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第1章 シルヴァリオン
【3】 いや!だから!なんで脱がすんですかっ!?
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ボクの転生後の名前はシルヴァリオン。
このプラチナブロンドにふさわしい、高貴な名前で気に入っている。
明日からの学園生活に向けて叔母様の宮殿に部屋を与えられている。
はずだったのに―――
ボクは今、第一皇子オーディン様の宮殿の一室にいました。
こちらのほうが学園に近いからと拐われるように連れてこられてしまった。
与えられた部屋は恐れ多くも皇子様の隣の部屋で、それなりに広かったエーリス国の自分の部屋とは比べ物にならないほどの豪華さで、専用の使用人が3人もついた。
エーリスの民族衣装とも言える、シルファ製のキラキラ光るつややかな白銀の長衣を使用人の女性が脱がそうとしてくる。
(やーめーてー!ボクは童貞よ!?いきなりすぎだってばー!)
小国エーリスでは衣服の着替えやお風呂は一人でやっているのに、この国ときたら使用人が全てするらしい。
(そんなのボクには無理ですぅー)
ジタバタと暴れるボクを、3人がかりで取り押さえ脱がされてしまった。
床にうずくまり、胸の前で腕をクロスさせ体を縮こまらせて出来るだけ見えないようにするボクを、楽しげにオーディン様が見つめていた。
『なんでいるの!?出てってくださいよ!ここボクの部屋ですよね!』
なんて言えるはずもない。
なんせ彼は、将来王になるためには絶対敵に回してはいけない人だからだ。
貧弱な体を見られまいと うずくまるボクは、使用人にこの国の衣装を着せられる。
衣装も1900年代のイギリスのような感じで、シアーズ皇国はイギリスってことでOKだ。
使用人たちが部屋を出ていくと、オーディン様が学園の制服を見せてきて着替えろと言う。
『え?なんで?せっかく着替えたのに だったら最初からソレ着れば良くね?』
なんてことも言えず、また下着姿にひん剥かれた。
自分の着替えも自分でしない国の皇子様ですよね?なんでボクの着替えを手ずからするんですかー!!
英国王室の兵隊さんのような赤い上着と黒いパンツの制服はかっこよくて、180cmはあろう長身のオーディン様が着ると、とても似合うだろう。
それに引き換えボクはというと155cmしかなく、ほっそりとして白百合のように可憐だと褒め称えられた肢体も、男としての魅力は0で制服に着られている感じで情けない。
たくさん食べようとしても胃が受け付けず、エーリス民も華奢で小柄な人が多いので仕方がない。
その後、再び脱がされ私服に着替えさせられたボクは、オーディン様と共に大広間で夕飯を食べている。
シアーズ皇国のご飯はハッキリ言って美味しくない…見た目ばかりで味がないのだ。
エーリスのご飯が恋しくなる。
学園での生活の説明の合間に、ジッとボクを見つめるオーディン様。
(気に入られなくっちゃ)
ボクが微笑むと目をそらされた。
くっ…ボクの氷の微笑が通じないとは、さすが超絶イケメン。
叔母様の話によると、オーディン様は既に国の仕事の一端を担っておられて将来の皇帝にふさわしいお方だという。
イケメンなだけじゃなく帝王の器でもあるというのか、ぜひとも爪の垢を飲ませていただきたいものだ。
夕飯後、使用人の女性たちに裸に剥かれてお風呂で体を洗われるという大惨事を回避して、なんとか一人でお風呂に入ることに成功した。
この調子で着替えも一人でやると言い張ろう、女性に体を触られるとボクの貧相な息子が起ッキしちゃうからな。
ボクの体に触れていいのは将来のお嫁ちゃまになる、どこかにいるであろう可愛らしいお姫様だけだ。
ボクの部屋の窓から遠くに、明日から通う学園が見えている。
『友達ができるといいな』と考えながらベッドに入ろうとした時、バーンと部屋の中の1つの扉が開かれた。
(はぁっ?)
このプラチナブロンドにふさわしい、高貴な名前で気に入っている。
明日からの学園生活に向けて叔母様の宮殿に部屋を与えられている。
はずだったのに―――
ボクは今、第一皇子オーディン様の宮殿の一室にいました。
こちらのほうが学園に近いからと拐われるように連れてこられてしまった。
与えられた部屋は恐れ多くも皇子様の隣の部屋で、それなりに広かったエーリス国の自分の部屋とは比べ物にならないほどの豪華さで、専用の使用人が3人もついた。
エーリスの民族衣装とも言える、シルファ製のキラキラ光るつややかな白銀の長衣を使用人の女性が脱がそうとしてくる。
(やーめーてー!ボクは童貞よ!?いきなりすぎだってばー!)
小国エーリスでは衣服の着替えやお風呂は一人でやっているのに、この国ときたら使用人が全てするらしい。
(そんなのボクには無理ですぅー)
ジタバタと暴れるボクを、3人がかりで取り押さえ脱がされてしまった。
床にうずくまり、胸の前で腕をクロスさせ体を縮こまらせて出来るだけ見えないようにするボクを、楽しげにオーディン様が見つめていた。
『なんでいるの!?出てってくださいよ!ここボクの部屋ですよね!』
なんて言えるはずもない。
なんせ彼は、将来王になるためには絶対敵に回してはいけない人だからだ。
貧弱な体を見られまいと うずくまるボクは、使用人にこの国の衣装を着せられる。
衣装も1900年代のイギリスのような感じで、シアーズ皇国はイギリスってことでOKだ。
使用人たちが部屋を出ていくと、オーディン様が学園の制服を見せてきて着替えろと言う。
『え?なんで?せっかく着替えたのに だったら最初からソレ着れば良くね?』
なんてことも言えず、また下着姿にひん剥かれた。
自分の着替えも自分でしない国の皇子様ですよね?なんでボクの着替えを手ずからするんですかー!!
英国王室の兵隊さんのような赤い上着と黒いパンツの制服はかっこよくて、180cmはあろう長身のオーディン様が着ると、とても似合うだろう。
それに引き換えボクはというと155cmしかなく、ほっそりとして白百合のように可憐だと褒め称えられた肢体も、男としての魅力は0で制服に着られている感じで情けない。
たくさん食べようとしても胃が受け付けず、エーリス民も華奢で小柄な人が多いので仕方がない。
その後、再び脱がされ私服に着替えさせられたボクは、オーディン様と共に大広間で夕飯を食べている。
シアーズ皇国のご飯はハッキリ言って美味しくない…見た目ばかりで味がないのだ。
エーリスのご飯が恋しくなる。
学園での生活の説明の合間に、ジッとボクを見つめるオーディン様。
(気に入られなくっちゃ)
ボクが微笑むと目をそらされた。
くっ…ボクの氷の微笑が通じないとは、さすが超絶イケメン。
叔母様の話によると、オーディン様は既に国の仕事の一端を担っておられて将来の皇帝にふさわしいお方だという。
イケメンなだけじゃなく帝王の器でもあるというのか、ぜひとも爪の垢を飲ませていただきたいものだ。
夕飯後、使用人の女性たちに裸に剥かれてお風呂で体を洗われるという大惨事を回避して、なんとか一人でお風呂に入ることに成功した。
この調子で着替えも一人でやると言い張ろう、女性に体を触られるとボクの貧相な息子が起ッキしちゃうからな。
ボクの体に触れていいのは将来のお嫁ちゃまになる、どこかにいるであろう可愛らしいお姫様だけだ。
ボクの部屋の窓から遠くに、明日から通う学園が見えている。
『友達ができるといいな』と考えながらベッドに入ろうとした時、バーンと部屋の中の1つの扉が開かれた。
(はぁっ?)
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