魔物になった四人の臣下を人間に戻すため王様は抱かれて魔王になる

くろなが

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【三章】人魔の王

八話*

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 ウルダと位置を入れ替えて俺の正面に来たリヴァロが顔を覗き込む。


「ルーシャン、キスしてもいいか……?」


 恐る恐るといった様子で聞いてきた。今更そんな確認必要ないのに律儀なものだ。
 

「……構わないが、改めて聞かれると照れるな」


 そう答えながらもリヴァロに乳首を散々いじめられた事を思い出していた。ずっとされっぱなしというのも性に合わない。俺は上体を起こしてリヴァロに顔を寄せた。


「ん!?」


 リヴァロの顎を掴み、激しく口付けて先制攻撃だ。
 歯列をこじ開けて中に舌を侵入させて戸惑うリヴァロの舌を捕える。俺からしてくると思っていなかったであろう。リヴァロの動きがぎこちない。動揺が手に取るようにわかって楽しくなってきた。
 もっと深くリヴァロの舌を絡め、リヴァロの前開きのシャツのボタンを外し、胸元に手を差し込んで撫でる。


「ん……んぅ……ふ……ッ!?」


 リヴァロは慌てたようにくぐもった声をあげた。
 必死に俺から体を離そうとしたが、俺だって鍛えているのだ。そう簡単には外せまい。


「んっ、ぷはっ……ちょ、ルーシャン、離せ!」
「ふふ、俺だってリヴァロのココを触ってみたい」


 胸筋に手のひらをゆっくりと這わせると、リヴァロがビクリと震えた。


「も、もういいだろ!?」


 顔を真っ赤にして焦る姿がとても可愛い。慌てると目が泳ぐ所も昔のリヴァロと変わらなくて安心する。
 俺を傷付ける事を恐れて抵抗できない所も愛おしい。
 それでもあまり苛めても可哀想だから、最後に軽く乳首周辺を撫でるだけで解放してやった。


「リヴァロも胸に触れられる経験した方が面白……ためになるかなって」
「ひでぇ、面白いって言った!」


 リヴァロは仕返しとばかりに俺を押し倒して激しく口付けた。


「ぅわっ……ッんぐ……」


 リヴァロは俺の胸元をまさぐり、指先で乳頭を押し潰して刺激してくる。先程までのウルダとの情交で火が点いている身体が再び反応を示した。


「は……ぁ……ん、ふっ……ぅ……ッ」
「ん……ルーシャンは年下なんだから、お、俺に任せたらいいんだ……」


 ぎこちないが、余裕を演出しようとリヴァロが低く俺に囁く。
 どうやらリヴァロは俺に対して年上ぶりたいようだ。若い事を自慢に思えば良いものを、昔からリヴァロは皆に比べて貫禄がないとずっと気にしていた。
 やっと自分よりも年下だと思われる存在が現れて嬉しいのだろう。しかし、残念なお知らせがある。


「俺は今25歳だ。塔に入った頃のリヴァロより年上なのだが」
「え……嘘、詐欺じゃん……」


 想像以上にリヴァロはショックだったようで、打ちひしがれた表情をしている。
 俺がルーシャンとして生まれた国は、他の国の人種よりも幼く見えるため普段から実年齢よりも若く見られる事が多い。
 リヴァロは俺がシャウルスくらいの年齢だと思っていたのかもしれない。


「なんだ? 年上の俺は嫌いか?」


 リヴァロの額にキスをしてそう聞けば、頬を染め、照れたように言った。


「……好きに決まってんじゃん……ルービン様も、ルーシャンも、どっちも大好きだ」
「リヴァロ……んっ……」


 再び唇を重ねられ、リヴァロが俺の衣服を少しずつ脱がしていく。
 下着すらも脱がされ、完全に生まれたままの姿となった。何も纏っていなければ、それはそれで恥ずかしいのだから不思議なものだ。

 リヴァロもバサリと服を脱ぎ捨てた。
 脱ぐとよくわかるのだが、腹筋が綺麗に盛り上がっているし、腕の逞しさも塔に入る前の倍はありそうだ。
 典型的なガリ勉君だったのに、今ではファイター顔負けの肉体美を持っている。
 ルービンへの憧れだとしても、塔のような限られた施設では相当の努力が必要だっただろう。


「……良い男になったなぁ……」
「へっ……!?」


 俺は自然と感嘆の言葉を漏らしていた。
 突然の褒めに対応しきれなかったリヴァロが素っ頓狂な声をあげた。
 そのやり取りを見たウルダが、慌てたようにローブをハラリと脱ぎ落して素肌を見せつけてくる。


「ルーシャン! ウルダも、見て、ホラ、頑張った!」

 
 かなり細身なのは昔から変わらないが、ウルダの肉体もなかなか良い仕上がりだった。
 昔のガリガリという印象は無くなり、しっかりと筋肉の凹凸が見えて色気が出たように思う。脂肪が付きにくいタイプだろうによく頑張ったものだ。


「ほんとだ……ウルダもカッコ良くなったな」
「えへへ、嬉しい。四人でルービン様、何が一番好きかな、って話し合ってた。そしたら、筋肉って結論出たから、鍛えた」


 うん、そうだな。俺、筋肉大好き。
 何も間違えていないが、俺の四人からの印象ヤバいな。
 筋肉マウントを取りまくっていた過去を考えれば、そう思われるのは当然なのだが。自らの脳筋っぷりを少しだけ反省した。

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