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案山子を編む夢
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感情の熱りが冷めた頃
目の前には頭のない藁人形が横たわっていた。
この藁は歩きたがっていたんだ。
でも、どんな回答を投げようと
『いや』『しかし』と話が続く。
歩き続けた獣がいた。
悔み続けた葉鉄がいた。
彼らは愚かだと思う。
けれど、少なくとも何かをしようとした存在だ。
しかし、この案山子は何もしようとしなかった。
この藁人形はやらない言い訳を並べる天才だ。
「無駄に頭が良いばっかりに
『if』を想像して足踏みするんだ」
➖➖上手くできるかな?
➖➖失敗したらどうしよう。
上げればキリのない『もしも』の話。
博識だから見えてしまう世界。
その世界は複雑で、きっと息苦しいんだと思う。
そんな世界は嫌いだけれど
向こう見ずなのも如何なものか。
「流石に考えなしにもほどがあった」
斧を握り締めることで手一杯で、感情を手放した。
理性の外側で蠢いた憤怒に操られ
斧を幾度と振り被った。
その結果、頭だった藁が散乱し
目を覚ました人形が
それをエッサエッサとかき集めている。
作り直す
それが俺の責任の取り方なんだと思った。
目の前には頭のない藁人形が横たわっていた。
この藁は歩きたがっていたんだ。
でも、どんな回答を投げようと
『いや』『しかし』と話が続く。
歩き続けた獣がいた。
悔み続けた葉鉄がいた。
彼らは愚かだと思う。
けれど、少なくとも何かをしようとした存在だ。
しかし、この案山子は何もしようとしなかった。
この藁人形はやらない言い訳を並べる天才だ。
「無駄に頭が良いばっかりに
『if』を想像して足踏みするんだ」
➖➖上手くできるかな?
➖➖失敗したらどうしよう。
上げればキリのない『もしも』の話。
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そんな世界は嫌いだけれど
向こう見ずなのも如何なものか。
「流石に考えなしにもほどがあった」
斧を握り締めることで手一杯で、感情を手放した。
理性の外側で蠢いた憤怒に操られ
斧を幾度と振り被った。
その結果、頭だった藁が散乱し
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それをエッサエッサとかき集めている。
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