15 / 20
知性の枷を外す夢
しおりを挟む
何時間掛けただろうか?
この世界には
太陽というものが存在していないから
『時間』の概念があやふやになる。
案山子はと言えば、胴体の大きさに合わせてリサイズされた頭になるや否や無言の暴力に対する抗議なのか、喚きながら暴れ回っていた。
藁人形の脚が見窄らしかったのもあり、俺は自分の靴と靴下に藁を詰めて案山子に取り付けたのだが、斧まで要求されてしまった。
なんでも
『もっと壊したいもの』があるそうだ。
俺はもしかしたら
解き放ってはならないものに
脚と武器を与えてしまったのかも知れない。
まあ、もう後の祭りだ。
如何せん俺は今、素足にスラックス、上はTシャツというなんとも珍妙な格好で久しぶりに黒猫の背中を追いかけているのだから。
この手には申し訳程度の藁が握られている。
斧の見返りとして渡してきたのだろうが
端材処理をされたような気分でしかない。
それを律儀に受け取り
今現在まで持ち歩いてる俺を
誰でもいいから褒めて欲しい。
俺が案山子に苛立ちを覚えた理由は
分かっている。
「同属嫌悪だ」
多くの理由と柵に囲まれた安全地帯で
『何もしない自分』を守り続けている。
『辛い』『苦しい』『悲しい』
と謳いながら動くことはしなかった。
「その方が楽だから」
この世界には
太陽というものが存在していないから
『時間』の概念があやふやになる。
案山子はと言えば、胴体の大きさに合わせてリサイズされた頭になるや否や無言の暴力に対する抗議なのか、喚きながら暴れ回っていた。
藁人形の脚が見窄らしかったのもあり、俺は自分の靴と靴下に藁を詰めて案山子に取り付けたのだが、斧まで要求されてしまった。
なんでも
『もっと壊したいもの』があるそうだ。
俺はもしかしたら
解き放ってはならないものに
脚と武器を与えてしまったのかも知れない。
まあ、もう後の祭りだ。
如何せん俺は今、素足にスラックス、上はTシャツというなんとも珍妙な格好で久しぶりに黒猫の背中を追いかけているのだから。
この手には申し訳程度の藁が握られている。
斧の見返りとして渡してきたのだろうが
端材処理をされたような気分でしかない。
それを律儀に受け取り
今現在まで持ち歩いてる俺を
誰でもいいから褒めて欲しい。
俺が案山子に苛立ちを覚えた理由は
分かっている。
「同属嫌悪だ」
多くの理由と柵に囲まれた安全地帯で
『何もしない自分』を守り続けている。
『辛い』『苦しい』『悲しい』
と謳いながら動くことはしなかった。
「その方が楽だから」
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ひとりぼっちのロボット/フリー台本
凩とぬ
ファンタジー
ゆったりと呼んでください。
どなたでも朗読OKです。
改変/自作発言は禁止です。
【ひとりぼっちのロボット】
作者名:凩とぬ
とできる限りご記入お願いします。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
今日の授業は保健体育
にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり)
僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。
その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。
ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる