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【第四章】魔王様との魔界生活
九・五話 ユタカ×リスドォル初夜 -ユタカ視点-
しおりを挟む俺たちは寝室までようやくたどり着く。
時間なんてそんなにかかっていない筈なのに、とても長い時間に思えた。
もつれるようにベッドに倒れ込んでから、セックスの準備をどうしようって今更考えていた。
いきなり突っ込めない事くらいはネットで調べていたし、リズ様は最初からセックスするつもりだったようだから寝室には道具の用意があると期待したい所だけど。
「リズ様……ローションとかってあります?」
そう聞きながら互いの衣服を性急に脱がせていくが、いざ本番となると魔法でさっさと消してしまいたくなる。
あの時、脱がす時間も大事だと力説していた俺を少しだけ恨んだ。
でも、想定外の性急なセックスになったのは、リズ様が誘ってくるというとんでもない事件のせいなのだ。現実は理想を遥かに上回ってくる。
リズ様の裸体は想像よりも筋肉がついてて男らしくてカッコイイ。
それなのに腰は細くてエロい。
つい腹筋の凹凸に触れてしまって、くすぐったそうにリズ様が笑った。
「ふふ、潤滑剤はあるにはあるが、必要ないかもしれぬ」
「え、ど、どういう」
「ほら……」
リズ様が緩く足を広げ、俺の手を受け入れる場所へ誘う。
あまりに自然な動作で驚く間もなかった。
「うわ……リズ様のここ、凄く濡れてる」
指先が触れただけで、ぬるぬるとした液体が伝っている事がわかる。
本来濡れる筈のない部分が濡れているという事実。
発情しているのが理由なら、天使と話している時からこうなっていたということだ。
あのリズ様が、服の下ではこんなエッチな事になっていたと思うと、余計興奮してきてしまう。
中心に自ら手を誘うという行為も、よくよく考えればとんでもない事だ。
「リズ様……俺、ここが痛いです」
ガチガチに固くなった俺の性器が、発散場所を求めるかのようにビクビクと震える。
種付けしたいと全身の血液が脈打ち、カウパーがダラダラと溢れ、まさに先走っていた。
今まで、どんなエロ本だって動画だってこんなに興奮したことはない。
「私もな、発情が初めてでこうなるとは知らなかった。私が男だろうと魔物は認めた雄を受け入れるための準備がなされるのだな」
ウットリとした表情で猛る俺のモノを見詰めるリズ様。
視線だけで求められているのだと感じる。
俺はつい触れているその場所に指を差し込んでしまう。
暴いてめちゃくちゃにしたい。その中に一刻も早く潜り込みたいという欲求を止められなかった。
「ぅん……」
リズ様は甘い鼻にかかった声を漏らす。
あっさりと指二本が埋め込まれる。受け入れる事を待ち望んでいたのだと確信する程、柔らかなそれはとても排泄器官とは思えない。
「ん……ん……」
指を動かす度に息を詰まらせ、声を堪えるリズ様。
愛液と呼ぶに相応しいぬめりがトロトロと溢れ出し、声を抑えようともリズ様が興奮しているのが伝わってくる。
「リズ様、気持ちいいでしょうか?」
「ああ……だが、足りない」
リズ様は俺の手を優しく掴んで愛撫を止めた。
「ここは今、雄を受け入れるための器官となっている……汚れてもいないし、気を使わなくてもすぐに入るはずだ……だから、もう」
そこで言葉を切ったリズ様は俺の性器を愛おしそうに撫でた。
そんな事されたらすぐにでも突き挿れたくなる。頭が急激に熱を持って暴走しそうだ。
でも、さすがに即突っ込むのはどうかと思う。
繁殖のための行為ではなく、愛の営みだと説いていたのは俺なのに。
