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6章 楽しい学園生活のハズ
第237話 学園マップ
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「少し聞きたいのだけれど、いい?」
わたしの前の席の男の子に尋ねる。
わたしはリディア・シュタインだと名乗れば、ニコラスだと人好きのする笑顔で言った。茶色の癖っ毛がチャーミングだ。
寮の朝ごはんはなんだったか尋ねると、不思議顔だ。何よ?と言えば、本当に食いしん坊なんだねと言われる。確かにそうなので否定はしないが。
パンとカボッチャのスープと芋をマッシュしたもの。ベーコンを焼いたものとミルクだったという。わたしは書き留めた。掃除は当番制かと尋ねれば、似つかわしくない大人の表情で眉を顰める。
掃除は業者がやってくれるでしょう?と。
部屋の温度や、布団、不便なところはなかったか聞いてみれば特にはなく、貴族の人はどう感じるかわからないけどね、と悪気のない感じで言われた。
やはり、ドーン女子寮はお粗末なようだ。
鐘がなると、ヒンデルマン先生が教室に入ってきた。
最初に時間割が配られた。1年生はカリキュラムのカスタマイズが無しなのでクラス全員同じ授業となる。今週は学園に慣れることを目的としているのでガイダンスのみ。今日は後で学園内を案内してくれるそうだ。迷子は誰もが経験することだから気にしないようにとよくわからない注意が。まぁ確かにこの広さでは普通に迷子になれそうだ。わたしは道を覚えるのが苦手なので、余計にやだなぁと思った。
朝のホームルームみたいなものだったようだ。先生は一旦職員室へと引き上げた。
休み時間になると、わたしの席の周りに、同じ清掃班の子が集まってきた。
貴族なのになんであんなに掃除が上手なのかと言われたので、今までにいっぱい掃除をしてきたからだと答えた。
わたしは不器用だ。そしていくらやっても雑なところは雑で。思い切りクリーンに助けられているだけなのだけれど。でも全てをクリーンでやると魔力を大量に持っていかれがちなので、自分の手できれいにしてから魔法を使うようにしていた。その繰り返しが力になっていったところはあると思う。
自分の知っている貴族と少し違うわと言ったのは深緑色の髪の女の子、レニータだ。親が商売をやっていて裕福らしい。魔力も多かったので学園に行くべきと勧められていて、選んだようだ。
次にはにかんで自己紹介をしてくれたのはキャシー。オレンジ色のふわふわした髪の子で、どこかヨムを思い出させた。
理路整然としていて頭が良さそうと思ったのが茶色の髪と瞳のジョセフィン。長い髪は後ろで1つに結ばれている。
天然系に見えたのが青い髪に茶色い瞳のダリアだ。
レニータが言った。
「ねぇ、食事のこと尋ねるの聞いてたわ。あなたも変だと思っているのよね、寮のこと」
わたしは頷いた。
「どうするの? 先生に言うの? 私たちに掃除の指導をさせるなんて仕事を押し付けようとしているわ」
「寮のことは学園の先生が統括していることではない気がするんだよね。だからまずどこに相談するべきことなのか調べることから始めるつもり。同時に証拠を集めておく」
「証拠?」
「うん。先輩たちが何も言わないでしょ? 最初から受け入れたと思う? わたしは反発したと思うんだよね。でもそれを認められなかったか、相手側の主張が通ったんじゃないかな。ってことは、〝おかしくない〟とされる何かがあるんだと思う。それがなんなのかを調べないと」
4人が期待に満ちた目でわたしを見る。
「掃除指導の時間で何も思われることなく証拠を集められる。だからしばらくは大人しく従うのがいいと思うの」
そういえば、4人は心を決めたように頷いた。寮に入ってからの記録を頼んだ。ひとりより複数が同じことを言う方が、信憑性が増すからだ。どんなふうに書けばいいかと聞かれたので、箇条書きでも日記ふうでもいいから、食事、寮母に言われたこと、部屋や家具などの状態、目についたすべて記入して欲しいとお願いした。わたしたちは共犯者めいた笑みを浮かべて頷きあった。
在校生の始業式が始まったらしい。その時間を利用して、新入生は校内を回るようだ。
ぞろぞろ先生の後をついていく。校舎の中だけで、すでに迷路だ。
……覚えられる気がしない。遅刻は評価に直結するらしい。
わたしは手をあげて質問した。地図はないのかと。
その時先生がニヤッと笑ったような気がして、嫌な予感がした。
後で話すつもりだったが質問が出たから先に話すことにすると先生がいう。
評価は試験などの実技の点数、それから授業態度などの内申点で構成される。その内申点には、学園側つまり先生からの評価と生徒側から主張できる申告点なるものがあるそうだ。
その申告点とは、生徒側の努力で良くも悪くもなるもの。ポイントという形で可視化されるらしい。ポイント数が多ければ評価はいいそうだ。そのままポイント数が加点されるわけではないみたいだが。
胸につけている校章がポインターになっていて、良い行いをするとポイントがつき、悪い行いはポイントを引かれるらしい。
思わず、それの良し悪しは誰が決めるんだと質問してしまった。先生は一瞬無表情になって、それは学園の精が決めるのだとファンタジックなことを言った。
そんなばかな! 学園内ではそのポイントをお金のようにして使うこともするそうで、学園内の地図はそれでしか交換できないとのことだった。防犯面を考慮して、一部校舎は毎日変わっているらしい。
はい? 意味がわからないのですが。
それはもう、地図がないと辿り着けないよね、暮らせないよね?
