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【三章】人魔の王
二十三話* エダム+クワルク×ルーシャン
しおりを挟む通された部屋は壁や布が真っ赤だ。装飾は金色で、豪華さと熱烈さを備えた空間だった。
それ以上室内を観察する暇などなく、風呂場へ運ばれてエダムとクワルクに頭の天辺から指の先までソープで丁寧に洗い上げられた。二人は俺が悪魔に触れられた事で少し機嫌が悪いようだ。
始終無言で全身が磨き上げられ、その後は大きな天蓋付きベッドに押し倒されていた。
「クワルク……エダム……」
「魔力、たっぷり受け取ってくださいね」
「僕達がいっぱい気持ち良くしてあげる」
始めこそは全身じっくりと愛撫されていたが、挿入の段階になってからは代わる代わる種付けされ、俺が誰のモノなのかを身体直接に教え込んでいるみたいだった。
「ンッ……あぇ……アっ……も、うッ、やぁ……」
「ルーシャン、まだ三回目だ、よっ……と」
「アあッ! ひぅ……深、い……」
三回目が二人分なので、俺にとっては六回目なわけですが。
ヘトヘトになってもおかしくない回数だが、魔力が満たされて体力も漲っている俺は、中に咥え込んだエダムの性器を貪欲に締め付ける。
俺は目の前にあるクワルクの性器も何度も舐め上げて硬さを取り戻す感触を楽しんでいたのだが、急に奥を突かれて絶頂に仰け反った。
「ルーシャン、今は誰に犯されてイっているんですか?」
「はぁ、あっ……えだ、む……ウッ……あぐっ……ッ」
後ろから俺を穿っているエダムの姿は見えないが、目の前のクワルクが意地悪に聞いてきて胎内にある性器を意識させる。
それだけでゾクゾクとした快感がせり上がって、俺は熱い息を吐いた。
悪魔に色々と触れられてしまった訳だが、四人以外に肉体を好き放題されるのは想像以上に嫌なものだった。
内心、俺の身体がエロく調教されきっていて、もしかしたら相手は誰でも良いのかもしれない不安があった。でもそうではなかった。四人だからこそ満たされるし、何度もしたいと思える。それをしっかりと自覚できた事だけがフィオーレからの数少ない収穫だ。
エダムが更に腰を深く打ち付け、俺の背中に何度もキスしながら甘く囁いた。
「ん……僕だよ……しっかり、中でも覚えてね」
「ぅあ……ッは、あ……エダム……えだむ……っイク、また……!」
胎の中を幾度となく擦り上げられ絶頂は何度も続く。
行為自体は激しいのに、クワルクの顔を見れば安心するし、背後から触れるエダムの温もりに癒されていく。
二人の声や肌の触れ合いによって、心から満たされていくのがわかる。
「あん、うっ……おなか……クる、イっちゃう……ッ」
「ふふ……もう私のを舐める余裕もなくなっていますね、ルーシャン」
俺の眼前にあるクワルクの大きくそそり立った性器を咥えたいのに、ただ喘ぐだけのオモチャになっている今の俺では、気持ち良くさせるなんて不可能だった。
メスイキでスイッチが入った肉体と脳は、正常な機能を放棄した。エダムは動きを止めているのに、勝手に中が蠢いてイイ所に当てようと性器を貪る。俺の体はまったくいう事をきかない。
それでも俺だって何かをしたいという気持ちはある。必死に口を開けてクワルクの性器に舌を伸ばしてみるが、唾液がダラダラと口の端から垂れるだけだった。
そんな俺をクワルクは慈愛に満ちた表情で見つめ、頬に触れた。
「……では、口付けを」
「はっ……ん……んぅ……ン、んぅ」
クワルクが俺の顎を掴み、顔を上向けて唇を貪った。口内を優しく嬲る刺激は、全身に甘く柔らかな痺れをもたらした。
舌が触れ合う度に愛を囁き合っているように感じ、好きだという気持ちが全身に染み渡る。
蕩けるような口内の愛撫に頭がぼんやりする。キスだけでイってしまいそうだ。
これは四人が相手じゃないと得られない幸福感だと、恋愛に鈍い俺でもさすがにわかっていた。
「いいね、ルーシャン、キス好きみたい。急に中が締まった」
「ん、ぅ……ンぐ、ん──ッ!!」
エダムはその声と共に再び動き出したらしい。俺の身体の奥に衝撃が走り、視界に光が弾けた。
気絶したかと思ったが、魔核がエダムの魔力を吸収して俺の意識がすぐに浮上してくる。
二人がかりで愛され、快楽漬けにされている。脳が焼けついて頭がおかしくなっているんじゃないかと心配になってしまう。
どんな俺でも四人は愛してくれると知っているが、魔物化した時のような状態はごめんだ。
俺は、ちゃんとした意識で四人を愛したいのだと心から思った。
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