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第11話 ティノロッシ王太子の訪問
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王都タランガの片隅にあるラシャンスの家、基本的に出入りする人間の数はごく少ない。家の主であるラシャンス・シトロナードが大陸を回る旅に出ているとのことで、最近ではラシャンスの一番弟子となった少女レトワール・シフォナードのみ。
その他には時折、行商人が訪れるくらいになっていた。
そんな毎日が続いたある日の夕方、ラシャンスの家のベルを鳴らす人がいた。
「はーい、どなたー?」
7歳のラシャンス、つまりレトワール・シフォナードが扉を開けると、帽子を目深に被ったスラリと背の高い青年が立っていた。
「ティノロッシ……殿下?」
青年を見上げたレトワールの目に、王宮でよく見かけた顔を判別できた。
青年はマジョール王国の王太子であるティノロッシ・ド・グローリー殿下だった。
丁寧に頭を下げたティノロッシはレトワールに語り掛ける。
「あなたがラシャンス・シトロナード様のお弟子のレトワール・シフォナードさんですね」
「…はい」
「少しお話をお聞きしたいのですが、よろしいですか」
「どうぞ」
レトワールはティノロッシを居間に招き入れた。
連日、魔法の研究をしていたため、かなり散らかっていた部屋をあわてて片付ける。
「すぐにお茶をいれますので、どうぞお待ちくださいませ」
居間を駆け回るレトワールを見たティノロッシは、あたりに散らばった魔法書を適当に積み重ねる。
「そんな!王太子殿下!座っていてください」
「いいから、いいから。あなたはお茶の用意をしてください」
「…はい」
何とかスペースを開けたテーブルに、レトワールがお茶とお菓子が並べる。
「ありがとう」
「いいえ、こちらこそ、殿下に掃除なんてさせてしまって申し訳ございません」
すまなそうに謝るレトワールにティノロッシが笑顔で応じた。
「掃除はアカデミーでもしていたからね」
「ああ、そうなんですね」
王太子であっても、いち生徒として扱われるアカデミーでは、掃除を始めとした雑用に駆り出されることが多い。
「それにきれいにするのは、やっぱり気分が良いからね」
「はい」
レトワールの入れたお茶をティノロッシが飲む。
しばらく置いて、ティノロッシが切り出した。
「ところでラシャンス様が旅に出たと聞いたんだけど…」
「はい」
「何か便りはありましたか?」
「いいえ、特に…」
「そうですか…」
あからさまにティノロッシが落胆する様子を見せた。
「お師匠様に何かご用でしたか?」
「用と言うような用があったわけじゃないんだけど…」
「はい?」
「戦争が終わって、一度きちんと話をしてみたいと思っていたんです」
「そうなんですね」
レトワールは「きちんと」の要件が気になったものの、「実は私がラシャンスです」と言うわけにはいかない。
「ただ…町中で流れる噂の中には、“ラシャンス様の旅の目的に“愛を探しに行った”と言うのもあったんですが…、どうなんでしょう?」
レトワールはお茶を噴き出しそうになった。
「そ、それは…噂は噂ってことで」
「そうなんですね」と、ティノロッシの表情が明るくなる。
『ご主人様、もしかしてこの人、ご主人様のことを好きなんじゃありませんか?』
メリナがレトワールの頭の中でささやきかける。
「まさか、まさか!そんな!」
メリナの指摘に慌てるラシャンスだったが、メリナの声が聞こえないティノロッシが不思議そうに彼女を見る。
「どうかしましたか?」
「いえ…、その…、もしかして、間違ってたらごめんなさい」
「はい?」
「殿下は…お師匠様のことが好きなんですか?」
ラシャンスに聞かれたティノロッシの顔がポッと赤くなる。
それを見たレトワールの頬も赤くなった。
長い沈黙の後、ティノロッシが「そうです」と小さな声で肯定した。
「あの…よかったら、理由をお聞きしても良いですか?」
ティノロッシが話し始めたのはアカデミーでの出来事だった。
ラシャンスからすればティノロッシ殿下は縁のほとんどない後輩の1人に過ぎなかったが、ティノロッシにはアカデミー内外で有名な先輩の1人であり、何かと注目していた。もちろん表に出すことはなかったが。
「でもほとんど交流はなかったんですけどね」
微笑みながらティノロッシが話す。
「まあ…5年も差があるとそうなりますよね」
「ええ、私がアカデミーに入学した時には、ラシャンス様は王宮の魔法使いの間でも有名になっていました」
「そうでしたか」
レトワールも覚えがある。
15歳の頃であれば、アカデミーでどっぷり魔法の研究に浸っていた時期だ。アカデミー訪れた王宮の魔法使いから何度も相談を受けてもいた。その際に王宮勤めに誘われたこともある。
「私からすれば、ラシャンス様は見上げる以上に偉大な存在だったんです。それで、そんなラシャンス様から話しかけてもらったんですよ」
「えっ!」
それはレトワールの記憶になかった。
「アカデミーに入学して1カ月ほど過ぎた時です。図書館で借りた本を水たまりに落として濡らしてしまったんです」
「…はあ」
「でも、特に貴重な本でもなかったので、『弁償すれば良いか』くらいに考えていました」
「…」
「それを図書館で司書を担当していたラシャンス先輩にとがめられてしまいました。結果的に弁償するにしても、ものを大事にすることは大切だ、と」
「そう…なんですね」
「あと、上に立つ人からすれば何でも数で考えてしまうかもしれないけれども、そのひとつひとつにいろんな思いが込められていることを忘れないで、とも」
ティノロッシの回想を聞いたレトワールは、そうした出来事があったことを思い出した。ティノロッシの前でなければ、頭を抱えて床を転がりまわっていたかもしれない。
「それから、何となくラシャンス先輩が気になってしまったんです。用もないのに図書館の魔法書のところでウロウロしたり、学科とは無関係な魔法に関する講義を聞きに行ったり…」
レトワールは記憶のページをめくり返す。
確かに魔法の講義にティノロッシ王太子が来ていた覚えがある。『王太子ともなれば、いろんなことを勉強する必要があって大変だなあ』と思っていたが、ラシャンス自身が原因とは欠片も考えていなかった。
「結局、そのままラシャンス先輩はアカデミーを離れてしまったので、それっきりだったのです。もう会えないと思っていたらドラゴンが誕生して…」
精鋭のメンバーに選ばれたラシャンス達の5人は、王宮でグリーノール・ジ・グローリー国王から任命された。その場に王太子であるティノロッシが列席していたのは、レトワールも覚えている。
「ようやく再会できたラシャンス様は、アカデミー時代と変わらず、とてもおきれいでした」
ティノロッシの言葉に、お茶をすすろうとしたレトワールがむせる。心配そうに見つめるティノロッシにレトワールが「ご、ごめんなさい、どうぞ話を続けてください」と答えた。
「戦争が終わって落ち着いたところで、この気持ちだけでも伝えようと思っていたのですが、旅立たれたと聞いて…」
レトワールは先日のメリナとの会話を思い出す。
「ティノロッシ王太子殿下と結婚するとなれば、私…のお師匠様が王太子妃になる…のですよね。その辺りはどうなのでしょうか?」
ティノロッシが寂しそうに微笑む。
「王族の立場では自由な恋愛はできません。それだけにこの気持ちが届けば良いとは思っていますが、断られても当然だと思っています。私の見たところ、ラシャンス様は魔法の研究が第一のようですから」
ティノロッシに言い当てられたレトワールは苦笑いした。
その後も夜遅くまでレトワールとティノロッシは話し込んだ。
「よかったらどうぞ」とレトワールが作った、つまりラシャンスの手料理を振るまったところ、「おいしいです」とティノロッシは平らげた。
レトワールは「実は自分(ラシャンス)が作ったんです」と聞いたティノロッシの反応を見たかったが、さすがに秘密を明かすことはできなかった。
「ラシャンス様の行方が分かったら、王宮に連絡をいただけますか」
「はい」
ティノロッシの強い願いに、レトワールも断ることはできなかった。
玄関を出たところでレトワールがティノロッシを見送っていると、ラシャンスの家から少し離れたところで地味な馬車が近づいてくるのが見えた。馬車は素早くティノロッシを乗せると、スピードを速めた。おそらく王族がお忍びで使う馬車なのだろうとレトワールは考える。
「ご主人様、どうするんですか?」
