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第一章 異世界遭遇編
兎美少女登場
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荷台の奥の方に、何かある。
えっ、人?
あの耳はウサギ?
鑑定してみた。
名前 マリア・キャロット
種族 兎族 LV.2
年齢 16
職業 奴隷
クラス H
HP 32
MP 100
筋力値 10
体力値 50
魔力値 100
精神値 15
敏捷値 60
幸運値 30
ユニークスキル 祝福
スキル 回復魔法(LV.2)、水魔法(LV.1)、聖魔法(LV.2)、料理(LV.2)、裁縫(LV.1)、アルスラン語(LV.2)、兎語(LV.2)
まだ息はあるようだ。
馬車が倒れた時に気を失ったのかな。
うーん、この「祝福」ってスキルはなんだろう?
おっ、情報がでてきた。神眼の機能何だろうか。
祝福:能力値、スキルを他者に分け与えることのできる能力。
能力値は、LV基準値以上を分け与えることはできない。
解るような、解らないようなスキルだけど、欲しいかも・・・
「スキル及び能力値獲得可能です。獲得しますか?」
「取り敢えず、祝福だけYES!」
「必要スキル条件が揃いました。スキルの統合をしますか?」
スキルの統合?
何だ?
感じからすると、俺のスキル「貪食」と今とった「祝福」の統合だろうな。
「OK!」
「スキルの統合を行います。」
「スキルの統合が完了しました。」
「神スキル 「神授受」 を取得しました。」
「神スキルが規定数に達したので、神スキルのLVが更新されました。」
つっこみどころ満載だなぁ。
えっと、「神授受」ってなんだ。
神授受:能力値、スキルを授受可能。
LV制限、スキルLV制限なしに、任意の値で授受できる。
まてまて、これってまずのか?今まで、死んだ人とか、魔物だっだから
無問題だったけど、この娘(?)って、まだ生きてるんだった・・・・
どうしよう。うーん、このまま、バックレるか?
でも、ほっとけないか。
うつ伏せにたおれてた兎耳の娘を抱き起してみた。
凄い。超美人、いや美少女。
さっき神眼で見たときに女の子とはわかっていたけど、ここまでとは。
銀色の流れるような髪の毛は、サラサラで、目を閉じててもそのかわいさは一目了然。
今まで見たアイドルと比べても遜色がないどころか、こっちの方が断然かわいい。
すっとした鼻も、薄紅色の唇も、まさにジャストミート!
お胸は、大きからず、小さからずだけど、全体のバランスから言ったら、この大きさがベストって感じ・・・
もちろん、生では見てないけど、着ている服が、ちょっと薄手の貫頭着みたいな感じで、裾がまくれて太ももあたりまで見えてるし。
これは不可抗力だよ、うん。
あっ、目を覚ました。
「*******」
何、あっ、兎語か?
ちょっとだけ、もらうけど、許してね。
「ここは?あなたは誰?」
「兎語、少しだけ。アルスラン語、お願い。」
その言葉を聞いて、マリアの意識がしっかりしたみたい。
俺に抱きかかえられているのを認識したのか顔が、ポッと赤くなって。
「あの、大丈夫です。どうもありがとうございました。
私、悪い人たちに攫われて、馬車に乗せられてどこかに連れていかれたんですけど、途中で馬車が急に倒れて・・・」
「俺も、さっき通りがかったところなんだけど(この世界に来たのが、ついさっきなんだけどね…)馬車の周りにいた人たちは、皆、狼の群れに襲われて死んだよ。
俺が、その狼の群れを始末して馬車に鍵がかかった檻があったから、鍵を開けて入ってきたところだよ。」
そう言いながら、抱きかかえていたマリアを床の上にそっと座らせてあげた。
「えっ、そうしたら、私を連れていた人たちは皆死んだんでしょうか?
