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わたし、魔法少女の仕事の仕上げをしようと思います(ちょっと思い出せなかっただけですよ)
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「ねえ、もうそろそろいいんじゃないかな」
「え……」
わたしは夢現のまま振り返る。
まるで眠っているところを起こされたように、気の抜けた声をだしながら。
意思もこころも何もない、カラッポの声で応えながら。
最初は、何もわからなかった。
何のことだかわからなかった。
ただ、音が聞こえたと思っただけで。
それが言葉であることとも、なにを意味しているかも。
何を言われているのか、わからなかった。
誰が言っているのか、わからなかった。
だってわたしはそのとき、夢をみていたから。
立ったまま、目を開けたまま、起きたまま。
夢のなかで、夢をみていたから。
わたしの願いが叶った夢のなかで。
わたしの望みを果たす夢をみていたから。
だから、邪魔をしないで。
「もう流石に、戻ってきてもいいいんじゃないかな」
でもその声は、強引にわたしのなかに入ってくる。
「もう十分、堪能したんじゃないのかな」
耳から入って、脳に伝わる。
「もう満足、した頃じゃないのかな」
脳に伝わり、こころのなかに染み込んでくる。
「もう全部、味わい尽くしたんじゃないのかな」
こころに染み込み、わたしの夢を侵食してくる。
「まだキミには、出来ることが残っているよ」
できることなら、し尽くしたよ。
わたしは望みを叶えたよ。
「まだキミには、やるべきことが残っているよ」
やるべきことなら、やり尽くしたよ。
わたしは願いを果たしたよ。
「キミはまだ、仕事の途中で真っ最中だよ」
そんなこと、全部キレイに片付けたよ。
わたしのやりたいことと、一緒だったから。
「キミはまだ、魔法少女のままなんだよ」
そうだよ、わたしは魔法少女になれたんだ。
魔法少女が、わたしの夢だったんだから。
その夢のなかで、わたしは魔法少女の夢をみてるんだから。
だから、邪魔をしないで。
だってこんなに、気持ちよくなってるのに。
でもこんなことをするやつは、ひとりしかいないに決まってる。
「あの子はまだ、あのままだよ」
あの子って、誰のこと?
別に、そのままにしとけばいいんじゃない。
「あの子を、元に戻してあげようよ」
戻すって、何のこと?
別に、放っておいてもいいんじゃない。
「早くしないと、キミはあの子と二度と会えなくなっちゃうよ」
会えないって、わたしにとってあの子ってはいったいどんなもの?
別に、困らないからいいんじゃない。
「キミは、友だちを失ってもいいのかな?」
「それはよくない」
そのひと言が、わたしの意識を引き戻す。
夢のなかから、現実へと。
パチっとあたまが目を覚まし、カチッと心が切り替わる。
「やあ、久しぶりだね。ザント・ツッカーヴァッテ。おはようと言うべきかな。それとも、おかえりと言った方がいいのかな」
「どっちでもいいよ。でもやっぱり、あんただったんだね」
思ったとおりだ。その悪意のない嫌味が、何よりの証拠で証明だ。
「そうだよ。もうこの世で、キミのためだけに何かをしてあげられるのはボクだけだからね」
その、恩着せがましいとも言える言葉に、わたしが感じたの別のこと。
なんでそんなに、恐ろしいことをいうんだろう。
なんてそんな、怖いこというんだろう。
それもそんなあっさりと。
だって、そんなことは。
「そんなこと、ない、と、思う、けど」
あるわけないと、思うから。
「そうだね。そんなことにならないように、ボクもキミのために全力を尽くすことを約束するよ」
それはまた、ホントに、ありがたいことで。
「あーあ、それにしても、せっかくいい夢、みてたのに」
わたしおっかない想像を振り払うため、無理やり言葉を絞りだす。
「いい気持ちで、夢のなかにいたのになあ」
「それは邪魔してごめんね。でもキミは、夢の中で夢なんてみてないよ。キミにはそんなことができないのは、キミ自身が一番良く解ってるはずだよ。キミがみているものも、キミが在るのも、常に現実だけなんだから。それはキミ自身が一番良く知ってるはずだよ。鏡をみるまでもなくね」
わたしのことを、一番わかってるのも知ってるのも、ホントはあんただけなんじゃないのか。
一瞬、そんな言葉が口からでそうになったけど、なんとかすんでのところで思いとどまる。
答えが返ってくるのが、嫌だったから。
「そうだよ」と肯定されるのも、「違うよ」と否定されるのも、どっちもすごく、嫌だった。
なんでなのかは、わからない。
自分のことなのに、わからないなんて。
だから、訊いたのは全然別のこと。
関係ない、違うこと。
苦し紛れに。
「さっき久しぶり、なんて言ってたけど、わたしそんなにぼうっとしてた?」
「そうだね。時間にすると、十分五十九秒と二十ミリ秒だね」
え、わたしそんなに長く溺れてた? ていうか、なんでそんなに細かいの。
ミリ秒なんて単位、初めて聞いた。
「時計もないに、どうやって計ったの?」
時計があっても、難しいと思うけど。
だけど、それは簡単なことだった。
緑の目の答えはただひと言。
「数えてたから」
それだけだった。
それだけのことだった。
それはきっと、さぞ正確なんだろうね。
「そうなんだ」
わたしはそう答えるしかなかった。
「そうなんだよ。それじゃあ、それだけの時間を消費したことをキミが漸く分かってくれたところで、残りの仕事をしてしまうか」
「残りの仕事?」
「そう、今回の、キミの魔法少女としての最後の仕上げだよ。キミが気持ちよく酔っている最中に、何度も呼びかけたんだけど、覚えてないかな? もしかして、もう忘れちゃった?」
まさか、そんなわけ。でも、あれ?
「そんなことないよ。忘れたないし、ちゃんと覚えてるよ」
そう、そんなことない。忘れてないし、ちゃんと覚えてる。
ただちょっと、思い出せないだけで。
えーと、なんだっけ。あー、ほら、たしか。
ああ、そうだ。
「友だちを元に戻すんだよね」
「その通りだよ。あの状態でもちゃんと、ひとの話しを聞いてたんだね」
「うん、当然だよ。だって、友だちのことなんだから」
友だちのことなんだから、当然のことにしておかないと。
いけないんだ。
「それにしても流石だね。これだけのことを起こしても、あの子のことを背中に庇って守るなんて」
「そうだね。ホント、よかったよ」
そう、ホントによかった。
あの子がわたしの後ろに転がっていてくれて。
「そんなことより、早くあの子を元に戻しにいこう」
「そうだね、まだ少し余裕はあるけど、早いに越したことはないからね」
そうしてわたしは、後ろのあの子に向かって歩き出す。
その前に一度だけ、いままで見ていたものを振り返る。
わたしがみていた、わたしがいまある、わたしがつくりだした現実を。
すり鉢みたいだった穴のなか、さっきまでは比べものにならないくらい大きくなって、底は見えないくらい深く抉れ、縁はかなり遠くのほうまで削りとられてる。
そしていびつに歪んでた。
わたしの立っている後ろだけ、分度器みたいなかたちになっていた。
だからあの子も無事だった。
そしてあいつらは、もうどこにもいなかった。
影も形も何もかも、跡形もなくなくなった。
愛と勇気でみんなを幸せにするんじゃなく。
笑顔で全部をなかったことにした。
それがわたしのやったこと。
わたしがやりたくてやったこと。
その代償に感じた愉悦に、その対価に覚えた快感に、わたしは溺れて酔いしれた。
からだもこころも、たましいまでも、いままで一番の甘い痺れに、どろりと溶けて崩れていった。
あの最高に気持ちのいい、夢のなかへと。
あいつらがこの世界にいた痕跡は、あの子だけ。
あいつらに食べらた、あの子だけが残ってる。
あの子がまだ、あいつらに食べらたままの姿で残ってる。
早く元に戻さなくっちゃ。
もう随分待たせちゃったけど、ちゃんと戻してあげるから。
元に戻ったら、多分事情は話せないけど、精一杯あやまるから。
お金を使うこと以外なら、なんだってやってみせるから。
だから、きっと、許してくれるよね
だってわたしたち、友だちなんだから。
そして友だちでいつづけるために、元に戻してあげるんだから。
これからも、変わらず一緒にいてくれるよね。
友だちとして。
