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11章
行かへん♪
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【あけましておめでとう 今年もよろしゅうに】
着物を着たキツネがお辞儀をしてるイラストとともに送られてきたメッセージにオレも返す。
【おめでとさん 進級できるよう励みたまえよ】
落第スレスレの渉に脅しをかけていく。自分より成績の悪い友人なんていなかったから軽い優越感だ。だけど落第されたら困る。冬休みの宿題もまだ半分しか進んでないから明日一緒にやる約束をしておく。
【正月やのに勉強とかないわー】
【正月明けたらまたバイトだろ】
そんなやりとりを終え、1階に降りると両親が深刻な顔で食卓に座るように言ってきた。
*
「クビ…?」
大みそかの昨日、父ちゃんは珍しく酔っぱらって帰ってきた。
外で飲むなんて珍しいと思ったら工場を解雇されたそうだ。
「正太朗はなんも心配せんでいいから、すぐ次の職場探すしな」
「そうよ 少ないけどお母さんの稼ぎもあるし。お父さんもあせらんと2~3か月ユックリしたらええわ」
前の社長と1からやってきた工場なのに新社長と方針が合わないという理由で退職金も出ず解雇されたらしい。
「そんなの許されるのか?どこかに訴えたら」
「長年お世話になった会社に泥を塗るようなことは出来ん」
不当解雇だろうといくら言っても、職人かたぎの父ちゃんは頑としてこれでいいと言い続けた。
*
「正月早々そんなエライことなってんのかー」
渉の家で宿題をやりながら父ちゃんの工場のことを話した。納得できないと怒るオレに
「ショタの父ちゃんには父ちゃんなりの義理やら信念があるんやろ」
「そやかて」
ヤベ関西弁うつっちゃってる。
コタツに突っ伏し渉を見上げる。時々コイツ同い年とは思えないほど考え方が達観してるんだよな。
「冬休み終わったら遊園地バイトも終わりやろ。そやから新しいバイト見付けてきたで」
「マジで?時給いくら?」
まず聞くとこが時給かよ って目がなくなるくらい笑われた。
時給は遊園地の時の倍ほどもあって交通費支給・制服貸与。夕方6時~9時までの清掃業務らしく複数人募集だからオレも申し込めって言ってくれた。
「スッゲー。こんないいバイトよく見つかったな」
「新しパパが前勤めてた時の後輩がいるビルらしくてさ。身元しっかりしてるバイト探してたらしいんや」
「お前そんなにチャライ見た目なのに大丈夫なのか?」
「そやな…新しパパに恥かかしてもあかんしな。カツラでもかぶるわ」
「カツラかよ!」
授業がある平日は冬休みと違って長く働けないから、拘束時間が短いのに高時給なバイトはありがたかった。
オレもできるだけ稼いで両親を支えないとな。
「土日もできるバイトないか探しといてくれよ」
「土日までする気か?そんなんしたら遊べへんやん。孝之はん主催の合コンにも行けへんで?」
「合コンは…行く気ないからいい」
「えーショタが行かへんねんやったら俺も行かへんわー」
「なんでや。お前は行ったらええがな」
孝之とも仲良くなったんだしオレがいなくても行けるだろと言うのに渉は
「ショタおらんのやったら面白ろないもん」
行かへ~ん、行かへん、行かへんへーん♪なんて謎の歌を歌いながら孝之に合コンキャンセルの連絡を入れていた。
着物を着たキツネがお辞儀をしてるイラストとともに送られてきたメッセージにオレも返す。
【おめでとさん 進級できるよう励みたまえよ】
落第スレスレの渉に脅しをかけていく。自分より成績の悪い友人なんていなかったから軽い優越感だ。だけど落第されたら困る。冬休みの宿題もまだ半分しか進んでないから明日一緒にやる約束をしておく。
【正月やのに勉強とかないわー】
【正月明けたらまたバイトだろ】
そんなやりとりを終え、1階に降りると両親が深刻な顔で食卓に座るように言ってきた。
*
「クビ…?」
大みそかの昨日、父ちゃんは珍しく酔っぱらって帰ってきた。
外で飲むなんて珍しいと思ったら工場を解雇されたそうだ。
「正太朗はなんも心配せんでいいから、すぐ次の職場探すしな」
「そうよ 少ないけどお母さんの稼ぎもあるし。お父さんもあせらんと2~3か月ユックリしたらええわ」
前の社長と1からやってきた工場なのに新社長と方針が合わないという理由で退職金も出ず解雇されたらしい。
「そんなの許されるのか?どこかに訴えたら」
「長年お世話になった会社に泥を塗るようなことは出来ん」
不当解雇だろうといくら言っても、職人かたぎの父ちゃんは頑としてこれでいいと言い続けた。
*
「正月早々そんなエライことなってんのかー」
渉の家で宿題をやりながら父ちゃんの工場のことを話した。納得できないと怒るオレに
「ショタの父ちゃんには父ちゃんなりの義理やら信念があるんやろ」
「そやかて」
ヤベ関西弁うつっちゃってる。
コタツに突っ伏し渉を見上げる。時々コイツ同い年とは思えないほど考え方が達観してるんだよな。
「冬休み終わったら遊園地バイトも終わりやろ。そやから新しいバイト見付けてきたで」
「マジで?時給いくら?」
まず聞くとこが時給かよ って目がなくなるくらい笑われた。
時給は遊園地の時の倍ほどもあって交通費支給・制服貸与。夕方6時~9時までの清掃業務らしく複数人募集だからオレも申し込めって言ってくれた。
「スッゲー。こんないいバイトよく見つかったな」
「新しパパが前勤めてた時の後輩がいるビルらしくてさ。身元しっかりしてるバイト探してたらしいんや」
「お前そんなにチャライ見た目なのに大丈夫なのか?」
「そやな…新しパパに恥かかしてもあかんしな。カツラでもかぶるわ」
「カツラかよ!」
授業がある平日は冬休みと違って長く働けないから、拘束時間が短いのに高時給なバイトはありがたかった。
オレもできるだけ稼いで両親を支えないとな。
「土日もできるバイトないか探しといてくれよ」
「土日までする気か?そんなんしたら遊べへんやん。孝之はん主催の合コンにも行けへんで?」
「合コンは…行く気ないからいい」
「えーショタが行かへんねんやったら俺も行かへんわー」
「なんでや。お前は行ったらええがな」
孝之とも仲良くなったんだしオレがいなくても行けるだろと言うのに渉は
「ショタおらんのやったら面白ろないもん」
行かへ~ん、行かへん、行かへんへーん♪なんて謎の歌を歌いながら孝之に合コンキャンセルの連絡を入れていた。
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