そうですか、そしたら、私の命ももって一日です。
捕まった時に隷属の魔法をかけられたので主人が亡くなって、一日以内に隷属の魔法を解除しなければ呪いで死んでしまうんです。
隷属の解除には、隷属の魔法を使える人がだし、第一、奴隷の私だけで行っても、受け付けてもらえないし、解除するのに必要な高額費用がないし。」
マリアの悲しみに満ちた声でつぶやいた。
しばらく目を閉じて、何かを深く考えていたけど決意のこもった瞳を向けて、
「助けて頂いて、本当にありがとうございました。
お礼をしたくても何もできませんが、せめて私の全てを受け取って下さい。
私は、兎属の巫女をしていました。
私だけの特殊な力なんですが、私は、他人に自分のスキルを与えることができるんです。私の命は残り少ないですが今、私が持っている全てのスキルをあなたに差し上げます。
少し時間がかかるので、私の手を握っていて下さい。」
そう言って、俺が説明する前に、目を閉じて瞑想状態に入った。
マリアの表情を見ると、瞑想状態だというのにかなり苦しそうな表情を浮かべている。
きっといつものようにすんなり譲渡ができなくて、焦っているんだろうなぁ。
ここで打ち明けてあげるのがいいのかもしれないけど、祝福のスキルがすでに複合されてなくなっているから、返すことができないし。
マリアの気持ちを考えるとまずは受け取ってあげた方が、いいのかもしれない・・・・
俺にとって、一番都合のいい結果をもたらすために俺は、自分のスキルを使って、マリアのスキルを取得した。
名前 マリア・キャロット
種族 兎族 LV.2(50/400)
年齢 16
性別 女
職業 奴隷(呪い)
クラス H
生命値 32/50
魔力値 100/100
筋力値 10
体力値 50
魔力値 100
精神値 15
敏捷値 60
幸運値 30
スキル アルスラン語(LV.2(2/30))、兎語(LV.2(17/30))
表示が変わってる。これが神眼のレベルアップの効果なのか?
ともかく、いろいろ考えないといけないことが多すぎるけどまずは、マリアのことだな。呪い状態になってるな。
「申し訳ありません。私の精進が不足していたため、譲渡に手間取ってしまいました。
でも、無事にスキルが抜けていきました。
いつもは、少しだけ残す感じで行っていたのですが、今回は全てのスキルを譲渡しました。あと、もしよろしければ・・・
あっ、あの、お名前を伺っていなかったですよね。私も自分のこと名乗っていませんでした。申し訳ありません。気が動転して・・・」
そう言って、マリアは頭を下げた。
俺は、握っていたマリアの手を離し、マリアの正面の床に胡坐をかきながら
「俺の名前は、濱田龍。いや、リュウ・ハマダだ。
ここから、ずっと遠いところからきて、ここには、たまたま通りががったところで、狼の群れに襲われていた場面に出くわした感じだ。」
マリアは、頭をあげて、目の前に俺が座っているのをみて、ちょっとだけドギマギする感じで、
「助けて頂いてありがとうございました。
私は、マリア・キャロットといいます。
キャロット兎族の族長の娘で巫女をしていました。」
「そうか、じゃあ、まず、大事なことをいくつか確認しながら聞くから知っているなら、正直に答えて欲しい。
まず、マリアは、悪い人に攫われて、そのまま強制的に奴隷されたってことで間違いない?」
「はい。私は、神殿に籠って一年に一度行う、禊の儀式に入っていたのですが突然、悪い人たちが入ってきて、そのまま隷属の魔法にかけられました。
馬車に乗せられるときに、村の中を通りましたが、村の人たちは誰もいませんでした。
私が捕まった時に、村の皆は全員殺されたと思います。
私たち兎族は、聴覚が優れているので、もし生き残っている人がいたら私たちにしか聞こえない声で状況を伝えてくれたと思います。
村からここまで何日も野宿してきましたが、一度も連絡はありません。」
「OK。じゃあ、次に、隷属の魔法は、解除できればマリアの呪いが発動することはない?」
「はい。でも、隷属の魔法は、使える人は少なくて、使える人はほとんど奴隷商人になっていると思います。
この魔法だけで生きていくのに、奴隷商人になるのが一番ですから。
私の場合、口減らしで売られた奴隷でないので対価が決まっていませんけど、それでも、亜人としての一般的な価格から言っても私一人が今日中に稼げる価格ではないです。」
「あっ、そう言うことじゃなくて、今、この場で解除するとして何か不都合なこととか、制限とかがあるのかってことを聞きたいんだけど。」
「いえ、隷属魔法が使える人がいれば、解除は簡単ですし、呪いも発動しません。」
「そうか、じゃあ、解除」
「えっ?」
「あっ、隷属魔法で解除したよ。ステイタス確認してみて」
「えっと、隷属魔法を使えるんですか?ステイタス確認って何ですか?
えっ、えっ、リュウ様は、奴隷商人の方ですか?」
えっ、まずかったか。ステイタス確認って誰でもできるんじゃないんだ。
自分のステイタス見れるのも神眼の力?
ぐあー、まずい。どうする、どうする、ごまかすか・・・
俺が内心焦っているうちに、マリアの方が先に切り出してきた。
「もしかして、「自己確認」スキルのことですか?
自己確認スキルとアイテムボックススキルは、神殿の大司祭様が付与することができるときいたことがありますけど、ともに付与を受けるための費用が高額で貴族の方とか、冒険者の方でもかなりランクが上位の方でないとその費用を払えないと聞いたことがあります。リュウ様は、自己確認スキルをお持ちなんですか?もしかして、どこかの貴族様でしょうか?」
おっ、自己確認スキルっていうのがあるのか。
アイテムボックスも誰でも持っているスキルではないんだな。なるほど。
「まあ、そんな感じ。でも、貴族でもなければ、奴隷商人でもないよ。
ともかく、今、マリアは、奴隷じゃなくなってると思う。
もう何も心配いらないよ。本当は、さっき、マリアがスキル譲渡を始める前にきちんと話せばよかったんだけどごめんね、俺の方も、いろんなことがあって、ちょっと気が動転してた。
マリアみたいに超美人に手をつないでもらって、舞い上がってしまったし。」
「えっ、私が、超美人・・・」
そう呟いて、さらに頬を赤くして俯くマリアをみて俺の心臓は、さらにビートアップ。
「まあ、そんな訳だから、さっき譲渡されたスキルだけど」
そう言いかけた俺に対して
「いえ、狼の群れから命を助けて頂き、さらに隷属の呪いからも救って頂いたのですから、スキルはリュウ様がお持ちください。
そしてもしリュウ様させよろしければ、私をリュウ様の奴隷に設定して下さい。
私の全てをリュウ様に差し上げたいのです。」
おー、全てって、本当に全て。身も心もってやつ。
こんな超美少女にそんなこと言ってもらえるなんてこの世界に転生してきてよかったなー。
いやいや、待て待て、そんな簡単に決めていいのか。
何か罠があるかもしれないし、第一、俺自身、ついさっきこの世界に来たばかりで、それこそ、右も左も、俺自身の能力のことですら解ってないんだぞ。
ここで、さらに不確定要素である奴隷なんで連れていいのか?
うーん、悩む。実にけしからん悩みだけど悩む。
そんなことを思案していた俺の顔に何か出ていたのも。
マリアが、かなり落ち込んだ声で
「そうですよね、わたしみたいな亜人の奴隷なんて、価値はないですよね。
魔物盗伐ができるようなチカラを持っていたらよかったんでそうけど。私は生まれてからずっと巫女をしていたので攻撃力を鍛える時間がなかったので、全く役立たずなんです。私を手に入れてもリュウ様のお荷物ですよね。」
「いやいや、そんなことないよ。マリア見たいな娘なら、俺は大歓迎。
だけど、奴隷じゃなくても一緒にいれないかなぁと思ってるんだけど。」
内心ではマリアと縁を切るなんてとんでもないし、できればこのまま一緒にいて欲しいし、むしろいろいろ教えて欲しいしとか葛藤をしながら、取り敢えず日本人的発想で妥協案的意見を言ってみた。
「いえ。リュウ様もご存じの通り、亜人が一人で生きていくには、亜人排他が少ないこのアルスラン王国においても困難です。
帝国だとなおさらですし自由都市同盟であってもよほどの能力が、コネがないと働くことができません。
ほとんどが、奴隷になってしまいます。私の住んでいた村が全滅した以上村に戻ることはできませんし、私自身冒険者や商人になって働くことはできません。
結局誰かの奴隷になるか、野たれ死ぬかしか道はないと思います。
リュウ様にお仕えすることができたなら、お料理とかお裁縫とかでしかお仕えできませんけど、それでもお仕えして御恩をお返ししたいんです。
それにリュウ様の様な素敵な方と離れたくないですし・・・」
最後の言葉は、ゴニョゴニョ言ってたので聞き取れなかったけど、
マリアちゃん、まじ女神。本当にいい娘なんだなぁ。
なんか、俺様都合に流されてる感じだけど、ここは、自分の心に素直になろう。
「わかった。マリア。俺はマリアを奴隷にする。ずっと一緒にいてくれ。」
「はい。ありがとうございます、ご主人様。」
「いやいや、ご主人様はパスで。リュウでいいよ。俺もマリアのこと呼び捨てにしてるし。」
「いえ。それは、いけません。ご主人様は、ご主人様ですから。
ご主人様のお名前をお呼びするなど、奴隷としてありえません。」
とか、少しプンスカしながら言ってきたマリアだったけど取り敢えず、リュウ様っていうことでなんとか納得してもらって無事マリアの隷属も完了した。
ついでにスキルもいくつか戻しておいた。どうも生活系のスキルって、本来は譲渡できないものだった感じだしね。俺のスキル、マジ神すぎ。
えっ、人?
あの耳はウサギ?
鑑定してみた。
名前 マリア・キャロット
種族 兎族 LV.2
年齢 16
職業 奴隷
クラス H
HP 32
MP 100
筋力値 10
体力値 50
魔力値 100
精神値 15
敏捷値 60
幸運値 30
ユニークスキル 祝福
スキル 回復魔法(LV.2)、水魔法(LV.1)、聖魔法(LV.2)、料理(LV.2)、裁縫(LV.1)、アルスラン語(LV.2)、兎語(LV.2)
まだ息はあるようだ。
馬車が倒れた時に気を失ったのかな。
うーん、この「祝福」ってスキルはなんだろう?
おっ、情報がでてきた。神眼の機能何だろうか。
祝福:能力値、スキルを他者に分け与えることのできる能力。
能力値は、LV基準値以上を分け与えることはできない。
解るような、解らないようなスキルだけど、欲しいかも・・・
「スキル及び能力値獲得可能です。獲得しますか?」
「取り敢えず、祝福だけYES!」
「必要スキル条件が揃いました。スキルの統合をしますか?」
スキルの統合?
何だ?
感じからすると、俺のスキル「貪食」と今とった「祝福」の統合だろうな。
「OK!」
「スキルの統合を行います。」
「スキルの統合が完了しました。」
「神スキル 「神授受」 を取得しました。」
「神スキルが規定数に達したので、神スキルのLVが更新されました。」
つっこみどころ満載だなぁ。
えっと、「神授受」ってなんだ。
神授受:能力値、スキルを授受可能。
LV制限、スキルLV制限なしに、任意の値で授受できる。
まてまて、これってまずのか?今まで、死んだ人とか、魔物だっだから
無問題だったけど、この娘(?)って、まだ生きてるんだった・・・・
どうしよう。うーん、このまま、バックレるか?
でも、ほっとけないか。
うつ伏せにたおれてた兎耳の娘を抱き起してみた。
凄い。超美人、いや美少女。
さっき神眼で見たときに女の子とはわかっていたけど、ここまでとは。
銀色の流れるような髪の毛は、サラサラで、目を閉じててもそのかわいさは一目了然。
今まで見たアイドルと比べても遜色がないどころか、こっちの方が断然かわいい。
すっとした鼻も、薄紅色の唇も、まさにジャストミート!
お胸は、大きからず、小さからずだけど、全体のバランスから言ったら、この大きさがベストって感じ・・・
もちろん、生では見てないけど、着ている服が、ちょっと薄手の貫頭着みたいな感じで、裾がまくれて太ももあたりまで見えてるし。
これは不可抗力だよ、うん。
あっ、目を覚ました。
「*******」
何、あっ、兎語か?
ちょっとだけ、もらうけど、許してね。
「ここは?あなたは誰?」
「兎語、少しだけ。アルスラン語、お願い。」
その言葉を聞いて、マリアの意識がしっかりしたみたい。
俺に抱きかかえられているのを認識したのか顔が、ポッと赤くなって。
「あの、大丈夫です。どうもありがとうございました。
私、悪い人たちに攫われて、馬車に乗せられてどこかに連れていかれたんですけど、途中で馬車が急に倒れて・・・」
「俺も、さっき通りがかったところなんだけど(この世界に来たのが、ついさっきなんだけどね…)馬車の周りにいた人たちは、皆、狼の群れに襲われて死んだよ。
俺が、その狼の群れを始末して馬車に鍵がかかった檻があったから、鍵を開けて入ってきたところだよ。」
そう言いながら、抱きかかえていたマリアを床の上にそっと座らせてあげた。
「えっ、そうしたら、私を連れていた人たちは皆死んだんでしょうか?
そうですか、そしたら、私の命ももって一日です。
捕まった時に隷属の魔法をかけられたので主人が亡くなって、一日以内に隷属の魔法を解除しなければ呪いで死んでしまうんです。
隷属の解除には、隷属の魔法を使える人がだし、第一、奴隷の私だけで行っても、受け付けてもらえないし、解除するのに必要な高額費用がないし。」
マリアの悲しみに満ちた声でつぶやいた。
しばらく目を閉じて、何かを深く考えていたけど決意のこもった瞳を向けて、
「助けて頂いて、本当にありがとうございました。
お礼をしたくても何もできませんが、せめて私の全てを受け取って下さい。
私は、兎属の巫女をしていました。
私だけの特殊な力なんですが、私は、他人に自分のスキルを与えることができるんです。私の命は残り少ないですが今、私が持っている全てのスキルをあなたに差し上げます。
少し時間がかかるので、私の手を握っていて下さい。」
そう言って、俺が説明する前に、目を閉じて瞑想状態に入った。
マリアの表情を見ると、瞑想状態だというのにかなり苦しそうな表情を浮かべている。
きっといつものようにすんなり譲渡ができなくて、焦っているんだろうなぁ。
ここで打ち明けてあげるのがいいのかもしれないけど、祝福のスキルがすでに複合されてなくなっているから、返すことができないし。
マリアの気持ちを考えるとまずは受け取ってあげた方が、いいのかもしれない・・・・
俺にとって、一番都合のいい結果をもたらすために俺は、自分のスキルを使って、マリアのスキルを取得した。
名前 マリア・キャロット
種族 兎族 LV.2(50/400)
年齢 16
性別 女
職業 奴隷(呪い)
クラス H
生命値 32/50
魔力値 100/100
筋力値 10
体力値 50
魔力値 100
精神値 15
敏捷値 60
幸運値 30
スキル アルスラン語(LV.2(2/30))、兎語(LV.2(17/30))
表示が変わってる。これが神眼のレベルアップの効果なのか?
ともかく、いろいろ考えないといけないことが多すぎるけどまずは、マリアのことだな。呪い状態になってるな。
「申し訳ありません。私の精進が不足していたため、譲渡に手間取ってしまいました。
でも、無事にスキルが抜けていきました。
いつもは、少しだけ残す感じで行っていたのですが、今回は全てのスキルを譲渡しました。あと、もしよろしければ・・・
あっ、あの、お名前を伺っていなかったですよね。私も自分のこと名乗っていませんでした。申し訳ありません。気が動転して・・・」
そう言って、マリアは頭を下げた。
俺は、握っていたマリアの手を離し、マリアの正面の床に胡坐をかきながら
「俺の名前は、濱田龍。いや、リュウ・ハマダだ。
ここから、ずっと遠いところからきて、ここには、たまたま通りががったところで、狼の群れに襲われていた場面に出くわした感じだ。」
マリアは、頭をあげて、目の前に俺が座っているのをみて、ちょっとだけドギマギする感じで、
「助けて頂いてありがとうございました。
私は、マリア・キャロットといいます。
キャロット兎族の族長の娘で巫女をしていました。」
「そうか、じゃあ、まず、大事なことをいくつか確認しながら聞くから知っているなら、正直に答えて欲しい。
まず、マリアは、悪い人に攫われて、そのまま強制的に奴隷されたってことで間違いない?」
「はい。私は、神殿に籠って一年に一度行う、禊の儀式に入っていたのですが突然、悪い人たちが入ってきて、そのまま隷属の魔法にかけられました。
馬車に乗せられるときに、村の中を通りましたが、村の人たちは誰もいませんでした。
私が捕まった時に、村の皆は全員殺されたと思います。
私たち兎族は、聴覚が優れているので、もし生き残っている人がいたら私たちにしか聞こえない声で状況を伝えてくれたと思います。
村からここまで何日も野宿してきましたが、一度も連絡はありません。」
「OK。じゃあ、次に、隷属の魔法は、解除できればマリアの呪いが発動することはない?」
「はい。でも、隷属の魔法は、使える人は少なくて、使える人はほとんど奴隷商人になっていると思います。
この魔法だけで生きていくのに、奴隷商人になるのが一番ですから。
私の場合、口減らしで売られた奴隷でないので対価が決まっていませんけど、それでも、亜人としての一般的な価格から言っても私一人が今日中に稼げる価格ではないです。」
「あっ、そう言うことじゃなくて、今、この場で解除するとして何か不都合なこととか、制限とかがあるのかってことを聞きたいんだけど。」
「いえ、隷属魔法が使える人がいれば、解除は簡単ですし、呪いも発動しません。」
「そうか、じゃあ、解除」
「えっ?」
「あっ、隷属魔法で解除したよ。ステイタス確認してみて」
「えっと、隷属魔法を使えるんですか?ステイタス確認って何ですか?
えっ、えっ、リュウ様は、奴隷商人の方ですか?」
えっ、まずかったか。ステイタス確認って誰でもできるんじゃないんだ。
自分のステイタス見れるのも神眼の力?
ぐあー、まずい。どうする、どうする、ごまかすか・・・
俺が内心焦っているうちに、マリアの方が先に切り出してきた。
「もしかして、「自己確認」スキルのことですか?
