悠遠の誓い

angel

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side 海瑠

決心

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発見が早くて良かったと先生が言った。
意識はまだ戻らないけどとりあえずは安心していいだろうと。

ベッドの横でずっと寝顔を見てた俺に「血まみれやん?人殺してきたかと思われんで」とゴーストが引きつった笑顔で言ってくる。俺のシャツやズボンはしょーちゃんの血ですごいことになってた。

「顔洗ってくる…」

トイレで顔や手についた血を洗い流す。排水溝に消えていく赤までもが愛おしい。良かった…助かって良かった。
しょーちゃんをあんな目に合わせたやつはどこの誰だかわからない。なんでしょーちゃんがあんな目に。犯人を探し出して殺してやる。

トイレから出た俺は…このまま帰るべきか悩んでた。

血の海に横たわるしょーちゃんを見た時 このまま失ってしまうんだと思った。シルヴァリオンじゃないとかどうでも良かった。しょーちゃんがいなきゃダメなんだ。ごめん…シルヴィ。俺は約束を破るよ。今でも愛してるしこんなことどうかしてるって俺もそう思うけど、だけどゴメン…やっぱ俺はオーディンじゃなく王寺 海瑠かいるなんだ。シルヴィよりもしょーちゃんが大事なんだ。愛してるんだ。

だから…怒っていいよ。恨んでくれ。恨んで恨んで呪い殺してくれてもいいよ。
だから…それまで少しだけの間、しょーちゃんと………



「―――――ぃる!!」


遠くからうっすら聞こえたその声に全身に震えが走る。


「海瑠!…いるんだろ。海瑠!!海瑠っ」

今度はハッキリ聞こえた。しょーちゃんだ、意識が戻ったんだ良かった。



「かいるっ!待って…行かないで―――――」


待たせてごめん 
寂しい思いをさせてごめん 
優柔不断でごめん



海瑠かいる―――――っ!!!」


転びそうになったしょーちゃんを危うく抱きとめたら後ろに倒れるみたいになってしまった。かっこ悪い。
何か月ぶりだろう。抱きしめたいけど壊してしまいそうで怖くてそっと背中に手を添わす。

号泣するしょーちゃん。良かった、こんなに泣けるならだいじょうぶそうだ。

「うっ、ぐぅ…オレのだっ…グスッ。ぜってーに渡さない…っ!」

首のあたりにある熱い頬に改めて神に感謝した。俺も離す気ないから。こんな場所だけど…いいよね?もう覚悟決めたんだ。だからさ…




「一生……死ぬまで一緒にいよう」

うんって言って?

「しょーちゃん愛してる」


シルヴィじゃないしょーちゃんを愛してる。




もしいつかシルヴィが現れても、王寺海瑠は一生涯、 真道正太朗を愛すると誓った。
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