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第1章 シルヴァリオン
【7】 名探偵じゃなくっても
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その日の夜、約束通り皇子宮でも美味しいエーリス料理が出され、ボクは大満足でイッパイ食べた。
寝付きが良くないボクを心配して、よく眠れるというハーブティーをメイドさんが入れてくれた。
暖かくて良い香りのするソレは心が落ち着きすぐに眠れた。
次の日の学園も昨日と変わらずオーディン以外と話すこともできなかったけど、放課後お買い物に連れて行ってくれる約束をしてたので楽しみだった。
目的は2日後に5歳になる従兄弟の第4皇子リュドミールの誕プレだ。
とんでもない都会の帝都でのお買い物にワクワクする。
エーリスでは考えられないほどの高い建物が密集する帝都だけれど、景観が考慮されているのか圧迫感はなく緑が多い。
リムジンが滑り込んだ大型ショッピング施設にオーディンと側近数人と共に降り立つ。
側近さんたちは真っ黒な軍服と真っ黒なサングラス、腰には長剣と銃が見える戦闘のプロって感じで圧迫感が半端ない。
黒服さんたちの警護の中、たくさんのお店を見て回ると違和感を感じた。
夕方の混み合う時間であろうに、店員さんはたくさんいるのにお客さんがボクたち以外いないのだ。
「貸し切りにしたよ」
当たり前のように言うオーディン。
そうか…大国の跡継ぎのこの人は、買い物1つするにもこんなにも大掛かりになっちゃうんだ。
気軽に連れてきてもらった自分を反省する、次からは一人で来よう。
ボクに出来ることは一刻も早くプレゼントを買って帰ることだ。
手早く店を見て回り、音の出る本と車のオモチャを購入した。
ふと目にしたぬいぐるみ売り場には、現世でもエーリス国でも見たこともないような動物のぬいぐるみが陳列されていた。
1つ1つオーディンが説明してくれる中に1つだけ見知ったようなぬいぐるみがあった
(アルパカに似てる…)
真っ白でモフモフのそれはアルパカがデブになったようなフォルムで、ジト目のような目でかわいい。
指でツンツンとつつくとボヨンと反発して面白くなったボクはアハッと笑った。
せっかくの街だしカフェでスィーツでも食べようと誘ってみたが、急なことでは無理ならしい。
不思議に思っていると、食材などをあらためないと皇子様にはお出しできないと黒服さんが言った。
田舎の小国の王子のボクとの違いを、まざまざと感じた。
「ごめんね 次回また店を決めておいて行こう」と謝るオーディンにフルフルと頭を振った。
皇子宮にリムジンが着くとオーディンはそのまま王宮に行った。
今夜はお仕事があるらしく『一人で悪いけど夕飯食べて先に眠ってて』と言われた。
(忙しいんだ…)ボクがシアーズに来てから、ずっと一緒にいたからお仕事が滞っちゃったのかな。
(これからはなんでも一人でやろう)オーディンに頼り過ぎていたことを反省しながら夕飯を食べ、お風呂に入った後ハーブティーを飲んでからベッドに入った。
もふん
布団の中に何かがあった。
これは…デブアルパカ?今日見たあのぬいぐるみの巨大版だった。
1Mはあろうかという大きなぬいぐるみが、ボクのベッドにデデンと居座っていた。
誰がコレをここに置かせたのかなんて名探偵じゃなくってもすぐにわかるよね。
ハーブティのおかげだけではなく、その夜ボクはスヤスヤと幸せ気分で眠ることができた。
寝付きが良くないボクを心配して、よく眠れるというハーブティーをメイドさんが入れてくれた。
暖かくて良い香りのするソレは心が落ち着きすぐに眠れた。
次の日の学園も昨日と変わらずオーディン以外と話すこともできなかったけど、放課後お買い物に連れて行ってくれる約束をしてたので楽しみだった。
目的は2日後に5歳になる従兄弟の第4皇子リュドミールの誕プレだ。
とんでもない都会の帝都でのお買い物にワクワクする。
エーリスでは考えられないほどの高い建物が密集する帝都だけれど、景観が考慮されているのか圧迫感はなく緑が多い。
リムジンが滑り込んだ大型ショッピング施設にオーディンと側近数人と共に降り立つ。
側近さんたちは真っ黒な軍服と真っ黒なサングラス、腰には長剣と銃が見える戦闘のプロって感じで圧迫感が半端ない。
黒服さんたちの警護の中、たくさんのお店を見て回ると違和感を感じた。
夕方の混み合う時間であろうに、店員さんはたくさんいるのにお客さんがボクたち以外いないのだ。
「貸し切りにしたよ」
当たり前のように言うオーディン。
そうか…大国の跡継ぎのこの人は、買い物1つするにもこんなにも大掛かりになっちゃうんだ。
気軽に連れてきてもらった自分を反省する、次からは一人で来よう。
ボクに出来ることは一刻も早くプレゼントを買って帰ることだ。
手早く店を見て回り、音の出る本と車のオモチャを購入した。
ふと目にしたぬいぐるみ売り場には、現世でもエーリス国でも見たこともないような動物のぬいぐるみが陳列されていた。
1つ1つオーディンが説明してくれる中に1つだけ見知ったようなぬいぐるみがあった
(アルパカに似てる…)
真っ白でモフモフのそれはアルパカがデブになったようなフォルムで、ジト目のような目でかわいい。
指でツンツンとつつくとボヨンと反発して面白くなったボクはアハッと笑った。
せっかくの街だしカフェでスィーツでも食べようと誘ってみたが、急なことでは無理ならしい。
不思議に思っていると、食材などをあらためないと皇子様にはお出しできないと黒服さんが言った。
田舎の小国の王子のボクとの違いを、まざまざと感じた。
「ごめんね 次回また店を決めておいて行こう」と謝るオーディンにフルフルと頭を振った。
皇子宮にリムジンが着くとオーディンはそのまま王宮に行った。
今夜はお仕事があるらしく『一人で悪いけど夕飯食べて先に眠ってて』と言われた。
(忙しいんだ…)ボクがシアーズに来てから、ずっと一緒にいたからお仕事が滞っちゃったのかな。
(これからはなんでも一人でやろう)オーディンに頼り過ぎていたことを反省しながら夕飯を食べ、お風呂に入った後ハーブティーを飲んでからベッドに入った。
もふん
布団の中に何かがあった。
これは…デブアルパカ?今日見たあのぬいぐるみの巨大版だった。
1Mはあろうかという大きなぬいぐるみが、ボクのベッドにデデンと居座っていた。
誰がコレをここに置かせたのかなんて名探偵じゃなくってもすぐにわかるよね。
ハーブティのおかげだけではなく、その夜ボクはスヤスヤと幸せ気分で眠ることができた。
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