そのためにわたしは、あの子のほうへ、あの子を友だちに戻すため、再び歩きだした。
わたしの友だちのあの子の名前を、思い出すことができないままで。
「え……」
わたしは夢現のまま振り返る。
まるで眠っているところを起こされたように、気の抜けた声をだしながら。
意思もこころも何もない、カラッポの声で応えながら。
最初は、何もわからなかった。
何のことだかわからなかった。
ただ、音が聞こえたと思っただけで。
それが言葉であることとも、なにを意味しているかも。
何を言われているのか、わからなかった。
誰が言っているのか、わからなかった。
だってわたしはそのとき、夢をみていたから。
立ったまま、目を開けたまま、起きたまま。
夢のなかで、夢をみていたから。
わたしの願いが叶った夢のなかで。
わたしの望みを果たす夢をみていたから。
だから、邪魔をしないで。
「もう流石に、戻ってきてもいいいんじゃないかな」
でもその声は、強引にわたしのなかに入ってくる。
「もう十分、堪能したんじゃないのかな」
耳から入って、脳に伝わる。
「もう満足、した頃じゃないのかな」
脳に伝わり、こころのなかに染み込んでくる。
「もう全部、味わい尽くしたんじゃないのかな」
こころに染み込み、わたしの夢を侵食してくる。
「まだキミには、出来ることが残っているよ」
できることなら、し尽くしたよ。
わたしは望みを叶えたよ。
「まだキミには、やるべきことが残っているよ」
やるべきことなら、やり尽くしたよ。
わたしは願いを果たしたよ。
「キミはまだ、仕事の途中で真っ最中だよ」
そんなこと、全部キレイに片付けたよ。
わたしのやりたいことと、一緒だったから。
「キミはまだ、魔法少女のままなんだよ」
そうだよ、わたしは魔法少女になれたんだ。
魔法少女が、わたしの夢だったんだから。
その夢のなかで、わたしは魔法少女の夢をみてるんだから。
だから、邪魔をしないで。
だってこんなに、気持ちよくなってるのに。
でもこんなことをするやつは、ひとりしかいないに決まってる。
「あの子はまだ、あのままだよ」
あの子って、誰のこと?
別に、そのままにしとけばいいんじゃない。
「あの子を、元に戻してあげようよ」
戻すって、何のこと?
別に、放っておいてもいいんじゃない。
「早くしないと、キミはあの子と二度と会えなくなっちゃうよ」
会えないって、わたしにとってあの子ってはいったいどんなもの?
別に、困らないからいいんじゃない。
「キミは、友だちを失ってもいいのかな?」
「それはよくない」
そのひと言が、わたしの意識を引き戻す。
夢のなかから、現実へと。
パチっとあたまが目を覚まし、カチッと心が切り替わる。
「やあ、久しぶりだね。ザント・ツッカーヴァッテ。おはようと言うべきかな。それとも、おかえりと言った方がいいのかな」
「どっちでもいいよ。でもやっぱり、あんただったんだね」
思ったとおりだ。その悪意のない嫌味が、何よりの証拠で証明だ。
「そうだよ。もうこの世で、キミのためだけに何かをしてあげられるのはボクだけだからね」
その、恩着せがましいとも言える言葉に、わたしが感じたの別のこと。
なんでそんなに、恐ろしいことをいうんだろう。
なんてそんな、怖いこというんだろう。
それもそんなあっさりと。
だって、そんなことは。
「そんなこと、ない、と、思う、けど」
あるわけないと、思うから。
「そうだね。そんなことにならないように、ボクもキミのために全力を尽くすことを約束するよ」
それはまた、ホントに、ありがたいことで。
「あーあ、それにしても、せっかくいい夢、みてたのに」
わたしおっかない想像を振り払うため、無理やり言葉を絞りだす。
「いい気持ちで、夢のなかにいたのになあ」
「それは邪魔してごめんね。でもキミは、夢の中で夢なんてみてないよ。キミにはそんなことができないのは、キミ自身が一番良く解ってるはずだよ。キミがみているものも、キミが在るのも、常に現実だけなんだから。それはキミ自身が一番良く知ってるはずだよ。鏡をみるまでもなくね」
わたしのことを、一番わかってるのも知ってるのも、ホントはあんただけなんじゃないのか。
一瞬、そんな言葉が口からでそうになったけど、なんとかすんでのところで思いとどまる。
