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【四章】王と魔王
九話 リヴァロ視点*
しおりを挟む「むぅ……疲れてるのに無理させてしまったか」
心配そうに眉を下げたルーシャンの声は元気がなくなった。いやいや、鼻血の原因は全然疲れとかじゃないから。
俺の心配してくれるのはありがたいが、今ここでやめられたら拷問でしかない。中止されないように俺は必死に叫んでいた。
「違う違う! 疲れじゃなくて、ルーシャンがあまりにエロくて……!!」
「……え、エロい……というのは、リヴァロは嬉しいのだろうか?」
「めちゃくちゃ嬉しいよ!?」
「そうか……ならば、俺も嬉しい」
ホッとした様に表情を緩めたルーシャンが可愛い。
この人、普段は王として気高く自信に溢れているのに、最近ひどく自信なさげにこちらを窺う事がある。
「ルーシャンこそ無理してない?」
「してない……」
恥ずかしそうに俯きながらも、ルーシャンはハッキリと言った。
「ただ、どうしたらお前達に喜んでもらえるか、どうしたら嫌われないか、そればかり考えてしまうのだ。もっと、もっと俺を好きになって欲しい……もうどんな理由があっても、お前達と離れたくないから」
あええええ!?!?!?
なんだこれ、なんだこれ!?
本気の恋する乙女みたいになってる!!! あの、あの王が!?
っていうかあまりの衝撃に射精しちゃったんですけど。
いや、だって、ルーシャンがめっちゃ俺達の事好きみたいじゃん!?
ガチ恋みたいな態度だよ!? みたいっていうか本気で好きになってくれてるよなぁ!!
本人も恋愛感情がわかってきたとは言ってたけど、本格的になるのはまだまだだろうな気長に待とう~って甘く見ていてたらコレだよ!!
完全に恋愛感情理解してるわ。さすが我が王。飲み込みが早い。
射精によって頭が冷静になりつつあるのに、冷静になればなるほど興奮が高まってしまう。相反する状況に俺はフリーズしていた。その隙にルーシャンが静かに動いた。
「……もったいないじゃないか」
「うあっ……!」
俺の下腹に零れた精液を、ルーシャンはなんの抵抗もなく舐め取った。
ルーシャンの舌が、俺の皮膚の薄い部分に這う度にビクビクと体が跳ねてしまう。
チンコに付いた精液だって、ルーシャンは全体を吸い上げ、チュパチュパといやらしい音をさせて綺麗にした。お掃除フェラってやつだな!?
当たり前だが、それだけで俺の息子は瞬時にギンギンになった。
「次はちゃんとこっちに出してくれよ……?」
ルーシャンは俺に跨り、性器を自らのアナルを押し当ててゆっくりと腰を下ろした。
「あっ……あ、あ……」
「っく、ぅ……ルーシャン……」
形を確かめるみたいにルーシャンは上下に腰を動かし、俺の性器を何度も擦り上げる。
その度にギシギシとベッドが軋み、行為が激しくなっていくのがわかる。
「はっ、ん、あ……リヴァロ、きもち、いいか……?」
「んっ……サイコー、眺めもいいし……中も、キツキツだし……ッ」
俺はそう言いながら両手を伸ばしてルーシャンの乳首を布ごと擦ると、ビクリと全身を震わせた。
「ふあぅッ、アッ、ひゃ……っ!」
「あー……やっぱ、乳首好きなんだ」
それだけの刺激でも足の力が抜けたのか、ルーシャンの動きが止まってしまう。
俺はルーシャンの腰を掴んで少し持ち上げ、下から思い切り突き上げた。
「んぁッ! はっ、ああッ、んぁっ……あぅっ!」
「ルーシャンっ……きもちい……すぐ、出ちまいそう……ッ」
さっき出したばかりだってのに、ルーシャンの中が気持ち良過ぎてあっという間に俺は上りつめる。
ルーシャンも汗が滲んで、突く度にビクビクと震えていた。中イキ間近だ。
「ああっ、ん、あ……はぁ……りヴぁろっ、だして、だして……」
「はぁっ、あ……ルーシャン、イク……いっ──!!」
「ヒッ……んッ、んぅ──ッ!!」
俺が絶頂と共に大きく腰を打ち付けると、ルーシャンが喉を反り、天を仰いだ。まるで水を失った魚みたいに口を動かしている。そのまま脱力して倒れそうになったルーシャンを抱きとめた。
「……ルーシャン、最高に良かった。ありがとな……」
息が乱れているルーシャンの背中を撫でていると、そう間を置かずにもぞもぞと動き、俺の顔を見た。
「リヴァロ……ちゃんと伝わっているだろうか……? 俺の、気持ち……」
その言葉に俺はすぐ頷いた。ルーシャンが俺達のことを心から愛していると、全身全霊で伝えてくれようとしているのがわかる。俺もちゃんと伝えたい。何度もルーシャンの唇にキスをしてから素直な想いを口にした。
「うん、俺も愛してる。ルーシャンが不安にならないくらい、もっと、愛したい」
ルーシャンは嬉しそうに俺に抱きついてきた。誰にも甘える事のなかった孤高の王が、俺に甘えてくれている。
俺達に嫌われる事を恐れるなんて、ルービン様ではあり得なかった事だろう。ルーシャンだからこそ出せるようになった感情に愛しさが込み上げてきた。
俺はそのままルーシャンを押し倒し、精子が空になるまで存分に抱き合った。
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