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4章 飛べない翼
第153話 空飛ぶおまる
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わたしは町に来た馬車の中のお昼寝だけでは足りなかったようなので、町の家のソファーで眠った。その間、双子は土魔法の伝授を、風や水は兄さまがと、魔法のレッスンをしていたみたいだ。
ぼそぼそと話し声が聞こえて、わたしは目が覚めた。
父さまともふさまが話していた。魔具を使ったようだ。
「魔具を買うのに使わせていただきたいのです」
もふさまの尻尾が揺れる。
『前にも言った通り。我には使い道がない。思うように使うが良い。我に報告もしなくていいぞ』
「報告はさせてください」
父さまが苦笑いしている。ふと、こちらを見て目が合う。
「起きたか?」
父さまが隣にきて体を起こしてくれた。
「リー、起きたの?」
「リー、起きたか?」
双子が部屋に飛び込んできた。その後に兄さまも続いている。
「うん、起きた」
「ちゃんと先生はできたのか?」
父さまが尋ねると、嬉しそうに答える。
「ちゃんとかはわからないけど。みんな魔力はそうないっていいながら使えてたよ」
「ビリーとヤスは土台づくりいけるかもしれないよ」
「そうか!」
双子の報告に笑顔になる。父さま、それ狙ってた?
「父さま、わたしは?」
「リディアは〝土〟を持っていないだろう?」
頬が膨らんだらしい。
兄さまにほっぺを突っつかれる。
「父さまと一緒にいる時に、父さまがやっていることにしてやっていいから、それで我慢しなさい」
「はーい」
アラ兄が心配そうな顔をする。
「いくら半分は山に囲まれてるといっても……土台は土魔法の使い手でやるとして、職人雇って鉱石を入れるんだよね? お金、大丈夫なの?」
「子供はそんな心配をするんじゃないと言いたいところだが、お前たちは現状を知っているしな。相談してからになるが、鉱石はケルト鉱石が使えないかと考えている。それから金銭面だが、確かに前より潤ってはいるが、本当のところ領地の諸々に回せるようなお金はなかった。だが、ダンジョンで主人さまがストーンゴーレムを倒しただろう?」
わたしたちは頷く。
「おれたちを乗せたままひと蹴りだ! もふさま、つえー!」
ひと蹴りの言葉に合わせてロビ兄はエア飛び蹴りを決める。なんで跳んでもブレずにあんな体勢がとれるんだろう?
「うん、本当に強い。あんな大きいのに、急所を捉えて」
兄さまが珍しく興奮したようにもふさまを見る。
「急所?」
アラ兄が首を傾げると、兄さまは大きく頷いた。
「そうだよ、もふさまは急所を蹴ったんだ。それでストーンゴーレムが粉々になったんだ」
「もふさま、なんで急所わかるの?」
勢い込んで聞いたロビ兄。もふさまの尻尾が気持ちよさそうに左右に揺れる。
『我が強いからだ。強くなると相手がよく見えるのだ』
わたしは通訳した。
兄さまたちは真剣に聞いている。
あ、話がそれた。
「ゴーレム倒した。覚えてる」
わたしは父さまに話を振る。
「ああ、みんなよく覚えているようだな」
父さまは苦笑気味だ。
「あのゴーレムを倒してドロップしたのが金色の石だった」
ああ、そういえば、もふさまがとってきて放り投げていた。
「あれは〝金〟だった」
「金?」
「ああ、金版に使われる、あの金だ」
わたしたちは口を開けた。
「……大きくなかった?」
アラ兄が胸の前でこれくらいと手を広げる。
「ああ、そうだ。主人さまにいただき、使い道を考えていたのだが、領地の防犯体勢を整えるのに、使わせていただくことにした」
自警団に砦から来てくれる人たちを組み込むそうだ。昔から一線で活躍していた猛者たち。彼らも年月による身体の衰えには抗えなかった。いざっていうときに足を引っ張ることになったら洒落にならないからと、引退することをおじいさまに相談していたらしい。そこを父さまがスカウトしたそうだ。
領地を塀で囲み、門を作り門番を置く。門ではイダボアにあった犯罪歴をチェックする魔具を購入し、チェックすることにするそうだ。犯罪歴のあった人が領地の中にいる間どこにいるかわかるようにする魔具、それがバカ高いらしい。魔具、塀、人件費、その金塊で全ては解決できそうだという。
金塊だったの? すごい! あのゴーレムにそんな……。
ごくんと生唾を飲み込む。
え、だって、ということは、あれをこれからも倒せば……。
「リディー」
呼ばれてハッとする。
「あのゴーレムは父さまとアルノルトでも倒すのにかなり難しいだろう。主人さまだからできたことだし、恐らくドロップするものも倒し方で物が違ってくるだろう。だから変な考えは起こさないようにな」
お見通しだなー。
もふさまの尻尾が左右に強く揺れている。
「父さま、急にそんなお金を使うようなことをして、どこからお金を?って思われない?」
兄さまが心配そうに声をあげる。
「ああ、それか。それなら大丈夫だろう」
わたしたちは父さまを見上げる。
わたしたちが第二王子殿下のお茶会に呼ばれたことは、密やかに広く知れ渡っているらしい。そして急に父さまと仲良くしたくなった人が増えて、贈り物やら援助やらの声がいっぱいかかったんだって。
どれも断っているが、声をかけてくれた人が多いだけに、勝手にあそこから借りたんだろうとか想像するはずだと言っていた。へー、そういうものか。
なんてわたしたちは話していたのだが、もちろんいくつかのところと仲良くなっているのだろうと思われているようだが、どうもわたしたちはダンジョンで多くを得たのではないかと噂になったようだ。
砦の近くのダンジョンに急に人がわんさか詰めかけたという。ダンジョンが流行ったので、魔物の氾濫が少なくなるのを知るのは、時が経ってからだ。
移動手段が欲しい。切実に。
マルサトウのこともあるから、村にも行きたい。もふさまに乗せてもらえば簡単に行けちゃうけど、バレてしまうし。だからってライオンサイズになってもらったら、……小さいサイズに戻ったらそれもおかしいことだから、抱っこができなくなっちゃう。それは嫌!
電車もバスも車もない。せめて自転車でもあったら。いや、自転車で小さい村まではかなり遠いな。自転車でないなら……。
! わたしは空飛ぶアヒルおまるを作ろうと思う。
いや、本物のおまるじゃないよ。形だけ、ね。
あの形、今のわたしにとても合うと思うのだ。風の永久魔石でふよふよ飛ばすの。ハンドルもついているから行きたい方へ舵が取りやすいし、いっぱい歩かないですむ。
家に帰ってからメインルームで魔具作りに勤しんだ。
ケルト鉱石で形を作るよ。座る部分と胴体と首部分と。アヒルの顔にして。ハンドルをつける。
『リ、リディア、それはなんだ?』
「アヒルのおまる」
『おまるとは何だ?』
「……レディは、口にしちゃいけないの」
『?…………』
全体のシルエットだけだよ。携帯トイレにするわけじゃないもん。
「アヒルって、あのアヒルでちか?」
アオは首を90度傾けて、今度は反対に傾ける。
「多分、そのアヒル」
何さ? 大きな丸いフォルムのクチバシ。どっからどう見てもアヒルじゃないか。
『まあ、それはいい。それでこれをどうするのだ?』
わたしは座るところの下に風の永久魔石にした魔石を埋め込む。
そして乗り込んでハンドルを持つ。
「テークオフ!」
ふよふよと浮き上がる。
「浮いたでち」
「こうするの! これで村にひとりでも行ける!」
もふさまが後ろに乗った。揺れはしたが、まだキャパオーバーではない。
アオがわたしの前に乗り込んだ。おお、大丈夫だ。
「ハウスさん、廊下にお願いします!」
『イエス、マスター』
廊下を3人乗りしたアヒルのおまるでふよふよと居間に飛んでいく。
「な、何それ!」
「スッゲー、飛んでる」
「父さま!」
「な、なんだそれは……」
「魔具作った。これで疲れないで移動できる!」
「……却下だ」
「え」
「ダメに決まっているだろう。そんな魔具、見たことも聞いたこともない」
えーーーーーーーーーーーー。
ああ、そうだった。今まで魔具が作れなかったのは、どこでどうやってこの魔具をと突っ込まれるのを避けるためだった。あまりにも欲しくて、いろいろすっぱぬけて、ただただ盛り上がってしまった!
わたしがうなだれたからか、父さまがコホンと咳払いする。
「…………ミラーダンジョンの中だけは許可する」
やったー。
「移動か……。ケインは無理だしな」
ケインは賢くてわたしを乗せてくれるが、如何せんケインが動いてなくても、わたしは転げ落ちることができた。もふさまに助けてもらったけどね。ひとりでは乗っていることもできないのだ。
「私が乗せてあげるよ」
「でも、兄さま忙しい時もある。それにケイン、父さまが町にいく時に使うから、やっぱり移動手段ない」
わたしたちは再び唸ったのであった。
ぼそぼそと話し声が聞こえて、わたしは目が覚めた。
父さまともふさまが話していた。魔具を使ったようだ。
「魔具を買うのに使わせていただきたいのです」
もふさまの尻尾が揺れる。
『前にも言った通り。我には使い道がない。思うように使うが良い。我に報告もしなくていいぞ』
「報告はさせてください」
父さまが苦笑いしている。ふと、こちらを見て目が合う。
「起きたか?」
父さまが隣にきて体を起こしてくれた。
「リー、起きたの?」
「リー、起きたか?」
双子が部屋に飛び込んできた。その後に兄さまも続いている。
「うん、起きた」
「ちゃんと先生はできたのか?」
父さまが尋ねると、嬉しそうに答える。
「ちゃんとかはわからないけど。みんな魔力はそうないっていいながら使えてたよ」
「ビリーとヤスは土台づくりいけるかもしれないよ」
「そうか!」
双子の報告に笑顔になる。父さま、それ狙ってた?
「父さま、わたしは?」
「リディアは〝土〟を持っていないだろう?」
頬が膨らんだらしい。
兄さまにほっぺを突っつかれる。
「父さまと一緒にいる時に、父さまがやっていることにしてやっていいから、それで我慢しなさい」
「はーい」
アラ兄が心配そうな顔をする。
「いくら半分は山に囲まれてるといっても……土台は土魔法の使い手でやるとして、職人雇って鉱石を入れるんだよね? お金、大丈夫なの?」
「子供はそんな心配をするんじゃないと言いたいところだが、お前たちは現状を知っているしな。相談してからになるが、鉱石はケルト鉱石が使えないかと考えている。それから金銭面だが、確かに前より潤ってはいるが、本当のところ領地の諸々に回せるようなお金はなかった。だが、ダンジョンで主人さまがストーンゴーレムを倒しただろう?」
わたしたちは頷く。
「おれたちを乗せたままひと蹴りだ! もふさま、つえー!」
ひと蹴りの言葉に合わせてロビ兄はエア飛び蹴りを決める。なんで跳んでもブレずにあんな体勢がとれるんだろう?
「うん、本当に強い。あんな大きいのに、急所を捉えて」
兄さまが珍しく興奮したようにもふさまを見る。
「急所?」
アラ兄が首を傾げると、兄さまは大きく頷いた。
「そうだよ、もふさまは急所を蹴ったんだ。それでストーンゴーレムが粉々になったんだ」
「もふさま、なんで急所わかるの?」
勢い込んで聞いたロビ兄。もふさまの尻尾が気持ちよさそうに左右に揺れる。
『我が強いからだ。強くなると相手がよく見えるのだ』
わたしは通訳した。
兄さまたちは真剣に聞いている。
あ、話がそれた。
「ゴーレム倒した。覚えてる」
わたしは父さまに話を振る。
「ああ、みんなよく覚えているようだな」
父さまは苦笑気味だ。
「あのゴーレムを倒してドロップしたのが金色の石だった」
ああ、そういえば、もふさまがとってきて放り投げていた。
「あれは〝金〟だった」
「金?」
「ああ、金版に使われる、あの金だ」
わたしたちは口を開けた。
「……大きくなかった?」
アラ兄が胸の前でこれくらいと手を広げる。
「ああ、そうだ。主人さまにいただき、使い道を考えていたのだが、領地の防犯体勢を整えるのに、使わせていただくことにした」
自警団に砦から来てくれる人たちを組み込むそうだ。昔から一線で活躍していた猛者たち。彼らも年月による身体の衰えには抗えなかった。いざっていうときに足を引っ張ることになったら洒落にならないからと、引退することをおじいさまに相談していたらしい。そこを父さまがスカウトしたそうだ。
領地を塀で囲み、門を作り門番を置く。門ではイダボアにあった犯罪歴をチェックする魔具を購入し、チェックすることにするそうだ。犯罪歴のあった人が領地の中にいる間どこにいるかわかるようにする魔具、それがバカ高いらしい。魔具、塀、人件費、その金塊で全ては解決できそうだという。
金塊だったの? すごい! あのゴーレムにそんな……。
ごくんと生唾を飲み込む。
え、だって、ということは、あれをこれからも倒せば……。
「リディー」
呼ばれてハッとする。
「あのゴーレムは父さまとアルノルトでも倒すのにかなり難しいだろう。主人さまだからできたことだし、恐らくドロップするものも倒し方で物が違ってくるだろう。だから変な考えは起こさないようにな」
お見通しだなー。
もふさまの尻尾が左右に強く揺れている。
「父さま、急にそんなお金を使うようなことをして、どこからお金を?って思われない?」
兄さまが心配そうに声をあげる。
「ああ、それか。それなら大丈夫だろう」
わたしたちは父さまを見上げる。
わたしたちが第二王子殿下のお茶会に呼ばれたことは、密やかに広く知れ渡っているらしい。そして急に父さまと仲良くしたくなった人が増えて、贈り物やら援助やらの声がいっぱいかかったんだって。
どれも断っているが、声をかけてくれた人が多いだけに、勝手にあそこから借りたんだろうとか想像するはずだと言っていた。へー、そういうものか。
なんてわたしたちは話していたのだが、もちろんいくつかのところと仲良くなっているのだろうと思われているようだが、どうもわたしたちはダンジョンで多くを得たのではないかと噂になったようだ。
砦の近くのダンジョンに急に人がわんさか詰めかけたという。ダンジョンが流行ったので、魔物の氾濫が少なくなるのを知るのは、時が経ってからだ。
移動手段が欲しい。切実に。
マルサトウのこともあるから、村にも行きたい。もふさまに乗せてもらえば簡単に行けちゃうけど、バレてしまうし。だからってライオンサイズになってもらったら、……小さいサイズに戻ったらそれもおかしいことだから、抱っこができなくなっちゃう。それは嫌!
電車もバスも車もない。せめて自転車でもあったら。いや、自転車で小さい村まではかなり遠いな。自転車でないなら……。
! わたしは空飛ぶアヒルおまるを作ろうと思う。
いや、本物のおまるじゃないよ。形だけ、ね。
あの形、今のわたしにとても合うと思うのだ。風の永久魔石でふよふよ飛ばすの。ハンドルもついているから行きたい方へ舵が取りやすいし、いっぱい歩かないですむ。
家に帰ってからメインルームで魔具作りに勤しんだ。
ケルト鉱石で形を作るよ。座る部分と胴体と首部分と。アヒルの顔にして。ハンドルをつける。
『リ、リディア、それはなんだ?』
「アヒルのおまる」
『おまるとは何だ?』
「……レディは、口にしちゃいけないの」
『?…………』
全体のシルエットだけだよ。携帯トイレにするわけじゃないもん。
「アヒルって、あのアヒルでちか?」
アオは首を90度傾けて、今度は反対に傾ける。
「多分、そのアヒル」
何さ? 大きな丸いフォルムのクチバシ。どっからどう見てもアヒルじゃないか。
『まあ、それはいい。それでこれをどうするのだ?』
わたしは座るところの下に風の永久魔石にした魔石を埋め込む。
そして乗り込んでハンドルを持つ。
「テークオフ!」
ふよふよと浮き上がる。
「浮いたでち」
「こうするの! これで村にひとりでも行ける!」
もふさまが後ろに乗った。揺れはしたが、まだキャパオーバーではない。
アオがわたしの前に乗り込んだ。おお、大丈夫だ。
「ハウスさん、廊下にお願いします!」
『イエス、マスター』
廊下を3人乗りしたアヒルのおまるでふよふよと居間に飛んでいく。
「な、何それ!」
「スッゲー、飛んでる」
「父さま!」
「な、なんだそれは……」
「魔具作った。これで疲れないで移動できる!」
「……却下だ」
「え」
「ダメに決まっているだろう。そんな魔具、見たことも聞いたこともない」
えーーーーーーーーーーーー。
ああ、そうだった。今まで魔具が作れなかったのは、どこでどうやってこの魔具をと突っ込まれるのを避けるためだった。あまりにも欲しくて、いろいろすっぱぬけて、ただただ盛り上がってしまった!
わたしがうなだれたからか、父さまがコホンと咳払いする。
「…………ミラーダンジョンの中だけは許可する」
やったー。
「移動か……。ケインは無理だしな」
ケインは賢くてわたしを乗せてくれるが、如何せんケインが動いてなくても、わたしは転げ落ちることができた。もふさまに助けてもらったけどね。ひとりでは乗っていることもできないのだ。
「私が乗せてあげるよ」
「でも、兄さま忙しい時もある。それにケイン、父さまが町にいく時に使うから、やっぱり移動手段ない」
わたしたちは再び唸ったのであった。
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