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6章 楽しい学園生活のハズ
第241話 図書室
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「では、委員長のふたりは前に来てくれ。初仕事だ。他の委員を決めてほしい」
仕方なく前に出れば、イシュメルに睨まれる。
「まずは、挨拶だな」
先生に促されて、イシュメルは教卓にバンと手を置いた。近くの子とおしゃべりしていた生徒たちが一斉にイシュメルを見た。
「イシュメルだ。馴れ合うつもりはない。クラス代表なんていう面倒ごとを引き受けるんだ、お前ら協力しろよ」
教室内がシーンとした。
先生がパン、パンとゆっくり手を叩き、拍手かと思いあたりみんなが真似した。
この空気の中、何を言えと?
「リディア・シュタインです。副委員になってしまったようです。よろしくお願いします」
わたしは〝副委員〟を少しだけ強調しておいた。この上、委員長だなんて勘弁して欲しいからね。
イシュメルからは忌々しげに睨まれたけれど、慣れてきたかも。だってずっと睨まれているもん。
先生から紙を渡される。決める委員が書き出されていた。
黒板に委員名を書いていくことにする。
・風紀委員 2名
・図書委員 2名
・保健委員 1名
・体育委員 1名
・文化委員 1名
先生が委員会の活動について簡単に触れる。
風紀委員は、園内の風紀に携わることを統括する。
図書委員は、図書室の係りを請け負うみたいだ。
保健委員は、養護教員の補佐をするようだ。
体育委員は、体育系のクラブ活動を統括する。
文化委員は、文化系クラブの活動を統括する。
ひととおり説明が終わると、イシュメルが尋ねる。
「立候補はいるか?」
手をあげたのはダリアだった。保健委員への名乗りだった。
「他にいないか?」
イシュメルが見渡す。
「決定だ。名前は?」
「ダリアです」
わたしは保健委員の後にダリアの名前を書いた。
みんなで拍手する。
本が好きだという理由で、メランとジニーの女子ふたりが図書委員になった。ふたりは席が隣合わせになったことから仲良くなったみたいだ。
図書委員のところにふたりの名前を書く。
体育委員はリキという体格のいい男の子が名乗りをあげた。運動部に属するつもりだからいいかと思ったそうだ。
そういうことならと、文化部に入ろうと思っていたヒックという男の子がなってくれた。残りは風紀委員の2名だ。
「立候補はいなさそうだな。推薦はどうだ?」
イシュメルがみんなを見渡す。
わたしは手を挙げた。
イシュメルがうさんくそうにみながら、発言を促す。
「先ほどお名前が挙がったアイデラさんとボビーさんはいかがでしょうか?」
「あ、それいいかもね」
どこからか賛同の声があがる。
「アイデラ、ボビー、どうだ?」
イシュメルが尋ねる。
「イシュメルがどうしても私にやって欲しいというならやるけど」
「誰が……」
わたしは隣のイシュメルを肘でついた。
すごい形相で見られたが、顎で言ってやれとけしかけてみる。通じるかはわからなかったが。
さらにすごい顔をする。
「長引かせたいの?」
小さい声で脅す。苦虫を噛み潰したような顔だ。
「ひ……引き受けてくれるとありがたいんだが」
「それなら、やります!」
アイデラが嬉しそうに言った。
わたしはアイデラの名前を書いた。
「ボビーは?」
「……そうですね、シュタインさんがどうしてもやってくれと頭を下げるならやってもいいですよ」
ふん、何さそれくらい。
プライドというのは使いどころを間違えると大変イタイことになるが、物事には優先順位というものがあり、わたしは今この議題が早急に片付くことを望んでいる。
わたしは胸の前でわざとらしく手を組む。
「風紀委員は、生徒を諌めたりすることもあると思うので、冷静さのあるボビーさんが適任だと思います。ぜひ、お願いします」
と頭を下げた。3秒数える。顔をあげればみんな口を開けて驚いていた。
まぁ、貴族令嬢が深く頭を下げる場面なんて、そうそうぶち当たらないだろうからね。
「……承知しました」
「ありがとうございます」
オスカーの名前を黒板に書く。