「どうって…」
メリナの問いかけにラシャンスは答えが出ない。
「だって!まさか!王太子殿下が…!」
ティノロッシの告白を思い出して、その夜のラシャンスはなかなか寝付けなかった。
その他には時折、行商人が訪れるくらいになっていた。
そんな毎日が続いたある日の夕方、ラシャンスの家のベルを鳴らす人がいた。
「はーい、どなたー?」
7歳のラシャンス、つまりレトワール・シフォナードが扉を開けると、帽子を目深に被ったスラリと背の高い青年が立っていた。
「ティノロッシ……殿下?」
青年を見上げたレトワールの目に、王宮でよく見かけた顔を判別できた。
青年はマジョール王国の王太子であるティノロッシ・ド・グローリー殿下だった。
丁寧に頭を下げたティノロッシはレトワールに語り掛ける。
「あなたがラシャンス・シトロナード様のお弟子のレトワール・シフォナードさんですね」
「…はい」
「少しお話をお聞きしたいのですが、よろしいですか」
「どうぞ」
レトワールはティノロッシを居間に招き入れた。
連日、魔法の研究をしていたため、かなり散らかっていた部屋をあわてて片付ける。
「すぐにお茶をいれますので、どうぞお待ちくださいませ」
居間を駆け回るレトワールを見たティノロッシは、あたりに散らばった魔法書を適当に積み重ねる。
「そんな!王太子殿下!座っていてください」
「いいから、いいから。あなたはお茶の用意をしてください」
「…はい」
何とかスペースを開けたテーブルに、レトワールがお茶とお菓子が並べる。
「ありがとう」
「いいえ、こちらこそ、殿下に掃除なんてさせてしまって申し訳ございません」
すまなそうに謝るレトワールにティノロッシが笑顔で応じた。
「掃除はアカデミーでもしていたからね」
「ああ、そうなんですね」
王太子であっても、いち生徒として扱われるアカデミーでは、掃除を始めとした雑用に駆り出されることが多い。
「それにきれいにするのは、やっぱり気分が良いからね」
「はい」
レトワールの入れたお茶をティノロッシが飲む。
しばらく置いて、ティノロッシが切り出した。
「ところでラシャンス様が旅に出たと聞いたんだけど…」
「はい」
「何か便りはありましたか?」
「いいえ、特に…」
「そうですか…」
あからさまにティノロッシが落胆する様子を見せた。
「お師匠様に何かご用でしたか?」
「用と言うような用があったわけじゃないんだけど…」
「はい?」
「戦争が終わって、一度きちんと話をしてみたいと思っていたんです」
「そうなんですね」
レトワールは「きちんと」の要件が気になったものの、「実は私がラシャンスです」と言うわけにはいかない。
「ただ…町中で流れる噂の中には、“ラシャンス様の旅の目的に“愛を探しに行った”と言うのもあったんですが…、どうなんでしょう?」
レトワールはお茶を噴き出しそうになった。
「そ、それは…噂は噂ってことで」
「そうなんですね」と、ティノロッシの表情が明るくなる。
『ご主人様、もしかしてこの人、ご主人様のことを好きなんじゃありませんか?』
メリナがレトワールの頭の中でささやきかける。
「まさか、まさか!そんな!」
メリナの指摘に慌てるラシャンスだったが、メリナの声が聞こえないティノロッシが不思議そうに彼女を見る。
「どうかしましたか?」
「いえ…、その…、もしかして、間違ってたらごめんなさい」
「はい?」
「殿下は…お師匠様のことが好きなんですか?」
ラシャンスに聞かれたティノロッシの顔がポッと赤くなる。
それを見たレトワールの頬も赤くなった。
長い沈黙の後、ティノロッシが「そうです」と小さな声で肯定した。
「あの…よかったら、理由をお聞きしても良いですか?」
ティノロッシが話し始めたのはアカデミーでの出来事だった。
ラシャンスからすればティノロッシ殿下は縁のほとんどない後輩の1人に過ぎなかったが、ティノロッシにはアカデミー内外で有名な先輩の1人であり、何かと注目していた。もちろん表に出すことはなかったが。
「でもほとんど交流はなかったんですけどね」
微笑みながらティノロッシが話す。
「まあ…5年も差があるとそうなりますよね」
「ええ、私がアカデミーに入学した時には、ラシャンス様は王宮の魔法使いの間でも有名になっていました」
「そうでしたか」
レトワールも覚えがある。
15歳の頃であれば、アカデミーでどっぷり魔法の研究に浸っていた時期だ。アカデミー訪れた王宮の魔法使いから何度も相談を受けてもいた。その際に王宮勤めに誘われたこともある。
「私からすれば、ラシャンス様は見上げる以上に偉大な存在だったんです。それで、そんなラシャンス様から話しかけてもらったんですよ」
「えっ!」
それはレトワールの記憶になかった。
「アカデミーに入学して1カ月ほど過ぎた時です。図書館で借りた本を水たまりに落として濡らしてしまったんです」
「…はあ」
「でも、特に貴重な本でもなかったので、『弁償すれば良いか』くらいに考えていました」
「…」
「それを図書館で司書を担当していたラシャンス先輩にとがめられてしまいました。結果的に弁償するにしても、ものを大事にすることは大切だ、と」
「そう…なんですね」
「あと、上に立つ人からすれば何でも数で考えてしまうかもしれないけれども、そのひとつひとつにいろんな思いが込められていることを忘れないで、とも」
ティノロッシの回想を聞いたレトワールは、そうした出来事があったことを思い出した。ティノロッシの前でなければ、頭を抱えて床を転がりまわっていたかもしれない。
「それから、何となくラシャンス先輩が気になってしまったんです。用もないのに図書館の魔法書のところでウロウロしたり、学科とは無関係な魔法に関する講義を聞きに行ったり…」
レトワールは記憶のページをめくり返す。
確かに魔法の講義にティノロッシ王太子が来ていた覚えがある。『王太子ともなれば、いろんなことを勉強する必要があって大変だなあ』と思っていたが、ラシャンス自身が原因とは欠片も考えていなかった。
「結局、そのままラシャンス先輩はアカデミーを離れてしまったので、それっきりだったのです。もう会えないと思っていたらドラゴンが誕生して…」
精鋭のメンバーに選ばれたラシャンス達の5人は、王宮でグリーノール・ジ・グローリー国王から任命された。その場に王太子であるティノロッシが列席していたのは、レトワールも覚えている。
「ようやく再会できたラシャンス様は、アカデミー時代と変わらず、とてもおきれいでした」
ティノロッシの言葉に、お茶をすすろうとしたレトワールがむせる。心配そうに見つめるティノロッシにレトワールが「ご、ごめんなさい、どうぞ話を続けてください」と答えた。
「戦争が終わって落ち着いたところで、この気持ちだけでも伝えようと思っていたのですが、旅立たれたと聞いて…」
レトワールは先日のメリナとの会話を思い出す。
「ティノロッシ王太子殿下と結婚するとなれば、私…のお師匠様が王太子妃になる…のですよね。その辺りはどうなのでしょうか?」
ティノロッシが寂しそうに微笑む。
「王族の立場では自由な恋愛はできません。それだけにこの気持ちが届けば良いとは思っていますが、断られても当然だと思っています。私の見たところ、ラシャンス様は魔法の研究が第一のようですから」
ティノロッシに言い当てられたレトワールは苦笑いした。
その後も夜遅くまでレトワールとティノロッシは話し込んだ。
「よかったらどうぞ」とレトワールが作った、つまりラシャンスの手料理を振るまったところ、「おいしいです」とティノロッシは平らげた。
レトワールは「実は自分(ラシャンス)が作ったんです」と聞いたティノロッシの反応を見たかったが、さすがに秘密を明かすことはできなかった。
「ラシャンス様の行方が分かったら、王宮に連絡をいただけますか」
「はい」
ティノロッシの強い願いに、レトワールも断ることはできなかった。
玄関を出たところでレトワールがティノロッシを見送っていると、ラシャンスの家から少し離れたところで地味な馬車が近づいてくるのが見えた。馬車は素早くティノロッシを乗せると、スピードを速めた。おそらく王族がお忍びで使う馬車なのだろうとレトワールは考える。
「ご主人様、どうするんですか?」
「どうって…」
メリナの問いかけにラシャンスは答えが出ない。
「だって!まさか!王太子殿下が…!」
ティノロッシの告白を思い出して、その夜のラシャンスはなかなか寝付けなかった。
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