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第3章 二人の未来

【30】盲愛

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「んっ……ぁ、あ、あ…んんっ、も…」

執拗に左の胸の飾りを弄んでいた舌がようやく離れる。
服を着たままのオーディンが全裸のボクを舌と指で追い込んでいく。
どんだけ舐めるんだよ、犬かよコイツ!


あれからボクは毎日こうしてオーディンに体の開発をされている。
部屋からは1歩も出してもらえず、常に黒服さんが部屋の前で見張っていた。


「ほらシルヴィ見て…あんなに小さかったココがこんなにプックリと厭らしく膨らんでるよ」

楽しそうに微笑みかけるオーディンのいつもは明るい空色の瞳が、灰色がかった蒼色になり細く弧を描く。
すでに何度も精を放たされたボクの股間は、唾液だか精液だかわからないものでグチャグチャになっている。
人差し指と親指で赤くツンと膨らんだ乳首をもてあそびながら、舌でもう片方を舐めあげる。

「あぁ……もぉ、お…わって―――!」

乳首に与えられる刺激が背筋を駆け上がり、官能に沈められる。

「こっちも同じにしなくちゃね」

舐めて吸って甘噛するオーディンの顔が知らない人のようでゾッとする。

「キャァ、うっ…、あ、っや…!」

永遠に続くかのような愛撫に、散々精を放ったボク自身がピクリと頭をもたげる。


「あんなに可愛がってあげたのに、まだ欲しがるなんてシルヴィは…」

ヌチュヌチュとペニスを精液ごとすくい上げ、ユックリと上下する手がギュッと根本を締め付ける。
その間も乳首への刺激を止めることはない。
膝を立てオーディンの肩を押さえなんとか逃れようとするのに、快感に捕らえられた体が言うことをきかない。

「イキすぎると明日がツラくなるからね、ここはこうしておこうか」

なんのことかとオーディンの手を見ると、丸いゴムのようなものを手にしていてパチンという音とともにボクの股間の根本を拘束した。
鈍い圧迫痛がする股間を握り直したオーディンの手がユルリと上下した。

「あぁぁ――!!っやめ…、てっ!も、で、なぁ…」

「わかってるよ、だから出ないようにしてあげたから安心して感じてて」

ギチギチと股間を締め付けるモノに出口を失った猛りが体内を蠢き、快感なのか苦しみなのかわからない喘ぎが漏れる。

「ぃあぁ―――やぁ…とって…ょぉ、んんっ!!…ァァ……」

再開される愛撫、舐められ吸い付かれた太ももの内側に赤い痕が増える。
指で1つずつ確認するように撫でては、その隣に1つ2つと痕を増やしていく。


「私のものだという証だよ…体中全てにつけてあげるね。もう誰にも触らせないから安心して」

「虫…んっ!さ、され…、んぁっ―――なか、た…の?」

信じられなかった。いつ?どうしてこんな痕をつけたのかと目で問う。
悪びれもせずオーディンが答えた。
毎夜飲んでいたハーブティによく眠れる薬を混ぜていたのだと、眠っているボクの体を傷つかないように少しづつ慣らしてほぐしていったのだと…。

「あんなに時間を掛けて広げて後ろだけでもイケルようにしたのに、傷つけてしまったことはすまないと思う」

もう二度と傷つけたくないから、もっともっと広げるまで入れることはしないから安心して―――と

(いや…気を使うところが違うだろ?
 そもそも同意もなしに後ろを広げるとかありえないんですけど?
 しかも薬で眠らせて?好き同士でもありえない行為なのに?
 安心?できるわけがないだろう!)

文句を言いたいのに、与えられる快楽に息を吸うだけでやっとのボクは喘ぎ声を止められない。

「あぁ―――!!んんんっ!だめぇ…も、たすっ…やぁ……」

大きくガクガク震えながら痙攣するボクの耳に顔を寄せ、感じすぎる耳の中に舌を入れブチュブチュと音を鳴らせながら意地悪くオーディンが囁く。

「そんなに大声で喘ぐと…扉の外にいる黒服たちに丸聞こえだよ?」

24時間監視体制でボクをこの部屋に閉じこめている黒服さん達が扉の向こうにいることを失念していた。
手で口を押さえ、声が漏れないように歯を食いしばるボクを追い詰めるかのように股間を握るオーディンの手が早くなる。

「ん―――ぶぅ!…うぐっ、っ…はぁ、んっ」

我慢すればするほど体の中にせり上がる快感が頭を溶かす。
酸素不足で真っ赤になるボクの顔を見つめるオーディンが優しく微笑んだ。


「皇子妃になんてならなくてもいいよ、どうせ永遠に離しはしないのだから」
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