転生貧乏令嬢メイドは見なかった!

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<前編>

第34話 本日のお仕事23 三回り目

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 二巡すればこの仕事にもずいぶん慣れたように感じる。
 4人の令息様は、それぞれ個性は強いけれどとてもいい方たちで、目標に真っ直ぐで誠実で、志に真面目で、なんでそんな方たちが誰が令嬢を落とせるかなんて賭けをするのかは意味がわからなかった。あの女性をとっかえひっかえの噂のあるテオドール様でさえ、女性の影はチラリとも見えなかったし。

 なんかテオドール様はわたしに興味持ったふうだったけど、彼はファニーを落とそうともしているんだよね。ほらやっぱり、そんな人がわたしに興味持つわけないし。いや、それとも誰にでもそうで、ちょっと興味を持つとふらっと声をかけて、それで落としまくっていくのか?? そうとは思えないけど、ああ、どうなんだろう?
 だけど、やっぱりテオドール様も悪い人には見えないし、その他の方も女性を賭けの対象にするような人には見えなかった。でも実際するのだし、ファニーもリリアンも引きずりこまれているのだから、わたしがそう思いたくないだけなのかもしれない。

 お兄様に夜会の詳細を練るために連絡した折にその話をすると、おでこを押さえて「絆されてんなー」と笑われた。そういうわけじゃないと反論したものの、声が小さくなってしまう。お兄様はわたしがどう思っても自由だが、ただ女性を落とす賭けをする奴らというのは事実だから、それだけは忘れるなと言われた。
 お兄様にネックレスのことを相談すると、わたしは黙ってしまったマテュー様にどうして?と思ったのだから、マテュー様に尋ねなさいと言われた。推測はできるが推測でしかないから、と。身分やクリスタラー家のこと以外は親しくなった人に尋ねることもしてみなさいと言われた。わたしは子供の時から大人ばかりに囲まれていたし、働きづくめで仕事の上でしか人と関わってこなかったから、機会があるのなら同年代の人といっぱい話して、尋ねて理解したり理解してもらって友達を作るといいと言われた。

 確かにわたしが話してきた人たちは年齢がうんと離れている人たちばかりだった。メイド仲間でも歳が近いのはメリッサぐらいだ。休日や仕事帰りにどこかに食べに行こうと誘われたりしたが、金銭的な余裕がなくて全部断っていた。前世の記憶でもいい大人の思いが一番残っていたこともあり、知識として大人の考えを持っているけれど、それは実体験から積み上げたものではない。今世では友達どころか知り合いも少ない。同年代はさらに少ない。

 だけど、そっか。メルさんたちとも毎日お話ししているし、お客様扱いでわたしを無視できない今なら、いっぱい話しちゃって、友達っぽくさせてもらったりできちゃう?
 そう思えば、なんだかウキウキしてきた。

 調子にのって、メイド仲間の話なんだけどと前置きして、身分ある家のご子息が平民のメイドに興味を持ったりするかを尋ねてみた。お兄様は盛大にため息をつく。興味を持つことはあるだろう。だが、娶ることができるかといったら、正妻では難しいと断言された。そうだよな、と目が覚める思いだった。


 早速、仕事の後にクッキーがあるから一緒に食べないかとメルさんとミレーヌさんを誘ってみた。ミレーヌさんは20歳、メルさんは19歳だった。
 ふたりにこのお屋敷では外にでた際、いただき物をしたらいけないルールがあるのかを尋ねた。例えば他の家にお使いで出た時、相手先からお礼のお駄賃のようなもの。それは特に駄目だと言われてないそうだ。あれ? そうか、ではなぜと心の中で考え込んでいると、見事な会話術により誘導され、わたしはお礼をいただいてしまったのだが、それを知ったマテュー様が黙ってしまったことを白状させられていた。

「あら、まあまあまあ。マテュー様がねぇ」

 ミレーヌさんとメルさんが顔を合わせている。

「で、リリアンさんはどう思っているの?」

「どう思う、ですか?」

「お礼をくださる気持ちは嬉しいので、受け取ってしまったのですが。今こちらでお世話になっているので、他のお屋敷の方から何かをいただくのが無礼になることなら返却したいと思います」

「いや、そうじゃなくて。ええと、ネックレスは嬉しかった?」

「あ、はい。素敵なものでしたし。……ただ」

「ただ?」

「ここだけの話、日保ちする食べ物だったらもっとよかったと思ってしまいました」

 そういうとふたりは目を半開きにしてため息をついた。
 わたしも大概に酷いとは思っている。でも切実なところだ。

「……それじゃあ、マテュー様からの髪飾りは? あれも食べ物がよかった?」

 あれ?

