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アップルパイ
アップルパイ ②ショタside
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朝の情報番組で見てしまった出来立て熱々のアップルパイが食べたくて、だけど外には出たくないとわがままを言ったオレのために渉が材料を持ってきてくれた。
林檎を櫛型に切る渉の隣でグラニュー糖をはかりで量る。
アップルパイが食べたかったのはホントだけど、渉にどうしても聞いてほしい話があったんだ。
「あー…」
言い出しにくいけど思い切って言うしかない。自分ひとりじゃ抱えきれないから。
「わかってるて、海瑠が仕事で部屋に籠る時間狙って朝はよーから呼び出したんはアイツに聞かれたない相談があるんやろ」
呆気に取られて見つめる赤髪のキツネ顔がなんでもお見通しやぞとニヤッと片頬を上げて笑う。
「うん…オレ、どうしていいかわかんなくて」
「渉様相談室の料金は高いで~」
深刻な様子のオレを見て茶化してくる渉に、手を動かしながらポツポツとまとまりのない今のオレの悩みを話していった。
シルヴァリオンとしての記憶が蘇ってくるたびに前世でのオレと今の自分の違いに悲しくなるんだ。
超絶イケメンのオーディンと並んでも見劣ることのなかったシルヴァリオン。神々の奇跡とたたえられ神の子と称されたほどの美貌でオーディンの唯一として愛されつくした前世。
なのに今のオレこんなだから… なのにアイツは前世のままの超絶イケメンで…
髪も体も顔も全部嫌で見られたくなくて
とりとめのない内容の海瑠には言えない悩みを渉に聞いてもらう。
グツグツと鍋の中で煮えてきた林檎の香りがキッチンに広がり、木杓子を手にした渉がフムフムと難しい顔をした。
「そりゃなぁCGしか見たことないけどあんなキレーな人間おらんもんな」
前世とはいえ自分の事だからちょっと気恥ずかしくなる。
「けどや~俺は今のショタのほーが人間らしくてええなぁ」
エッ?と隣の渉を見上げるが鍋を見つめたまま視線が合うことはない。
クルクルと焦げ付かないように弱火で林檎を煮詰める渉の視線は鍋にくぎ付けのまま
「今の、そのままのショタでメッチャ可愛いらしからな」
オレが1番嬉しい言葉をくれる。
「あんなキレイな人間現在のこの世にはおらんのやし、アイツはショタ以外目にも入れへんねんししょーむないことで悩むんはやめときや」
水分が減ってきた鍋の中が泡立ちグツグツ音を立てる。
「ほんなら質問や」
渉が林檎の1つにフォークを刺しフーフーと息を吹きかける。
「海瑠の見た目があんな王子様みたいなイケメンやなくて、普通の平凡なそこらにおるような顔やったら好きになってへんのか?」
金髪で青い瞳でスクリーンの中にもいないようなイケメンの海瑠じゃなく普通の…?
考えること数秒、オレはブンブンと頭を横に振り
「そんなことない、オレは見た目でアイツを好きになったんじゃない」
「せやろ」
パクリと林檎を口に入れた渉がウマッって言うからオレの口の中に唾液が湧きだす。
「それにやで、あいつはシルヴァリオンやないお前を選んだんやで?そこ1番重要やろ。まー結局おんなじやったけどや真道正太朗を選んだんやから。お前の今の悩みは徒労ってこっちゃ。しょーむないことで悩まんときや」
林檎を櫛型に切る渉の隣でグラニュー糖をはかりで量る。
アップルパイが食べたかったのはホントだけど、渉にどうしても聞いてほしい話があったんだ。
「あー…」
言い出しにくいけど思い切って言うしかない。自分ひとりじゃ抱えきれないから。
「わかってるて、海瑠が仕事で部屋に籠る時間狙って朝はよーから呼び出したんはアイツに聞かれたない相談があるんやろ」
呆気に取られて見つめる赤髪のキツネ顔がなんでもお見通しやぞとニヤッと片頬を上げて笑う。
「うん…オレ、どうしていいかわかんなくて」
「渉様相談室の料金は高いで~」
深刻な様子のオレを見て茶化してくる渉に、手を動かしながらポツポツとまとまりのない今のオレの悩みを話していった。
シルヴァリオンとしての記憶が蘇ってくるたびに前世でのオレと今の自分の違いに悲しくなるんだ。
超絶イケメンのオーディンと並んでも見劣ることのなかったシルヴァリオン。神々の奇跡とたたえられ神の子と称されたほどの美貌でオーディンの唯一として愛されつくした前世。
なのに今のオレこんなだから… なのにアイツは前世のままの超絶イケメンで…
髪も体も顔も全部嫌で見られたくなくて
とりとめのない内容の海瑠には言えない悩みを渉に聞いてもらう。
グツグツと鍋の中で煮えてきた林檎の香りがキッチンに広がり、木杓子を手にした渉がフムフムと難しい顔をした。
「そりゃなぁCGしか見たことないけどあんなキレーな人間おらんもんな」
前世とはいえ自分の事だからちょっと気恥ずかしくなる。
「けどや~俺は今のショタのほーが人間らしくてええなぁ」
エッ?と隣の渉を見上げるが鍋を見つめたまま視線が合うことはない。
クルクルと焦げ付かないように弱火で林檎を煮詰める渉の視線は鍋にくぎ付けのまま
「今の、そのままのショタでメッチャ可愛いらしからな」
オレが1番嬉しい言葉をくれる。
「あんなキレイな人間現在のこの世にはおらんのやし、アイツはショタ以外目にも入れへんねんししょーむないことで悩むんはやめときや」
水分が減ってきた鍋の中が泡立ちグツグツ音を立てる。
「ほんなら質問や」
渉が林檎の1つにフォークを刺しフーフーと息を吹きかける。
「海瑠の見た目があんな王子様みたいなイケメンやなくて、普通の平凡なそこらにおるような顔やったら好きになってへんのか?」
金髪で青い瞳でスクリーンの中にもいないようなイケメンの海瑠じゃなく普通の…?
考えること数秒、オレはブンブンと頭を横に振り
「そんなことない、オレは見た目でアイツを好きになったんじゃない」
「せやろ」
パクリと林檎を口に入れた渉がウマッって言うからオレの口の中に唾液が湧きだす。
「それにやで、あいつはシルヴァリオンやないお前を選んだんやで?そこ1番重要やろ。まー結局おんなじやったけどや真道正太朗を選んだんやから。お前の今の悩みは徒労ってこっちゃ。しょーむないことで悩まんときや」
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