384 / 823
9章 夏休みとシアター
第384話 家族間大会議①方針
しおりを挟む
おじいさまもシヴァも驚いたようだ。
恐らく話し合いに来るのは父さまと兄さまだけだと思っていたんだろう。
わたしとアラ兄、ロビ兄も来ていることにびっくりしている。
「おじいさま!」
お約束におじいさまに抱きつく。ここぞとばかりにシヴァにもハグだ。んー落ち着く。
兄さまにチロリと見られてしまった。
「皆に話すのだな」
おじいさまが兄さまに確認をする。
「はい。迷惑をかけたくないと思い、知らせずにすめばその方がいいと思っていました。でも、私の真意が伝わることなくやっていることで誤解をされるのは嫌だと思い、アラン、ロビン、そしてリディアにも来てもらいました」
兄さまは少し緊張しているけれど、すっきりした顔をしていた。
わたしたちは玄関からサブハウスの居間へと場所を移す。そして座った。
それぞれに状況を説明しているけれど、重複するが、確認の意味でと兄さまは今回行動を起こすきっかけとなったメロディー嬢のことから話し始めた。
メロディー公爵令嬢がバイエルン侯爵子息の婚約者だったこと。
そしてメロディー嬢には自分が元婚約者だと確信を持たれていること。
メロディー嬢は誰かから脅迫を受けていて、その話が落ち着くまでは3日に一度自分は護衛につくことになってしまったこと。
それから、自分ではわからないけれど前バイエルン侯爵に自分が似てきたと言われていること。
どこにも証拠はないが、自分が前バイエルン侯爵子息だと言われ、みんなに迷惑をかけることがあるかもしれないと。
その上で、そこで問題になってくるのはバイエルン侯爵子息は罰せられる立場にあることだと問題を打ち出した。だから、前バイエルン侯爵の冤罪を晴らそうと思うこと。なるべく早く対処できるといいと思っているが、長くても2年後のわたしのデビュタントのときには何も憂ごとなくエスコートできるように整えたく、そのためにみんなの力を貸してほしいと頭を下げた。
おじいさまは冤罪のことはどこまでわかっているんだと問いかけた。
「blackが調べたところ、前バイエルン侯爵を嵌めたのは、キリアン伯爵家だそうです。賄賂を要求していたのを侯爵にみつかり裁判沙汰になりました。それを恨んでのことだと思われます」
「待て、キリアン家は伯爵だ。ましてや裁判沙汰になったのなら、誰も相手にしないはず。それなのに格上である侯爵家を嵌めることができたということは……」
「はい、もっと大物が絡んでいたと思われます。キリアン家の賄賂事件も上の者から言われてやっていたのかもしれません」
「その者を調べられるのか?」
「バイエルン家が代替わりしてから、キリアン家が親しくしている筋をblackが残らず調べています」
「どのようにするつもりなんだ? フランツが、自分が子息だと名乗り出るのか?」
「いいえ。あくまでも私は表に出ません。子息が生きていたとしても罰を受ける必要がない状態にできればいいのです」
おじいさまたちは顔を合わせた。
「では、フランツは、あくまでフランツでいいのだな?」
「はい」
兄さまはにっこり笑った。
「でもずっと前のことだよ。証拠が残ってなかったら、証明するのは難しいんじゃないの?」
アラ兄に兄さまは頷く。
「まだ調べている段階だから、なんともいえないけれどね」
「前バイエルン侯爵さまは何の罪で捕まえられたの?」
ロビ兄が尋ねた。
「国家機密を外国に漏洩したとされる罪だ」
「バイエルン家は代替わりして続いているんだよね?」
アラ兄が首を傾げる。
「ああ。機密漏洩に対して取り潰されていないなんて、不思議だろう?」
え? ええ? どういうこと?
もふもふ軍団がリュックから飛び出して、言葉が通じるようになる魔具に触れてからテーブルの上に乗ってきた。アオ、君は魔具に触らなくても言葉は通じてるから大丈夫なのに。
「何で取り潰されてないと不思議なんでち?」
アオが兄さまに尋ねる。
「国に対する機密漏洩や反逆は、一族残らず処刑となるぐらい重い罪だからだ」
反逆はわかるけど、機密漏洩もそうなんだ……。
じゃあ、子息が生きていたら受ける罰って?
わたしは強制労働とか?って考えていたんだけど、幽閉でもすまなくて死刑もあり得るってこと?
