一体化したところで、みんなのよく知っている曲を披露した。
豊穣を喜ぶ俗歌で、知っている曲だけにみんな喜びメロディーを口ずさんだりしている。
お次は前奏曲のアレンジだ。馴染みのない曲だろうに小さな子供たちも静かに聞いてくれて、終わった時には大きな拍手をもらった。
母さまが真ん中に進み出て、お辞儀をする。
そして音に声をのせホールに響かせた。独唱だ。マイクなんてものはないのに、ホールいっぱいに声は響いた。聖歌だ。光魔法を使っているんじゃないかと思えるぐらい、なぜか力が満ちてくる気がした。
こちらも割れんばかりの拍手。
うわー、とうとうわたしの番だ。
鉄琴のある定位置に戻る前に、母さまがわたしの肩に手を乗せていく。
エールを受け取り、わたしは息を吐き出した。
ハープの音色が好きだ。天上の竪琴と愛称をつけた人は天才だと思う。まさに祈りを届けてくれそうな気がする音。
チラリとギャラリーに目を走らせれば、兄さまをみつけた。思いを込めて歌うから。
……証に あなたを守らせて
いつもあなただけが かっこよかったね
いつ会えるのかと思うと 胸が痛くなる
余韻を残して弦を押さえると、パチ、パチと間の開いた拍手が少しずつ早くなり、いつの間にか大きな音になり、長く続いた。
立ち上がり、ペコリと頭を下げる。
兄さまと目が合った。複雑な表情をしていたけれど、小さく頷いてくれた。
それからも順調に曲を奏で、コンサートは大盛況だった!
家に帰ってから、兄さまに散歩に誘われた。
もふさまは、家にいると言う。
ふたりで手を繋いで歩く。兄さまは話があるから外へと誘ったのだと思ったけど、川原についてもしばらく話さなかった。
夕方になり風は涼しくなってきたけれど、やっぱりムシムシしている。わたしは手を川の水に浸した。こうするとちょっと涼しい。
「あの弾き語りの曲、リディーが作ったってエリンが言ってたけど、そうなの?」
頷けば、
「歌詞も?」
と尋ねられた。
「そうだよ」
ちょっと、恥ずかしい。水から手を出して、手を振り水気を切る。
「リディーは、前世から……好きな人がいるの?」
「え?」
そりゃ前世で好きな人はいたけれど、それはそれ、今とは人生が違う。
「どういう意味?」
「2度と会えないって意味の歌詞だよね?」
「ああ、それね」
そういえば、最初は母さまにも心配されたんだっけ。
わたしに前の生の記憶があることを家族はみんな知っている。そのわたしが〝遠いところに行ってしまった〟とか〝いつ会えるのか〟と切なげなことを言ったから、意味深に取られたのだろう。
「あれは、物語の主人公の心情を歌にしたからそうなったの」
「物語?」
兄さまがスットンキョーな声を出した。
「でもその物語に閉じ込めたのは、置いてけぼりになりたくないわたしの想いなんだと思う」
「……リディー」
「兄さま、いつもかっこいいけど。かっこよくなくていいから、わたしを置いて行かないで」
一歩、二歩と兄さまが歩み寄ってきて、引き寄せられる。
「置いて行かない」
「絶対だよ?」
胸の中で念を押す声はくぐもっていた。
「……3日後には王都だね」
「うん。クジャク公爵さまのおかげで、こんなギリギリまで領地にいられたんだもん、感謝しなくちゃね」
「そうだね。……学園が始まったら、私は3日に一度は令嬢の護衛をすることになる。その日はリディーと会えないし守れない。学園は聖樹さまの守りが強くなっているし、主人さまが一緒だから大丈夫とは思うけど、くれぐれも気をつけて」
「うん。気をつける。それにパスポートがあるから、いざとなったら聖樹さまの空間にいつでも逃げ込めるし」
「パスポート?」
わたしはひとつ頷いて、収納ポケットから葉っぱを呼び出そうとして愕然とする。
「どうしたの?」
「せ、世界樹の葉ってなってる」
リストアップされた名称が〝世界樹の葉〟だ。
「え?」
「聖樹さまって世界樹だったんだ」
「世界樹って、天を支え、地に根を張り巡らして世界全てに通じるって言われてる? 世界樹そのものが世界なんだと説がある、あの世界樹?」
「わたしも、そう聞いたことがある」
前世で読んだ記憶かな?
でも、それが学園にあって、学園のシンボルってどういうこと?
あ、瘴気を封印している魔法陣。聖樹さまもポイントのひとつなのかもしれない。
わたしたちはそう話し合った。そうか、聖樹さま世界樹だったのか。
その葉っぱ持ってるって、なんか凄いことのような気がする。
兄さまに手を差し出される。
「あと3日、何したい?」
「1日、ううん半日でもいいからダンジョン行きたいな。もふもふ軍団がいないときに悪いけど、素材がいろいろ尽きそうだから」
一瞬、まだ終わっていない宿題のことが頭をよぎる。学園が始まる前にあの量を終わらせられるのかな?
「いいね。エリンとノエルは希少スキルを持ってるって自覚が出てきて、危機感も芽生えてきたみたいだし、今度の誕生日には秘密ごとをなくせそうだね。アオもその頃には帰ってきてるだろうし、そしたらふたりを登録してもらって、ミラーダンジョンにみんなで行こう。明日はアランとロビンと私たち、それから主人さまで行こうか」
「そうだね。生クリームと、海の階は絶対行きたい」
「ロビンが27階に行きたいって言ってた」
「27階? ああ、ロビ兄のお気に入りだもんね」
上の双子はいろいろ悩んでいたみたいだから、1日ぐらいパーっと楽しむのがいいかもしれない。
「27階も行こう! 兄さまはどの階に行きたい?」
「私はリディーと一緒にいられるなら、どこでもいいんだ」
手を少し強く握るから、わたしも握り返した。
嬉しく思いながら、ふたりで家路へと歩き出す。
学園が始まるのはちょっと不安だ。
本当のところメロディー嬢の護衛もして欲しくないし、兄さまに危険があったら嫌だ。でも兄さまが引き受けた以上、無事を祈るしかない。
やることが盛り沢山すぎるし、もふもふ軍団のことも心配だけど。不安面ばかり見ていたら何も始まらない。初めての学園祭も、楽しまなくちゃね!
その前にまだ大量に残っている宿題をなんとかしなくちゃいけないんだけど。
「どうかした?」
「うーうん、なんでもない」
今は兄さまを独り占めできる時間を楽しもう。
<9章 夏休みとシアター・完>
豊穣を喜ぶ俗歌で、知っている曲だけにみんな喜びメロディーを口ずさんだりしている。
お次は前奏曲のアレンジだ。馴染みのない曲だろうに小さな子供たちも静かに聞いてくれて、終わった時には大きな拍手をもらった。
母さまが真ん中に進み出て、お辞儀をする。
そして音に声をのせホールに響かせた。独唱だ。マイクなんてものはないのに、ホールいっぱいに声は響いた。聖歌だ。光魔法を使っているんじゃないかと思えるぐらい、なぜか力が満ちてくる気がした。
こちらも割れんばかりの拍手。
うわー、とうとうわたしの番だ。
鉄琴のある定位置に戻る前に、母さまがわたしの肩に手を乗せていく。
エールを受け取り、わたしは息を吐き出した。
ハープの音色が好きだ。天上の竪琴と愛称をつけた人は天才だと思う。まさに祈りを届けてくれそうな気がする音。
チラリとギャラリーに目を走らせれば、兄さまをみつけた。思いを込めて歌うから。
……証に あなたを守らせて
いつもあなただけが かっこよかったね
いつ会えるのかと思うと 胸が痛くなる
余韻を残して弦を押さえると、パチ、パチと間の開いた拍手が少しずつ早くなり、いつの間にか大きな音になり、長く続いた。
立ち上がり、ペコリと頭を下げる。
兄さまと目が合った。複雑な表情をしていたけれど、小さく頷いてくれた。
それからも順調に曲を奏で、コンサートは大盛況だった!