「あ、あれは髪飾りで嬉しいです」

 そう思うことを伝えれば、ふたりは満面の笑顔をくれた。けれどスッと表情を引き締める。

「でも、マテュー様が貴族ってことは忘れちゃダメだよ」

 と切ない顔で言われた。切ない顔をされたからか、わたしもなんだか切なくなった。
 そう、興味をもたれることはあるかもしれない。でもそこまでだ。それ以上発展しようがないのだ。嘘をついている男爵令嬢の行く末なんて、いいものであるわけがない。




 こうして付き人をするのは、今日を終えたらもう一回なんだなと思うと、やはり悲しくなってくる。最初はいやいやだったのにな。
 マテュー様に一軍の嫌がらせの処置を考えているから、少し待ってくれと言われていた。被害に遭いそうになったわたしにも、それを知らせてくれるのが嬉しかった。処置というからには、てっきり注意するとかそういうことになると思ったけれど、意表をつき〝一軍を炊き出し&自主練に誘った〟だった。最初の日は誰もこなかったが、次の日、子爵の子が2人きて、次の日が3人になり、今日は5人も参加した。みんな遠征の時の食事のことなどが心配であり、どんなものかと体験したかったらしい。本当の遠征ではないから、ハードルが低いのだろう。それに何故か騎士がやってきていた。参加費を払うから炊き出しを習いたいとのことで、午後の自主練で先生をしてくれるまでがセットとなり、なんだか熱いものになってきていた。
 でもそういった特訓の成果か、午前中の訓練で木の剣を使用しだしていた。よほど嬉しかったようで、みんなすでにいっぱい練習したんだね、手に豆ができていた。一生懸命だから。一生懸命で全てを乗り切れるほど世の中が甘くないことは知っているけれど、みんなが揃って見習いになれますようにと願わずにはいられなかった。


 翌日タデウス様に付いていったお城では付箋が出来上がっていた。これはアイデア商品だと言ってくださって、わたしの名で商品登録してくださるという。単純な構造なので誰でもすぐに作れるものだが、そうやって商業ギルドに商品登録しておけば、真似た商品で荒稼ぎされることもないし、付箋を買った人からロイヤリティーが出るという。そこまで聞いてハッとする。わたし、偽名だった。ところが、そのロイヤリティーのことなどで話があると宰相様に呼ばれてしまった。

 宰相様にはお見舞いのお礼を申し上げた。宰相様は怖がらせ、手荒なことをして済まなかったと謝ってくれた。いえ、悪いのはわたしですのでと平謝りだ。
 ロイヤリティーの話になり、本名でのギルドカードは持っているかを聞かれた。わたしは持っていないと答えた。特例措置で、リリアン名義のカードを作ってくださるという。個人情報を見ようとするとシークレットがかかるカードだそうだ。カードは血とリンクさせる関係で本名でしか作れないのだそうだ。シークレットのかかった本当の個人情報では、ファニー・イエッセル・クリスタラーの名前が入っているそうだ。わたしがカードを持っていないのは見越されていたようで、もう作られていた。担当を呼ぶと言って入ってきた人が商業ギルドの人みたいで、血のリンクをさせる作業と、カードの説明をしてくれた。
 オーディーン夫人からお給金はいつも直接現金をいただいていたが、これでカードに振り込んでもらうことができる。

「宰相様、ありがとうございます」

 商品登録を進めてくださったのも宰相様だと聞いた。わたしは心を込めてお礼を言った。そしてお忙しいから無理かもしれないけれど、次の闇の日にお礼の気持ちを込めたガーデンパーティーで食事を作るので、もし良かったらタデウス様と一緒に来てくださいと直に伝えた。

 タデウス様の部署への帰り道でよくない場面に遭遇してしまった。
 中庭で若い男性たちが一人の青年に詰め寄っていたのだ。その詰め寄られている青年と目が合ってしまった。真っ青な顔で助けを求めている。