兄さまがふとわたしの方を見て、テーブルに乗せていた手に、手を重ねる。
「リディーが心配するようなことは起こらないから大丈夫。私は大丈夫だから」
もふもふ軍団がわたしを見上げ、わたしに集まってくる。
「大丈夫か、リディー? 辛いのなら自分の部屋に戻りなさい」
父さまにピシッと言われる。
「大丈夫です」
兄さまはわたしの手をトントンと叩いた。
もふさまが床からジャンプしてわたしの膝の上に乗ってくる。
「……機密が漏洩して、漏らしたのが前バイエルン侯爵だって、どうしてわかったの?」
アラ兄が再び尋ねた。
「前バイエルン侯爵は、エレブ共和国に土地を持っていたんだ。グレーン(ぶどう)農場を。そのグレーンのほとんどはグレーン酒となって売られていた。割と大きな額で収入となっていたようだ。その農場が情報を受け渡す場所の隠れ蓑と断定された」
「エレブ共和国、あそこも7年ぐらい前からきな臭い話が聞こえるようになったところだな」
おじいさまが天井を仰ぐ。
「はい、そうらしいです。侯爵が土地を買った時は、そんなことはなかったようですが」
兄さまは誰に気を使ってか、〝父上〟とは呼ばず始終〝侯爵〟と距離をとった呼び方を貫いた。
共和国となるまでいろいろあったらしいその国では、現在も首都で絶えず戦いが起こっているそうだ。いわば戦いに慣れている者たち。その中には武装集団がいるそうで、彼らは対価により、他国の争い事にも手を貸すことがあるらしい。世界議会はそれを良しとせず、その集団を捕らえる、潰すことも一つの責務だそうだ。
その武装集団の話し合いの場がグレーン農場で、彼らの残していったもののひとつにユオブリアの地図の切れ端があったそうだ。
1年生の3学期に習うことだそうだけど、わたしが今までに目にしてきた書物にある地図は嘘っぱちが多いらしい。それは外国から簡単に攻められないようにするため。簡略化したものしかない。人々は自分の地図に経験を書き込んでいき地図の精度をあげる方式をとる。特に国全体を記したような地図は機密とされるもので、その切れ端は王室にしかないような精度の高いものだったそうだ。
恐らく話し合いに来るのは父さまと兄さまだけだと思っていたんだろう。
わたしとアラ兄、ロビ兄も来ていることにびっくりしている。
「おじいさま!」
お約束におじいさまに抱きつく。ここぞとばかりにシヴァにもハグだ。んー落ち着く。
兄さまにチロリと見られてしまった。
「皆に話すのだな」
おじいさまが兄さまに確認をする。
「はい。迷惑をかけたくないと思い、知らせずにすめばその方がいいと思っていました。でも、私の真意が伝わることなくやっていることで誤解をされるのは嫌だと思い、アラン、ロビン、そしてリディアにも来てもらいました」
兄さまは少し緊張しているけれど、すっきりした顔をしていた。
わたしたちは玄関からサブハウスの居間へと場所を移す。そして座った。
それぞれに状況を説明しているけれど、重複するが、確認の意味でと兄さまは今回行動を起こすきっかけとなったメロディー嬢のことから話し始めた。
メロディー公爵令嬢がバイエルン侯爵子息の婚約者だったこと。
そしてメロディー嬢には自分が元婚約者だと確信を持たれていること。
メロディー嬢は誰かから脅迫を受けていて、その話が落ち着くまでは3日に一度自分は護衛につくことになってしまったこと。
それから、自分ではわからないけれど前バイエルン侯爵に自分が似てきたと言われていること。
どこにも証拠はないが、自分が前バイエルン侯爵子息だと言われ、みんなに迷惑をかけることがあるかもしれないと。
その上で、そこで問題になってくるのはバイエルン侯爵子息は罰せられる立場にあることだと問題を打ち出した。だから、前バイエルン侯爵の冤罪を晴らそうと思うこと。なるべく早く対処できるといいと思っているが、長くても2年後のわたしのデビュタントのときには何も憂ごとなくエスコートできるように整えたく、そのためにみんなの力を貸してほしいと頭を下げた。
おじいさまは冤罪のことはどこまでわかっているんだと問いかけた。
「blackが調べたところ、前バイエルン侯爵を嵌めたのは、キリアン伯爵家だそうです。賄賂を要求していたのを侯爵にみつかり裁判沙汰になりました。それを恨んでのことだと思われます」
「待て、キリアン家は伯爵だ。ましてや裁判沙汰になったのなら、誰も相手にしないはず。それなのに格上である侯爵家を嵌めることができたということは……」
「はい、もっと大物が絡んでいたと思われます。キリアン家の賄賂事件も上の者から言われてやっていたのかもしれません」
「その者を調べられるのか?」
「バイエルン家が代替わりしてから、キリアン家が親しくしている筋をblackが残らず調べています」
「どのようにするつもりなんだ? フランツが、自分が子息だと名乗り出るのか?」
「いいえ。あくまでも私は表に出ません。子息が生きていたとしても罰を受ける必要がない状態にできればいいのです」
おじいさまたちは顔を合わせた。
「では、フランツは、あくまでフランツでいいのだな?」
「はい」
兄さまはにっこり笑った。
「でもずっと前のことだよ。証拠が残ってなかったら、証明するのは難しいんじゃないの?」
アラ兄に兄さまは頷く。
「まだ調べている段階だから、なんともいえないけれどね」
「前バイエルン侯爵さまは何の罪で捕まえられたの?」
ロビ兄が尋ねた。
「国家機密を外国に漏洩したとされる罪だ」
「バイエルン家は代替わりして続いているんだよね?」
アラ兄が首を傾げる。
「ああ。機密漏洩に対して取り潰されていないなんて、不思議だろう?」
え? ええ? どういうこと?