家に帰ってから、兄さまに散歩に誘われた。
もふさまは、家にいると言う。
ふたりで手を繋いで歩く。兄さまは話があるから外へと誘ったのだと思ったけど、川原についてもしばらく話さなかった。
夕方になり風は涼しくなってきたけれど、やっぱりムシムシしている。わたしは手を川の水に浸した。こうするとちょっと涼しい。
「あの弾き語りの曲、リディーが作ったってエリンが言ってたけど、そうなの?」
頷けば、
「歌詞も?」
と尋ねられた。
「そうだよ」
ちょっと、恥ずかしい。水から手を出して、手を振り水気を切る。
「リディーは、前世から……好きな人がいるの?」
「え?」
そりゃ前世で好きな人はいたけれど、それはそれ、今とは人生が違う。
「どういう意味?」
「2度と会えないって意味の歌詞だよね?」
「ああ、それね」
そういえば、最初は母さまにも心配されたんだっけ。
わたしに前の生の記憶があることを家族はみんな知っている。そのわたしが〝遠いところに行ってしまった〟とか〝いつ会えるのか〟と切なげなことを言ったから、意味深に取られたのだろう。
「あれは、物語の主人公の心情を歌にしたからそうなったの」
「物語?」
兄さまがスットンキョーな声を出した。
「でもその物語に閉じ込めたのは、置いてけぼりになりたくないわたしの想いなんだと思う」
「……リディー」
「兄さま、いつもかっこいいけど。かっこよくなくていいから、わたしを置いて行かないで」
一歩、二歩と兄さまが歩み寄ってきて、引き寄せられる。
「置いて行かない」
「絶対だよ?」
胸の中で念を押す声はくぐもっていた。
「……3日後には王都だね」
「うん。クジャク公爵さまのおかげで、こんなギリギリまで領地にいられたんだもん、感謝しなくちゃね」
「そうだね。……学園が始まったら、私は3日に一度は令嬢の護衛をすることになる。その日はリディーと会えないし守れない。学園は聖樹さまの守りが強くなっているし、主人さまが一緒だから大丈夫とは思うけど、くれぐれも気をつけて」
「うん。気をつける。それにパスポートがあるから、いざとなったら聖樹さまの空間にいつでも逃げ込めるし」
「パスポート?」
わたしはひとつ頷いて、収納ポケットから葉っぱを呼び出そうとして愕然とする。
「どうしたの?」
「せ、世界樹の葉ってなってる」
リストアップされた名称が〝世界樹の葉〟だ。
「え?」
「聖樹さまって世界樹だったんだ」
「世界樹って、天を支え、地に根を張り巡らして世界全てに通じるって言われてる? 世界樹そのものが世界なんだと説がある、あの世界樹?」
「わたしも、そう聞いたことがある」
前世で読んだ記憶かな?
でも、それが学園にあって、学園のシンボルってどういうこと?
あ、瘴気を封印している魔法陣。聖樹さまもポイントのひとつなのかもしれない。
わたしたちはそう話し合った。そうか、聖樹さま世界樹だったのか。
その葉っぱ持ってるって、なんか凄いことのような気がする。
兄さまに手を差し出される。
「あと3日、何したい?」
「1日、ううん半日でもいいからダンジョン行きたいな。もふもふ軍団がいないときに悪いけど、素材がいろいろ尽きそうだから」
一瞬、まだ終わっていない宿題のことが頭をよぎる。学園が始まる前にあの量を終わらせられるのかな?
「いいね。エリンとノエルは希少スキルを持ってるって自覚が出てきて、危機感も芽生えてきたみたいだし、今度の誕生日には秘密ごとをなくせそうだね。アオもその頃には帰ってきてるだろうし、そしたらふたりを登録してもらって、ミラーダンジョンにみんなで行こう。明日はアランとロビンと私たち、それから主人さまで行こうか」
「そうだね。生クリームと、海の階は絶対行きたい」
「ロビンが27階に行きたいって言ってた」
「27階? ああ、ロビ兄のお気に入りだもんね」
上の双子はいろいろ悩んでいたみたいだから、1日ぐらいパーっと楽しむのがいいかもしれない。
「27階も行こう! 兄さまはどの階に行きたい?」
「私はリディーと一緒にいられるなら、どこでもいいんだ」
手を少し強く握るから、わたしも握り返した。
嬉しく思いながら、ふたりで家路へと歩き出す。
学園が始まるのはちょっと不安だ。
本当のところメロディー嬢の護衛もして欲しくないし、兄さまに危険があったら嫌だ。でも兄さまが引き受けた以上、無事を祈るしかない。
やることが盛り沢山すぎるし、もふもふ軍団のことも心配だけど。不安面ばかり見ていたら何も始まらない。初めての学園祭も、楽しまなくちゃね!
その前にまだ大量に残っている宿題をなんとかしなくちゃいけないんだけど。
「どうかした?」
「うーうん、なんでもない」
今は兄さまを独り占めできる時間を楽しもう。
<9章 夏休みとシアター・完>
84
お気に入りに追加
1,239
あなたにおすすめの小説
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて
ゆうた
ファンタジー
森の国編 ヴェルトゥール王国戦記
大学2年生の誠一は、大学生活をまったりと過ごしていた。
それが何の因果か、異世界に突然、転生してしまった。
生まれも育ちも恵まれた環境の伯爵家の嫡男に転生したから、
まったりのんびりライフを楽しもうとしていた。
しかし、なぜか脳に直接、神様ぽいのから、四六時中、依頼がくる。
無視すると、身体中がキリキリと痛むし、うるさいしで、依頼をこなす。
これって異世界ブラック企業?神様の社畜的な感じ?
依頼をこなしてると、いつの間か英雄扱いで、
いろんな所から依頼がひっきりなし舞い込む。
誰かこの悪循環、何とかして!
まったりどころか、ヘロヘロな毎日!誰か助けて
転生したけど平民でした!もふもふ達と楽しく暮らす予定です。
まゆら
ファンタジー
回収が出来ていないフラグがある中、一応完結しているというツッコミどころ満載な初めて書いたファンタジー小説です。
温かい気持ちでお読み頂けたら幸い至極であります。
異世界に転生したのはいいけど悪役令嬢とかヒロインとかになれなかった私。平民でチートもないらしい‥どうやったら楽しく異世界で暮らせますか?
魔力があるかはわかりませんが何故か神様から守護獣が遣わされたようです。
平民なんですがもしかして私って聖女候補?
脳筋美女と愛猫が繰り広げる行きあたりばったりファンタジー!なのか?
常に何処かで大食いバトルが開催中!
登場人物ほぼ甘党!
ファンタジー要素薄め!?かもしれない?
母ミレディアが実は隣国出身の聖女だとわかったので、私も聖女にならないか?とお誘いがくるとか、こないとか‥
◇◇◇◇
現在、ジュビア王国とアーライ神国のお話を見やすくなるよう改稿しております。
しばらくは、桜庵のお話が中心となりますが影の薄いヒロインを忘れないで下さい!
転生もふもふのスピンオフ!
アーライ神国のお話は、国外に追放された聖女は隣国で…
母ミレディアの娘時代のお話は、婚約破棄され国外追放になった姫は最強冒険者になり転生者の嫁になり溺愛される
こちらもよろしくお願いします。
善人ぶった姉に奪われ続けてきましたが、逃げた先で溺愛されて私のスキルで領地は豊作です
しろこねこ
ファンタジー
「あなたのためを思って」という一見優しい伯爵家の姉ジュリナに虐げられている妹セリナ。醜いセリナの言うことを家族は誰も聞いてくれない。そんな中、唯一差別しない家庭教師に貴族子女にははしたないとされる魔法を教わるが、親切ぶってセリナを孤立させる姉。植物魔法に目覚めたセリナはペット?のヴィリオをともに家を出て南の辺境を目指す。
【完結】婚姻無効になったので新しい人生始めます~前世の記憶を思い出して家を出たら、愛も仕事も手に入れて幸せになりました~
Na20
恋愛
セレーナは嫁いで三年が経ってもいまだに旦那様と使用人達に受け入れられないでいた。
そんな時頭をぶつけたことで前世の記憶を思い出し、家を出ていくことを決意する。
「…そうだ、この結婚はなかったことにしよう」
※ご都合主義、ふんわり設定です
※小説家になろう様にも掲載しています
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
我儘令嬢なんて無理だったので小心者令嬢になったらみんなに甘やかされました。
たぬきち25番
恋愛
「ここはどこですか?私はだれですか?」目を覚ましたら全く知らない場所にいました。
しかも以前の私は、かなり我儘令嬢だったそうです。
そんなマイナスからのスタートですが、文句はいえません。
ずっと冷たかった周りの目が、なんだか最近優しい気がします。
というか、甘やかされてません?
これって、どういうことでしょう?
※後日談は激甘です。
激甘が苦手な方は後日談以外をお楽しみ下さい。
※小説家になろう様にも公開させて頂いております。
ただあちらは、マルチエンディングではございませんので、その関係でこちらとは、内容が大幅に異なります。ご了承下さい。
タイトルも違います。タイトル:異世界、訳アリ令嬢の恋の行方は?!~あの時、もしあなたを選ばなければ~
モブに転生したので前世の好みで選んだモブに求婚しても良いよね?
狗沙萌稚
恋愛
乙女ゲーム大好き!漫画大好き!な普通の平凡の女子大生、水野幸子はなんと大好きだった乙女ゲームの世界に転生?!
悪役令嬢だったらどうしよう〜!!
……あっ、ただのモブですか。
いや、良いんですけどね…婚約破棄とか断罪されたりとか嫌だから……。
じゃあヒロインでも悪役令嬢でもないなら
乙女ゲームのキャラとは関係無いモブ君にアタックしても良いですよね?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる