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7 いきなり壁ドンされたました。逃げたいです

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「お前がアリス・ハリヤーか。身の程を知れ。お前ごときの男爵令嬢が私たちのような高位の貴族と婚姻できるとでも思っているのか?」


私は全く見ず知らずの男性にいきなり壁に追い込まれた。いわゆる壁ドン状態である。

え?なんでこんな知らない人に私は怒られてるの?
っていうからこんな殺伐とした壁ドンやた




この状態を説明するには少し遡らなければならない。






私は馬車で5時間ほどかけてエミリーと王都の学校に来た。
入学式とは言ったものの午前中にクラス発表があるだけで午後は自由時間とされていた。

そのためクラス発表が終わったあと、私とエミリーは食堂でランチを食べ、校内を自由に見てまわることにしたのだ。 
あまり目立ちたくないエミリーと私は人気が少なそうなエリアから見て回ることにしたのだが

「ねえ、エミリー。昼とはいえ人気のない学校って何か出そうで怖くない?もう早く帰ろうよ。」

「何が怖いのよ。アリスは怖がりすぎなのよ。そもそも明日から授業が始まるって言うのに学校の構造を知らなくてどうするのよ。」

「それもそうだけど……。」


その時すれ違った男の人が驚いたように私の顔を見たのを感じた。
なんだろうと思っているうちに男の人は口を開いた。


「アリス?お前がアリス・ハリヤーなのか?」

なぜこの人が私の名を知っているのだろうか?

「え、ええ。そうですけどなにか…………?」

「ちょっと私と共に来てもらおうか。」

「えっ、それは困ります!!」

「あっ、あなたはっ!!アリスをお離しください!この子が何をしたと言うんですか?!」

「私に口答えは許さん。いいから来いっ!」


エミリーが庇ってくれようとしたがそんな努力も虚しく謎の男性は私の腕を掴んで無理やり引っ張っていく。
まったく私のことを配慮しない乱暴な引っ張り方に私の貧弱な腕が悲鳴をあげる。

しばらく進んだところで男性は立ち止まってようやく私に振り向いた。

なんだろうと思っていると耳の横でバンッという音が聞こえて驚いて横目で見ると目の前の男の腕がある。
ようやくこれは壁ドンとか言うやつだと気づいた時には遅かった。

これから私はどうなってしまうんだろう。


こうして冒頭のシーンに繋がるわけだ。
もう家に帰らせて(泣)

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