魔物になった四人の臣下を人間に戻すため王様は抱かれて魔王になる

くろなが

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【三章】人魔の王

九話*

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「鍛えてくれてすごく嬉しいよ。さすがは俺の自慢の魔術師だ」


 その言葉は心からのものだ。
 遠方からの援護が多い魔術師が戦場で危機に陥る事はあまり無いが、実際には戦闘で何が起きるかなんてわからない。
 いくら魔術師が強くても、いざという時に咄嗟に逃げ出すだけの瞬発力と、その後も長距離を逃げ続けられるスタミナが欲しいと俺は常に考えていた。

 だが、剣士が常に剣を振るって肉体と技術を鍛えるのと同じだけの時間、魔術師は常に魔力や魔術を研究したり、学習に時間を費やしているのだ。頭脳の鍛錬と言えるだろう。
 魔術師達の苦労も努力も知っているからこそ、俺はその時間を運動に割けとは言えなかった。皆が持つ時間は同じで有限なのだから取捨選択が必要になる。
 塔に行って時間ができた事で肉体の鍛錬が可能になったというのは皮肉な話ではあるが。
 リヴァロは俺の嬉しいという言葉を聞いて、意を決したように告げた。


「な、なあ……ルービン様は王様だし、国のための存在だったけどさ」
「うん?」
「ルーシャンは……俺達だけのルーシャンになってくれるか……?」


 四人のためのルーシャン、か。
 確かに過去の四人は王のために存在していた。そして、王は国のために世界を見ていた。
 どれだけ人や物を大切に思った所で、俺の意思よりも重要な判断材料が国の未来だ。
 だからルービンは四人を塔に入れる事になった。あの時は四人を道具として扱わなければならなかったが、今はもうそんな選択をする必要が無い。ルーシャンは四人の事だけを考えても良いのだ。とても視界が開けた気がした。


「ああ、勿論だ。俺はお前達のために生まれ変わったんだからな。もう二度と手放さない」
「うん……俺達も、もうあなたを諦めない」
「ふふ、ではリヴァロ。俺がお前のものだとたっぷり教えてくれ」


 俺は自ら脚を開いて誘った。
 早く中に魔力を注いで欲しい。お前達の魔力で染め上げて、俺が誰のものであるかを示して欲しい。
 その意図はすぐに伝わったようで、リヴァロが俺の脚の間に入り込み、猛る性器を中心に押し当てて一気に腰を進めた。


「あアっ……!?」


 情けなくも挿入されただけでイってしまった。それどころか快感の波は次々に押し寄せてくる。
 魔核がもっと魔力が欲しいと訴えているみたいだ。


「……ッはぁ……ルーシャン、まじでエロい……」


 俺の後ろはギュウギュウとリヴァロの性器を締め付け、精液を搾り取ろうとしている。リヴァロはその刺激で気をやらないように食いしばりながら腰を動かしていた。
 ウルダが俺の胸に吸い付いてきて、甘い痺れが全身を走る。


「んはっ、ひゃ、あ……そんなッ……!」
「ん……ルーシャンの、先っぽ、また大きくなってる」


 俺の乳頭が刺激を欲して膨らんでいるのはわかっていた。だからこそ改めて言葉にされると恥ずかしさが襲う。
 さっき少し触れたリヴァロの乳首と、自分の乳首の大きさが全然違っていたから尚更羞恥が強くなる。
 恥ずかしいのにやっぱりそれすらも快感を増幅させる要素でしか無く、俺のアナルが反応してしまう。リヴァロの性器に吸い付き、貪欲に快楽を貪っていた。


「ヒッ、あ、また……イ……くッ──!」


 リヴァロが奥へ奥へと穿ってくる衝撃で、何度も俺の身体が絶頂に震えた。全身が性感帯になったみたいだ。
 乳首を口に含んで遊んでいるウルダから垂れた髪が肌にかかる刺激だけでも強烈な快感が走ってしまう。


「んあッ、はう……っダメェ、また……ッ」
「ルーシャン、イきっぱなし。可愛い」


 ウルダは楽しそうに乳首だけでなく俺の性器を扱き始める。次々と襲い来る快楽責めで気が狂いそうだ。


「うっ……ルーシャンの中、きっつきつで……も、出そう……っ」


 リヴァロがようやく絶頂を迎えそうになったらしい。動きが更に激しくなった。


「アアッ、ああ! イク、いっちゃうから……リヴァロも、だ、して……りヴぁろ……ッ」
「あぁ……こっちも、もう、イく……ッルーシャン!」


 パンパンと激しく肉のぶつかる音が何度か聞こえた後に、俺の中にたっぷりと熱い精液が注ぎ込まれた。
 快楽の余韻で俺の脚は小刻みに痙攣している。イきまくって疲れた。
 疲れたはずなのに体はどんどん軽くなっていく気がする。上質な魔力が全身を巡っているのだろう。

 リヴァロの性器が抜かれたが、またすぐにウルダが精液を注いでくれると思うと嬉しくなる。
 本当に俺は淫乱になった。


 しかし、地上からの突然の爆発音と地響きによって二周目が開始する事はなかった。

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