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【番外編】イサミ×フリアン
七話 フリアンと交尾 *ハート喘ぎ
しおりを挟むイサミが子作りしてくれるって言った。
いっそ性的な事に興味がないんじゃないかとすら思っていたけど、水に濡れたボトムスにくっきりと欲望が浮き上がっていて動揺した。勃起してないソコは何度も見てきたけど、そんなデカくなるなんて聞いてない。
下ばっかりを見る訳にもいかずイサミの顔を見上げると、顔のパーツが触れそうなくらい近くに迫って来た。
「にゃに!?」
「嫌ではないなら、キスしたい」
「き、キス!? 鼻チューじゃなくて!?」
「口と口の触れ合いだ。できれば舌を入れたいが、いいだろうか?」
真面目な顔で聞かれても、それにどんな意味があるのか俺にはわかんない。
「それって、どんな意味……?」
「愛し合う者同士でしかしないのが口と口でのキスだ」
「なら、する……したい」
そう答えた瞬間、イサミの大きく分厚い両手が俺の頬を包み、俺の口にイサミの唇が触れた。
両手はとても優しく俺を固定しているのに、唇は性急さを隠しもせず、俺に激しく喰らいついてくる。
「ん、んぅ……」
「フリアン……ッ好きだ」
「おれも……好き……」
ただ口と口が触れてるだけなのに、どんどん発情が強まるのがわかる。
これも粘膜同士の接触と考えたら、もう交尾は始まっているとも言えるんだ。そう納得して俺から余計な力が抜けたのを察知したイサミが舌を潜り込ませてきた。
「ふあっ!?」
舌が触れ合うだけで、俺の全身に快感が電流のように走った。
俺もぎこちなくはあったけど、動きに倣ってイサミの舌を求めて絡みつく。
それに呼応したようにイサミは更に深く口付けてきた。息もできないくらい激しく貪られ、唾液が口の端から溢れるのに、イサミは舌での愛撫を緩めない。
「ん……ッふ」
「ふぁ……あ……んぅ♡」
性器を擦る刺激とは異なる、内側から広がるみたいな気持ち良さに立っているのも辛くなった。
何で魔物が口同士のキスをしないのかわかった気がする。体勢もだけど、こうして力が抜けて、木を支えに立って後ろからする交尾がしにくくなるからだ。
キスをやめ、イサミは力の抜けた俺をゆっくり地面に横たえた。
イサミは俺に覆いかぶさってきて、その大きな体に見下ろされると、今から食べられてしまうみたいに感じる。捕食者のようなギラギラとした光がイサミの目に宿っていた。
俺は堪らなくなって、破らんばかりに下を取り払う。
すぐにでも俺が誰のものなのかを刻み付けて欲しい、蹂躙して欲しいと願った。
「イサミぃ……挿れて……犯して……もう我慢できない……!」
「だが、まだ準備が」
「大丈夫、すぐ入るから……ッ」
発情した俺の身体は強者を受け入れるための雌のようになっていた。本来は受け入れる場所じゃない穴が疼いて、中からは潤滑液が溢れ出ている。認めた相手にしか起きない現象だ。
イサミもそこに触れ、俺の言葉が嘘ではないとわかったらしい。着衣を全て脱ぎ捨て、猛る性器を俺の尻の中心に押し当てた。
「すまない。俺にも余裕がない、もっと丁寧にするべきなんだが……」
「そんなのいい……イサミのそれで……早く、メチャクチャにしてくれよぉ!」
「わかった」
ぐずぐずに蕩けた俺の中に、熱い楔が打ち込まれる。
息が詰まりそうな程の圧迫感だけど、それすらも快感の波を強めるだけだ。俺の中をギッチリと埋める大きな性器で内壁をなぞられただけで、訳もわからないうちに俺の性器は射精していた。
「あぁ、ああッ♡♡♡」
「くっ……締めすぎだ……ッ」
イサミの性器を中に収めただけなのに、内側の肉が自分とは全く違う生物になったみたいに蠢き、快感に震え続ける。子種を強請り、早くここに吐き出せとでも言いたげにイサミに絡みついているのがわかる。
「イサミも、早く出してよぉ……いっぱい、俺の中にぃ」
「ああ。どうせそう長くはもたない」
イサミはそう言うとパンパンと肉のぶつかる音が響くくらい激しく動き出した。
俺は突かれる衝撃に脳の奥が真っ白になり、引き出される摩擦で下半身に甘い痺れが走る。
何をされても快感が襲い、思考が完全に奪われた。
「ニャウッ♡ ひゃん♡♡ らめ、しんじゃ……ッあうぅ!!」
「死んでもらっては困るな」
「にゃ……うぁ♡♡ らって……あたま、おかしくなりそ……♡♡♡」
そう言いながらもイサミは一切動きを緩めずに俺の中をかき回す。その衝撃で、勃起もしてない俺の性器からは止めどなく精液がだらしなく流れ出て、自らの腹を濡らしていた。
こんな事は初めてで、身体が自分のものじゃないみたいだった。何一つ制御できずに乱れるしかできない。
「はうっ♡ あん♡♡ いさみぃ……! いっぱい欲しい……ねぇ♡ 俺のナカに、赤ちゃん、くらしゃい♡♡♡」
「ん……受け取ってくれ……フリアンっ」
イサミが俺の腰を跡が付きそうな程キツく掴み、今まで以上に激しく最奥を抉った。
視界が白く染まるのを感じる。
しかし直ぐに強い快感に引き戻され、自分の甘ったるい声を認識する。
「ヒッ……♡ やあ、ア゛ッ♡♡♡」
「ここが、フリアンの子宮になるのか?」
「わかんにゃ……ッ」
「本当に? 赤ちゃんに来て欲しいなら、ちゃんと知っておいた方がいい」
「あう、はぁ……ココ、に……クるよ……♡」
一番熱くて、一番響いている部分。ゆっくり俺は震える手で下腹を撫でた。
自分でも何を言っているのかわからない。
ただ、イサミとのこの行為が幸せで、赤ちゃんが欲しいという心からの想いは行動に出ているはずだ。
「いっぱい注ぐからな……全て受け入れてくれ」
「んっ♡♡ アッ♡ あんッ! イサミ……イサミ……!!」
「フリアン……ッ」
激しさが増した動きもようやく終わりを迎えた。
イサミから放たれた精液は俺の中にたっぷりと注がれ、俺はその全て奥で受け止めたくて、離れないようにイサミの腰に脚を絡めて固定した。
ビクビクとイサミの性器が激しく動き、何度も精子を吐き出しているのを感じる。
「はぁ……はぁ……スゴイ♡ まだ……出てる……♡♡」
「ん……くっ……はぁ……人が減った世界だったから……地球人は他の人間より精力が強いらしい」
そう言いながらイサミは、口だけじゃなくて頬や瞼、額とか顔いっぱいに沢山キスしてくれた。
いっぱい精液もらって、いっぱい気持ち良かった。
これ以上ない発情っぷりだったから、確実に妊娠しただろう。
俺はゆっくりと絡めた脚を外した。
「気持ち良かった……」
「そうか。それなら良かったが……」
イサミはまだ俺の上から退かず、じっと目を見ている。
おかしい。まったく瞳の中のギラギラが減っていない。むしろ最初より欲望の色が増している気がする。
「ど、どうしたんだ……イサミ……?」
「続きを、しても良いだろうか」
「続き!?」
待って。イサミの中では終わってないってこと!?
俺的にはかなり満足したけど、イサミはまだまだそんな様子がない。イサミってば魔物より性欲強いの?
目が泳いでいる俺に、イサミはいつもの八割増しくらいの笑顔で言った。
「いっぱい欲しいと言っただろう? それに、メチャクチャにしてくれとも」
「にゃ……♡♡♡ は、はひッ♡」
また俺の発情のスイッチが入ったのを感じ、それからマジで比喩でもなく一晩中抱かれた。
イサミが出入りする度にボタボタと大量の精液が溢れ出るくらい何度も何度も注ぎ込まれ、地球人は、どんな魔族よりも絶倫だと俺は身をもって知った。
暗かった空が明るくなったのを確かめた後、俺達はそのまま疲れて地べたで眠ってしまったが、湖の魔物が寝ている俺達の身体を綺麗にしてくれたらしい。ミニ魔木もイサミに毛布をかけてくれて本当に助かった。
起床後、イサミが身支度を整えながら『この湖の魔物達にはいつかお礼をしなければ』と恥ずかしそうに言っていた。
何が恥ずかしいのか聞いたら、誰かに見られて交尾をする事が基本的に人間にはないらしい。
数えられないくらい激しく何度もやっておいて、今更冷静になって照れているイサミが面白くて、俺は涙が出るくらい大笑いしてしまった。
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