カースト最底辺からの成り上がり

けんもも

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第三章 古代遺跡編

クラスD

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「施設内に時空の歪みを観測しました。警戒しますか?」

「いいえ」

さっき、馬車を出した時にこのアナウンスが流れていたんだよな。

さてまずは施設のマニュアルはないのかな。

「施設の概要、説明、結界の状況」

「指令を受諾しました。現施設の概要はこのようになっています。施設の説明は当該個所にポイントを当てることで詳細な説明が流れます。結界及び警戒態勢ですが現在第二級警戒モードに設定されています。設定を変更しますか?」

「俺の許可者以外の侵入を禁じるようにはできる?また塔自体に光学迷彩などで視覚的に認識できないように可能?」

「現在、当施設には4名の入館が確認されています。この4人を認証に加えます。以降、管理者の許可がない者の入館はできません。光学迷彩、及び多重結界の構築には残魔力が不足しています。大気からの吸収量ではこれらの処理を行えません。」

「魔力補給はどうやるの?」

「こちらのパネルから魔力を補給可能です。」

俺はパネルに手を置いて魔力を流しこんだ。MPが50000近く減った時に、

「魔力残100%です。当施設の全ての機能を使用可能です。光学迷彩、多重結界を構築しますか?」

「はい」

「魔力吸収装置の効率が上がりましたので、現時点より当惑星時間で233年の稼働が可能です。」

「この場所に直接転移魔法での移動は可能?」

「承認しました。当該空間に管理者の時空間魔法による移動を許可にします。」

「この施設内でアイテムの作成は可能なの?」

「施設内素材残量を確認しました。ミスリル鉱石が残量15%です。他素材は残量50%以上あります。」

「念話の腕輪とか作成可能?」

「こちらです。」

「この施設で作成可能な付加魔法は何がある?あるいはこの施設のデータベースにある魔法の一覧は見れる?」

俺は出来上がった念話の腕輪を見ながら念話スキルの読み取りをやてみた。波動魔法の一種みたいだな系列的に。考えてみれば音声でも電波でも波だしな。
付加魔法でできそうだな。

「一覧にしましたが情報が膨大ですので情報チップにします。直接アクセスできるようにしていますのでこのチップをお持ち下さい。」

「チップはどうやって使うの?」

そのまま身体に当てると吸収されます。以降自由に閲覧可能になります。ただし智力999以下の方が使用すると脳の許容量オーバーになりますのでご注意ください。マスターは使用するのに問題ありません。
情報チップを手に持つとなるほど頭の中に電子辞書が入った感じだ。検索で出てくる。

「この施設で作成可能なアイテムの一覧表も貰える?後、この惑星で最終可能な必要素材も一覧にして貰えるとありがたい。」

「こちらをどうぞ。」

チップを吸収した後は、立体ホログラフに浮かんだ施設をいろいろチェックした。施設自体、人型の生命体に適した施設とは言い難い場所もあって、自分の亜空間トレーラーハウスが一番快適だと言う結論に達した。

亜空間トレーラーハウスの出口をコントロールセンター内に開けたので馬車は収納した。こっちの出口を常に開けていればこの世界の時間と常に同期することになるので、ここを出入り口にした。周囲の環境を確認したら、この塔の地下に温泉の源脈があるみたいなのでこの塔の最上階に露天風呂を作ることにした。こっちからは周囲の景色は見えるけど周囲からは多重結界と光学迷彩で完全に見えなくなっているので最高の立地条件だ。塔の外壁に沿って延々地下に土魔法と練金でパイプを通し源脈の圧だけで屋上に温泉が出て来た時は最高の気分だった。排水管も地下まで通しているので自然循環型の温泉の出来上がりだ。スペースはまだまだあるのでいろいろ作る予定、ジャグジーとかもよさそうだな。

それから現実世界で一週間ほどの時間を亜空間領域に閉じこもって、受け取った情報チップの情報の把握に努めた。勿論彩には1秒ほど消えることを伝えてある。
結果、付加魔法は何でもできた。正に何でも。付加と言う名称で呼ぶのは単にその魔法効力を転写できるからであって、要は知的生命体が創造しうる全てのことが出来るようだ。
この施設を作った生命体に非常に興味を持って途中でこの施設に関する情報も全て情報チップ化して貰った。
さらに一週間ほど亜空間領域に籠って全てを理解して現実世界に戻った時に、俺の「賢者」レベルは5となりカンスト後、「ラファエル」というスキルに変化した。神の知恵とかいう感じなのかもしれない。いずれにせよこれによって俺のクラスが「D」に変化し、この惑星にある他の古代遺跡の遠隔操作権限を持てるようになった。

「認証終了しました。クラスD所持者、タクヤ・リュウザキを本プラント司令官権限者に認証します。」

この惑星と言うか世界は、要するに神だか最高知的生命体なのか知らないけど、使い捨ての実験場みたいなものらしい。すでにこの惑星の現場作業員と言うか担当者(クラスDとクラスEのやつら)はこの世界から退去していて、古代遺跡と呼ばれていた惑星の維持システムのみでこの世界が維持されてきたらしい。どれくらいの時間がたっているのか不明。別の施設が待機モードになってからの経過時間は数千年以上らしい。この施設は途中でリセットされたっぽい。と言うのも数百年前に一度この施設に来たやつがいるらしいけど、痕跡を抹消していて詳細は不明みたいだ。
簡単に言えば、「魔力」による生命体の発祥とその進化の実験を行うために作られたということだ。つまりはこの世界の住人、いや魔物も含めて全ての生命体はモルモットみたいなものみたいだ。
現在、この惑星にここみたいな施設(古代遺跡)は全部で8か所あって、全て自律モードで稼働中みたいだ。俺はこの施設の危険性を感じこの世界のこの施設を隠すことにした。施設と言うよりこの惑星を隠すと言った方がいいかな。ともかく再度、知的生命体がフラッと立ち寄ってこの世界に干渉できないように阻害することにした。ただそれを維持するには、膨大な魔力が必要とされるようだ。

「魔力を還流するシステムを構築できる?」

「可能です。この惑星で魔法を使用した際に、一定量の魔力を吸いあげるようにすれば可能です。ただし施設ごとに特定の属性魔法を還流する形になりますので、8つの施設を維持するには8つの属性魔法がひつようです。尚、惑星維持のために必要な施設はうち3ヶ所です。これらの施設には十分な魔力の還流が必要です。」

「よし、じゃあ、聖魔法、火魔法、水魔法をその3施設に割り当てて、残りは風魔法、雷魔法、土魔法、闇魔法を割り当て、この施設は氷魔法を割り当てることにしよう。」

「設定完了しました。尚、残量が少なく惑星の隠蔽が不可能です。予想では当惑星時間で1058年後に設定可能になります。」

「ここから核施設へ魔力供給できる?」

「可能です。魔力供給開始しますか?」

俺はパネルに手を置いて魔力を流す。俺はクラスが一つ上がったことで更に能力値の上限が一桁ずつ上がっている。35万ほど供給した時点で、

「核施設の魔力残量が100%になりました。核施設の全ての機能が使用可能になりました。」

「よしじゃあまず、ここ以外の全ての施設は可能な限り地中深くに埋没。警戒レベルを最高度に上げて稼働。」

「指令を確認しました。最高度警戒レベルにて待機モードに移行します。惑星の隠蔽開始しました。この惑星は完全スタンドアローン形式で維持されています。」

「よし、この惑星の地形を変化させることは可能?」

「可能です。こちらからどうぞ。」

「いや、今はいい。後からやって貰うかもしれない。」

「この惑星の法則を変更は可能?」

「基本的な枠組みの変更は不可能です。情報を整理、運用を限定することは可能です。」

「よし、じゃあそっちも後からお願いするかもしれない。」

「あと、俺がこの場所から離れて、この施設の遠隔運用は可能?」

「司令官権限の行使はこのルーム内でしか使用できません。施設外での情報の閲覧もマスターのイデアキャパシティーの不足により不能です。」

「了解。それじゃあ、この施設で警備が、このルームの次に厳重な場所は居住ルーム?」

「はい。そうです。」

「俺以外の入室と部屋から出ることを禁止するようにルーム設定して。」

彩達はまだ亜空間トレーラーハウスに入ったままだ。俺は彩達に連絡して一旦、亜空間領域を閉じた。

「これより、このコントロールルームへは、俺以外の立ち入りを禁止する。」

「承認しました。以降マスター以外の入室を禁止。不審者は即時撃退します。」
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