81 / 107
第六章 魔物の森の街建設編
竜人族の眷族化
しおりを挟む
「どうなってる?あれは、勇者たちの仕業なのか?」
「遠目で確認しております。まず、騒ぎの中心は、勇者たち3名で間違いありません。剣勇者が敵司令部に向かっています。あっ、剣勇者がやられました。一閃です。その後消えました。残った、槍勇者と斧勇者も一閃でやられて消えました。こちらの二人は見ていましたが、誰かと打ちあってはいませんでした。何らかの魔法かもしれません。」
「ぐぬぬー。相手の損害はどの程度じゃ。」
「敵士官をかなり仕留めましたが、司令部は無事です。」
「一瞬で消し去る魔法?そんな魔法など聞いたことがないぞ。」
「私もありません。が、我々が勇者召喚を行ったように、王国が古代の魔法を手に入れた可能性も否定はできません。」
「3人の勇者を別々に消し去ったと言うことは、連発可能な魔法と言うことじゃろう。そんな魔法があるのに、ここまで使わなかったのには何か発動に制限があるのかもしれん。いずれにせよ、勇者3人を失ったとすれば、兵力差はいかんともし難い。」
一方、王国側では、
「一体何が起こったのだ。さっきのは、何だ。」
「恐らく、帝国の召喚勇者だと思われます。」
「被害はどれくらいだ。」
「エントマ将軍を初め、中隊長、士官クラスの者が200名ほど討ち死にし、兵の被害は恐らく、2000人ほどになるかと。」
「なt、将軍まで。隊長クラスがやられたとなると、軍の編成は可能か?」
「参謀として進言します。敵勇者3名の内、司令部に攻めてきていた一人は、カルキン中隊長と交戦中に倒され消えました。他2名の勇者も同様に一旦倒れたのちに消えています。カルキン中隊長が切り伏せた感覚はないとのことですが、明らかに迷宮での魔物討伐の際と同じ感じでした。何らかの原因で、召喚が解けたのか、契約なのか解りませんがいずれにせよ勇者は消えたと思われます。それは、帝国側の慌てぶりからも明らかだと。
この期に帝国と停戦の講和を結ぶべきかと思います。指揮官クラスがこれだけ減らされると、軍の編成は可能ですが、最早軍としての攻撃力は望めないかと思われます。」
アンパパ、よく見てるね。俺もここで引いた方がいいと思うよ。
「な、何を弱気なことを。今回の大戦では、帝国の勇者の戦力だけが不確定で、わが方の戦力を上回っておったのだ。それがないなら、一気に叩き潰す好機。すぐに、全軍に進撃の合図を。夜戦に持ち込むぞ。」
「元帥殿、それはお待ち下さい。どうしても攻め込むとしても、せめて、明日までお待ちください。軍の編成と兵達の指揮系統の見直し、何よりも兵の士気が、・・」
「えーい、何を弱気なことを。これだから、軍を離れている文官上がりの参謀は役に立たたん。戦いは時の流れをいかに読むかだ。」
アンパパも苦労するねぇ。まあ軍の偉いさんってこんなもんだけどな。
帝国の方も、こっちの動きを読んで、夜戦の準備してるしな。
俺は、この間に、帝城にいる最後のゲス野郎を始末しとくか。あいつだけ残しといたら、皆にとって不幸になりそうだし。
マリアに今日は遅くなりそうって念話連絡して、帝城のゲス野郎の部屋に飛んだ。
ゲス野郎がいないぞ、どこに行った?帝城内を探すと、いない。丞相の部屋に行くと、状況が分かった。ゲス野郎、雷精霊神殿に押し入っているそうだ。なるほど、開戦して、雷精霊神殿の警備が手薄になった時を狙うって計画だったのか。丞相も、半ば黙認しているようだ。神器と呼ばれる、雷槍を手に入れるチャンスと思ったのかもしれないな。案外、裏で糸を引いてるのは、この丞相かもしれないな。そうじゃなければ、もう一人のゲスが雷精霊神殿に神器があるとか知ってるわけないしな。
ともかく、神覚の領域を広げて、魔力貯まりの大きい場所を探してみた。見つけた。おっと、端の方に反応しているのは迷宮か。こっちもチェック入れとこう。今度皆で迷宮ツアーでもやるか。
