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第四章 魔大陸編

大陸分断

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翌日勇者達の動向を探るために観察ポイントに飛ぶと、予定通り王国の勇者御一行がやってきた。今日中には東大陸に入るかもな。よし、奥地の魔力貯まりを偽装しとくか。魔力探知が出来るやつがいれば気になって寄って来る筈だし。
じゃあ、そろそろ奥地の魔族を引っ張って来るかな。

その日は午前中、いろんな勢力にちょっかい出しながら、西大陸方面に移動した。途中で転移をするから俺達6人だけが入り込んでるとは思わないだろう。

「一旦ハウスに戻ってお昼を食べようか。俺はちょっと勇者達の動向を見てくる。」

「そう言えば、古代遺跡のハリボテってこんな感じでいいの?」

「おーいい感じ。ありがとうね。やっぱり針仕事は彩が一番だなぁ。」

これで遠目から建物があるように偽装できる。でもこれって上手く開発すれば水に流せるトイレットペーパーができるな。考えてみよう。

俺は先に魔力貯まりの上に彩に作って貰った水で崩れる布を使って古代遺跡に模したハリボテを作った。強風でも吹かない限り大丈夫だろう。

次に観察ポイントに飛ぶと帝国の軍勢と、教皇国の勇者と騎士団とかが睨みあってる。帝国が通せんぼしてるのか?王国軍は東大陸に入り込んでいる。
しばらく睨みあっていたけど、王国軍がすでに東大陸に入っている情報が伝わって、慌てて移動を始めた。その隙に教皇国御一行はサッサと東大陸に侵入している。
帝国軍は数が多いのが災いして全部が入る込むのに数時間は必要っぽいな。

王国軍は山越えを始めたようだ。しかしタイミング良く3国が揃ったなぁ。俺は、帝国軍が東大陸に入るのを見てコントロールルームに飛んだ。

「認証オープン」

「認証完了しました。マスター指示をどうぞ。」

「ついでに魔力補充やっとく?」

「現在全施設の魔力残量は95%です。魔力補充しますか?」

「お願い。」

「完了しました。魔力残量100%です。」

「この惑星にはクラス「E」の個体が結構いるよね?」

「現在、クラス「E」個体は、183個体確認されています。」

「よし、じゃあ、俺以外の者に全ての施設を利用できないようにできる?」

「現在、マスター以外の認証受付は不可となっています。マスターが権限放棄後待機モードに入りますと設定はリセットされます。」

「了解、俺が死んだ後は仕方ない。」

「大陸の構造変化をしたい。」

「承認しました。大陸の構造変化が可能になりました。気候、時間、生物分布、大気組成、地形変化が可能です。」

「地形変化のみお願い。」

「こちらで指示をお願いします。」

大陸の立体模型を見ながら検討する。

「魔族の飛行時間はどれくらいある?」

「現在確認されている飛行可能な魔族は4種族です。飛行時間は最大1時間です。」

「というとどのくらいの距離だろう?」

「平均的な速度で飛行したとして600㎞です。」

「大陸は完全に分断可能?」

「不可能です。全体の1/3ほどは接合している必要があります。」

それじゃあ、山脈を作ってこの辺りを分断して、距離は3000㎞は離した方がいいな。山脈全体に多重結界をかけたら越えられないだろうから平野部分からしか入れないな。自力で船を作れないだろうけど、念のため海に魔物を配置しておこうかな、潮の流れを逆にしてお互いの大陸に近寄れないようにするか。

「こんな感じの変化は可能?所要時間は?」

「可能です。所要時間は1時間です。地形を変化させますか?」

「念のため現地を確認したいけど、確認可能?」

「こちらが現時点での現地の様子です。当該地域に知的生命体はいません。また大陸内の生物への影響もありません。当施設の外の時間を止め生物を固定します。尚、本ミッションに終了後全施設の魔力残量は50%となります。ミッションを開始しますか?」

「よろしく。」

「ミッションスタート。」

この間にお昼ご飯でも食べとくか。

「ただいま、ちょっと遅くなった。」

「「「「「お帰りー。」」」」」

「どうなった?拓哉。」

「上手くいった。あと一時間後には東と西の大陸が分断される。ただしこの場所は大陸の継ぎ目として残しておかないといけないらしい。そのかわり1万メートル級の山脈地帯を形成して、山脈全体に多重結界をかけてるから問題ないかな。この山脈を越えて行き来できなくなった。」

「じゃあ、外は大きな地震とか起きてるの?」

「いや、この施設の周りは時間を固定されているみたい。この世界の時間すら操れるとか凄いね。」

「お兄ちゃんの亜空間領域、お兄ちゃんが時間を操ってるんでしょう?同じじゃないの?」

「あーそう考えれば同じか。俺から見たら自分の亜空間領域を俺の勝手で変化させてるようなものだしな。」

「じゃあ、一時間後に出るの?」

「現地の勇者達に一言は言っておこうかと思う。俺の勝手で閉じ込めたんだし。」

「彩も一緒に行こうかな。彩も当事者だし。」

「いいけど的田達に会っても大丈夫か?嫌味言われるかもだぞ。」

「うん、平気。拓哉が側にいてくれるなら怖い者はないし。」

「じゃあ、俺と彩だけで行くか。後の4人はどうする?」

「アリスは調合をやっとく。」

「ミミはお夕飯の仕込みとおやつの準備を。」

「リリーは、カミ姉、模擬戦する?」

「ダネ。私達が一番LV低いしね。タクヤさん、二人で模擬戦やっときます。模擬戦空間も開けておいて下さい。」

「了解。」

その後、ゆっくり時間をかけて食事をして、一旦コントロールルームに戻ってみると、変化が終了していると言うアナウンスが聞こえた。

「地形変化ミッションコンプリート。時間固定解除。生物への影響はありません。」

「ついでに、魔力供給しとく。」

「魔力残量100%です。」

その後パネルをクローズして、彩と一緒に東大陸に飛んだ。勇者一行はまだ森を抜けてなかったようだ。帝国の軍の一部が山頂付近に陣取っていたようだな地形変化に気付いたようだ、慌ただしい動きを見せている。西大陸と繋がった場所まで戻ってくるようだ。

そうだ、偽装のやつ取り除いておくか。彩と一緒に魔力貯まりの場所に飛んで回収した。やはりこの場所を感知したやつがいるみたいだな。ピンの反応がある。俺と彩は西大陸と繋がっていた場所まで来て、皆を待つことにした。
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