答えが返ってくるのが、嫌だったから。
「そうだよ」と肯定されるのも、「違うよ」と否定されるのも、どっちもすごく、嫌だった。
なんでなのかは、わからない。
自分のことなのに、わからないなんて。
だから、訊いたのは全然別のこと。
関係ない、違うこと。
苦し紛れに。
「さっき久しぶり、なんて言ってたけど、わたしそんなにぼうっとしてた?」
「そうだね。時間にすると、十分五十九秒と二十ミリ秒だね」
え、わたしそんなに長く溺れてた? ていうか、なんでそんなに細かいの。
ミリ秒なんて単位、初めて聞いた。
「時計もないに、どうやって計ったの?」
時計があっても、難しいと思うけど。
だけど、それは簡単なことだった。
緑の目の答えはただひと言。
「数えてたから」
それだけだった。
それだけのことだった。
それはきっと、さぞ正確なんだろうね。
「そうなんだ」
わたしはそう答えるしかなかった。
「そうなんだよ。それじゃあ、それだけの時間を消費したことをキミが漸く分かってくれたところで、残りの仕事をしてしまうか」
「残りの仕事?」
「そう、今回の、キミの魔法少女としての最後の仕上げだよ。キミが気持ちよく酔っている最中に、何度も呼びかけたんだけど、覚えてないかな? もしかして、もう忘れちゃった?」
まさか、そんなわけ。でも、あれ?
「そんなことないよ。忘れたないし、ちゃんと覚えてるよ」
そう、そんなことない。忘れてないし、ちゃんと覚えてる。
ただちょっと、思い出せないだけで。
えーと、なんだっけ。あー、ほら、たしか。
ああ、そうだ。
「友だちを元に戻すんだよね」
「その通りだよ。あの状態でもちゃんと、ひとの話しを聞いてたんだね」
「うん、当然だよ。だって、友だちのことなんだから」
友だちのことなんだから、当然のことにしておかないと。
いけないんだ。
「それにしても流石だね。これだけのことを起こしても、あの子のことを背中に庇って守るなんて」
「そうだね。ホント、よかったよ」
そう、ホントによかった。
あの子がわたしの後ろに転がっていてくれて。
「そんなことより、早くあの子を元に戻しにいこう」
「そうだね、まだ少し余裕はあるけど、早いに越したことはないからね」
そうしてわたしは、後ろのあの子に向かって歩き出す。
その前に一度だけ、いままで見ていたものを振り返る。
わたしがみていた、わたしがいまある、わたしがつくりだした現実を。
すり鉢みたいだった穴のなか、さっきまでは比べものにならないくらい大きくなって、底は見えないくらい深く抉れ、縁はかなり遠くのほうまで削りとられてる。
そしていびつに歪んでた。
わたしの立っている後ろだけ、分度器みたいなかたちになっていた。
だからあの子も無事だった。
そしてあいつらは、もうどこにもいなかった。
影も形も何もかも、跡形もなくなくなった。
愛と勇気でみんなを幸せにするんじゃなく。
笑顔で全部をなかったことにした。
それがわたしのやったこと。
わたしがやりたくてやったこと。
その代償に感じた愉悦に、その対価に覚えた快感に、わたしは溺れて酔いしれた。
からだもこころも、たましいまでも、いままで一番の甘い痺れに、どろりと溶けて崩れていった。
あの最高に気持ちのいい、夢のなかへと。
あいつらがこの世界にいた痕跡は、あの子だけ。
あいつらに食べらた、あの子だけが残ってる。
あの子がまだ、あいつらに食べらたままの姿で残ってる。
早く元に戻さなくっちゃ。
もう随分待たせちゃったけど、ちゃんと戻してあげるから。
元に戻ったら、多分事情は話せないけど、精一杯あやまるから。
お金を使うこと以外なら、なんだってやってみせるから。
だから、きっと、許してくれるよね
だってわたしたち、友だちなんだから。
そして友だちでいつづけるために、元に戻してあげるんだから。
これからも、変わらず一緒にいてくれるよね。
友だちとして。
そのためにわたしは、あの子のほうへ、あの子を友だちに戻すため、再び歩きだした。
わたしの友だちのあの子の名前を、思い出すことができないままで。
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