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<前編>
第22話 本日のお仕事13 テオドール様
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「リリアン、大丈夫ですか?」
マテュー様の手を払ってしまい、しまったと思った。
「すみません。失礼いたしました」
「いや、急に手を出した俺が悪いです。顔色が悪いですよ」
「そうですか? 寝不足だからだと思います。大丈夫です」
体は睡眠を欲しているが、嫌な夢をみたのか悲鳴をあげた自分に驚いて目が覚めるを2回繰り返した。大きく波打つ心臓を落ち着けて、汗を拭いてはうとうとしていた。気が昂っていてよく眠れた感がない。
車窓へと視線を移す。
わたしだって国王陛下と宰相にバレなければ、昨日と変わりない今日を迎えられたのに。
そりゃあ、身を偽るのが悪いことなのはわかっている。でも、それならどうすればよかったのか。緑の乙女は働くな。領地から出るな。領地以外で働かなければお金にはならない。あの禄だけでどうやって暮らしていけというのか。
気分的に最悪だが、変わらず過ごすよう言われた手前、仕事に出るしかなかった。
でもそれより、お兄様と夫人に罰が与えられたらどうしよう。本当にどうしよう。
馬車はいつの間にか魔術師長様のお屋敷についていた。まだ午前中だというのに、背の高い木が多いからなのか、雰囲気が暗いように感じた。中に入ればいたって普通のお屋敷だったので安心する。
いや……普通じゃなかった。メイド服が。体にピタッとした細身のワンピースで、足を捌きにくいからだろう、横には大きくスリットが入っている。これはそう……チャイナドレスだ。立ち襟があるのに胸の谷間が見えるよう布をカットして肌を見せている。
わたしを迎えてくれたのはナイスボディーの美女だ。通りかかるメイドさんはみんな艶っぽく美しい。そっちも美女だ。あっちも美女だ。メイドを雇う基準に、容姿の良さが入っている、絶対。
この、顔と体型を選ぶ服、これをわたしも着るの? 最悪だ。
予感した通り、お仕着せは先ほどの案内してくれたメイドさんたちが着ていたチャイナドレスタイプのものだった。他の方は赤やオレンジや黒といったきつめの色のものだったが、わたしに用意されたのは淡い黄色だった。体にぴったりフィットして体型が丸わかりだ。しかもこんな胸を強調するような服を着るのは初めてで、胸の布地のないところがスースーして寒い。スリットは太ももの中央ぐらいまで深く入っている。横で結んでいる下着の結び目が丸わかりだ。え、これみんなどうしてるの??
前世を思い出して欲しいもののひとつ、ゴム。ゴムがないからね、下着も左右で紐を結んで止めている。
「可愛いじゃない。初々しくていいわね。あら、下着脱がないの?」
マジか。こんなにスリット入っているのに、下着つけてないの?
顔を引きつらせていると、しょうがないわねといって腰から下の白いエプロンを渡される。それを巻けばボコっと突き出た下着の結び目は目立たない。
「ありがとうございます」
「いいえ、助けたわけではないわ。見た目が悪いからよ。テオドール様はセクシーさが魅力なの。テオドール様付きのメイドもそれに反しないよう肝に銘じてちょうだい。それからセクシーなのと、はしたないは全く違うことだから履き違えないようにね」
コンコンとドアをノックして、部屋に入る。
広い部屋には魔術に関するものであろう不思議な物で溢れていた。本が一番多かったけど、そこかしこに魔法陣を描いた紙が散乱していた。
ソファーに腰掛けたテオドール様は本を読まれていた。
「テオドール様、オーディーンメイド紹介所のメイドをお連れしました」
気怠そうに髪をかきあげる。切れ長の紅い目に認められると、胸がドクンと鳴った。
「ナラ、紅を持ってこい」
「承知いたしました」
メイド長(多分)はナラさんというみたいだ。彼女は部屋を出ていく。
「名前は?」
「リリアンです」
「こっちに来い」
わたしはテオドール様に近づく。
「座れ」
横に座れということらしい。
わたしはソファーに浅く腰を下ろした。これ以上深く座ったらスリットが大きく開いてしまう。
近くにテオドール様を感じて、胸がドキドキしている。
この感覚は覚えがある。
後ろだけ伸ばした白髪。切れ長の紅い瞳。ちろりと向けられた視線は少し意地悪そうで。そして細いのにしっかりした体つき。
テオドール様は前世のわたしの好みにドンピシャだった。わたしの考えるのと違うところで、胸は勝手にドキドキしじーっと見てしまう。過去のわたしの幻影が大喜びしているように感じた。
前世の記憶はすっかり馴染んでしまって境界線がぼやけてきている。けれど自分の名前だとか、いつどこでだとか、細かいことはもう思い出せない。ただふと思い浮かぶ考えや言葉があり、それがなんだかわからなかったりするから、過去のわたしの記憶なのだろうと納得している。そんな中、強く揺さぶられる感情がある。それが前世のわたしの好みのことであるらしく、特に好みの人に出会うとドキドキするわ、目で追ってしまうわ、まるで好きになってしまったような症状がでるので困惑している。そういう感情ってすっごく引っ張られるのだ。わたしが好きなわけでもないのに、引っ張られていつの間にか本当に好きになってしまったらと思って、ヒジョーに怯えている。っていうか、前世のわたし惚れっぽい。恋なんかしている余裕がないというのによくドキドキして、引っ張られまいと踏ん張らないとならない。
再びノック音がしてナラさんが入ってきた。テオドール様に渡された紅入れには、控え目な色の紅が見えた。テオドール様は親指の腹で紅を掬い、人差し指をわたしの唇の下にあて、親指で唇に紅をさす。少しも躊躇なく唇を触れられる。絶対、わたしの顔は真っ赤だ。
「お、可愛くなった。地味顔も悪くないが俺のそばにいる時は女性であることに誇りを持ってくれ」
なっ。ただのメイドに、そんなセリフを吐くとは罪深いヤツとわたしは思うが、過去のわたしの部分が胸をさらにドキドキさせている。
「これから魔塔に行く。今日はそこで魔術の研究をする。書類を運んだり、お茶の用意をしてもらうと思う。質問はあるか?」
「今のところありません」
「よし、じゃあいくぞ」
ナラさんがカーディガンを渡してくれた。寒い時にきるお仕着せのひとつのようだ。助かった。長袖ではあるけれど、割と寒かったのだ。
「マテューを手なづけたようだな」
馬車に乗り込むとまたここでも言われる。
ふと顔を近づけられた。驚いて首を引っ込める。
「18? 嘘だろ、肌の感じも反応ももっと幼い」
「……肌で年齢がわかるんですか?」
「触ればわかる。重ねれば確実だ」
まずい過去のわたしの部分が、そんなセリフを〝いやーん〟と喜んでいる。
やめて、過去のわたし。引っ張られる!
あれ、でも、……使えるかも。
こういう人って矜恃が高いから。大胆に人を揺すってきて、応対により人をバッサリ斬ってくるのだ。常に見極めるというか試すというか。
「重ねて、くださるんですか?」
そう上目遣いで問いかけてみれば、冷たい瞳で呆れられる。
過去のわたしが〝ぐすん〟としているが、嫌われることに成功したようだ。
テオドール様は過去のわたしの好みなので、哀しい気持ちがもたげてくるが、生き残るためだ。わたしは早いところ嫌われて、この生活からおさらばするのだ。そしたら領地に帰って、しばらくは森にこもって暮らす。もう、怖いのは嫌だ。そしたら王族と関わることもなく、平和に暮らせるはず。
「何を企んでる?」
「さぁ? 怪しいと思うなら解雇してください」
「……殿下が決められたことだから、俺には解雇する権利はない」
…………。
「なんで解雇されたいんだ?」
「身に余る仕事だからです」
「それでもやり遂げれば王室と繋がりを持てるかもしれねーぞ。王室のメイドにもなれる道が開ける」
「わたしはそれを望みません」
結局、王子様に取り下げてもらえないとダメなのか。絶望的な気持ちになる。夜会までに王子様に会う機会はないだろうし。あ、頼んでみるか。
「テオドール様、お願いがあります」
「聞けるかどうかはわからないが言ってみろ」
「王子様と会う機会を作ってくださいませんか?」
「……どうしてだ?」
「解雇してくださいとお願いしたいんです」
「証拠は?」
? 証拠?
