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【五章】仙人と魔物
二十一話*
しおりを挟む笑いがおさまると、俺は半勃ちになっているリヴァロの性器を胸の谷間に滑らせる。
何度も胸と性器を擦り合わせるうちに少しコツも掴めてきた。あっという間にリヴァロの硬さが戻ってくる。
「んんっ……はぁ……エロい……ルービンさま……」
リヴァロの余裕のない気持ち良さそうな声を聞くと嬉しくなる。
視覚的な興奮が何よりも強いようで、リヴァロが俺をガン見している。欲情を隠すことない熱い視線に、俺の下半身も疼いてしまう。乳首も硬くなり、リヴァロの肌に擦れる度に快感が走った。
「ッ……あんまり見られると……恥ずかしいのだが」
「えぇっ、見るなというのはさすがに無理っすよ」
情けない声でリヴァロがそう言って、それでも少し視線を外そうとしては何度も戻って来る。努力しようとしてできていない様子が可愛すぎる。
結局諦めたのか、俺の顔を見て何かを言いたそうに口をモゴモゴさせている。
「ん?」
「い、イヤー、その……く、口でもお願いしてもいいんですかね……?」
ルーシャンの時ならそんなお伺いをたてることもなく性器を口元に押し当ててくるくせに。その違いが面白い。
「ふふ……いいぞ」
俺は少しだけ下に移動し、リヴァロの性器を舐め上げてから全体を口に含んだ。たったそれだけでも、いつもよりもリヴァロの反応が大きくなった。
「ふっ……う、くっ……スゲェ……」
「ん、はぁ……何がだ?」
「ルーシャンあっての、この……ルービン様の、エロさなんだな……って」
そうだな。ルーシャンで経験して当たり前になっていなければ、ルービンにはできない事だし、皆もさせようとすら思わないだろう。
この順序でなければルービンからの奉仕は無かったと断言できる。
竿を下から上にゆっくりと舌を這わせるのを何度か繰り返せば、リヴァロの先端からは興奮の証として先走りが溢れてくる。それも舌先で舐め取り、亀頭を咥えてチュウチュウと吸ってやった。
「んぐっ、う……はあ……あ~……マジでドエロいルービン様を目に焼き付けないと……」
ハァハァと荒い呼吸をしながらリヴァロは俺の奉仕を瞬きすらも忘れたように見ている。
別にこれ一回きりというわけではないのだから、と俺は苦笑したのだが、急にリヴァロがハッと息をのんだ。
「いや、手軽に記録できないか? そういや映像記録ってあんまり流行ってないもんな、むしろ証拠なんか無い方が良いって風潮あるし。いっそ新しい国でそういう考えを一新するのもアリだよなぁ。簡単に映像を残せるようになればパニールの治安も良くなるだろうし、パニールの性風俗をもっと活かして安価なエロい映像を売り出すのも良くないか……実際に自分でパニールの風俗街を体験するのは怖いけど、中身に興味はあるって層にウケるんじゃねーかな!?」
突然一人でリヴァロが語り出したと思ったら、ガバリと上体を起こして嬉しそうに目を輝かせた。
俺の恥ずかしい姿を残したいという、とんでもないキッカケから始まっているが、内容自体はかなり真面目なので俺はマットの上に座り直した。
「治安の改善と維持に、映像作品の輸出か……やましい事をしていない国には喜ばれるし、そうでない国の炙り出しもできるな。国交にも役立ちそうだ。しかし、映像を魔法改ざんができないようにするのが一番の難所だろう。今まで流行っていなかった理由の一つにその問題がある」
今までも映像を保存する技術が無かったわけではないが、魔術的に高度な技術が必要で、そもそも使用できる者が少なすぎた。手軽に利用できないとなれば高価になる。
そこまでの金額を支払ってまで欲しい場面は重犯罪の証拠や、大きな交渉の場での言った言わないの確認だろう。しかし、それも映像と音声に手を加えられない強固な守りがなければなんの意味もない。
映像を魔力で扱う以上、外部からの魔力の干渉で壊されたり、変化させたりができてしまう。そこを完全にガードできる技術はこれまで完成していなかった。
不確かな情報に大金を払いたい者はいないだろう。その程度ならば小銭を握らせた知らない子供に証言させる方が安上がりだ。結局、研究が進む前に不要なものと判断された技術となった。
リヴァロもそれは理解しているようで、ニヤリと笑う。
「そうっすね。そっちはかなり大掛かりな研究が必要だけど、フェイクでも問題ない映像販売ならすぐに着手できそうじゃないですか。娯楽と割り切れば真偽なんてどうでもいい。むしろ手を加えた方が面白い場合だってある」
手軽なものから普及させ、そこで得た資金で本格的な研究を進めていくつもりらしい。
優秀な臣下の考えに俺が口出しする必要はない。ただ信頼して頷くだけだ。
「うむ、俺も使用者の魔力を必要としない投影機材の製作なら協力できると思う」
「さっすがぁ! ひとまず習得のために勉強しないとなぁ。ルーシャンの魔力量でもどうにかなるレベルの魔法にしたいし」
俺達は素っ裸で真面目に話し合い、当然ではあるが内容がまとまる頃には俺達の下半身も平常の姿になっていた。
もうさすがにこのまま風呂を出ることになるかと思ったので、俺はリヴァロに声をかけた。
「忘れぬうちに今の内容を書きとめるためにも出るか?」
そう言って俺が立ち上がろうとした瞬間、リヴァロが凄い速さで俺に抱きついた。
俺の腰にガッチリと腕をまわしたリヴァロの顔面は蒼白だった。何故そうなってしまったのかわからず、俺は首を傾げてしまう。
リヴァロは今にも泣き出しそうな表情になって叫んだ。
「俺が脱線したから、もうエッチしたくなくなった……?」
単純に俺としては「場所を変えて仕切り直すか」くらいのつもりだったが、リヴァロを不安にさせてしまったらしい。
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