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3章

*12

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 久しぶりに風呂に入りたいと言い出したアルゼ。
 雪を湯舟に入れ薪で沸かしていたとこだった。

「おぇ しよ?」

 情緒も何もあったもんじゃない誘い文句。
 なのに俺の分身はその言葉を聞くだけで一気に頭をもたげてくる。

 ちぃに牡同士の性交を教えてもらってからずっと一人で練習してきたのだというアルゼの技巧がすごいのか拙いのか俺には判別がつかないが、肌を合わせるだけでとてつもなく気持ちいい。

 裸の素肌は少しひんやりとしてスベスベで触れ合った瞬間、鳥肌がたつかのような身震いをしてしまう。
 誰に教わったわけでもないのに俺はアルゼの全身を舐める。

 食べてしまいたいくらいに愛しい--------

 散々食べてしまったテビク色に色づく乳首はプックリと腫れたようにとがっている。
 アルゼの分身を口に含み転がすと気持ち良すぎるのかヤダヤダと身をよじる。

 そんなところを口に含むなんて考えられないことなのに、なぜか俺はそうしたくてたまらなかった。

「お…ぇ、めーのぉ」

 ダメと言いつつも両腿の間にある俺の頭を押さえる手の力は弱い。
 あぁっとこらえきれない声と共に達したアルゼに、得も言われぬ達成感と愛しさがあふれ出す。

「あるぜもするの」

 小さな口ではほおばり切れない俺のモノを一生懸命飲み込もうと頑張るアルゼに胸がキュンとなる。

「きもちぃ?」

 実際、他人の手で触られるのがこんなに気持ちがいいなんて知らなかった。
 そのうえこんなにも愛らしいアルゼがその口に迎え入れてくれるのだ

 堪えきれるわけもなかった--------



 こうして交合せずに終わることもしばしば。
 性技が拙い同士すこしづつ学んでいった。







 久しぶりの風呂を満喫した後、暖炉の前で濡れたアルゼの長い髪の水分を布でとる。
 別れた時は肩ほどまでしかなかったのに、今は腰を超え尻尾にまで達する長さになっている。
 雪のように真っ白な髪が暖炉の灯りを受け美しく茜色に輝いている。

 気持ちいいのかうっとりと目を瞑りもたれかかる体が愛しくて、乾いた髪からえもいわれぬ良い香りがする。
 手に取り指にまきつけ感触を楽しむ。

「1回も切らなかったのか?」

 別れてから8ムンセもの間1度も切らなかったらしい。
 俺の手から自分の髪を取り戻しポツポツとアルゼが話し出した。

「ここ、おぇがよしよしした」

 長い髪の先のほうを掌の中で自分がされたのと同じように撫でる。

「いいこ て」

 だから切らなかったんだと--------

「ながいかみ 雌みたいっていじわるいう」

 村の一人の女の子がやたらとアルゼに突っかかりいじわるをしてきたんだと。
 毎日用もないのにやってきては意地悪を言い、ちぃに怒られ泣いて帰る女の子。

「でも、なかよしなった、よ」

 せっせとこの家で俺を迎える準備をしていた頃から急にその子は友好的になったらしい。

 その子はきっとちぃのことが好きだったんだな--------

 そんな可愛らしい恋の話を聞きながら更ける夜。
 世界には俺たち二人だけしかいないかのようだった。



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