「何をしているんですか?」

 なんとか声が震えなかった。

 詰め寄っていた男たちが一斉にこちらを見た。

「お前、なんだ?」

「メイドか? 王宮のメイドではないな、どこのメイドだ?」

「宰相様からの書類を届けるところです」

 嘘は言っていない。それに抱えている封筒には本当に宰相様の印が入っている。目敏くそれを見た彼らはわたしを睨みつけてから、去っていった。

「大丈夫ですか?」

 20歳手前くらいだろうけど、泣きそうな顔をしている。

「何があったんです?」

「すみません。おかしなところを指摘してから嫌がらせをうけるようになって」

「えーー? 上司に相談してみてはいかがです?」

「上司に尋ねたところ、その娘の取り巻きにこの有様です」

 青年は大きくため息をついた。

「もう、辞めるしかないかなー」

「その上司以外に信頼できる方はいないんですか?」

「誰かに言ったら……僕みたいな目に合わせるかもしれないでしょ?」

 確かにそれはあるかもしれない。青年が深いため息をつく。接点があるわけではないのに、なぜか自分と重なって見えた。

「……どうしていいかわからないことがあったんです」

 はぁ、と青年は頷いてくれたが、わたしも何故この話をしようとしているのかよくわからなかった。

「身内にどうするべきだったか聞いたら、その時になぜ相手に尋ねなかったのか聞かれました。相手に尋ねてもいいし、同年代の知り合った人に相談するのも手だろう、と」

「……はぁ」

「それで、職場でよくしてくださる方たちにお話ししてみたらスッキリしました。わたし今まで自分で全て解決することをヨシとしていたんですが、たとえ解決できなくても話すことだけで驚くほど楽になれることもあって。だから……解決はできないでしょうけど、わたしに話してみません?」

 微妙な顔をしている。まあ、そうだよね。

「でしたら、本日のわたしのご主人様を紹介しましょうか? とても賢い方ですし、何かいい方法があるかも」

「いやいや、ありがとう。でも部署が違えば流儀が違うからなー」

「はい、でもだからこそ、違った方面のことで、例えば味方を得る方法とかあるかもしれなーー」

「リリアン」

「あ、タデウス様」

「た、タデウス様?」

 ひょろりとした青年はタデウス様に慄く。

「あまりに遅いから、また何かに首を突っ込んでいるんじゃないかと見にくれば……」

「タデウス様、ちょうどいいところに! タデウス様は上司に」

 ひょろり君に口を塞がれる。

「君、お願い、黙って」

 タデウス様に手を引っ張られた。胸にストンと入ってしまう。小柄だと思っていただけに、結構たくましい胸にどきっとした。

「ウチのメイドに気軽に触れるな」

「失礼しました!」

 その人は90度に頭を下げると、慌てふためいて逃げていった。

「お前も、軽々しく男に触れられるな」

 触れられるって、口止めの被害者なのに。

「……申し訳ありません」

「で、何があったんだ?」

「ええと」

 あの人が黙っていたいことならわたしが言うべきでもないし。見た事実だけを伝えることにする。

「通りかかった時に、数人の方に囲まれて、こう襟首を持たれて殴られそうになっていたんです」

「……それで?」

「何をしているんですか? って声を掛けました」

「…………それで?」

「王宮のメイドでもなく、どこの者だって声を荒げられたので」

 凝視される。

「宰相様の書類を届けるところだといいました」

 書類を届けるのは自分にだけどね。

「そしたら逃げていきました」

「むこうみずだな」

「王宮でもあんな低俗な寄ってたかって暴力に訴えるなんてことがあるのですね」


「それは稀だ。そんな子供っぽい者がいるのも問題だが。普通、王宮で叩かれるならもっと陰険で悪質だ。気がついたときは身ぐるみ剥がされ二度と貴族社会には戻れないように抹殺されている」

 物騒。おーこわっ。

「むこうみずなのはお前だ。王宮は怖いところだ。お前もあんまりなんでも首を突っ込むなよ」

「もちろんです」

 そういいながら後ろ髪を引かれる思いだ。
 あの人、お仕事を辞めちゃうのかな……。お城での仕事に雇用されるなんて、優秀なはずだ。それなのに、多分上司の間違いを指摘したためにいじめにあってる感じだよね。でもわたしはただのメイドで何もすることはできない。

「戻るぞ」

「はい」

 今日の仕事をまっとうするべく、小走りにタデウス様の背中を追いかけた。


 火の日はラモン様、風の日はテオドール様のところでの仕事も滞りなく終えることができた。テオドール様に会う時は緊張したけれど、あの日のことはなかったことのように接してこられた。ほっとしながらも、ほらやっぱり身分の高い方がメイドなんかに気を留めないものだと心に刻む。深みにハマる前でよかったと胸を撫で下ろした。ううん、ちょっと強がりだ。
 きっと彼も。調停者としての役割を終えればわたしは『顔を合わせたことがあるだけのメイド』になるのだ。そんなのわかりきっていたことなのに、わたしは何を期待していたんだろう。

 そして翌日光の日、羊月初めの日、4巡目が始まった。マテュー様に仕える最後の日がやってきた。
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