王子に婚約破棄された令嬢の正体はイケメン魔王だったけど本当の姿を見た王子が求婚し直しててウケる

くろなが

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三話 【王子】王子の記憶*

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「ん♡ んぅ……はぁ……ん、おいしぃ……もっとほしい……♡♡」


 何故かリアンが私の股間に顔を埋めて性器をしゃぶっている。言っておくが断じて強要した訳ではない。こちとら童貞だぞ。いきなりそんな命令できるか。
 先程までの澄んだ顔をしたリアンは存在せず、完全に雌の顔をしたがいる。私自身が全くこの状況についていけてない。

 寝室に入るなりベッドに抱き上げられ運ばれたのは私だった。ウケる。普通逆では?
 ベッドに降ろされると恐ろしい手際の良さで服を脱がされた。あまりの勢いに犯されるのかと思ってかなり焦ったぞ。驚きで固まっている間にリアンは私の性器を口内全体で堪能していた。今まで知る事のなかった快楽が襲い、抵抗なんて考えは浮かばない。好物でも頬張っているかのようなリアンの恍惚の表情を見ていると、こちらも頭がバカになりそうなくらい気持ち良くなった。
 ほんの少し前に浮かんだ『いや、本当ならカレンになって女体に私が反応するのかを試すんじゃなかったか』なんて思考は陰茎を唇で扱き上げられると同時に霧散した。もう出そうなんだけど出していいのだろうか。リアン口戯上手すぎない? あ、駄目、イく。


「──んんッ! リ、アン……くぅ、はぁ……あっ……」
「ん~~~♡♡♡ んぐ……んぅ……ぷはぁ……♡ せーえき♡ んぁ……美味し……♡♡」


 リアンは言葉通り美味そうに精液を飲み干す。それだけでは飽き足らずチュパチュパとわざとらしく音をさせながら吸い付き、性器を舐めまわした。ほんの少しの残滓すら取りこぼさないとでも言いたげに舌で綺麗に掃除された。どエロかった。

 それでもこの時間で、ようやく私の頭も冷静さが戻って来た。婚約者のカレンが魔王カレリアンに姿を変えた辺りから私の記憶に変化があった。

 幼い頃に複数の女に逆レイプされかけた事を思い出した。

 その時の女達の目と、今のリアンの目がそっくりなのだ。金色に輝き、猫の様に瞳孔が縦に細い。私はその共通点で、ようやく封印されていた記憶を取り戻した。当時も相手が人間ではないとわかっていた。私がそういったものを惹き付ける体質なのは、生まれた時から魔導士から忠告されていたのだ。
 青色をした上質な魔力を持つ者は、昔から魔族の食料になりやすかったらしい。過去に食い荒らされた結果、人間に上質な魔力を持つ者はほとんどいなくなり、王族にだけごく稀に生まれる特別な存在になった。

 年齢を経た方が魔力は純粋に高まるため、子供が魔族に襲われるケースは少ない。そもそも魔族が姿を見せる事も減り、ある種共存できていた。そういう状況もあり、まだ幼いからとあまり警戒していなかった時期にあの事件が起きた。
 とあるパーティーの途中、あれよあれよと外に連れ出されて女に取り囲まれた。無理矢理よくわからない術で勃起させられ、我を忘れたように興奮した女が跨ってきた。犯されるというよりは、喰われると思った。その絶体絶命の状況から私を救ってくれたのは美しい男だった。
 美しい男は、まさにこの魔王カレリアンだった。私はその時からリアンに一目惚れしていたのだと今ならわかる。さっきが初恋かと思いきや、私はずっと前にリアンに初恋を奪われていたのだ。
 二度も一目惚れとはロマンチックではないか。私の想いはブレていないとわかって嬉しくなった。

 何故リアンがカレンという女性になって私の側にいたのかはわからない。だが、リアンはずっと私を守ってくれていた。
 現実で襲われるような事はあれ以降なかったが、度々夢でも女に襲われる事があった。鮮明に内容を覚えている訳でもなく、稀に見る怖い夢くらいにしか思っていなかった。
 しかし記憶がハッキリしてきた今なら、それが夢魔の仕業であったとわかる。そういった存在が魔力を食べに私の夢に忍び込む度に、リアンは追い払ってくれていた。きっとその度にリアンは私の記憶を封じていたのだろう。
 思い出せば出す程、リアンに対する想いは増すばかりだ。リアンの様子を窺えば、さっきまでの暴走しているような様子はなく落ち着いたらしい。


「リアン……」


 私は話を聞きたかった。だが、私が声を掛けるとリアンは静かに涙を流した。


「なっ!? リアン……!? どうしたんだ!?」
「すまない……エアデール……! 結局我も……エアデールを無理矢理襲ってしまった……っ最低だ……」


 リアンは絶望と言った空気でさめざめ泣いているが、あんなエロいサービスはウェルカムなのだが。ちょっと驚きはしたけれど無理矢理とは程遠かった。
 しかし、こういう場合は『襲った』と思い込んでいる相手に大体何を言っても疑心暗鬼となり話はこじれるものだ。手っ取り早く事態を収拾するには、相手が罪を感じているならば罰を与えること。それから話し合う。
 などと、もっともらしい事を考えたが、私は正義感が強いタイプではない。ありがたくこの状況を使わせてもらおう。ぶっちゃけ下心しかない。


「ああ、リアンに襲われてしまったなぁ」


 少し責めるような声で言うとリアンはビクリと大きな肩を震わせた。それだけで私は興奮してきた。


「私はとても驚いたぞ。だが、そうだな……私もリアンを襲えば……お互い様、ということでチャラになるから安心するがいい」
「……エアデールも、我を襲う……?」
「同じ事をしては芸が無い。私はココを使わせてもらおうかな」


 私は腕を伸ばし、リアンの尻を撫でた。そしてゆっくりと指を動かし、割れ目に指を這わせて性交を示唆する。リアンは小さく身体を震えさせ、口からは熱い吐息を漏らした。明らかに拒否ではないのはわかっているが、一応確認はしておこう。


「自分だけ好き放題しておいて、私から何かされるのが嫌という事はないよな?」


 そう聞くと、リアンは俯きながら首を横に振った。


「嫌ではない……から、駄目なのでは……」
「ん?」
「わ、我は……エアデールに襲われたいと思っているから……それでは、ご褒美になってしまう」


 あんなに大胆に性器をしゃぶっていた者と思えない。耳まで赤くして生娘の様に恥ずかしがっているのに『襲われたい』だと。なんて愛らしさだ。その姿だけで私の興奮は最高潮だった。


「ご褒美も度が過ぎれば苦痛になりえるだろうさ。嫌だと言ってもやめてやれんぞ」


 私はリアンを性急にベッドに押し倒し、服に手を掛ける。が、王子である私の服よりも装飾や留め具が多い! くっそ、魔王服め、脱がしにくいぞ!!
 このままでは恰好悪い事になりかねなかったが、私がもたつく前にリアンが自ら留め具を外しだした。ありがたく私はそこから衣服を剥ぎ取っていく。心の中では感謝を叫びつつ、なんかいい感じに言葉で責めておこう。


「ふん……そんなに私に犯されたいのか?」
「……はい……♡」


 きた、あのエロいリアンの顔だ。私は堪えきれず、リアンの濡れた唇を貪った。

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