迷子になるってそれ当たり前だね、うん。迷子になるのを気にするな以前の問題だと思うんだけど!
先生はゆったりと「それなので、ポイントを溜めてまず地図と交換することをお勧めする」と言った。
……それなら少しずつマッピングしていくしかないなと思えば。
学園内でその地図以外は無効となり、園内の地図を描くことはできないと言われた。そういう魔法がかかっているらしい。意味が分からなさすぎるんですけど! ちなみに先生のお手伝いをするとかでもポイントは貯まったりするらしい。来週の初めに〝聖樹〟と顔合わせをし、するとポインターが作動するらしい。
???????
ポイントが入ればこういうものかと誰でもわかるから心配するなと言われる。いえ、そう聞いてもちっとも大丈夫な気がしないのですが。
「リー!」
お、ロビ兄だ。遠くをクラスメイトたちと歩いていくロビ兄にわたしは手を振りかえした。
「誰?」
レニータが目を大きくして聞いてきた。
「兄」
「お兄さん?」
わたしは頷いた。
「それから、クラブは全員参加だ。必ずどこかに属するように。来週から仮入部などができる期間になるからな」
先生は歩きながら情報を落としていく。
それ結構重要事項じゃん。それをさらっと……。
わたしは前世では義務教育を9年、プラス7年、幼稚園は入れなくても16年も学校というものに通ってきた。だからか、学園生活は行けばなんとかなるものと、そういうものだろうと思っていた。
ちょっとなめていたかもしれないと思えてきた。
わたしの前の席の男の子に尋ねる。
わたしはリディア・シュタインだと名乗れば、ニコラスだと人好きのする笑顔で言った。茶色の癖っ毛がチャーミングだ。
寮の朝ごはんはなんだったか尋ねると、不思議顔だ。何よ?と言えば、本当に食いしん坊なんだねと言われる。確かにそうなので否定はしないが。
パンとカボッチャのスープと芋をマッシュしたもの。ベーコンを焼いたものとミルクだったという。わたしは書き留めた。掃除は当番制かと尋ねれば、似つかわしくない大人の表情で眉を顰める。
掃除は業者がやってくれるでしょう?と。
部屋の温度や、布団、不便なところはなかったか聞いてみれば特にはなく、貴族の人はどう感じるかわからないけどね、と悪気のない感じで言われた。
やはり、ドーン女子寮はお粗末なようだ。
鐘がなると、ヒンデルマン先生が教室に入ってきた。
最初に時間割が配られた。1年生はカリキュラムのカスタマイズが無しなのでクラス全員同じ授業となる。今週は学園に慣れることを目的としているのでガイダンスのみ。今日は後で学園内を案内してくれるそうだ。迷子は誰もが経験することだから気にしないようにとよくわからない注意が。まぁ確かにこの広さでは普通に迷子になれそうだ。わたしは道を覚えるのが苦手なので、余計にやだなぁと思った。
朝のホームルームみたいなものだったようだ。先生は一旦職員室へと引き上げた。
休み時間になると、わたしの席の周りに、同じ清掃班の子が集まってきた。
貴族なのになんであんなに掃除が上手なのかと言われたので、今までにいっぱい掃除をしてきたからだと答えた。
わたしは不器用だ。そしていくらやっても雑なところは雑で。思い切りクリーンに助けられているだけなのだけれど。でも全てをクリーンでやると魔力を大量に持っていかれがちなので、自分の手できれいにしてから魔法を使うようにしていた。その繰り返しが力になっていったところはあると思う。
自分の知っている貴族と少し違うわと言ったのは深緑色の髪の女の子、レニータだ。親が商売をやっていて裕福らしい。魔力も多かったので学園に行くべきと勧められていて、選んだようだ。
次にはにかんで自己紹介をしてくれたのはキャシー。オレンジ色のふわふわした髪の子で、どこかヨムを思い出させた。
理路整然としていて頭が良さそうと思ったのが茶色の髪と瞳のジョセフィン。長い髪は後ろで1つに結ばれている。
天然系に見えたのが青い髪に茶色い瞳のダリアだ。
レニータが言った。
「ねぇ、食事のこと尋ねるの聞いてたわ。あなたも変だと思っているのよね、寮のこと」
わたしは頷いた。
「どうするの? 先生に言うの? 私たちに掃除の指導をさせるなんて仕事を押し付けようとしているわ」
「寮のことは学園の先生が統括していることではない気がするんだよね。だからまずどこに相談するべきことなのか調べることから始めるつもり。同時に証拠を集めておく」
「証拠?」
「うん。先輩たちが何も言わないでしょ? 最初から受け入れたと思う? わたしは反発したと思うんだよね。でもそれを認められなかったか、相手側の主張が通ったんじゃないかな。ってことは、〝おかしくない〟とされる何かがあるんだと思う。それがなんなのかを調べないと」
4人が期待に満ちた目でわたしを見る。
「掃除指導の時間で何も思われることなく証拠を集められる。だからしばらくは大人しく従うのがいいと思うの」
そういえば、4人は心を決めたように頷いた。寮に入ってからの記録を頼んだ。ひとりより複数が同じことを言う方が、信憑性が増すからだ。どんなふうに書けばいいかと聞かれたので、箇条書きでも日記ふうでもいいから、食事、寮母に言われたこと、部屋や家具などの状態、目についたすべて記入して欲しいとお願いした。わたしたちは共犯者めいた笑みを浮かべて頷きあった。
在校生の始業式が始まったらしい。その時間を利用して、新入生は校内を回るようだ。
ぞろぞろ先生の後をついていく。校舎の中だけで、すでに迷路だ。
……覚えられる気がしない。遅刻は評価に直結するらしい。
わたしは手をあげて質問した。地図はないのかと。
その時先生がニヤッと笑ったような気がして、嫌な予感がした。
後で話すつもりだったが質問が出たから先に話すことにすると先生がいう。
評価は試験などの実技の点数、それから授業態度などの内申点で構成される。その内申点には、学園側つまり先生からの評価と生徒側から主張できる申告点なるものがあるそうだ。
その申告点とは、生徒側の努力で良くも悪くもなるもの。ポイントという形で可視化されるらしい。ポイント数が多ければ評価はいいそうだ。そのままポイント数が加点されるわけではないみたいだが。
胸につけている校章がポインターになっていて、良い行いをするとポイントがつき、悪い行いはポイントを引かれるらしい。
思わず、それの良し悪しは誰が決めるんだと質問してしまった。先生は一瞬無表情になって、それは学園の精が決めるのだとファンタジックなことを言った。
そんなばかな! 学園内ではそのポイントをお金のようにして使うこともするそうで、学園内の地図はそれでしか交換できないとのことだった。防犯面を考慮して、一部校舎は毎日変わっているらしい。
はい? 意味がわからないのですが。
それはもう、地図がないと辿り着けないよね、暮らせないよね?
迷子になるってそれ当たり前だね、うん。迷子になるのを気にするな以前の問題だと思うんだけど!
先生はゆったりと「それなので、ポイントを溜めてまず地図と交換することをお勧めする」と言った。
……それなら少しずつマッピングしていくしかないなと思えば。
学園内でその地図以外は無効となり、園内の地図を描くことはできないと言われた。そういう魔法がかかっているらしい。意味が分からなさすぎるんですけど! ちなみに先生のお手伝いをするとかでもポイントは貯まったりするらしい。来週の初めに〝聖樹〟と顔合わせをし、するとポインターが作動するらしい。
???????
ポイントが入ればこういうものかと誰でもわかるから心配するなと言われる。いえ、そう聞いてもちっとも大丈夫な気がしないのですが。
「リー!」
お、ロビ兄だ。遠くをクラスメイトたちと歩いていくロビ兄にわたしは手を振りかえした。
「誰?」
レニータが目を大きくして聞いてきた。
「兄」
「お兄さん?」
わたしは頷いた。
「それから、クラブは全員参加だ。必ずどこかに属するように。来週から仮入部などができる期間になるからな」
先生は歩きながら情報を落としていく。
それ結構重要事項じゃん。それをさらっと……。
わたしは前世では義務教育を9年、プラス7年、幼稚園は入れなくても16年も学校というものに通ってきた。だからか、学園生活は行けばなんとかなるものと、そういうものだろうと思っていた。
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