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第2章 オーディン

【25】 プロポーズ

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シルヴィと結ばれる準備は着々と進んでいる。

昨夜は眠るシルヴィに精を吐かせ、後ろの聖地にも指を2本侵入させることに成功した。
前立腺らしき場所も確認済みで今夜にもそこだけでイケるようにしたいと考えている。

学園の帰りに、2度めのデートを計画した。
変装し向かった先は【タカハシサン】牧場だ。
瞳を輝かせ嬉しそうなシルヴィに私も嬉しくなる。
見たがっていたと聞く衛兵の交代式も見せて、飲みたいと言ってたらしい黒い粒の入った飲み物も用意させた。
『オーディン様も飲んでください、粒がプチュッとつぶれて甘くて美味しいですよ』とシルヴィが飲んでた飲み物を差し出される。
確かに美味しいが、私としては私をシルヴィの舌でプチュッと潰してほしいな。
民族料理を並んで手で食べ、山の上の古い城へと車を進ませた頃には夜になっていた。

私は今宵、プロポーズすると決めていたのだ。

眼下にシアーズの夜景を望むこの城で、この世界を共に統治していく伴侶として歩んでほしいと…


キスをし「好きだ」と告げると、驚いて目を見開き『ボクは男ですけど…』と返事が帰ってきた。
そうかエーリスは後進国であるため同性の婚姻は認められていないのだった。

「愛してるんだ、私の皇子妃になってほしい」抱きしめ真剣に言うのに、シルヴィは『無理です』と言う。

なぜだ……こんな返事は想定外だった。
呆然としてその後のことはよく覚えていない。


だがその後の黒服の報告で私の折れた心が復活した。

シルヴィ様はリムジンの中でなにか呟かれておいでで、側近の聞こえた範囲ですと『婚約者がいるくせに…』、『ファーストキスが…』という単語が聞き取れたと言うことだった。

あぁ…そういうことだったのか。



次の日より、私は皇子宮にはシルヴィが眠ってからしか帰らないことにした。
父に決められていた婚約者たちを廃し、身ぎれいになるまでプロポーズは延期だ。
1日も早くその日が来るように奔走した。
受け入れられないと拒む婚約者たちの親に、様々な仕事面での優遇、恩賞を与えるのに苦労したが、シルヴィを手に入れられるのだからこんな苦労ぐらいなんでもない。
学園にも行かず婚約破棄に没頭している間に、またもや私のシルヴィに接触したものがいたと報告が入った。
一人で食堂に行ったシルヴィに話しかけた上、腕にも触れたという。
【影】や黒服たちは何をしていたのだ…
其の者はシアーズ属国の王族で、ただちに留学をやめさせ帰国させた。

夜シルヴィの部屋に入ると、虫よけのハーブがベッド近辺に配置されていた。
黒服によると、腕の私の所有印を見られ指摘され虫刺されと勘違いしているらしい、可愛い。
今宵ようやく全ての処理が終わった。
長らく起きているシルヴィを見れていない。
明日こそ一緒に過ごし、放課後にでも再プロポーズをしよう。

シルヴィの体の開発も、いよいよ最終段階だ。
シーツをめくると、そこに寝ていたのは【タカハシサン】だけでシルヴィの姿がなかった。
黒服に問うても、部屋からは絶対に出ていないという。
まさかと思い私の寝室へゆくと私のベッドで眠っているシルヴィを見つけた。



私のベッドで丸くなり眠っているシルヴィ。


そんなにも私を欲してくれているのか…幸せすぎて目眩がした。
月明かりがシルヴィの髪を照らし、この世のものとは思えない神々しさを醸し出していた。

今宵はこのままそっとしておこう。でないと最後まで止まれないと思った。




ベッドサイドで跪き、心ゆくまでシルヴィの寝顔を堪能した。
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