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6章
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「最強のクウガ族という種族だったんだな。しかもその王だと聞いた」
族長の言葉に宰相が頷く。
「他種族同士の混血は生まれません。両親どちらかの種族で生まれることがほとんどですが、極まれに両親とは違う種族の子が生まれることがあります」
遺伝子は継いでるので子孫に突然出ることがあると宰相が説明をした。
「それを知っていれば……いや、知っていても結果は同じだっただろう。俺には村人を抑える力も掟を変える力もなかった。そして最愛の妹を守ってやれなかった」
族長が立ち上がり、恐る恐る俺に近寄るのを見てグニスタが剣を構える。
「お前が後悔する必要はないんだ。お前が生まれたことで妹は苦労し生も短かったかもしれない。だが俺が見るお前たちはいつも幸せそうだった」
1ムタレ程までも近づいた族長の額から汗が流れ落ちる。
「慣れてきたと思っても恐ろしいのはそれだけクウガ族が強いからだったんだな」
俺の姿を上から下まで見て、納得したように
「お前が両親が早く死んだことを自分のせいだと後悔してるのはわかってる。でもそれは違うぞ。お前が生まれなかったらもっと長生きしただろう、苦労もしなかっただろう、でもお前が生まれてあの二人は本当に幸せだった」
少し胸を張るようにして俺を見つめる族長が拳で己の胸を叩く
「お前の後悔のその何百倍も俺は後悔している。それは俺が死ぬまでずっと続くだろう」
--------族長も後悔していたのか
俺が見る族長はいつも怒ってて恐ろしかったのに、どうにもできない自分を悔いていたんだ。
「久遠はこの世の最強の種族の王だ、もう迫害されることもなく幸せになるだろう」
父母の墓石を見ながら話しかけるように言った後、族長が立ち上がり背を向けて去っていく。
「お前はもう充分苦しんだ、もう後悔しなくていい、わかったな」
わざわざ俺にそれを言うために、こんな山頂までたった一人で来てくれた族長が思い出したかのように振り返り
「あいつが付いていくらしい。末っ子の甘ったれのくせに…。すまんが頼む」
その姿は千早のことを心配するただの父親だった。
*
「おぇ!」
留守番させられ、ふてくされてるかと思ったが、ラウミがうまくあやしてくれてたのだろう。
永遠特製のカルーペを差し出してくる。
冷えてしまっているし何度も食べた味なのに、この日は格別にうまく感じた。
「おいし?」
ワクワクしながら俺が食べるのを見つめてくる永遠が愛しくて仕方がない。
「あぁ、いままでで1番うまい」
族長の言葉で俺の心が少し軽くなったからなのかもしれない。
--------これからの俺は誰にも嫌われず、愛する番と生きていけるんだ
「もう、おーといく?」
早く王都に行きたいのだろう、何を入れてるのかわからないが永遠が大きな袋を背負っている。
「あぁ、行くぞ王都に!」
愛しい白い番を抱き上げ、周りにいるクウガ族クテニ族に向け声を張り上げた。
族長の言葉に宰相が頷く。
「他種族同士の混血は生まれません。両親どちらかの種族で生まれることがほとんどですが、極まれに両親とは違う種族の子が生まれることがあります」
遺伝子は継いでるので子孫に突然出ることがあると宰相が説明をした。
「それを知っていれば……いや、知っていても結果は同じだっただろう。俺には村人を抑える力も掟を変える力もなかった。そして最愛の妹を守ってやれなかった」
族長が立ち上がり、恐る恐る俺に近寄るのを見てグニスタが剣を構える。
「お前が後悔する必要はないんだ。お前が生まれたことで妹は苦労し生も短かったかもしれない。だが俺が見るお前たちはいつも幸せそうだった」
1ムタレ程までも近づいた族長の額から汗が流れ落ちる。
「慣れてきたと思っても恐ろしいのはそれだけクウガ族が強いからだったんだな」
俺の姿を上から下まで見て、納得したように
「お前が両親が早く死んだことを自分のせいだと後悔してるのはわかってる。でもそれは違うぞ。お前が生まれなかったらもっと長生きしただろう、苦労もしなかっただろう、でもお前が生まれてあの二人は本当に幸せだった」
少し胸を張るようにして俺を見つめる族長が拳で己の胸を叩く
「お前の後悔のその何百倍も俺は後悔している。それは俺が死ぬまでずっと続くだろう」
--------族長も後悔していたのか
俺が見る族長はいつも怒ってて恐ろしかったのに、どうにもできない自分を悔いていたんだ。
「久遠はこの世の最強の種族の王だ、もう迫害されることもなく幸せになるだろう」
父母の墓石を見ながら話しかけるように言った後、族長が立ち上がり背を向けて去っていく。
「お前はもう充分苦しんだ、もう後悔しなくていい、わかったな」
わざわざ俺にそれを言うために、こんな山頂までたった一人で来てくれた族長が思い出したかのように振り返り
「あいつが付いていくらしい。末っ子の甘ったれのくせに…。すまんが頼む」
その姿は千早のことを心配するただの父親だった。
*
「おぇ!」
留守番させられ、ふてくされてるかと思ったが、ラウミがうまくあやしてくれてたのだろう。
永遠特製のカルーペを差し出してくる。
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「おいし?」
ワクワクしながら俺が食べるのを見つめてくる永遠が愛しくて仕方がない。
「あぁ、いままでで1番うまい」
族長の言葉で俺の心が少し軽くなったからなのかもしれない。
--------これからの俺は誰にも嫌われず、愛する番と生きていけるんだ
「もう、おーといく?」
早く王都に行きたいのだろう、何を入れてるのかわからないが永遠が大きな袋を背負っている。
「あぁ、行くぞ王都に!」
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