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デート
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え…
ボクの唇にアーク様の唇が重なっている
ソファに座るアーク様の美しい銀髪が頬にかかる
マラカイトグリーンの瞳に見つめられ
その両腕に痛いほど抱きしめられている
「っ…はぁ…」
息継ぎをしようとしたら変な声が出ちゃった
「…すきだ」ポツリとアーク様が呟く
唇が開放されるが抱きしめられたままだった
「…」
頭がグルグルして思考がままならない
自分の顔が真っ赤になってるのがわかる
アーク様からなんとか体を離そうと両腕で胸を押しやる
後頭部に大きなアーク様の左手が添えられ
もう一度
唇が近づき深く口付けられる
「…やぁ!やだっ…」
あらん限りの力でアークライトを押しやり顔を背けた
「好きなんだっ!!」
いつも余裕たっぷりで大人で落ち着いているのに
切羽詰まったような声音で叫ぶように言うアーク様に驚く
眉を寄せた悲しげな瞳…
「ごめん… 無理やりなんてするつもりなかった…」
腕の力が抜けダラリと下がり解放される
(すき…?ボクのことがすきって言った)
ソファに背を預け天井を仰ぎ見ながら
「フェルが好きだ…好きでたまらない…」
せつなそうに笑うアーク様
「…オレじゃダメかな?」
マラカイトグリーンの瞳がまっすぐに見つめてくる
「…ぁ」
どう言っていいかわからない
(誰からも尊敬され憧れられるアーク様がボクなんかにこんなこと…)
Petit frèreになるということは恋人のような関係になるものだ
でもアーク様は違うと言った そんなのじゃなくただ守るだけだって
そう言ってたのに…
アーク様にこんな顔をさせている罪悪感で胸が痛い
ボクなんかに高貴なこの人が…
ふいに昼に見たジュリアス様の姿が頭をよぎる
(ボクの好きは…?)
フッと笑い目を閉じたアーク様
「ごめん…わかってる
アイツのことが好きだって「…ボク わかん…ないっ」」
遮るように言う
「ボク好き…みんな好き!アーク様もジュリアス様も
ネヴィルもアドリアンもロジェもティノもクリストフェルもパリスもフランツもっ!!」
「みんな大好きだよ?ダメ?ソレじゃダメ…?」
うつむきセーラーシャツの裾を握りしめ精一杯言った
「…その好きは全部同じかな…?」
「………同じ」
「嘘」
「…嘘…じゃな…ぃ…」
アーク様の顔が見れない
涙が出てしまう 泣いちゃダメだ
ボクの頬を両手ですくうようにしてあげさせ目線を合わせる
泣き顔を隠すことが出来ず嘘がバレてしまう
「…ぅっ… うぇ…ええんっ…」
「ごめ…なさい…!…っご…めなっ…」
頭をポンポンと撫でられる
「オレこそゴメン…わかってたのに
追い詰めるようなことしちゃった…」
「…アーク様」
「フェルが可愛くて…一緒にいると楽しくて
1番になりたいと思ってしまった」
照れるように笑う美しい人に申し訳なくて涙が止まらない
無意識にシャツの中のネックレスの先にある石を握っていた
普段は部屋の机の奥に大事にしまっているジェイにもらった石を
今日は外出なので身につけていた
(ジェイじゃない…ジェイじゃないけど
ジェイじゃなくっても…
見ていたい 一緒にいたい 話をしたい 触れてみたい…)
「…ぅ~っ…」
泣きじゃくるフェルをもう一度抱きしめる
「あいつは王子の立場とか外聞とか気にしてあんな態度だけど
フェルのことオレと同じくらい好きなはずだ
そんなつまんないことでフェルを諦めるアイツに腹が立ってしょうがない」
(だからオレにしてほしかった…)
頬を伝う涙をハンカチで拭いてくれる
「あいつに好きって言わないの……?」
ブンブンと首を振る
汚れてないってシグも司教様も言ってくれたけど
こんな素性もわからないボクなんかがジュリアス様を好きだなんておこがましい
憧れだけでいい…
ただ見ることだけ許してほしい…
ボクの唇にアーク様の唇が重なっている
ソファに座るアーク様の美しい銀髪が頬にかかる
マラカイトグリーンの瞳に見つめられ
その両腕に痛いほど抱きしめられている
「っ…はぁ…」
息継ぎをしようとしたら変な声が出ちゃった
「…すきだ」ポツリとアーク様が呟く
唇が開放されるが抱きしめられたままだった
「…」
頭がグルグルして思考がままならない
自分の顔が真っ赤になってるのがわかる
アーク様からなんとか体を離そうと両腕で胸を押しやる
後頭部に大きなアーク様の左手が添えられ
もう一度
唇が近づき深く口付けられる
「…やぁ!やだっ…」
あらん限りの力でアークライトを押しやり顔を背けた
「好きなんだっ!!」
いつも余裕たっぷりで大人で落ち着いているのに
切羽詰まったような声音で叫ぶように言うアーク様に驚く
眉を寄せた悲しげな瞳…
「ごめん… 無理やりなんてするつもりなかった…」
腕の力が抜けダラリと下がり解放される
(すき…?ボクのことがすきって言った)
ソファに背を預け天井を仰ぎ見ながら
「フェルが好きだ…好きでたまらない…」
せつなそうに笑うアーク様
「…オレじゃダメかな?」
マラカイトグリーンの瞳がまっすぐに見つめてくる
「…ぁ」
どう言っていいかわからない
(誰からも尊敬され憧れられるアーク様がボクなんかにこんなこと…)
Petit frèreになるということは恋人のような関係になるものだ
でもアーク様は違うと言った そんなのじゃなくただ守るだけだって
そう言ってたのに…
アーク様にこんな顔をさせている罪悪感で胸が痛い
ボクなんかに高貴なこの人が…
ふいに昼に見たジュリアス様の姿が頭をよぎる
(ボクの好きは…?)
フッと笑い目を閉じたアーク様
「ごめん…わかってる
アイツのことが好きだって「…ボク わかん…ないっ」」
遮るように言う
「ボク好き…みんな好き!アーク様もジュリアス様も
ネヴィルもアドリアンもロジェもティノもクリストフェルもパリスもフランツもっ!!」
「みんな大好きだよ?ダメ?ソレじゃダメ…?」
うつむきセーラーシャツの裾を握りしめ精一杯言った
「…その好きは全部同じかな…?」
「………同じ」
「嘘」
「…嘘…じゃな…ぃ…」
アーク様の顔が見れない
涙が出てしまう 泣いちゃダメだ
ボクの頬を両手ですくうようにしてあげさせ目線を合わせる
泣き顔を隠すことが出来ず嘘がバレてしまう
「…ぅっ… うぇ…ええんっ…」
「ごめ…なさい…!…っご…めなっ…」
頭をポンポンと撫でられる
「オレこそゴメン…わかってたのに
追い詰めるようなことしちゃった…」
「…アーク様」
「フェルが可愛くて…一緒にいると楽しくて
1番になりたいと思ってしまった」
照れるように笑う美しい人に申し訳なくて涙が止まらない
無意識にシャツの中のネックレスの先にある石を握っていた
普段は部屋の机の奥に大事にしまっているジェイにもらった石を
今日は外出なので身につけていた
(ジェイじゃない…ジェイじゃないけど
ジェイじゃなくっても…
見ていたい 一緒にいたい 話をしたい 触れてみたい…)
「…ぅ~っ…」
泣きじゃくるフェルをもう一度抱きしめる
「あいつは王子の立場とか外聞とか気にしてあんな態度だけど
フェルのことオレと同じくらい好きなはずだ
そんなつまんないことでフェルを諦めるアイツに腹が立ってしょうがない」
(だからオレにしてほしかった…)
頬を伝う涙をハンカチで拭いてくれる
「あいつに好きって言わないの……?」
ブンブンと首を振る
汚れてないってシグも司教様も言ってくれたけど
こんな素性もわからないボクなんかがジュリアス様を好きだなんておこがましい
憧れだけでいい…
ただ見ることだけ許してほしい…
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