魔物になった四人の臣下を人間に戻すため王様は抱かれて魔王になる

くろなが

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【一章】ルーシャン

十六話* リヴァロ×ルーシャン

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 もう自分で誘う事に抵抗がない。早く繋がりたいという意思を伝えるには、男を咥え込むために変化した部分に触れてもらうのが一番早い。リヴァロは濡れた感触に驚きながらも、すぐに俺の下半身を確認できる位置へ移動した。


「はは……服、脱がさなくてもすぐにできるようになってるね」
「それは……クワルクが……」


 俺が最初に着ていたのは、チャンパオと言う体にフィットした丈の長いワンピースのような男性服をベースにした戦闘着だった。今もそれがベースなのだが、裾に深い縦の切込みが数か所あって簡単に捲り上げられるようになっている。その切込みが見えない様に布が重なっているのでパッと見では構造はわからない。簡単に言えばガードが固そうに見えて、簡単に下半身を露出できるのだ。下着もつけてないしな。
 下の布を捲り上げたリヴァロは、俺のアナルに指を入れて遠慮なく中を探った。


「あ……ん……ッ」
「エッチな反応するようになったよね、ルーシャン……」


 からかうでもなく、優しい声で言われた。それだけで胸が高鳴り、俺の肉体はゾクゾクと興奮に震えてしまう。リヴァロは俺の中からとめどなく溢れ出る粘液に驚いたようだ。


「うわ、ルーシャン……準備万端じゃん……え、これ魔法じゃなくて自前か?」
「んあ……っ……あ……体の変化で、いつでもお前達とできるようになったんだ……」


 リヴァロは俺の尻肉を両手で横に拡げ、穴をまじまじと観察した。それはなんだかエロい雰囲気というよりも、研究対象の調査のようで複雑な心境になる。だが、これはこれで物として扱われているみたいで興奮してきた。ただ見られているだけなのに、アナルがひくついてコポッと粘液が垂れ流されていくのがわかる。


「や、ん、リヴァロ……そんな、じっくり見たら……」
「すげ……どんどん溢れてくる……ルーシャン興奮してるんだ」
「だって、早くリヴァロの……欲しいから……あまり、焦らさないでくれっ……」


 時折急激に襲う羞恥と戦いながら、俺は情けなく懇願した。リヴァロの顔に雄の色が宿る。リヴァロは自らの性器を俺のアナルに押し当てつつ、服の上から乳首を弄んだ。その刺激だけでも変な声が出てしまう。


「ぁんっ……あ……」
「布越しでも乳首気持ちいい?」


 布の上からであっても爪先で強めに刺激されれば十分感じてしまう。むしろ布越しで痛みに繋がりそうな摩擦が緩和され、快感だけがムズムズと湧き上がっている。


「ん……きもち、いい……」
「そりゃあよかった。でも、もうちょっと胸を触りやすいように服は改良したいかなぁ」
「あっ──は、んぁ、ッん……んんぅ!」


 浮き出た乳首の形を指先でなぞりながら、リヴァロが腰を進めて俺の中に入ってきた。待ち望んだ刺激に脳がおかしくなりそうだ。胸の刺激と相まって、一瞬だけ視界が真っ白になる。俺には何が起きたかわからなかった。


「あれ……もしかして、挿れただけでイった?」
「……ぇ……?」


 もう俺の体は自分の意思でどうにかなるものではなく、強制的に射精させられた事すら理解できずにいた。


「は……ぁ……うそ……もう……」
「いいじゃん、もっと気持ち良くなろ?」
「ヒッ……あっ、あんッ……んンっ、ひぃッ……!」


 リヴァロはゆっくりと、しかし、確実に俺の良い所を何度も何度も突いた。敏感になった俺の身体はリヴァロに動かれる度にビクビクと快感に震え、ひっきりなしに甘ったるい声が出てしまう。


「あ……ッあ、アぁ……あ……ッおかしくなるっ……りヴぁろ……」
「これが欲しかったんでしょ?」
「んぅ……んぁ……ほしかった……ひぁッ……や……また、きちゃう……ッ」
「可愛いな、ほんと……」


 そう言ったリヴァロは俺の額にキスをしながら結合部に体重を掛け、より深く奥に入り込んだ。その衝撃は、ただでさえグズグズに溶けかけている俺の理性を更に奪う。自分自身の変化もあるが、リヴァロの抱き方にも優しさと丁寧さが加わった事で快感が何倍にも膨れ上がっているのがわかる。


「ああっ……リヴァロぉ……イクッ……ひぐっ……んぅ──ッ!!」
「んっ……食いちぎられそう……俺も、もうちょっとだから……付き合ってな」
「はっ、あ、あッ……そんな、とこ、突かれたら……っ」
「ごめん、あと、少し……ッ」
「アッ──あ、ハァッ……あ──っ!?」


 リヴァロの射精を中で感じると同時に、今までにない快感があった。中を抉られて強制的に射精させられている時とはまた違う、身体の奥底から湧き上がるようなものだった。今はそこに達することがなかったものの、快楽にまだ先があると気付き寒気が走った。本当に俺はどうなってしまうのだろう。
 ふわふわする頭と体が復活するまで、俺は浅く呼吸を繰り返すだけだった。呆けたように虚空を見つめる俺を心配そうにリヴァロが覗き込んだ。


「ルーシャン……大丈夫? 無理させたか?」
「ぁ……んん……問題ない……」
「あ、ルーシャン汗だく。やっぱ脱げる時はちゃんと脱いだ方がいいかもな~着衣も興奮するけど」


 そう言いながらリヴァロは俺の服を脱がせてテキパキと全身をタオルで拭き始めた。性的な雰囲気になる事もなく、リヴァロは俺に対して完全にお世話モードだ。俺の体が綺麗になると、着替えを被せて魔法でさっきの服に似たデザインに変化させた。
 ここまで世話をされれば、快楽でおかしくなっていた俺の頭もようやくハッキリしてきた。リヴァロは楽しそうに服の説明をしてくれる。


「改良型だぜ~。襟元が簡単に開くようなった。あと脇の下からも手が入れられるようにしてみた」


 パッと見は全然露出がないのにどんどんエロ機能がついていくのだが。別にいいけど。それで抱く気になってくれるのならば嬉しい。そんな事を考えながらリヴァロを見ていると、突然目の前で大きな変化が現れた。あまりに急な事で、俺は叫びそうになった自分の口を押さえた。


「ん゛──ッ……!」
「え、どうしたルーシャン……変な声出して。お腹でも痛いか?」
「い、いや、ぜんっぜん元気」
「そう……? ならいいけど」


 慌てる俺を気にする事もなく、リヴァロも自分の体をタオルで拭き始めた。めちゃくちゃ大きな変化があったのに気付いていないようだ。え、本当に大丈夫?
 本人が認識できていなくても他の誰かに突っ込まれないかな。せっかく汗を綺麗に拭いて貰ったのに、俺の全身からは変な汗が噴き出していた。
 だって、リヴァロにとって最も大きな変化だった青い肌が元の色に戻っているのだ。

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