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6章
24 一生消えない後悔
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父母の墓の前で立ち尽くす俺の数歩後ろで、宰相とグニスタが服従の礼を取っている。
墓とは言えないような、ただ少し大きめの石が2つとその横には俺が掘りかけた穴がある。
あの頃一人ぼっちで死んでいくと思ってた俺が掘った穴だ。
誰が今の俺の状況を想像できただろう?
流れ者の血筋として敬遠されながらも、真面目に大工として働いて村の一員として認められようと努力を惜しまなかった父さん。
族長の娘で苦労なんかしたことがなかった母さんが父さんに恋をし、周りの大反対に食を断つという行為で自分の気持ちを押し通し、結婚し幸せに暮らしていたがなかなか子供が授かれなかった。
それから数ウユー後、ようやく身籠ったことがわかり、喜びにあふれていたことだろう。
--------そしてアルゼを産んだことで迫害され一族から追い出された。
母さんが亡くなった時、見晴らしのいいこの場所で父さんと穴を掘り母さんを寝具に包んで埋めた。
二人で何日も探して母さんに似合う、温かみのある色の石を運んだ。
父さんも後を追うように亡くなり、俺が一人で穴を掘り、一人で父さんに似合う石を探しに行った。
鉱石が含まれているのだろう、鈍く光る部分がある重くて強そうな石を選んで、母さんの石と並べて置いた。
あふれ出す思い出、そして後悔。
「どうしてリウアン村だったんだろうな……」
閉鎖的な多種族を受け入れないこの村でなければ、もっと違っただろうに。
俺の独り言つに宰相が答える。
「黒の王に見つからない遠い場所でクウガ族の血をひくものがいる場所だったのだと推察します」
言った後、顔をゆがめ額を土にこすりつけた
「申し訳ありません。浅慮な憶測を申しました」
「いや……」
きっと、それは正解なのだろう。
あることさえも近隣のものしか知らない山裾の村。
他種族と交易こそすれ、村に入れることもないほどに閉鎖的な村は、俺を隠すのに最適な場所だっただろう。
「そのおかげで俺は今もこうして生きている。けれど、そのせいで父母は迫害されつらく短い生だった」
遥か眼下にリウアン村が小さく見えている。
「俺はこのような姿で生まれてきたことを、そしてそのせいで父母を不幸にしていることをずっと後悔して生きてきた」
宰相もグニスタも黙って聞いてくれている。
「その後悔は一生消えることなく俺の中にあり続けるだろう」
見晴らしのいいこの場所に柔らかな風が吹き、父さんの墓石に1枚の葉が舞い落ちた。
父母の墓石を見つめていると後方から足音が聞こえてきて、グニスタが服従の礼から戦闘態勢に代わる。
振り返るとそこには族長である叔父がたった一人で立っていた。
俺は墓から離れ、瞬間的に跪き、族長に向けて頭を下げた。
戸惑う宰相とグニスタ。
この世の頂点だと思っている俺のこの態度に困惑しながらも俺の左右に陣取り、いつでも守れる体勢で腰を落とした。
墓とは言えないような、ただ少し大きめの石が2つとその横には俺が掘りかけた穴がある。
あの頃一人ぼっちで死んでいくと思ってた俺が掘った穴だ。
誰が今の俺の状況を想像できただろう?
流れ者の血筋として敬遠されながらも、真面目に大工として働いて村の一員として認められようと努力を惜しまなかった父さん。
族長の娘で苦労なんかしたことがなかった母さんが父さんに恋をし、周りの大反対に食を断つという行為で自分の気持ちを押し通し、結婚し幸せに暮らしていたがなかなか子供が授かれなかった。
それから数ウユー後、ようやく身籠ったことがわかり、喜びにあふれていたことだろう。
--------そしてアルゼを産んだことで迫害され一族から追い出された。
母さんが亡くなった時、見晴らしのいいこの場所で父さんと穴を掘り母さんを寝具に包んで埋めた。
二人で何日も探して母さんに似合う、温かみのある色の石を運んだ。
父さんも後を追うように亡くなり、俺が一人で穴を掘り、一人で父さんに似合う石を探しに行った。
鉱石が含まれているのだろう、鈍く光る部分がある重くて強そうな石を選んで、母さんの石と並べて置いた。
あふれ出す思い出、そして後悔。
「どうしてリウアン村だったんだろうな……」
閉鎖的な多種族を受け入れないこの村でなければ、もっと違っただろうに。
俺の独り言つに宰相が答える。
「黒の王に見つからない遠い場所でクウガ族の血をひくものがいる場所だったのだと推察します」
言った後、顔をゆがめ額を土にこすりつけた
「申し訳ありません。浅慮な憶測を申しました」
「いや……」
きっと、それは正解なのだろう。
あることさえも近隣のものしか知らない山裾の村。
他種族と交易こそすれ、村に入れることもないほどに閉鎖的な村は、俺を隠すのに最適な場所だっただろう。
「そのおかげで俺は今もこうして生きている。けれど、そのせいで父母は迫害されつらく短い生だった」
遥か眼下にリウアン村が小さく見えている。
「俺はこのような姿で生まれてきたことを、そしてそのせいで父母を不幸にしていることをずっと後悔して生きてきた」
宰相もグニスタも黙って聞いてくれている。
「その後悔は一生消えることなく俺の中にあり続けるだろう」
見晴らしのいいこの場所に柔らかな風が吹き、父さんの墓石に1枚の葉が舞い落ちた。
父母の墓石を見つめていると後方から足音が聞こえてきて、グニスタが服従の礼から戦闘態勢に代わる。
振り返るとそこには族長である叔父がたった一人で立っていた。
俺は墓から離れ、瞬間的に跪き、族長に向けて頭を下げた。
戸惑う宰相とグニスタ。
この世の頂点だと思っている俺のこの態度に困惑しながらも俺の左右に陣取り、いつでも守れる体勢で腰を落とした。
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