自己確認スキルとアイテムボックススキルは、神殿の大司祭様が付与することができるときいたことがありますけど、ともに付与を受けるための費用が高額で貴族の方とか、冒険者の方でもかなりランクが上位の方でないとその費用を払えないと聞いたことがあります。リュウ様は、自己確認スキルをお持ちなんですか?もしかして、どこかの貴族様でしょうか?」
おっ、自己確認スキルっていうのがあるのか。
アイテムボックスも誰でも持っているスキルではないんだな。なるほど。
「まあ、そんな感じ。でも、貴族でもなければ、奴隷商人でもないよ。
ともかく、今、マリアは、奴隷じゃなくなってると思う。
もう何も心配いらないよ。本当は、さっき、マリアがスキル譲渡を始める前にきちんと話せばよかったんだけどごめんね、俺の方も、いろんなことがあって、ちょっと気が動転してた。
マリアみたいに超美人に手をつないでもらって、舞い上がってしまったし。」
「えっ、私が、超美人・・・」
そう呟いて、さらに頬を赤くして俯くマリアをみて俺の心臓は、さらにビートアップ。
「まあ、そんな訳だから、さっき譲渡されたスキルだけど」
そう言いかけた俺に対して
「いえ、狼の群れから命を助けて頂き、さらに隷属の呪いからも救って頂いたのですから、スキルはリュウ様がお持ちください。
そしてもしリュウ様させよろしければ、私をリュウ様の奴隷に設定して下さい。
私の全てをリュウ様に差し上げたいのです。」
おー、全てって、本当に全て。身も心もってやつ。
こんな超美少女にそんなこと言ってもらえるなんてこの世界に転生してきてよかったなー。
いやいや、待て待て、そんな簡単に決めていいのか。
何か罠があるかもしれないし、第一、俺自身、ついさっきこの世界に来たばかりで、それこそ、右も左も、俺自身の能力のことですら解ってないんだぞ。
ここで、さらに不確定要素である奴隷なんで連れていいのか?
うーん、悩む。実にけしからん悩みだけど悩む。
そんなことを思案していた俺の顔に何か出ていたのも。
マリアが、かなり落ち込んだ声で
「そうですよね、わたしみたいな亜人の奴隷なんて、価値はないですよね。
魔物盗伐ができるようなチカラを持っていたらよかったんでそうけど。私は生まれてからずっと巫女をしていたので攻撃力を鍛える時間がなかったので、全く役立たずなんです。私を手に入れてもリュウ様のお荷物ですよね。」
「いやいや、そんなことないよ。マリア見たいな娘なら、俺は大歓迎。
だけど、奴隷じゃなくても一緒にいれないかなぁと思ってるんだけど。」
内心ではマリアと縁を切るなんてとんでもないし、できればこのまま一緒にいて欲しいし、むしろいろいろ教えて欲しいしとか葛藤をしながら、取り敢えず日本人的発想で妥協案的意見を言ってみた。
「いえ。リュウ様もご存じの通り、亜人が一人で生きていくには、亜人排他が少ないこのアルスラン王国においても困難です。
帝国だとなおさらですし自由都市同盟であってもよほどの能力が、コネがないと働くことができません。
ほとんどが、奴隷になってしまいます。私の住んでいた村が全滅した以上村に戻ることはできませんし、私自身冒険者や商人になって働くことはできません。
結局誰かの奴隷になるか、野たれ死ぬかしか道はないと思います。
リュウ様にお仕えすることができたなら、お料理とかお裁縫とかでしかお仕えできませんけど、それでもお仕えして御恩をお返ししたいんです。
それにリュウ様の様な素敵な方と離れたくないですし・・・」
最後の言葉は、ゴニョゴニョ言ってたので聞き取れなかったけど、
マリアちゃん、まじ女神。本当にいい娘なんだなぁ。
なんか、俺様都合に流されてる感じだけど、ここは、自分の心に素直になろう。
「わかった。マリア。俺はマリアを奴隷にする。ずっと一緒にいてくれ。」
「はい。ありがとうございます、ご主人様。」
「いやいや、ご主人様はパスで。リュウでいいよ。俺もマリアのこと呼び捨てにしてるし。」
「いえ。それは、いけません。ご主人様は、ご主人様ですから。
ご主人様のお名前をお呼びするなど、奴隷としてありえません。」
とか、少しプンスカしながら言ってきたマリアだったけど取り敢えず、リュウ様っていうことでなんとか納得してもらって無事マリアの隷属も完了した。
ついでにスキルもいくつか戻しておいた。どうも生活系のスキルって、本来は譲渡できないものだった感じだしね。俺のスキル、マジ神すぎ。
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最強無敗の少年は影を従え全てを制す
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不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
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