Magical×Debtor/Girls=魔法少女はローン持ち+返済できれば何でもします!

久末 一純

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わたし、魔法少女になってわかったことがありました(ちょっと勘違いしてました)

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 生命の価値は、ひとそれぞれで絶対違うと思ってた。
 決して同じでも、平等でもないと思ってた。
 そして実際そうだと、わかってた。
 いま、生きているわたしの生命も。
 もう、死んでしまったお母さんの生命も。
 誰でも知ってるおっきな国のなんだかすごい偉い人の生命と、誰も知らない貧しい国の子どもの生命が、おんなじなんてあるわけないんだから。
 そんなの生きていれば、みんな嫌でもわかることだった。
 でも。
 みんなは生命の価値は平等だ、なんだと、そう言ってた。
 ひとどころか、生きてるものなら何でも全部、等しく均しい生命を持ってるなんて言っていた。
 生命はこの世で何より尊いんだと、そう言ってた。
 そんなこと、あるわけないのに。
 人間の生命は地球より重い、なんて言った人もいたみたいだけど、わたしは違うと、聞いたとき思った。
 そんなわけあるはずないって、強く思った。
 だって、もしホントにそうだとしたら、とっくに地球はつぶれてる。
 人間の生命なんかがホントに地球より重いなら、そんなのが六十億も七十億もいるんだから支えられるわけがない。
 耐えられる、わけがない。
 それに、どんな生命も同じで平等だって言う人も、じゃあ、あなたの生命の価値はそこらの虫とおんなじですよ、と言われて頷く人はいないだろう。
 絶対認めたりしないし、決して受け入れたりしないだろう。
 納得も了承もしないだろう。
 それどころか、あなたの隣にいる人は、あなとですよ、生命の価値はおんなじですよ、と言われても変わらないだろう。
 たいていお腹をすかせてて、いつも擦り切れ色あせた服を着ていたわたしと、三食お腹いっぱい食べて、毎日キレイな違う服を着ていたクラスの女子が、、思ったことがない。
 やせっぽっちで背も小さい、食べるところのほとんどない体のわたしと、健康的で背の高い、肉付がいいのによくしまった体のあの子、どっちが、すぐわかる。
 ひとがどっちを食べたいかなんて、よくわかる。
 あそこで転がってるあの子を見れば、すぐさまわかる。
 、とってもわかる。
 、わかったことがひとつある。
 だれが食べる側で、どっちが食べられる側だったのか。
、好き勝手に食べ散らかして初めてわかったことがある。
 自分が思い違いをしていたことに。
 生命なんて、
 それはわたしが、殺す側になってみて、殺していいやつらを、自由に殺して感じたすべて。
 こんなやつらの生命でも、殺せばこんなに愉しくなれるなら。
 生命を摘み取ることが、こんなに愉しいことならば。
 、きっとすべての生命はおんなじなんだって。




 そんなわたしの生命にどれだけの価値があったのか、こんなわたしの人生にいったどれくらいの値段がついたかのか。
 それをわたしが知るのは、もうちょっとだけあとになる。
 そしてわたしはこれからずっと、自分の値札を首から下げて、いきていくことになる。
 わたしがずっと、魔法少女である限り。
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