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四話 月日は流れ*
しおりを挟む父と子がセックスするのが人間の常識と言われてから早二年。マジで驚くけど、一日も欠かすことなくリゲルは吾輩とセックスした。
「パパ♡ パパの大好きなオチンチンだよ♡」
「ひ、そんな、一気に……ダメ、だ、うぅ……アッ──!!」
「すごい……パパ、上手だねぇ♡ もうハメただけで中でイけるようになって♡♡」
完全に吾輩の尻は性器となった。しかも名器だ。リゲルの形を覚え、リゲルの好む動きで締め付け、精液をゴクゴクと飲み干す。我ながら才能が怖い。リゲルを悦ばせるだけでなく、吾輩自身もどんどん気持ち良くなっていった。突っ込まれただけで達する事ができるようになったし、当たり前のようにメスイキがメインだ。パパ、本当にママになっちゃったよ。なんてね。
「あぁ……あうっ……んっんぁあッ……リゲルぅ……もっと、もっと突いて……っ」
「もちろんだよ、何度でもしようね♡ いーっぱい突いてあげるから♡♡ パパ……ふふ、さあ、一緒にイこうね♡」
「んぐっ、あ、あッ……はげしっ……りげる……ぅう、う──ッ!!」
「パパ、パパ……ッ愛してる……愛してるよ♡♡」
二年もすると本当に吾輩の予言通りにリゲルは絶世の美男子になった。前は可愛さ9割、1割カッコ良さって感じだったのに、今は完全に逆転してほとんどがカッコイイになってしまった。身長も来年には抜かされてしまうだろう。だが、吾輩への甘えん坊さんっぷりは変化していない。ずっとずっと世界一可愛い息子だ。
◇◇◇
「パパ、今日も少し帰って来るのが遅くなるかも」
「そうか。夜道には気を付けるんだぞ。リゲルは可愛いから」
「あはは、パパがくれた転移陣があるから大丈夫だよ。じゃあ行ってきます」
朝食を終えたリゲルはいつものように転移で登校していった。16歳になれば付き合いだって増えるだろう。吾輩は深入りはせずにいつも頷くだけだ。リゲルは吾輩よりもしっかりしているから何も心配していない。
リゲルは成績優秀で、国が運営する上級学院に推薦で入学した。さすが我が息子。いや、逆だな、吾輩と血縁関係じゃないからこそ優秀なんだ。
ずっと引きこもっていた吾輩だが、とうとう人間の世界に足を踏み入れなければいけない用事ができてしまった。子供には知らされない、保護者面談の案内が来てしまったのだ。簡単に言ってしまえば、学院への寄付を求められている。
息子が優秀過ぎて、他の生徒から僻みや妬みによる小さな嫌がらせを受けているようだ。リゲルは気にしていないようだが、養子であるというのはそれだけで攻撃材料にされてしまう。だが、親からの寄付というのは学院内での地位を決定づける大きな要素になる。周りを黙らせるために、寄付に参加しないかと連絡が来たのだ。
吾輩はもちろん即オッケーした。どれだけでも寄付するから振り込ませてくれとずっと書面で言っていたのだが、対面手渡しじゃないと受け取れないと言われた。何かを介すと色々と足がつくからということらしい。そこらへんの薄ら暗い事情もわかるので、仕方なく出かける事にしたのだ。
リゲルはこれを知ったら気にするだろうから内緒の外出となる。リゲルの学院生活を見てみたい気もするが、バレるような事はしたくない。だから授業が全て終わった時間を狙って、学院長に大量の金塊を渡してきた。
転移陣の場所までは姿を隠す魔法をかけて移動する。沈む夕日が綺麗に眺められる廊下を歩いている時だった。
「アルデバラン様」
「だからそれは俺じゃない。本物のアルデバランは死んだんだ。俺は影武者だったと何度言えば信じるんだ」
アルデバランと呼ばれていたのは、リゲルだった。リゲルってば学院内では俺って言ってるんだ、可愛いね。話を切り上げようとするリゲルを、水色の髪をした眼鏡君が追いかける。
「もう、本物とか偽物とかはどうでも良いのです。この世界でオレンジの髪を持つ者は少ない。今貴方が城に戻れば誰もが貴方をアルデバランだと認めるでしょう」
「俺はリゲルだ。育ててくれた父以外はどうでもいい。お前ら王族のクソみたいな争いに巻き込むな!」
あ~本気で怒ったリゲル可愛い~。拾った時なんか訳アリっぽかったもんね。ていうかそんな低い声も出せたんだね。リゲルに怒るって感情があったとは驚きだよ。吾輩といる時はいつもニコニコしてるから意外。吾輩以外どうでもいいって可愛すぎるだろう。色んなリゲルが見れてホクホクだ。学院に来て良かった。
しかし不敵に笑った眼鏡君の攻撃は続く。
「それについても調べがついていますよ。伝承にある愚者。騙されやすい愚鈍な魔王。貴方はそれを上手く利用しているのでしょう」
「なっ……違う……!!」
「そうでしょうか。貴方は王子の影武者として幼い頃から知識を叩き込まれていた。愚鈍な魔王の事を知らないはずがない」
「ち、違う……お、俺は……俺は……」
「おや、さっきまでの元気はどうしたんですか? やはり心当たりがあるようですね」
俯いて黙り込んでしまったリゲルの握りしめた拳から血が流れた。帰ったら爪を切ってあげなければな。吾輩は苦しそうなリゲルを見過ごすことはできずに姿を現した。まさか真横に誰かがいたなんて思っていなかっただろう。リゲルも眼鏡君も目を見開いた。
「えっ……パ……父上」
パパって言いそうになって慌ててリゲルが言い直した。可愛い。父上だってさ。父上なんて初めて言われたよ~! だが今はそれについて話している場合ではない。瞬時にリゲルの手に回復魔法をかけつつ水色の髪の子に声をかけた。
「そこの眼鏡君」
「は、は!? 私ですか!?」
めっちゃ悪口言ってた相手が目の前に現れたら怖いよね。でもごめん、どうしても聞きたい事があるんだ。
「人間の親子。父と子供がセックスするのは人間の世界では常識なのかね?」
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