あ、そっか。口ではなんとでも言えるもんね。王子様に会わせるにはわたしが悪意を持っていない立証ができないとなのだろう。そんなのは気持ちの問題で、証拠はどこにもない。
「それでは、解雇して欲しいとわたしが言っているのをお伝えいただくことは?」
テオドール様はわたしを見定めるようにみつめてくる。
「そうだな。今日の働きが見合う物なら考えよう」
「……よろしくお願いします」
わたしはすかさず頭を下げた。
マテュー様の手を払ってしまい、しまったと思った。
「すみません。失礼いたしました」
「いや、急に手を出した俺が悪いです。顔色が悪いですよ」
「そうですか? 寝不足だからだと思います。大丈夫です」
体は睡眠を欲しているが、嫌な夢をみたのか悲鳴をあげた自分に驚いて目が覚めるを2回繰り返した。大きく波打つ心臓を落ち着けて、汗を拭いてはうとうとしていた。気が昂っていてよく眠れた感がない。
車窓へと視線を移す。
わたしだって国王陛下と宰相にバレなければ、昨日と変わりない今日を迎えられたのに。
そりゃあ、身を偽るのが悪いことなのはわかっている。でも、それならどうすればよかったのか。緑の乙女は働くな。領地から出るな。領地以外で働かなければお金にはならない。あの禄だけでどうやって暮らしていけというのか。
気分的に最悪だが、変わらず過ごすよう言われた手前、仕事に出るしかなかった。
でもそれより、お兄様と夫人に罰が与えられたらどうしよう。本当にどうしよう。
馬車はいつの間にか魔術師長様のお屋敷についていた。まだ午前中だというのに、背の高い木が多いからなのか、雰囲気が暗いように感じた。中に入ればいたって普通のお屋敷だったので安心する。
いや……普通じゃなかった。メイド服が。体にピタッとした細身のワンピースで、足を捌きにくいからだろう、横には大きくスリットが入っている。これはそう……チャイナドレスだ。立ち襟があるのに胸の谷間が見えるよう布をカットして肌を見せている。
わたしを迎えてくれたのはナイスボディーの美女だ。通りかかるメイドさんはみんな艶っぽく美しい。そっちも美女だ。あっちも美女だ。メイドを雇う基準に、容姿の良さが入っている、絶対。
この、顔と体型を選ぶ服、これをわたしも着るの? 最悪だ。
予感した通り、お仕着せは先ほどの案内してくれたメイドさんたちが着ていたチャイナドレスタイプのものだった。他の方は赤やオレンジや黒といったきつめの色のものだったが、わたしに用意されたのは淡い黄色だった。体にぴったりフィットして体型が丸わかりだ。しかもこんな胸を強調するような服を着るのは初めてで、胸の布地のないところがスースーして寒い。スリットは太ももの中央ぐらいまで深く入っている。横で結んでいる下着の結び目が丸わかりだ。え、これみんなどうしてるの??
前世を思い出して欲しいもののひとつ、ゴム。ゴムがないからね、下着も左右で紐を結んで止めている。
「可愛いじゃない。初々しくていいわね。あら、下着脱がないの?」
マジか。こんなにスリット入っているのに、下着つけてないの?
顔を引きつらせていると、しょうがないわねといって腰から下の白いエプロンを渡される。それを巻けばボコっと突き出た下着の結び目は目立たない。
「ありがとうございます」
「いいえ、助けたわけではないわ。見た目が悪いからよ。テオドール様はセクシーさが魅力なの。テオドール様付きのメイドもそれに反しないよう肝に銘じてちょうだい。それからセクシーなのと、はしたないは全く違うことだから履き違えないようにね」
コンコンとドアをノックして、部屋に入る。
広い部屋には魔術に関するものであろう不思議な物で溢れていた。本が一番多かったけど、そこかしこに魔法陣を描いた紙が散乱していた。
ソファーに腰掛けたテオドール様は本を読まれていた。
「テオドール様、オーディーンメイド紹介所のメイドをお連れしました」
気怠そうに髪をかきあげる。切れ長の紅い目に認められると、胸がドクンと鳴った。
「ナラ、紅を持ってこい」
「承知いたしました」
メイド長(多分)はナラさんというみたいだ。彼女は部屋を出ていく。
「名前は?」
「リリアンです」
「こっちに来い」
わたしはテオドール様に近づく。
「座れ」
横に座れということらしい。
わたしはソファーに浅く腰を下ろした。これ以上深く座ったらスリットが大きく開いてしまう。
近くにテオドール様を感じて、胸がドキドキしている。
この感覚は覚えがある。
後ろだけ伸ばした白髪。切れ長の紅い瞳。ちろりと向けられた視線は少し意地悪そうで。そして細いのにしっかりした体つき。
テオドール様は前世のわたしの好みにドンピシャだった。わたしの考えるのと違うところで、胸は勝手にドキドキしじーっと見てしまう。過去のわたしの幻影が大喜びしているように感じた。
前世の記憶はすっかり馴染んでしまって境界線がぼやけてきている。けれど自分の名前だとか、いつどこでだとか、細かいことはもう思い出せない。ただふと思い浮かぶ考えや言葉があり、それがなんだかわからなかったりするから、過去のわたしの記憶なのだろうと納得している。そんな中、強く揺さぶられる感情がある。それが前世のわたしの好みのことであるらしく、特に好みの人に出会うとドキドキするわ、目で追ってしまうわ、まるで好きになってしまったような症状がでるので困惑している。そういう感情ってすっごく引っ張られるのだ。わたしが好きなわけでもないのに、引っ張られていつの間にか本当に好きになってしまったらと思って、ヒジョーに怯えている。っていうか、前世のわたし惚れっぽい。恋なんかしている余裕がないというのによくドキドキして、引っ張られまいと踏ん張らないとならない。
再びノック音がしてナラさんが入ってきた。テオドール様に渡された紅入れには、控え目な色の紅が見えた。テオドール様は親指の腹で紅を掬い、人差し指をわたしの唇の下にあて、親指で唇に紅をさす。少しも躊躇なく唇を触れられる。絶対、わたしの顔は真っ赤だ。
「お、可愛くなった。地味顔も悪くないが俺のそばにいる時は女性であることに誇りを持ってくれ」
なっ。ただのメイドに、そんなセリフを吐くとは罪深いヤツとわたしは思うが、過去のわたしの部分が胸をさらにドキドキさせている。
「これから魔塔に行く。今日はそこで魔術の研究をする。書類を運んだり、お茶の用意をしてもらうと思う。質問はあるか?」
「今のところありません」
「よし、じゃあいくぞ」
ナラさんがカーディガンを渡してくれた。寒い時にきるお仕着せのひとつのようだ。助かった。長袖ではあるけれど、割と寒かったのだ。
「マテューを手なづけたようだな」
馬車に乗り込むとまたここでも言われる。
ふと顔を近づけられた。驚いて首を引っ込める。
「18? 嘘だろ、肌の感じも反応ももっと幼い」
「……肌で年齢がわかるんですか?」
「触ればわかる。重ねれば確実だ」
まずい過去のわたしの部分が、そんなセリフを〝いやーん〟と喜んでいる。
やめて、過去のわたし。引っ張られる!
あれ、でも、……使えるかも。
こういう人って矜恃が高いから。大胆に人を揺すってきて、応対により人をバッサリ斬ってくるのだ。常に見極めるというか試すというか。
「重ねて、くださるんですか?」
そう上目遣いで問いかけてみれば、冷たい瞳で呆れられる。
過去のわたしが〝ぐすん〟としているが、嫌われることに成功したようだ。
テオドール様は過去のわたしの好みなので、哀しい気持ちがもたげてくるが、生き残るためだ。わたしは早いところ嫌われて、この生活からおさらばするのだ。そしたら領地に帰って、しばらくは森にこもって暮らす。もう、怖いのは嫌だ。そしたら王族と関わることもなく、平和に暮らせるはず。
「何を企んでる?」
「さぁ? 怪しいと思うなら解雇してください」
「……殿下が決められたことだから、俺には解雇する権利はない」
…………。
「なんで解雇されたいんだ?」
「身に余る仕事だからです」
「それでもやり遂げれば王室と繋がりを持てるかもしれねーぞ。王室のメイドにもなれる道が開ける」
「わたしはそれを望みません」
結局、王子様に取り下げてもらえないとダメなのか。絶望的な気持ちになる。夜会までに王子様に会う機会はないだろうし。あ、頼んでみるか。
「テオドール様、お願いがあります」
「聞けるかどうかはわからないが言ってみろ」
「王子様と会う機会を作ってくださいませんか?」
「……どうしてだ?」
「解雇してくださいとお願いしたいんです」
「証拠は?」
? 証拠?
あ、そっか。口ではなんとでも言えるもんね。王子様に会わせるにはわたしが悪意を持っていない立証ができないとなのだろう。そんなのは気持ちの問題で、証拠はどこにもない。
「それでは、解雇して欲しいとわたしが言っているのをお伝えいただくことは?」
テオドール様はわたしを見定めるようにみつめてくる。
「そうだな。今日の働きが見合う物なら考えよう」
「……よろしくお願いします」
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