みんなで拍手だ。
「来週の半ばに初の委員会がある。出席するように。ずいぶん早くに決まったな。Dクラスは優秀だ。クラス委員のふたり、ご苦労さま、席についていいぞ」
明日はクラブ活動のガイダンスだそうだ。先輩たちが自分たちの所属するクラブを紹介してくれるらしい。
教材が寮に届いていると思うので、予習を始めるように言われる。ヒンデルマン先生は重要なことほどサラッと伝える人のようだ。
たったか決まったので、まだ授業終わりの時間ではないけれど、今日は終了となった。
「元気出して、リディア。協力するからさ」
リニータたちはそう言ってくれるけどね。
わたしを引きずり出したオスカーには同じように面倒くさいだろう委員会に推薦してやったので、少しは溜飲が下がった。
荷物を持ってリニータたちと教室を出る。
「あ、わたし図書室に寄るから先に帰ってて」
「え? 図書室覚えたの?」
「必死でね」
本当は探索マップさまさまなんだけど。ははは。
先生の案内で通った時は観音開きのドアは開いていて、本棚が〝永遠〟に続いていそうなのが見えていたんだけど、今は扉はしまっている。
一応ノックをしてからドアを開ける。うわー広い。それに圧倒的な本の量。あれ、案内の時と同じ図書室だよね? ドアの外から見たのとはまた違って見えた。
吹き抜けなの? ここだけ3階くらいまでの別空間みたいになっているんだけど。壁には本がぎっしり詰め込まれているが、あんな高いところにある本をどうやって取るんだろう?
「新入生?」
優しい茶色の瞳の男性に声をかけられる。
「はい」
「新入生が初日に来るとは前代未聞だ。ひとりとはね」
「まだ、いけないのでしょうか?」
「そんなことはないよ。僕は司書のマッキー・ギャンダル」
「新入生のリディア・シュタインです」
「学園のことや、寮の決まり事などが書かれた書物ってありますでしょうか? もしあればどのあたりにあるか教えていただきたいのですが」
司書のマッキーさんはあると言って、その本たちがある棚まで案内してくれた。ここで読むなら観覧自由。貸し出しをしたいときは、また自分に声をかけてくれという。ポインターが作動すると、本の貸し出しの手続きも簡単になるらしい。今週だけは紙に書き込んだりしないといけないそうだ。
本は大切に扱い、必ず元の場所に戻すように言われた。
わたしはお礼を言って、本のタイトルを見ていく。寮史なるものがあった。素人が閉じて作った手作り感が満載の本。
学園側が寮を用意したんじゃなくて、生徒たちが自分たちで作り上げていったようだ。だから規則を話し合うのに頻繁に決起会があり、少しずつ整えられていったみたい。
これはこれで面白いけれど、今知りたいのはこれじゃない。
学園の成り立ちみたいのに、組織図が書かれていた。生徒総会から生徒会、執行部、今日決めた委員会が並んでいる。あー、文化部も運動部もクラブの代表がいてその人たちとクラスから出す委員とまとめて、文化委員、運動委員となるわけねー。予算委員や監査委員などもある。これは1年生は関係ないってところなのかな? ええと寮を管轄するのは生活部?これ、職員からおりてるね。
ってことは生活部ってのがあるのね。
寮則の書かれたものは……、見つけたが20年も前の本だ。一応、目を通しておくか。わたしはマッキーさんに貸し出しをお願いした。
読んでいくだけにしようかと思ったのだけれど、面白そうなことが書かれていたのでじっくり読もうと思ったのだ。
マッキーさんについでに生活部というのは職員室の中にあるのかを聞いた。
生活部?と首を傾げたけれどマップを確認してくれたみたいで、第5校舎にあるよと教えてくれた。わたしはお礼を言って図書室をでた。
仕方なく前に出れば、イシュメルに睨まれる。
「まずは、挨拶だな」
先生に促されて、イシュメルは教卓にバンと手を置いた。近くの子とおしゃべりしていた生徒たちが一斉にイシュメルを見た。
「イシュメルだ。馴れ合うつもりはない。クラス代表なんていう面倒ごとを引き受けるんだ、お前ら協力しろよ」
教室内がシーンとした。
先生がパン、パンとゆっくり手を叩き、拍手かと思いあたりみんなが真似した。
この空気の中、何を言えと?