そんな俺の考えが表情で伝わったのか、リズ様は囁いた。
「ユタカ、私の伴侶。お前のものなのだとこの肉体が知りたいと暴れているのだ。お前に早くこの寂しさを埋めて欲しいと全身が訴えている。ユタカに支配されたいと願っているのは私なのだ。だからどうか、哀れなこの私の願いを叶えてくれないだろうか」
身体だけではなく、言葉でも俺を求めていると教えてくれる。
そこまで言われて焦らすのはむしろ特殊プレイだろう。
俺はノーマルな趣味しか持ち合わせていない。
リズ様の足を抱え、願いを叶える事に全ての神経を注ぐことにした。
身を委ねた者にしか見せないであろう部分を曝け出してくれている事に、興奮と感動が入り乱れて息が荒くなる。
「リズ様……俺も、欲しい。リズ様のぜんぶ欲しい……優しくしたいのに、これから貴方を支配できる事に、怖いくらいに喜びを感じてる」
言い終わるか終わらないかという時にはもう中心へ狙いを定め、剛直を押し当てていた。
クチュという粘度のある水音が俺の理性を奪おうとする。
「ぁ……ユタカ……早く、それを」
「はい」
グプ、と滑らかな雁の部分がリズ様の中に埋め込まれていく。
あんなに柔らかかったのに、いざ侵入しようとすると締め付けてくる。
しかしそれは拒むものではなく、もう離さないとでも言いたげなものだった。
「あ……あ……」
リズ様が他者の侵略に切なげな声をあげる。
一番太い部分は飲み込まれ、あとは求めるままに奥まで進んでいく。
あるべき場所に戻っていくようにすら感じる。
「ユタカが……は、いって、くる……」
「はい、リズ様の中に……」
きつく絡みつく肉壁も、愛液が止めどなく溢れているお陰で難無く最後まで収める事ができた。
少し緊張していたせいで気持ち良さを感じる余裕がなかったが、全て入ってしまえば急速に快感が目覚める。
性器全体を粘膜に包み込まれる気持ち良さは想像を軽々飛び越えた。
これを好きに動かして擦り付けたら、今よりもどれだけの快楽が得られるのか、考えただけでもクラクラする。
衝動的に腰が動いていた。
「はぅ……ッん」
トンと一突きしただけでリズ様の喉が跳ねる。
もっとその声を聞きたい。
もっともっと、リズ様の中を味わいたい。
俺は遠慮を捨て、抽挿を繰り返す。
「あっ、ヒ、や……あ、ん、んぅ」
「リズ様、可愛い……そんな声、出るんですね」
普段から想像もつかないようなリズ様の甘い声の連続に、夢中で腰を動かす。
下腹の刺激だけなら一人でもいいのに、セックスを求める者の気持ちがようやく理解できた気がする。
相手の反応が、ここまで精神にも感覚にも影響するとは思わなかった。
「リズ様……リズ、さま……ッ」
「ふぅ、う、ん……ユタ、か……ぁ」
リズ様の眉間にシワを寄せ、苦しそうにも見える表情がたまらない。
こんな顔をさせる事ができるのは俺だけなのだ。
快感を示すようにリズ様のものも勃ち上がり、先走りがどんどん溢れている。
安心と同時に欲望が溢れ出す。気持ち良い、あったかい、もっと欲しいと、俺は動きを加速させた。
パンパンと肉のぶつかり合う音が、行為のシンプルさを浮き彫りにする。
「ハア、あ、あ、ぁッ」
引っ切りなしに声を上げるリズ様。
あのリズ様が、俺を受け入れて、俺のモノで、こんなにも乱れている。
リズ様の反応を見て、一定の速度で突くと締め付けが強くなっていく。
「う、ふ、ぁ、ゆたか、ユタカぁ」
「リズさま……熱い、きもちぃ……」
イきそうなのだろうか。リズ様の顔は更に色付き、汗が一目でわかるくらい滲んでいる。
嘘をつかれるとは思っていないけど、声以外の要素でも快感を得ているか確認してしまう。
最初はもっとガツガツとしてしまうかと思っていたけど、妙に頭のどこかで冷静さが残っていた。
騎士として主のために奉仕したい。
その一心だった。
「ユタ、カ……もう、だめ、だ」
その言葉通り、リズ様の足が痙攣したみたいにビクビクと跳ねる。
内股に力が入って、中もギュウギュウ締め付けてくる。
「イキそう?」
「ん、ん」
コクコク頷くリズ様の目尻から涙が零れる。
汗で張り付く前髪が、行為の熱を表しているようだった。
いつも大人なリズ様が、イキたくて俺に縋って、幼子のように首を振る。
堪らない、と思った。
「リズ」
思わず呼び捨てにしていた。
今まで感じたことのない優越感を得られ、強気になっている。
「は……ぅん、ユタ、カ……」
リズ様の顔が一気に赤みを増す。
中が一層俺を締め付けた。
「イッて」
「ん、ん、ぅ───!!」
俺が耳元で囁くと、リズ様の息が荒くなり、数度奥を突いたら背中を震わせて果てたようだ。
トロトロとリズ様の前からは精液が垂れ流され、後ろは何度も俺のモノを噛みちぎらんばかりに締め付けた。
「俺もイッていい?」
目が虚ろになっているリズ様の頬や額にキスしながら問い掛けた。
「ユタカ……お願いだ……私の中に……出して」
「うん……出す、出したい」
それから俺は、乱暴とも言えるくらい、好き放題にリズ様のそこを蹂躙した。
自分が気持ち良いように、激しく腰を打ち付ける。
リズ様は俺にしがみついて衝撃を受け止め、また奥に湧き出る快楽を貪ろうと自ら腰を押し付けた。
「あ、あぁ、はぁ、ユタカ、ユタカ」
「気持ちい……ッ好き、愛してる」
互いに唇を貪り、それでも合間に愛を囁く。
唾液と舌の行き交う刺激だけでも脳が痺れる。
「イく、出すよ……ッ」
「あ、ん、ユタカ……!」
ビュービューと音が出ていそうだと思う程、勢い良く精を中に放つ。
射精がこんなに気持ち良かった事はないと言えるくらいの、恐ろしい快感だった。
こんな行為を知ってしまうと、これから自分がどうなってしまうのか心配してしまう。
全て出し切って、大きく息を吐いた。
「……リズ様、大丈夫ですか?」
「ふふ……何がだ……?」
あんなに激しかった行為の直後でも、リズ様に余裕を感じる。
かく言う俺もまだまだ体力が有り余っているけど。
抱き合いながら、息を整えるが、まだまだリズ様と離れたくない。
「その、痛いとか、辛いとかは……?」
一応初めての行為なのだ、心配だった。
しかしリズ様は笑う。
「何もない。強いて言えば……そうだな、まだ足りないくらいだ」
その言葉だけで、俺の性器は瞬く間に臨戦体勢になった。
好きな相手にそんな事言われたら元気になるに決まっている。
「若いな」
俺の昂りを感じたリズ様が微笑んだ。
そういえばまだろくに愛撫もできていない。
既に固さを持っている胸の先を指の腹で摩ってみる。
「んぁっ」
リズ様はその刺激に声をあげ、中も連動したようにキュッと締まった。
俺はそれに気を良くして両の手で二つを同時に刺激する。
「ぁ……ユタカ、そ、んな……」
摘んだり、優しく引っ張るとリズ様が脚を震わせる。
「ここ触ると中も動くんですよ、気持ちいいんでしょう?」
「気持ち、いい……から、も……動いて」
快感を求め、リズ様は自分の意思では止められないのか腰を自ら動かし、中の刺激を待ち望んでいる。
焦らすつもりもないので、俺は改めてリズ様の脚を抱え直した。
まだまだ愛の営みは始まったばかりだ。
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