悠遠の誓い

angel

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7章

side 海瑠

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『お前が覚えてること全部教えてくれ』

思い出すまで待つつもりだったのに。けど、こうなったら知ってもらったほうがいいかもしれない。思い出すキッカケになってくれと願いながら俺は前世の話を始めた。


「初めてシルヴァリオンに合ったのはお互いが15歳の時、シアーズ皇国の謁見の間だった。
第一皇子だった俺は、支配属国王家からの留学生を父皇帝や大臣たちと迎えていたんだ」

「シルヴァリオンってスゲエ名前だな伝説の剣みてー。それに皇子?王子さまってことだろ?スゲーな」

ベッドで横になりながら聞くしょーちゃんが楽しそうに言った。

「シルヴァリオンだって王子だよ。属国のエーリスの第一王子だった」

パソコン画面のシルヴィを見やりながらそう言うと 「そう言われりゃそれっぽいなって」しょーちゃんは笑った。

「シルヴィに出会った瞬間、俺は妻にするって決めたよ」
「男同士なのに?」
「うん」

お前ヤベーな。って笑うしょーちゃん。うん俺もそう思うよ。

「でもシルヴィは転生者だったんだ」
「は?」
「俺らがいるこの世界で大学生の時、不慮の事故で死んだらしい。そして死んだとき神様が来て賭けをしたんだって。転生して王様になれたら死んでなかったことにしてこの世界に戻してあげるって」
「この世界から…?」
「うん」


「王様になれたらって、じゃ妻にできねーじゃん」
「うん…俺も皇国の跡継ぎだからシルヴィも悩んだよ、けど現世に戻るよりも俺との人生を選んで妃になってくれたんだ」

葛藤もあった。すれ違いもあった。けど俺たちは結ばれた。愛すべき輝かしい日々。最後の日まで愛し合った。幸せだった前世の話は尽きなかった。

俺が抱き枕にしてるデブアルパカの大きなぬいぐるみを抱き横たわるしょーちゃん。シルヴィだ…顔も性格も全然違うけど、シルヴィじゃなきゃおかしい、こんなに心が乱れるんだから。

「それ…【タカハシさん】だよ」
「は?このぬいぐるみ?」
「うん…」

こっちに生まれて来てビックリした。シルヴィの言ってた通りだ。あっちの世界で神の使いとされてた生物にそっくりだったアルパカ。シルヴィは俺があげたその神の使いのぬいぐるみになぜか【タカハシさん】と名付けて生涯かわいがっていた。

「これはアルパカってんだぞ?」
「うん…でも【タカハシさん】だよ」

―――――思い出してよ―――――
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