って考えてる場合じゃないか、雷精霊神殿の上空に転移すると、ひどい有様だった。
ゲス野郎、体術だけじゃなかったのか?手にカイザーナックルだけじゃなくて、足の先とか、肘や膝にも武装した装備をつけて、無双してるな。取り敢えず、直接見に行くか。
神殿内部に転送すると、竜人族の兵士や神官に取り囲まれるようにして、ゲス野郎が戦っている。通ってきた道には、何人もの屍が転がってるし。
で、スキルのレベル的に見て、こいつらやられたら後がないだろうって、3人と対峙してるけど、ゲスの方が優勢かな。3人はうまく連携して、後方から魔法の支援を受けてるみたいだけどね。
「ふ、ふ、ふ。こいつはたまんねぇな。何人、殺したか解んなくなったぜ。セックスより気持ちいぞこれは。俺は無敵だ。ジョーが手こずったって聞いたから、どんだけって思ったけど、大した事ねえな。俺の方が強くね?」
ゲス野郎は、日本語で喚きながら戦ってるし、余裕だなこれは。
あっと、3人が倒れた。神官たちも諦めた感ありありだな。
ゲス野郎は悠然と、雷槍の元に進んでる。
「おい、ゲス。汚ねえ手で、触るんじゃねえ。」
俺は、竜人族がゲスの相手を諦めたようなので、ゲスと雷槍の間に入って姿を現し、日本語で言い放った。
「て、てめえ、何者だ。」
「そんなこと知る必要はない。」
俺はそう言って、ゲスにサンダーボルトを軽くぶっ放して、痺れさせた。
こいつには、生きたままカリー達の痛みを経験して貰わないといけない。
ゲスのスキル拳足聖と敏捷値だけ吸い取った。
ゆっくりと歩み寄って、まずはカリーの分として、ゲスを腹パンチ。
吹っ飛んで行ったゲスをゆっくりと追いかけて、蹴り。パンチ。一つずつ丁寧に見舞ってやった。
「だ、だすけてぐれ。お前も、俺と同じ、日本人だろう。」
「同じ?違うな。お前ら4人と一緒にするな。お前も、さっさと後の3人と同じように消えろ。ゲス野郎が。」
俺は、ゲスが、十分に痛み苦しむのを待ってから、全部の能力値を吸収して、最後に顔を踏みつけてHPを0にして、そのままアイテムボックスに収納した。
俺の周りには、神官たちが平服している。
まあ、こいつらを救った訳じゃないんだけど、結果的に救ってやったんで感謝してるのか。
「雷精霊の御使い様でございますか?」
神眼でみると、この神殿の教皇みたいだ。竜人族だな。
「ん?俺は、御使いとかじゃないぞ。このゲス野郎を討伐しに来ただけだ。残りの3人のゲスを始末することになったんで、ついでにな。」
「おー、では、あの槍使いも討伐して頂いたのですか?」
「あー?槍勇者とか呼ばれてたゲスか?あいつなら始末したぞ、王国の俺の知り合いを襲おうとしてたからな。」
「で、では御使い様は王国の御味方をされておられるのでしょうか?」
「いやしてねえよ。俺には、王国も帝国も関係ないしな。戦争するなら好きにやってくれ。俺は、俺の知っているやつに手を出すやつを許さないだけだ。
ところで、なんで、お前達はそうやって俺に平服してるんだ。俺は、別にお前たちを救いに来たわけじゃないぞ。」
「わかっております。ただ、あなた様が先ほど使われた魔法は、雷魔法でございますね。私たちも何代にもわたって、雷精霊様に御加護を頂ける様に祈りを捧げておりますが、これまでに、雷魔法の御加護を受けた者はおりません。私たち、竜人族が龍族より生まれて守護を任された「ドボルザーク雷槍」には、「雷精霊の加護を受け、眩い光を放つ者が、槍を手にする時、その身は黄金の衣を身に纏い、竜人族を導くであろう。」という言い伝えも一緒に託されておるのでございます。雷魔法を発動できるあなたさまこそ、御使い様に間違いはないと。是非、あちらのドボルザーク雷槍を手にお取り下さい。」
「まあ、そこまで言うなら、手にするだけな。俺ももう一度戦場に戻らないと行けないから、忙しいんだよ。」
そう言って、俺が雷槍を手に取ると、俺の周りに雷がまとわりつき、
「条件が整いましたので、「雷精霊魔法」が、ユニークスキル「雷精霊」に変わりました。」
ん。一応、今回はもしかしたらって気はしてたんだよ。心の準備もしていた。でも、今そうなるのか。この後の展開も予想できるぞ。
「おー。お御使い様。顕現して頂き、ありがとうございます。ありがとうございます。竜人族をどうぞお導き下さいませ。」
「いやー、俺そう言うのあんまり興味ないからな。ほら、竜人族って、俺あんまり知らないし。」
「これから、我らのことを全てお知り下さいませ。我らの魂をお御使い様に捧げいたします。」
困ったなーとは思ったけど、エルフで免疫ついてるし、心の準備もしてたんで、
「まあ、取り敢えずは、現状維持ってことで。しばらくは今まで通り生活しといてくれ。ところで、この槍はどうする?丞相が狙ってるようだけど。今回のゲスも前の槍ゲスも、丞相が裏で指示して、この槍を手に入れようとしてるっぽいぞ。」
「な、真ですか。なるほど、それで全てのことが合点がいきました。この度の王国との戦争に、我々竜人族の、主要な戦士は全員、駆り出されました。従わぬ場合には、雷精霊神殿の寄付をすべて取り消すと言われて。全てが、丞相の罠だったのですね。」
「まあ、その辺りは解らないけど、ともかく、この槍を狙ってるのは確かだけど、どうする?安全な場所があるなら、そっちに移した方がいいんじゃない?」
「お御使い様、ドボルザークの雷槍は、我ら竜人族の魂でございます。その槍は、是非、お御使い様がお持ち下さいませ。」
「まあ、それでいいなら、取り敢えず、俺が持ってるけど。」
わお、竜人族が俺の眷族に入ってるな。この教皇ってやつが竜人族の代表だったのか。それとも、この槍を正式に受け取ったからか。まあ、眷族なら仕方ないな。ゲス勇者に殺されたやつらからさっき奪った能力値を返してっと、
「じゃあ、取り敢えず、このゲスにやられた奴らを復活させておくから、後はしっかり自分達で守ってね。念のために俺が結界を張っておくから、あんたの許可するやる以外は、この結界に入れないようにしとく。」
結構な数がいたけど、全員を復活の魔法で蘇らせて、そのまま、戦場に飛んだ。
その後、教皇以下、神殿中が大パニックになったようだけど、戦争が終わるころには落ちついてるだろう。あとで、様子を見に行くか。
「遠目で確認しております。まず、騒ぎの中心は、勇者たち3名で間違いありません。剣勇者が敵司令部に向かっています。あっ、剣勇者がやられました。一閃です。その後消えました。残った、槍勇者と斧勇者も一閃でやられて消えました。こちらの二人は見ていましたが、誰かと打ちあってはいませんでした。何らかの魔法かもしれません。」
「ぐぬぬー。相手の損害はどの程度じゃ。」
「敵士官をかなり仕留めましたが、司令部は無事です。」
「一瞬で消し去る魔法?そんな魔法など聞いたことがないぞ。」
「私もありません。が、我々が勇者召喚を行ったように、王国が古代の魔法を手に入れた可能性も否定はできません。」
「3人の勇者を別々に消し去ったと言うことは、連発可能な魔法と言うことじゃろう。そんな魔法があるのに、ここまで使わなかったのには何か発動に制限があるのかもしれん。いずれにせよ、勇者3人を失ったとすれば、兵力差はいかんともし難い。」
一方、王国側では、
「一体何が起こったのだ。さっきのは、何だ。」
「恐らく、帝国の召喚勇者だと思われます。」
「被害はどれくらいだ。」
「エントマ将軍を初め、中隊長、士官クラスの者が200名ほど討ち死にし、兵の被害は恐らく、2000人ほどになるかと。」
「なt、将軍まで。隊長クラスがやられたとなると、軍の編成は可能か?」
「参謀として進言します。敵勇者3名の内、司令部に攻めてきていた一人は、カルキン中隊長と交戦中に倒され消えました。他2名の勇者も同様に一旦倒れたのちに消えています。カルキン中隊長が切り伏せた感覚はないとのことですが、明らかに迷宮での魔物討伐の際と同じ感じでした。何らかの原因で、召喚が解けたのか、契約なのか解りませんがいずれにせよ勇者は消えたと思われます。それは、帝国側の慌てぶりからも明らかだと。
この期に帝国と停戦の講和を結ぶべきかと思います。指揮官クラスがこれだけ減らされると、軍の編成は可能ですが、最早軍としての攻撃力は望めないかと思われます。」
アンパパ、よく見てるね。俺もここで引いた方がいいと思うよ。
「な、何を弱気なことを。今回の大戦では、帝国の勇者の戦力だけが不確定で、わが方の戦力を上回っておったのだ。それがないなら、一気に叩き潰す好機。すぐに、全軍に進撃の合図を。夜戦に持ち込むぞ。」
「元帥殿、それはお待ち下さい。どうしても攻め込むとしても、せめて、明日までお待ちください。軍の編成と兵達の指揮系統の見直し、何よりも兵の士気が、・・」
「えーい、何を弱気なことを。これだから、軍を離れている文官上がりの参謀は役に立たたん。戦いは時の流れをいかに読むかだ。」
アンパパも苦労するねぇ。まあ軍の偉いさんってこんなもんだけどな。
帝国の方も、こっちの動きを読んで、夜戦の準備してるしな。
俺は、この間に、帝城にいる最後のゲス野郎を始末しとくか。あいつだけ残しといたら、皆にとって不幸になりそうだし。
マリアに今日は遅くなりそうって念話連絡して、帝城のゲス野郎の部屋に飛んだ。
ゲス野郎がいないぞ、どこに行った?帝城内を探すと、いない。丞相の部屋に行くと、状況が分かった。ゲス野郎、雷精霊神殿に押し入っているそうだ。なるほど、開戦して、雷精霊神殿の警備が手薄になった時を狙うって計画だったのか。丞相も、半ば黙認しているようだ。神器と呼ばれる、雷槍を手に入れるチャンスと思ったのかもしれないな。案外、裏で糸を引いてるのは、この丞相かもしれないな。そうじゃなければ、もう一人のゲスが雷精霊神殿に神器があるとか知ってるわけないしな。
ともかく、神覚の領域を広げて、魔力貯まりの大きい場所を探してみた。見つけた。おっと、端の方に反応しているのは迷宮か。こっちもチェック入れとこう。今度皆で迷宮ツアーでもやるか。
って考えてる場合じゃないか、雷精霊神殿の上空に転移すると、ひどい有様だった。
ゲス野郎、体術だけじゃなかったのか?手にカイザーナックルだけじゃなくて、足の先とか、肘や膝にも武装した装備をつけて、無双してるな。取り敢えず、直接見に行くか。
神殿内部に転送すると、竜人族の兵士や神官に取り囲まれるようにして、ゲス野郎が戦っている。通ってきた道には、何人もの屍が転がってるし。
で、スキルのレベル的に見て、こいつらやられたら後がないだろうって、3人と対峙してるけど、ゲスの方が優勢かな。3人はうまく連携して、後方から魔法の支援を受けてるみたいだけどね。
「ふ、ふ、ふ。こいつはたまんねぇな。何人、殺したか解んなくなったぜ。セックスより気持ちいぞこれは。俺は無敵だ。ジョーが手こずったって聞いたから、どんだけって思ったけど、大した事ねえな。俺の方が強くね?」
ゲス野郎は、日本語で喚きながら戦ってるし、余裕だなこれは。
あっと、3人が倒れた。神官たちも諦めた感ありありだな。
ゲス野郎は悠然と、雷槍の元に進んでる。
「おい、ゲス。汚ねえ手で、触るんじゃねえ。」
俺は、竜人族がゲスの相手を諦めたようなので、ゲスと雷槍の間に入って姿を現し、日本語で言い放った。
「て、てめえ、何者だ。」
「そんなこと知る必要はない。」
俺はそう言って、ゲスにサンダーボルトを軽くぶっ放して、痺れさせた。
こいつには、生きたままカリー達の痛みを経験して貰わないといけない。
ゲスのスキル拳足聖と敏捷値だけ吸い取った。
ゆっくりと歩み寄って、まずはカリーの分として、ゲスを腹パンチ。
吹っ飛んで行ったゲスをゆっくりと追いかけて、蹴り。パンチ。一つずつ丁寧に見舞ってやった。
「だ、だすけてぐれ。お前も、俺と同じ、日本人だろう。」
「同じ?違うな。お前ら4人と一緒にするな。お前も、さっさと後の3人と同じように消えろ。ゲス野郎が。」
俺は、ゲスが、十分に痛み苦しむのを待ってから、全部の能力値を吸収して、最後に顔を踏みつけてHPを0にして、そのままアイテムボックスに収納した。
俺の周りには、神官たちが平服している。
まあ、こいつらを救った訳じゃないんだけど、結果的に救ってやったんで感謝してるのか。
「雷精霊の御使い様でございますか?」
神眼でみると、この神殿の教皇みたいだ。竜人族だな。
「ん?俺は、御使いとかじゃないぞ。このゲス野郎を討伐しに来ただけだ。残りの3人のゲスを始末することになったんで、ついでにな。」
「おー、では、あの槍使いも討伐して頂いたのですか?」
「あー?槍勇者とか呼ばれてたゲスか?あいつなら始末したぞ、王国の俺の知り合いを襲おうとしてたからな。」
「で、では御使い様は王国の御味方をされておられるのでしょうか?」
「いやしてねえよ。俺には、王国も帝国も関係ないしな。戦争するなら好きにやってくれ。俺は、俺の知っているやつに手を出すやつを許さないだけだ。
ところで、なんで、お前達はそうやって俺に平服してるんだ。俺は、別にお前たちを救いに来たわけじゃないぞ。」
「わかっております。ただ、あなた様が先ほど使われた魔法は、雷魔法でございますね。私たちも何代にもわたって、雷精霊様に御加護を頂ける様に祈りを捧げておりますが、これまでに、雷魔法の御加護を受けた者はおりません。私たち、竜人族が龍族より生まれて守護を任された「ドボルザーク雷槍」には、「雷精霊の加護を受け、眩い光を放つ者が、槍を手にする時、その身は黄金の衣を身に纏い、竜人族を導くであろう。」という言い伝えも一緒に託されておるのでございます。雷魔法を発動できるあなたさまこそ、御使い様に間違いはないと。是非、あちらのドボルザーク雷槍を手にお取り下さい。」
「まあ、そこまで言うなら、手にするだけな。俺ももう一度戦場に戻らないと行けないから、忙しいんだよ。」
そう言って、俺が雷槍を手に取ると、俺の周りに雷がまとわりつき、
「条件が整いましたので、「雷精霊魔法」が、ユニークスキル「雷精霊」に変わりました。」
ん。一応、今回はもしかしたらって気はしてたんだよ。心の準備もしていた。でも、今そうなるのか。この後の展開も予想できるぞ。
「おー。お御使い様。顕現して頂き、ありがとうございます。ありがとうございます。竜人族をどうぞお導き下さいませ。」
「いやー、俺そう言うのあんまり興味ないからな。ほら、竜人族って、俺あんまり知らないし。」
「これから、我らのことを全てお知り下さいませ。我らの魂をお御使い様に捧げいたします。」
困ったなーとは思ったけど、エルフで免疫ついてるし、心の準備もしてたんで、
「まあ、取り敢えずは、現状維持ってことで。しばらくは今まで通り生活しといてくれ。ところで、この槍はどうする?丞相が狙ってるようだけど。今回のゲスも前の槍ゲスも、丞相が裏で指示して、この槍を手に入れようとしてるっぽいぞ。」
「な、真ですか。なるほど、それで全てのことが合点がいきました。この度の王国との戦争に、我々竜人族の、主要な戦士は全員、駆り出されました。従わぬ場合には、雷精霊神殿の寄付をすべて取り消すと言われて。全てが、丞相の罠だったのですね。」
「まあ、その辺りは解らないけど、ともかく、この槍を狙ってるのは確かだけど、どうする?安全な場所があるなら、そっちに移した方がいいんじゃない?」
「お御使い様、ドボルザークの雷槍は、我ら竜人族の魂でございます。その槍は、是非、お御使い様がお持ち下さいませ。」
「まあ、それでいいなら、取り敢えず、俺が持ってるけど。」
わお、竜人族が俺の眷族に入ってるな。この教皇ってやつが竜人族の代表だったのか。それとも、この槍を正式に受け取ったからか。まあ、眷族なら仕方ないな。ゲス勇者に殺されたやつらからさっき奪った能力値を返してっと、
「じゃあ、取り敢えず、このゲスにやられた奴らを復活させておくから、後はしっかり自分達で守ってね。念のために俺が結界を張っておくから、あんたの許可するやる以外は、この結界に入れないようにしとく。」
結構な数がいたけど、全員を復活の魔法で蘇らせて、そのまま、戦場に飛んだ。
その後、教皇以下、神殿中が大パニックになったようだけど、戦争が終わるころには落ちついてるだろう。あとで、様子を見に行くか。
1
お気に入りに追加
2,297
あなたにおすすめの小説

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜
水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。
その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。
危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。
彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。
初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。
そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。
警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。
これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

調子に乗りすぎて処刑されてしまった悪役貴族のやり直し自制生活 〜ただし自制できるとは言っていない〜
EAT
ファンタジー
「どうしてこうなった?」
優れた血統、高貴な家柄、天賦の才能────生まれときから勝ち組の人生により調子に乗りまくっていた侯爵家嫡男クレイム・ブラッドレイは殺された。
傍から見ればそれは当然の報いであり、殺されて当然な悪逆非道の限りを彼は尽くしてきた。しかし、彼はなぜ自分が殺されなければならないのか理解できなかった。そして、死ぬ間際にてその答えにたどり着く。簡単な話だ………信頼し、友と思っていた人間に騙されていたのである。
そうして誰もにも助けてもらえずに彼は一生を終えた。意識が薄れゆく最中でクレイムは思う。「願うことならば今度の人生は平穏に過ごしたい」と「決して調子に乗らず、謙虚に慎ましく穏やかな自制生活を送ろう」と。
次に目が覚めればまた新しい人生が始まると思っていたクレイムであったが、目覚めてみればそれは10年前の少年時代であった。
最初はどういうことか理解が追いつかなかったが、また同じ未来を繰り返すのかと絶望さえしたが、同時にそれはクレイムにとって悪い話ではなかった。「同じ轍は踏まない。今度は全てを投げ出して平穏なスローライフを送るんだ!」と目標を定め、もう一度人生をやり直すことを決意する。
しかし、運命がそれを許さない。
一度目の人生では考えられないほどの苦難と試練が真人間へと更生したクレイムに次々と降りかかる。果たしてクレイムは本当にのんびり平穏なスローライフを遅れるのだろうか?
※他サイトにも掲載中
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています


貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる