311 / 823
7章 闘います、勝ち取るまでは
第311話 聖女候補誘拐事件⑪「聖女ではなかった」
しおりを挟む
街中はなかなか賑わってるけど、さほど大きな街ではない。
宿も普通な感じ。宿にはお風呂があるだろうことが魅力だ。けど泊まるのに子供たちだけじゃ目立つか……。
教会の様子を見に行こう。大きな街じゃないと神殿がないのは外国も同じなようだ。
教会前には人だかりができていた。
同じような白っぽい上下の服の人たち。
《神官さま、聖女候補さまが拐われたと聞きました。どうしてそんな恐ろしいことが……》
《人類の希望を拐うなんて世の末だ》
《これは神から見放されたということなのでしょうか?》
《もう10日以上行方がわからないとか。天に召されているかもしれません》
神官っぽい服を着た人が、慈悲深い笑みを浮かべる。
《皆さん、静粛に。神が人類を見捨てることはありません。拐われ戻らないなら、それも神の思し召し、聖女候補ではなかったのです》
!
《ですから、嘆くことはありません。聖女でもないのに祭り上げられているから、神がその命をつまみ取ったのでしょう。偽りの魂は神の怒りに触れた……》
やけにエラの張った神官は哀愁を浮かべて胸に手を置いた。
何それ!? 本気で言ってんの? それが神官の言うこと? 神官の考えなの?
わたしは踵を返した。
わたしは最初、神殿にいい感情を持っていなかった。力あるものを囲むと言うような話を聞いていたからだ。
でも神官長の子息であるルシオと話すようになり、その考えは変わった。
未来はどうなるか誰にもわからないのに、アイリス嬢を聖女候補と神殿が認めることで、彼女を不幸にするんじゃないかとルシオが危惧していたからだ。
けれど始めてしまった以上、全ての人が幸せでいられるようないい案がないなら、今のことを続けて、せめて聖女候補が幸せであるよう手伝うしかないという考えを聞いた時に、神殿に対する印象が変わった。
聖女候補の〝おつとめ〟って大変なことだとルシオから聞いたことがある。
保護してもらう代わりに、アイリス嬢はおつとめをしてきたはずだ。ユーハン嬢も、きっとそうだろう。
神官から、聖女候補になる条件をクリアしていると認められたばっかりに。
彼女たちは自分の役目を果たしてきた。その彼女たちが、自分たちの意思に関係なく拐われたのに、聖女候補じゃなかったから拐われたですって? それにもう死んでるって言いたそうだ。
神が誘拐に手を貸したと言いたいの? 神の思し召しだと?
酷い、酷すぎる!
テントに帰るとふたりに出迎えられた。
「どうしましたの?」
「リディアさま、泣いてますの?」
「何があったんです?」
「この街に寄るのはやめましょう」
わたしは少し背伸びをしてふたりに抱きついた。
「シュタイン嬢……」
「リディアさま……」
「何がありましたの?」
「何もない。けど、情報は得られなかった。ごめん」
「嘘ですわね」
「嘘じゃないよ」
「なら、教会に行きましょう」
「ダメ!」
「あら、なぜ?」
「……わたし神殿は聖女候補の味方って言ったけど、ここ外国だからよくわからないでしょ。……それから、聖女の力を使う時、証がないと生命を削るとか言ってたじゃない? 誘拐犯たちは。全部信じるわけじゃないけど、それ、帰ったらメリヤス先生にでも聞くべきだと思う。確かめたほうが絶対いい」
「教会で何か聞いたのね?」
「な、何を?」
笑い飛ばそうとして失敗する。
「あなたが急に意見を変えるなんて、それぐらいしか理由はないじゃない?」
「そんなんじゃない……」
「リディアさま、頭のよくないあたしだってわかりますよ」
……………………。
結局、わたしは聞いたことを話してしまった。
ユーハン嬢は指でわたしの目の下を拭う。
「こんなこと、傷つくことではなくてよ?」
アイリス嬢も苦笑している。
ふたりは衝撃を受けてない?
「聖女に本当になるかわからない、聖女になる可能性があるという存在なだけ。それは私たちが一番わかっていますけれど、そうはっきり言ってくる方もいらっしゃいますのよ? 聖女さまと崇めてくる方々もいらっしゃるけど、同じ数だけ蔑む方々もおります。そんなことにいちいち傷ついていたら生きていられませんわ」
そんなぁ。
「ありがとう、私たちのために傷ついてくれて」
「ありがとう、リディアさま。リディアさまのように思ってくれる方もいるから、あたしたち立っていられるんです」
ふたりは辛い思いもいっぱいしてきたんだね。そして乗り越えてきたんだ。
「それにしてもシュタイン嬢は少し濁った水に慣れるべきですわ。そんな澄み切った瞳をしていたら、これから貴族社会を生きていくのがお辛いわ」
「あたしも、そう思います。でもどうしてかしら、同時に、リディアさまには澄み切ったままでいて欲しいとも思うわ」
「初めて気が合ったわね、カートライト嬢」
「ユーハン嬢は、もう少しいつも言葉を選ぶべきですわ」
アイリス嬢とユーハン嬢の言い合いになっていて、そんなふたりが頼もしくてわたしは笑った。笑ってしまった。
「でも、それにしてもその神官はいい度胸ですわ」
「本当に。そこまで露骨だと、怪しいですね」
「怪しい?」
「ええ、まるで聖女候補が帰らないと知っている、みたいですわ」
帰らないと知っている?
わたしたちは同時に人差し指を突き出していた。
「「「黒幕」」」
誘拐犯2が黒幕と繋がり指示を受けていた。その間に砦を長く開けていたような様子はなかった。ということは、買い物の時についでに聞いてくるとか、黒幕かその仲間が近くにいるはずだ。
「黒幕がいるなら、ご挨拶しなくちゃですわね」
アイリス嬢がニヤッと笑った。
「そうですわね。黒幕だって暴露して差し上げないと」
「ええ? でも黒幕かどうかは、はっきりとはわからないよね?」
「絶対、黒幕よ。黒幕じゃないとしても仲間だわ。あなた顔覚えているわね?」
まぁ、えらくエラが張ってたから見分けはつくと思うけど。
「シュタイン嬢、私たちも街の人に気づかれないようにして、中に入れます?」
「わたしに抱きついて貰えば大丈夫だと思う。でもわたしたちを知っている人には効きにくいし、意思の強い人が絶対ここにいると思いながら見たら、見えてしまうの」
「なるほどね、それ使えるわ。きっと誘拐犯2はまたここに来て、その神官に接触するでしょう。そこを押さえたら、黒幕確定でしてよ」
「確定したらどうするの?」
「そうですわね……。あなたが誘拐を命令した人ですね、なんでも言うことを聞くから殺さないでと足にすがりつくのはどうかしら? もちろんたくさんの人が見ている前でね。休息日ならミサをやるはずだわ、絶対に。そこで正体を暴いてやるのよ」
「子供の戯言にされるんじゃない?」
「大丈夫、私たちにはカートライト嬢がいるわ。カートライト嬢の桃色の髪は有名だし、そうそうその色の方はいないもの。だからこそ聖女の再来だと騒がれた」
「え、でも」
「女の涙は高くつくことを教えて差し上げないとね」
涙って……、ふたりはわたしが泣いたから?
だから、その仕返しをしようとしているの?
宿も普通な感じ。宿にはお風呂があるだろうことが魅力だ。けど泊まるのに子供たちだけじゃ目立つか……。
教会の様子を見に行こう。大きな街じゃないと神殿がないのは外国も同じなようだ。
教会前には人だかりができていた。
同じような白っぽい上下の服の人たち。
《神官さま、聖女候補さまが拐われたと聞きました。どうしてそんな恐ろしいことが……》
《人類の希望を拐うなんて世の末だ》
《これは神から見放されたということなのでしょうか?》
《もう10日以上行方がわからないとか。天に召されているかもしれません》
神官っぽい服を着た人が、慈悲深い笑みを浮かべる。
《皆さん、静粛に。神が人類を見捨てることはありません。拐われ戻らないなら、それも神の思し召し、聖女候補ではなかったのです》
!
《ですから、嘆くことはありません。聖女でもないのに祭り上げられているから、神がその命をつまみ取ったのでしょう。偽りの魂は神の怒りに触れた……》
やけにエラの張った神官は哀愁を浮かべて胸に手を置いた。
何それ!? 本気で言ってんの? それが神官の言うこと? 神官の考えなの?
わたしは踵を返した。
わたしは最初、神殿にいい感情を持っていなかった。力あるものを囲むと言うような話を聞いていたからだ。
でも神官長の子息であるルシオと話すようになり、その考えは変わった。
未来はどうなるか誰にもわからないのに、アイリス嬢を聖女候補と神殿が認めることで、彼女を不幸にするんじゃないかとルシオが危惧していたからだ。
けれど始めてしまった以上、全ての人が幸せでいられるようないい案がないなら、今のことを続けて、せめて聖女候補が幸せであるよう手伝うしかないという考えを聞いた時に、神殿に対する印象が変わった。
聖女候補の〝おつとめ〟って大変なことだとルシオから聞いたことがある。
保護してもらう代わりに、アイリス嬢はおつとめをしてきたはずだ。ユーハン嬢も、きっとそうだろう。
神官から、聖女候補になる条件をクリアしていると認められたばっかりに。
彼女たちは自分の役目を果たしてきた。その彼女たちが、自分たちの意思に関係なく拐われたのに、聖女候補じゃなかったから拐われたですって? それにもう死んでるって言いたそうだ。
神が誘拐に手を貸したと言いたいの? 神の思し召しだと?
酷い、酷すぎる!
テントに帰るとふたりに出迎えられた。
「どうしましたの?」
「リディアさま、泣いてますの?」
「何があったんです?」
「この街に寄るのはやめましょう」
わたしは少し背伸びをしてふたりに抱きついた。
「シュタイン嬢……」
「リディアさま……」
「何がありましたの?」
「何もない。けど、情報は得られなかった。ごめん」
「嘘ですわね」
「嘘じゃないよ」
「なら、教会に行きましょう」
「ダメ!」
「あら、なぜ?」
「……わたし神殿は聖女候補の味方って言ったけど、ここ外国だからよくわからないでしょ。……それから、聖女の力を使う時、証がないと生命を削るとか言ってたじゃない? 誘拐犯たちは。全部信じるわけじゃないけど、それ、帰ったらメリヤス先生にでも聞くべきだと思う。確かめたほうが絶対いい」
「教会で何か聞いたのね?」
「な、何を?」
笑い飛ばそうとして失敗する。
「あなたが急に意見を変えるなんて、それぐらいしか理由はないじゃない?」
「そんなんじゃない……」
「リディアさま、頭のよくないあたしだってわかりますよ」
……………………。
結局、わたしは聞いたことを話してしまった。
ユーハン嬢は指でわたしの目の下を拭う。
「こんなこと、傷つくことではなくてよ?」
アイリス嬢も苦笑している。
ふたりは衝撃を受けてない?
「聖女に本当になるかわからない、聖女になる可能性があるという存在なだけ。それは私たちが一番わかっていますけれど、そうはっきり言ってくる方もいらっしゃいますのよ? 聖女さまと崇めてくる方々もいらっしゃるけど、同じ数だけ蔑む方々もおります。そんなことにいちいち傷ついていたら生きていられませんわ」
そんなぁ。
「ありがとう、私たちのために傷ついてくれて」
「ありがとう、リディアさま。リディアさまのように思ってくれる方もいるから、あたしたち立っていられるんです」
ふたりは辛い思いもいっぱいしてきたんだね。そして乗り越えてきたんだ。
「それにしてもシュタイン嬢は少し濁った水に慣れるべきですわ。そんな澄み切った瞳をしていたら、これから貴族社会を生きていくのがお辛いわ」
「あたしも、そう思います。でもどうしてかしら、同時に、リディアさまには澄み切ったままでいて欲しいとも思うわ」
「初めて気が合ったわね、カートライト嬢」
「ユーハン嬢は、もう少しいつも言葉を選ぶべきですわ」
アイリス嬢とユーハン嬢の言い合いになっていて、そんなふたりが頼もしくてわたしは笑った。笑ってしまった。
「でも、それにしてもその神官はいい度胸ですわ」
「本当に。そこまで露骨だと、怪しいですね」
「怪しい?」
「ええ、まるで聖女候補が帰らないと知っている、みたいですわ」
帰らないと知っている?
わたしたちは同時に人差し指を突き出していた。
「「「黒幕」」」
誘拐犯2が黒幕と繋がり指示を受けていた。その間に砦を長く開けていたような様子はなかった。ということは、買い物の時についでに聞いてくるとか、黒幕かその仲間が近くにいるはずだ。
「黒幕がいるなら、ご挨拶しなくちゃですわね」
アイリス嬢がニヤッと笑った。
「そうですわね。黒幕だって暴露して差し上げないと」
「ええ? でも黒幕かどうかは、はっきりとはわからないよね?」
「絶対、黒幕よ。黒幕じゃないとしても仲間だわ。あなた顔覚えているわね?」
まぁ、えらくエラが張ってたから見分けはつくと思うけど。
「シュタイン嬢、私たちも街の人に気づかれないようにして、中に入れます?」
「わたしに抱きついて貰えば大丈夫だと思う。でもわたしたちを知っている人には効きにくいし、意思の強い人が絶対ここにいると思いながら見たら、見えてしまうの」
「なるほどね、それ使えるわ。きっと誘拐犯2はまたここに来て、その神官に接触するでしょう。そこを押さえたら、黒幕確定でしてよ」
「確定したらどうするの?」
「そうですわね……。あなたが誘拐を命令した人ですね、なんでも言うことを聞くから殺さないでと足にすがりつくのはどうかしら? もちろんたくさんの人が見ている前でね。休息日ならミサをやるはずだわ、絶対に。そこで正体を暴いてやるのよ」
「子供の戯言にされるんじゃない?」
「大丈夫、私たちにはカートライト嬢がいるわ。カートライト嬢の桃色の髪は有名だし、そうそうその色の方はいないもの。だからこそ聖女の再来だと騒がれた」
「え、でも」
「女の涙は高くつくことを教えて差し上げないとね」
涙って……、ふたりはわたしが泣いたから?
だから、その仕返しをしようとしているの?
115
お気に入りに追加
1,239
あなたにおすすめの小説
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
転生したけど平民でした!もふもふ達と楽しく暮らす予定です。
まゆら
ファンタジー
回収が出来ていないフラグがある中、一応完結しているというツッコミどころ満載な初めて書いたファンタジー小説です。
温かい気持ちでお読み頂けたら幸い至極であります。
異世界に転生したのはいいけど悪役令嬢とかヒロインとかになれなかった私。平民でチートもないらしい‥どうやったら楽しく異世界で暮らせますか?
魔力があるかはわかりませんが何故か神様から守護獣が遣わされたようです。
平民なんですがもしかして私って聖女候補?
脳筋美女と愛猫が繰り広げる行きあたりばったりファンタジー!なのか?
常に何処かで大食いバトルが開催中!
登場人物ほぼ甘党!
ファンタジー要素薄め!?かもしれない?
母ミレディアが実は隣国出身の聖女だとわかったので、私も聖女にならないか?とお誘いがくるとか、こないとか‥
◇◇◇◇
現在、ジュビア王国とアーライ神国のお話を見やすくなるよう改稿しております。
しばらくは、桜庵のお話が中心となりますが影の薄いヒロインを忘れないで下さい!
転生もふもふのスピンオフ!
アーライ神国のお話は、国外に追放された聖女は隣国で…
母ミレディアの娘時代のお話は、婚約破棄され国外追放になった姫は最強冒険者になり転生者の嫁になり溺愛される
こちらもよろしくお願いします。
【完結】婚姻無効になったので新しい人生始めます~前世の記憶を思い出して家を出たら、愛も仕事も手に入れて幸せになりました~
Na20
恋愛
セレーナは嫁いで三年が経ってもいまだに旦那様と使用人達に受け入れられないでいた。
そんな時頭をぶつけたことで前世の記憶を思い出し、家を出ていくことを決意する。
「…そうだ、この結婚はなかったことにしよう」
※ご都合主義、ふんわり設定です
※小説家になろう様にも掲載しています
一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?
たまご
ファンタジー
アラサーの相田つかさは事故により命を落とす。
最期の瞬間に頭に浮かんだのが「猫達のごはん、これからどうしよう……」だったせいか、飼っていた8匹の猫と共に異世界転生をしてしまう。
だが、つかさが目を覚ます前に女神様からとんでもチートを授かった猫達は新しい世界へと自由に飛び出して行ってしまう。
女神様に泣きつかれ、つかさは猫達を回収するために旅に出た。
猫達が、世界を滅ぼしてしまう前に!!
「私はスローライフ希望なんですけど……」
この作品は「小説家になろう」さん、「エブリスタ」さんで完結済みです。
表紙の写真は、モデルになったうちの猫様です。
今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。
柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。
詰んでる。
そう悟った主人公10歳。
主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど…
何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど…
なろうにも掲載しております。
母の中で私の価値はゼロのまま、家の恥にしかならないと養子に出され、それを鵜呑みにした父に縁を切られたおかげで幸せになれました
珠宮さくら
恋愛
伯爵家に生まれたケイトリン・オールドリッチ。跡継ぎの兄と母に似ている妹。その2人が何をしても母は怒ることをしなかった。
なのに母に似ていないという理由で、ケイトリンは理不尽な目にあい続けていた。そんな日々に嫌気がさしたケイトリンは、兄妹を超えるために頑張るようになっていくのだが……。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
チートな親から生まれたのは「規格外」でした
真那月 凜
ファンタジー
転生者でチートな母と、王族として生まれた過去を神によって抹消された父を持つシア。幼い頃よりこの世界では聞かない力を操り、わずか数年とはいえ前世の記憶にも助けられながら、周りのいう「規格外」の道を突き進む。そんなシアが双子の弟妹ルークとシャノンと共に冒険の旅に出て…
これは【ある日突然『異世界を発展させて』と頼まれました】の主人公の子供達が少し大きくなってからのお話ですが、前作を読んでいなくても楽しめる作品にしているつもりです…
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
2024/7/26 95.静かな場所へ、97.寿命 を少し修正してます
時々さかのぼって部分修正することがあります
誤字脱字の報告大歓迎です(かなり多いかと…)
感想としての掲載が不要の場合はその旨記載いただけると助かります
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる