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【第五章】勇者を助けに異世界へ
九・五話 ユタカ×リスドォル 森 -ユタカ視点- 【後編】
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俺はリズ様の弱い所を抉るように動く。
「んんんッ──!!」
喉仏が天を仰いでいるみたいに、リズ様の上体が大きく上向いた。
激しくしすぎてリズ様の頭が木にぶつからないよう、慎重に前後の動きを繰り返す。
俺にとってリズ様の中は既に知っている路なので、精神的にも肉体的にもかなりの余裕に繋がっていた。
しかし、今のリズ様にとっては初めての経験なので、奥底から湧き出す未知の快感に震えているようだ。
「あっ、あ、こんな、の、しらな、いッ」
「すぐに思い出しますよ、貴方が誰のものなのか」
俺はそう言ってリズ様の乳首を服の上から探り、爪先で掻いたり弾いたり強めに刺激する。
後ろからだと責めやすいので、両方の頂点を丁寧に指で嬲った。
「ぃッ……や、だめ、そんなッ♡」
胸の刺激に身を捩り、明らかに声が高くなるリズ様。
指を更に動かせば胸の先が硬く尖って主張し、もっとここに触れて欲しいとねだられているようだ。
胸と連動するように中の動きも活発になり、後ろでの快感にも大きく影響しているようだ。
「さわ、るな……おかしく、なる……」
「おかしいんじゃなくて、気持ちいいんでしょう?」
「ちがぅ……う」
まだ強がろうとするリズ様が可愛くて、俺は下にも手を伸ばした。
堂々たる雄の象徴に触れるとガチガチになっていて、先端からはトロトロと先走りが溢れている。
そのぬめりを亀頭に塗り付け、手のひらで円を描くように動かすとリズ様の足がガクガクと震えた。
「ひぃッ、あぁっ♡♡」
「ほら、こんなに反応してる」
「だめ、だ、ぁあッうぅ!」
胸と前と後ろを同時に刺激に耐えきれないとでも言いたげに、リズ様は頭を振った。
その直後に鈴口から勢いよく精液が吐き出され、ギュッと後ろの締め付けが強くなる。
俺も危うく出してしまいそうだ。
「うぅ……く……っあぶな……」
「はぁ……♡ あぁ……♡」
射精の余韻に浸るリズ様の肘が曲がり、前腕全体で木にもたれかかってしまった。
立っているのも辛そうだ。
「魔王様、立ってられませんか?」
「へいき、だ……」
「平気そうには全く見えないので……こっち向いてください」
一旦俺は性器を抜いて、リズ様の身体を反転させて向かい合う。
正面からリズ様の顔を見ると、目元が快楽で蕩けた様に下がっている。
敵意が完全に消え去って、俺に抱かれる事を喜びに感じ始めている証拠だ。
「俺の首に腕をまわして、しっかり掴まってくださいね」
俺はリズ様の片方の膝の下に腕を入れて持ち上げた。
露わになった濡れた中心に再び俺の先端を押し付ける。
「な、まさか……ッ」
「深く挿れると、もっと気持ち良くなれますよ」
「うぁ……あ……ぅう」
下からリズ様の中に遠慮なく納めていく。
抵抗なく迎えられ、再会を喜ぶ抱擁のように竿全体を締め上げてくる。
このまま両足を抱えたいが、いくら服があっても木の固さで背中が痛いかもしれないし、頭をぶつけるかもしれない。
どうにかして解消できないか考えた末、リズ様の客室作りを思い出した。
確か木にはお願いするんだっけ。
「ん……はぁ……どう、した……?」
「あ、いえ、すみません。ちょっと待ってください」
考え事をして止まった事でリズ様は不安げに俺の顔を見る。
慌てて手のひらで木に触れ、魔力を通して『リズ様を傷付けないように柔らかくなってくれると助かります』とお願いしてみた。
すると、魔力が一気に吸われたと思ったらリズ様の背後の木が、みるみると形状を変えていく。
中央が窪んでいき、卵型のハンギングチェアのようになり、内側が綿を敷き詰めたようにフワフワになっていた。
親切に屈曲位で挿入しやすい高さで、リズ様も俺も負担なく結合したままだ。
木に『駅弁は危ないから今はやめておけ』とアドバイスを受けた気分になった。
まあ、こっちの方がしっかり顔も見えるし俺としても嬉しい。
もしかしたら魔力を通してそういう願望すらも読み取ってくれたのかも。
突然すっぽりと柔らかい木に包まれたリズ様が何度も瞬きをして驚いている。
「お前……魔木を操れるのか」
「初めてやりました」
想像以上に木が張り切ってくれたので、これなら激しく動いてもリズ様が怪我をしなくて済みそうだ。
木に感謝しつつ、俺は上から体重をかけるように挿入を深くした。
「ア、ひぃ……ッぐ……ぁあ♡♡♡」
深く突き進むと、リズ様の声に大きな快感が滲んだ。
卵型のカーブのお陰で背もたれができ、上体は倒れる事がないから顔が見やすい。
しかし下半身は膝が自然と曲がり、結合部分を上方に見せつけるような恰好になっている。
正常位と座位の中間みたいでいいとこ取りだ。
「魔王様、繋がってる所が丸見えですね」
「や、言う、な……はぁ、アッ、深い……♡」
その『言うな』の言葉に反して、視線はしっかり咥え込んでいる部分に向いている。
もう反抗も覚束ないほど快楽に支配されているようで、その様子に俺の口の端がつり上がった。
「俺のが奥まで入って、気持ちいいですか?」
「うぅ、あ、ふぁ……き、もち、いい……」
「素直ですね。やっと俺に惚れました?」
そう聞いてみると、口を何度か開閉しながらも言葉を紡げないでいるリズ様。
どうしてもまだプライドが邪魔して言えないのだろうか。
ふと思いついたので、俺は表現を変えてみることにした。
「じゃあ、俺の子種、欲しくないですか?」
そういえば、このリズ様はまだ恋愛感情がわからないのかもしれない。
それなら魔物として“発情による繁殖行為”という明確な目的なら答えやすい可能性がある。
正直、俺からしたら『子種が欲しい』の方がよっぽどエッチだし、支配されてる感が強いと思うけど。
「ほ、しい……私の、中に……注いで、くれ……」
羞恥はあるようで、両腕で顔を隠しながらもリズ様はそう言った。
ちなみにだがリズ様は完全な魔物じゃないので、ただの交尾では妊娠しないらしい。
人間の同性間と同様に魔術的な儀式が必要なのだと、リズ様との初夜に教えてもらった。
今のリズ様にそんな説明をする必要はないのだが、背徳感がすごい。
完全に自分を魔物だと思っているリズ様はこの交尾で妊娠するつもりなのだ。
喜びを噛み締めつつ、数度、力強く穿った。
「ぅあ♡ んあぁッ♡♡」
「いいですよ、受け取ってくださいね」
俺は自らの射精を優先した動きに切り替える。
パンパンと肉のぶつかる音が響き、それに重なるようにリズ様の声が続く。
「ひ、ぅ、あ♡ はぁ、んぐ、だめ……きもち、よくてッ♡♡♡」
「ダメじゃ、ないです、一緒に……気持ち良くなりましょう」
「アアッ、う……はげ、しく、もっと……♡」
求められるがままに、俺は腰を叩きつける。
リズ様は貪欲に、まだこの先にある快感を求めていた。
愛液のぐちゅぐちゅといやらしく粘着質な音が耳にこびりつく。
「あう……ッうぅ♡♡ 奥、に……キてる……♡」
「そこに、俺の、注ぎます……から」
「んッ……う、欲しい♡ あ、んんッ♡♡」
ここまで求められてしまえば、身体を制御する事ができなかった。
肉壁の締め付けとリズ様の甘ったるい声に、限界の訪れを感じる。
「イきます……ッもう、出ます、中、出しますね……ッ」
「んぅ、あう、ふぅ……ッキて……♡♡♡」
出来る限り、最奥を抉る瞬間を定める。
肉壁に陰茎を擦りつける快楽に身を任せ、俺は全てを解き放った。
「んんんん──ッ♡♡♡」
「リズ、様……!!」
放出した精液を中で受け止めたリズ様は惚けた様子だった。
ずっと求めていたものを得たような、満たされた表情をしている。
「ぁ……あ♡♡ 私の……胎に……ユタカが……♡」
「……え?」
突然名前を呼ばれて、俺の身体が跳ねた。
リズ様は蕩けたように微笑んでいる。瞳がいつもの赤と紫の揺らぎに戻っていた。
「リズ様……?」
「ああ……ユタカ。私の伴侶」
そう言ったリズ様は俺の頬に両手を伸ばした。
リズ様が何をしたいかなんて、すぐにわかる。
互いに顔を近付け、求め合うままに口付けを交わした。
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