「リディア・シュタインです。副委員になってしまったようです。よろしくお願いします」
わたしは〝副委員〟を少しだけ強調しておいた。この上、委員長だなんて勘弁して欲しいからね。
イシュメルからは忌々しげに睨まれたけれど、慣れてきたかも。だってずっと睨まれているもん。
先生から紙を渡される。決める委員が書き出されていた。
黒板に委員名を書いていくことにする。
・風紀委員 2名
・図書委員 2名
・保健委員 1名
・体育委員 1名
・文化委員 1名
先生が委員会の活動について簡単に触れる。
風紀委員は、園内の風紀に携わることを統括する。
図書委員は、図書室の係りを請け負うみたいだ。
保健委員は、養護教員の補佐をするようだ。
体育委員は、体育系のクラブ活動を統括する。
文化委員は、文化系クラブの活動を統括する。
ひととおり説明が終わると、イシュメルが尋ねる。
「立候補はいるか?」
手をあげたのはダリアだった。保健委員への名乗りだった。
「他にいないか?」
イシュメルが見渡す。
「決定だ。名前は?」
「ダリアです」
わたしは保健委員の後にダリアの名前を書いた。
みんなで拍手する。
本が好きだという理由で、メランとジニーの女子ふたりが図書委員になった。ふたりは席が隣合わせになったことから仲良くなったみたいだ。
図書委員のところにふたりの名前を書く。
体育委員はリキという体格のいい男の子が名乗りをあげた。運動部に属するつもりだからいいかと思ったそうだ。
そういうことならと、文化部に入ろうと思っていたヒックという男の子がなってくれた。残りは風紀委員の2名だ。
「立候補はいなさそうだな。推薦はどうだ?」
イシュメルがみんなを見渡す。
わたしは手を挙げた。
イシュメルがうさんくそうにみながら、発言を促す。
「先ほどお名前が挙がったアイデラさんとボビーさんはいかがでしょうか?」
「あ、それいいかもね」
どこからか賛同の声があがる。
「アイデラ、ボビー、どうだ?」
イシュメルが尋ねる。
「イシュメルがどうしても私にやって欲しいというならやるけど」
「誰が……」
わたしは隣のイシュメルを肘でついた。
すごい形相で見られたが、顎で言ってやれとけしかけてみる。通じるかはわからなかったが。
さらにすごい顔をする。
「長引かせたいの?」
小さい声で脅す。苦虫を噛み潰したような顔だ。
「ひ……引き受けてくれるとありがたいんだが」
「それなら、やります!」
アイデラが嬉しそうに言った。
わたしはアイデラの名前を書いた。
「ボビーは?」
「……そうですね、シュタインさんがどうしてもやってくれと頭を下げるならやってもいいですよ」
ふん、何さそれくらい。
プライドというのは使いどころを間違えると大変イタイことになるが、物事には優先順位というものがあり、わたしは今この議題が早急に片付くことを望んでいる。
わたしは胸の前でわざとらしく手を組む。
「風紀委員は、生徒を諌めたりすることもあると思うので、冷静さのあるボビーさんが適任だと思います。ぜひ、お願いします」
と頭を下げた。3秒数える。顔をあげればみんな口を開けて驚いていた。
まぁ、貴族令嬢が深く頭を下げる場面なんて、そうそうぶち当たらないだろうからね。
「……承知しました」
「ありがとうございます」
オスカーの名前を黒板に書く。
みんなで拍手だ。
「来週の半ばに初の委員会がある。出席するように。ずいぶん早くに決まったな。Dクラスは優秀だ。クラス委員のふたり、ご苦労さま、席についていいぞ」
明日はクラブ活動のガイダンスだそうだ。先輩たちが自分たちの所属するクラブを紹介してくれるらしい。
教材が寮に届いていると思うので、予習を始めるように言われる。ヒンデルマン先生は重要なことほどサラッと伝える人のようだ。
たったか決まったので、まだ授業終わりの時間ではないけれど、今日は終了となった。
「元気出して、リディア。協力するからさ」
リニータたちはそう言ってくれるけどね。
わたしを引きずり出したオスカーには同じように面倒くさいだろう委員会に推薦してやったので、少しは溜飲が下がった。
荷物を持ってリニータたちと教室を出る。
「あ、わたし図書室に寄るから先に帰ってて」
「え? 図書室覚えたの?」
「必死でね」
本当は探索マップさまさまなんだけど。ははは。
先生の案内で通った時は観音開きのドアは開いていて、本棚が〝永遠〟に続いていそうなのが見えていたんだけど、今は扉はしまっている。
一応ノックをしてからドアを開ける。うわー広い。それに圧倒的な本の量。あれ、案内の時と同じ図書室だよね? ドアの外から見たのとはまた違って見えた。
吹き抜けなの? ここだけ3階くらいまでの別空間みたいになっているんだけど。壁には本がぎっしり詰め込まれているが、あんな高いところにある本をどうやって取るんだろう?
「新入生?」
優しい茶色の瞳の男性に声をかけられる。
「はい」
「新入生が初日に来るとは前代未聞だ。ひとりとはね」
「まだ、いけないのでしょうか?」
「そんなことはないよ。僕は司書のマッキー・ギャンダル」
「新入生のリディア・シュタインです」
「学園のことや、寮の決まり事などが書かれた書物ってありますでしょうか? もしあればどのあたりにあるか教えていただきたいのですが」
司書のマッキーさんはあると言って、その本たちがある棚まで案内してくれた。ここで読むなら観覧自由。貸し出しをしたいときは、また自分に声をかけてくれという。ポインターが作動すると、本の貸し出しの手続きも簡単になるらしい。今週だけは紙に書き込んだりしないといけないそうだ。
本は大切に扱い、必ず元の場所に戻すように言われた。
わたしはお礼を言って、本のタイトルを見ていく。寮史なるものがあった。素人が閉じて作った手作り感が満載の本。
学園側が寮を用意したんじゃなくて、生徒たちが自分たちで作り上げていったようだ。だから規則を話し合うのに頻繁に決起会があり、少しずつ整えられていったみたい。
これはこれで面白いけれど、今知りたいのはこれじゃない。
学園の成り立ちみたいのに、組織図が書かれていた。生徒総会から生徒会、執行部、今日決めた委員会が並んでいる。あー、文化部も運動部もクラブの代表がいてその人たちとクラスから出す委員とまとめて、文化委員、運動委員となるわけねー。予算委員や監査委員などもある。これは1年生は関係ないってところなのかな? ええと寮を管轄するのは生活部?これ、職員からおりてるね。
ってことは生活部ってのがあるのね。
寮則の書かれたものは……、見つけたが20年も前の本だ。一応、目を通しておくか。わたしはマッキーさんに貸し出しをお願いした。
読んでいくだけにしようかと思ったのだけれど、面白そうなことが書かれていたのでじっくり読もうと思ったのだ。
マッキーさんについでに生活部というのは職員室の中にあるのかを聞いた。
生活部?と首を傾げたけれどマップを確認してくれたみたいで、第5校舎にあるよと教えてくれた。わたしはお礼を言って図書室をでた。
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