もふもふ軍団がリュックから飛び出して、言葉が通じるようになる魔具に触れてからテーブルの上に乗ってきた。アオ、君は魔具に触らなくても言葉は通じてるから大丈夫なのに。
「何で取り潰されてないと不思議なんでち?」
アオが兄さまに尋ねる。
「国に対する機密漏洩や反逆は、一族残らず処刑となるぐらい重い罪だからだ」
反逆はわかるけど、機密漏洩もそうなんだ……。
じゃあ、子息が生きていたら受ける罰って?
わたしは強制労働とか?って考えていたんだけど、幽閉でもすまなくて死刑もあり得るってこと?
兄さまがふとわたしの方を見て、テーブルに乗せていた手に、手を重ねる。
「リディーが心配するようなことは起こらないから大丈夫。私は大丈夫だから」
もふもふ軍団がわたしを見上げ、わたしに集まってくる。
「大丈夫か、リディー? 辛いのなら自分の部屋に戻りなさい」
父さまにピシッと言われる。
「大丈夫です」
兄さまはわたしの手をトントンと叩いた。
もふさまが床からジャンプしてわたしの膝の上に乗ってくる。
「……機密が漏洩して、漏らしたのが前バイエルン侯爵だって、どうしてわかったの?」
アラ兄が再び尋ねた。
「前バイエルン侯爵は、エレブ共和国に土地を持っていたんだ。グレーン(ぶどう)農場を。そのグレーンのほとんどはグレーン酒となって売られていた。割と大きな額で収入となっていたようだ。その農場が情報を受け渡す場所の隠れ蓑と断定された」
「エレブ共和国、あそこも7年ぐらい前からきな臭い話が聞こえるようになったところだな」
おじいさまが天井を仰ぐ。
「はい、そうらしいです。侯爵が土地を買った時は、そんなことはなかったようですが」
兄さまは誰に気を使ってか、〝父上〟とは呼ばず始終〝侯爵〟と距離をとった呼び方を貫いた。
共和国となるまでいろいろあったらしいその国では、現在も首都で絶えず戦いが起こっているそうだ。いわば戦いに慣れている者たち。その中には武装集団がいるそうで、彼らは対価により、他国の争い事にも手を貸すことがあるらしい。世界議会はそれを良しとせず、その集団を捕らえる、潰すことも一つの責務だそうだ。
その武装集団の話し合いの場がグレーン農場で、彼らの残していったもののひとつにユオブリアの地図の切れ端があったそうだ。
1年生の3学期に習うことだそうだけど、わたしが今までに目にしてきた書物にある地図は嘘っぱちが多いらしい。それは外国から簡単に攻められないようにするため。簡略化したものしかない。人々は自分の地図に経験を書き込んでいき地図の精度をあげる方式をとる。特に国全体を記したような地図は機密とされるもので、その切れ端は王室にしかないような精度の高いものだったそうだ。
84
お気に入りに追加
1,239
あなたにおすすめの小説
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて
ゆうた
ファンタジー
森の国編 ヴェルトゥール王国戦記
大学2年生の誠一は、大学生活をまったりと過ごしていた。
それが何の因果か、異世界に突然、転生してしまった。
生まれも育ちも恵まれた環境の伯爵家の嫡男に転生したから、
まったりのんびりライフを楽しもうとしていた。
しかし、なぜか脳に直接、神様ぽいのから、四六時中、依頼がくる。
無視すると、身体中がキリキリと痛むし、うるさいしで、依頼をこなす。
これって異世界ブラック企業?神様の社畜的な感じ?
