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第一章 乙女ゲームの世界に生まれて

9 やっぱり魔力は0ぽい

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「え、ステータスが知りたい?」

「そう!今日ツバキとステータス見ようとしたんだけど…ツバキは見れて俺は見れないんだよな」

 ルイが帰ってきたとたん俺はステータスが見たいと駄々をこねた

「なー俺も自分のステータス知りたいー戦いたいー」

「普通はみんな見れるけど、どうしてかな?
 魔力が少しでもあれば見れるはずなんだけど…」

 なるほど…それでか! 俺の魔力は本当に0なんだな。

「あ! 僕にはないけど、鑑定スキル持ちは人のステータスも見れるよ!」

「ほ、本当か!?」

 鑑定持ちに見てもらえば俺の能力がわかるのか!そしたら…多少は戦えるか?

「うん、まぁでも、ステータス見る必要なくない?」

「え? なんで? 俺も使える技とかあるかもじゃん? 知りたい」

「知ったとしても戦わせる気ないからね?」

 バチコンとウィンクされる。

「なんでだよ!
 ってか、俺弓矢ほしいんだけど…どこで買えるの?」

 いらないって言われるのはわかっているが、とりあえず聞いてみる。

 弓矢欲しいし、戦いたい。ただで世話になるのも嫌だ。それに、今のままだと、ヒロインに会わなくてよさそうだが、軌道修正とかで、ゴリマッチョのヒロインとか、ボコスコにリンチに合って殺られるの嫌だし。

「弓矢なんていらないと思うんだけど…このままだと勝手に行きそうだし…僕と行こうか! 明日」

「本当か! またダメって言われたら明日店探して走り回ろうと思ってたよ」

「だろうね…まぁいいよ。明日はデートだね」

「男二人だし、違うだろ。でも、ありがとうな」

「いいよ。シュヴァの頼みだし。僕、家族に対しては優しくするって決めてるから…」

 ルイの目は、寂しそうだった。そっか、こいつ家族に捨てられてるのか。だから、家族に対して執着があるのか。

「ルイは家族思いだな」

ルイは目を見開いて、驚いた顔をした。が、少しすると顔を赤くした。

「あ、ありがとう」

「うん! 家族といえば、俺の家族どうしてるかな。
 家出して1週間たったけど、心配してくれてるかな?
 それとも、せーせーしてるのかな。」

「ヴァイスの家族は僕でしょ?」

 確かに、ルイは家族のように接してくれるけど、でもやっぱりさ、違うじゃん?父も母も兄ズもついでに前の世界の家族もなんか、切れない縁と言うか、特別なんだよな。ルイには言えないけど…

「そうだな」

 そんな俺の思いを汲み取ったのか、ルイがパンっと手を叩く。

「さ、もう寝ようか」

「そうだな、おやすみ」

「おやすみ、明日のデート楽しみにしてるよ」

「デートじゃない。買出し」

「はいはい、僕は勝手に思っとくからいいよ」

 部屋に行くために立った俺の後ろでルイが、

「ごめんね」

と、呟いていたが、俺の耳には届かなかった。
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