ひとりぼっちの嫌われ獣人のもとに現れたのは運命の番でした

angel

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3章

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「着替えろったら」

 部屋の隅に蹲り膝を抱えて座るアルゼにアルゼより数ソンツほど背の高いリウアン族の少年が新しい衣服を手にぶっきらぼうに言い放つ。

「そんな変な服よりこっちのほうがカッコイイし身丈もピッタリで動きやすいぞ」

 自分のほうを見もしない返事もしないアルゼが言葉を話せることは先ほど族長である父親と話しているのでわかっている。

 この見たこともない可愛い獣人ははみ出し者の所で見つかった。
 山奥深い山頂に年に一度亡くなった妹の墓参りに行く父親がアイツの家で見つけたらしい。

 なんの種族かもわからないが大きな真っ黒な瞳と小さな鼻口、リウアン族とは違うフサフサした大きな耳と尻尾の毛は光の加減で白銀にも見える白。

 なぜあんな場所にいたのか、父親は何も言わなかったがどこかから攫ってきたに違いない。

「可哀そうに」

 近寄りフサフサな耳に触れようとすると小さな手ではらいのけられた。

「あるぜ、かわいそう、ちあう!」

 一瞬俺のほうを見た瞳は先ほどまでの父親である族長との言い合いで泣いた時のままウルウルと潤んでいる。

 その美しさに呆然としていると続けざまに先ほど族長に訴えてたことと同じ事を言い出した。

「おぇとこ、かえる、したい」

 たどたどしい話し方の小さな獣人。
 多分赤子の時に攫われたのだろう。
 正しい話し方も教えられずに虐げられていただろうにアイツのとこに戻りたいなどと言う。


「あんなやつの所に帰らなくていいんだよ。ここは安全だし村のみんなも優しいからこれからはここで暮らすんだ」

 *


 族長である父親が墓参りから帰ってくるなり見たこともない獣人の子供を連れてきた。
 他族の大人は見たことがあったが子供を見るのは初めてだった。
 大人の上衣の袖を切っただけのものを着せられた俺より背の低い獣人はとてつもなく可愛らしくて、見た瞬間俺の心臓は跳ね上がり顔が熱くなるのを感じた。

 アルゼ異質な存在の所から保護してきた子供。
 あんな化け物に攫われて一緒に暮らしていた?こんなにも可愛い子供が?


 子攫いは死罪だ。
 だがあの化け物を殺すことは誰にも出来ない。

 リウアン族の屈強な戦士でさえアルゼ異質な存在を見ただけで恐怖で動けなくなる。
 族長である父親の妹の子。
 俺からしたら従弟ということになるが俺は一度も見たことがない。

 帰りたいと泣く子供の面倒を見ろと言われた。


 突然預けられたこの小さくて色白でふわふわな可愛い獣人に戸惑いながらも心が浮き立つのを感じた。




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