依頼をこなしてると、いつの間か英雄扱いで、
いろんな所から依頼がひっきりなし舞い込む。
誰かこの悪循環、何とかして!
まったりどころか、ヘロヘロな毎日!誰か助けて
転生したけど平民でした!もふもふ達と楽しく暮らす予定です。
まゆら
ファンタジー
回収が出来ていないフラグがある中、一応完結しているというツッコミどころ満載な初めて書いたファンタジー小説です。
温かい気持ちでお読み頂けたら幸い至極であります。
異世界に転生したのはいいけど悪役令嬢とかヒロインとかになれなかった私。平民でチートもないらしい‥どうやったら楽しく異世界で暮らせますか?
魔力があるかはわかりませんが何故か神様から守護獣が遣わされたようです。
平民なんですがもしかして私って聖女候補?
脳筋美女と愛猫が繰り広げる行きあたりばったりファンタジー!なのか?
常に何処かで大食いバトルが開催中!
登場人物ほぼ甘党!
ファンタジー要素薄め!?かもしれない?
母ミレディアが実は隣国出身の聖女だとわかったので、私も聖女にならないか?とお誘いがくるとか、こないとか‥
◇◇◇◇
現在、ジュビア王国とアーライ神国のお話を見やすくなるよう改稿しております。
しばらくは、桜庵のお話が中心となりますが影の薄いヒロインを忘れないで下さい!
転生もふもふのスピンオフ!
アーライ神国のお話は、国外に追放された聖女は隣国で…
母ミレディアの娘時代のお話は、婚約破棄され国外追放になった姫は最強冒険者になり転生者の嫁になり溺愛される
こちらもよろしくお願いします。
善人ぶった姉に奪われ続けてきましたが、逃げた先で溺愛されて私のスキルで領地は豊作です
しろこねこ
ファンタジー
「あなたのためを思って」という一見優しい伯爵家の姉ジュリナに虐げられている妹セリナ。醜いセリナの言うことを家族は誰も聞いてくれない。そんな中、唯一差別しない家庭教師に貴族子女にははしたないとされる魔法を教わるが、親切ぶってセリナを孤立させる姉。植物魔法に目覚めたセリナはペット?のヴィリオをともに家を出て南の辺境を目指す。
幼女エルフの自由旅
たまち。
ファンタジー
突然見知らぬ土地にいた私、生駒 縁-イコマ ユカリ-
どうやら地球とは違う星にある地は身体に合わず、数日待たずして死んでしまった
自称神が言うにはエルフに生まれ変えてくれるらしいが……
私の本当の記憶って?
ちょっと言ってる意味が分からないんですけど
次々と湧いて出てくる問題をちょっぴり……だいぶ思考回路のズレた幼女エルフが何となく捌いていく
※題名、内容紹介変更しました
《旧題:エルフの虹人はGの価値を求む》
※文章修正しています。
【完結】婚姻無効になったので新しい人生始めます~前世の記憶を思い出して家を出たら、愛も仕事も手に入れて幸せになりました~
Na20
恋愛
セレーナは嫁いで三年が経ってもいまだに旦那様と使用人達に受け入れられないでいた。
そんな時頭をぶつけたことで前世の記憶を思い出し、家を出ていくことを決意する。
「…そうだ、この結婚はなかったことにしよう」
※ご都合主義、ふんわり設定です
※小説家になろう様にも掲載しています
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
我儘令嬢なんて無理だったので小心者令嬢になったらみんなに甘やかされました。
たぬきち25番
恋愛
「ここはどこですか?私はだれですか?」目を覚ましたら全く知らない場所にいました。
しかも以前の私は、かなり我儘令嬢だったそうです。
そんなマイナスからのスタートですが、文句はいえません。
ずっと冷たかった周りの目が、なんだか最近優しい気がします。
というか、甘やかされてません?
これって、どういうことでしょう?
※後日談は激甘です。
激甘が苦手な方は後日談以外をお楽しみ下さい。
※小説家になろう様にも公開させて頂いております。
ただあちらは、マルチエンディングではございませんので、その関係でこちらとは、内容が大幅に異なります。ご了承下さい。
タイトルも違います。タイトル:異世界、訳アリ令嬢の恋の行方は?!~あの時、もしあなたを選ばなければ~
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる