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****アークライト視点********
せっかく二人っきりにしてやったのに
あのヘタレ王子は司教役もほっぽりだし
おしゃべりにも参加しないと言い出した
『だったらほんとにオレがもらうからな!』
そう啖呵を切ってやったら
一瞬目を見開き抗議するような表情をしたが
フィと目をそらし出ていった
あれからおしゃべりの場所もアークライトの部屋にし
二人っきりで過ごすようになった
Petit frèreにしてもらったことをいつも申し訳ないと言うフェル
控えめで
優しくて
臆病で
頑張り屋で
健気な天使に
アークライトは少しづつ心を奪われていった
フェルの人差し指をよく見ると
薔薇のトゲによるものと思われるたくさんの細かな傷があった
ゆっくりとその手を持ち上げ
自分の顔に寄せるとペロリと舐め上げた
「ひゃぁぅっ…!」
「こんなに傷になって…手袋してないの?」
フェルの目を見つめながらも舐める舌は止まらない
「あ…あります
でも邪魔だから…」
(顔を真っ赤にしてかわいいなぁ~)
掴んだ手首をグンッと引き腕の中に抱き寄せた
小さい体はスッポリと収まって驚きのためか固まっている
抱きしめながら人差し指で顎を持ち上げ視線を合わせる
キラキラキラリ
美しい双眸が怯えを含ませながら見つめてくる
このまま口づけてしまおうか…
逡巡していると
「あっ…あの!」
ムグッ
唇が触れる寸前で手で口を押さえられてしまった
「お買い物っ!」
(は…?)
「お買い物!糸と布を買いたいんです!!」
口を押さえられた手が柔らかい
その手を握りしめ…
ペロン
「っひゃああああああ…!!」
舐めたら叫んだ
(可愛いなぁ~)
小さい可愛い天使の手を唇に当てキスをすると
ビクンとなって身を竦ませ目を瞑った
「糸と布かぁ… それはパティオにもないな
街まで行かないとだね」
身を捩ってオレの腕から逃れようとする様が
また可愛らしくて意地悪をしたくなる
キスしてしまおうと顔を寄せるが
どんどん後ろにのけぞるので出来ない
パタン
とうとうソファに寝そべる形になったフェルの顔の両サイドに手を付き
逃げ場のなくなった唇に到達した
「………!!」
触れるか触れないかのバードキス
チュッチュ
何度も繰り返すと興奮のためか息が上がってきたフェルは
逃れようと顔をそむけるが顎を押さえ許さない
「はぅ…ぁ…」
なんという甘美な唇
綿菓子のように柔らかく甘いその唇を
もっと味わいたいと舌を差し入れようとすると
「やぁあ…ダメですっ…!」
顔面蒼白になり
じたばたと両手両足を暴れさせ強烈な抵抗に合った
「ご…ごめ…なさぃ」
ガタガタと体が震え双眸から涙を流す天使を見てハッとした
何 怯えさせてるんだオレは
過去に性虐待にあっていることを知っているのに怖がらせてしまった
「いや オレこそごめん」
体を離し座り直す
「紳士じゃなかった 本当にごめんね」
せっかく二人っきりにしてやったのに
あのヘタレ王子は司教役もほっぽりだし
おしゃべりにも参加しないと言い出した
『だったらほんとにオレがもらうからな!』
そう啖呵を切ってやったら
一瞬目を見開き抗議するような表情をしたが
フィと目をそらし出ていった
あれからおしゃべりの場所もアークライトの部屋にし
二人っきりで過ごすようになった
Petit frèreにしてもらったことをいつも申し訳ないと言うフェル
控えめで
優しくて
臆病で
頑張り屋で
健気な天使に
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フェルの人差し指をよく見ると
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ゆっくりとその手を持ち上げ
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「ひゃぁぅっ…!」
「こんなに傷になって…手袋してないの?」
フェルの目を見つめながらも舐める舌は止まらない
「あ…あります
でも邪魔だから…」
(顔を真っ赤にしてかわいいなぁ~)
掴んだ手首をグンッと引き腕の中に抱き寄せた
小さい体はスッポリと収まって驚きのためか固まっている
抱きしめながら人差し指で顎を持ち上げ視線を合わせる
キラキラキラリ
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「あっ…あの!」
ムグッ
唇が触れる寸前で手で口を押さえられてしまった
「お買い物っ!」
(は…?)
「お買い物!糸と布を買いたいんです!!」
口を押さえられた手が柔らかい
その手を握りしめ…
ペロン
「っひゃああああああ…!!」
舐めたら叫んだ
(可愛いなぁ~)
小さい可愛い天使の手を唇に当てキスをすると
ビクンとなって身を竦ませ目を瞑った
「糸と布かぁ… それはパティオにもないな
街まで行かないとだね」
身を捩ってオレの腕から逃れようとする様が
また可愛らしくて意地悪をしたくなる
キスしてしまおうと顔を寄せるが
どんどん後ろにのけぞるので出来ない
パタン
とうとうソファに寝そべる形になったフェルの顔の両サイドに手を付き
逃げ場のなくなった唇に到達した
「………!!」
触れるか触れないかのバードキス
チュッチュ
何度も繰り返すと興奮のためか息が上がってきたフェルは
逃れようと顔をそむけるが顎を押さえ許さない
「はぅ…ぁ…」
なんという甘美な唇
綿菓子のように柔らかく甘いその唇を
もっと味わいたいと舌を差し入れようとすると
「やぁあ…ダメですっ…!」
顔面蒼白になり
じたばたと両手両足を暴れさせ強烈な抵抗に合った
「ご…ごめ…なさぃ」
ガタガタと体が震え双眸から涙を流す天使を見てハッとした
何 怯えさせてるんだオレは
過去に性虐待にあっていることを知っているのに怖がらせてしまった
「いや オレこそごめん」
体を離し座り直す
「紳士じゃなかった 本当にごめんね」
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