上 下
212 / 212
赤と白の紡ぐ糸

赤と白の紡ぐ糸 12

しおりを挟む


そして、事件は起きてしまった。









その日ライラは魔法陣に違和感を感じて、朝から様子を見守っていたのだが今のところ何ら異常は見られない。

封印はきっちりと結ばれたままだし、ほんのわずかな綻びでもあれば魔力がそこから漏れ出てすぐさま異常に気がつくはず。

そもそも、魔法陣の封を開けられるのは赤い魔女としての魔力を持つ自分だけだ。

これは先代がその魔力と生命をかけて編み込んだ、封印式の中でも最高傑作。

魔力のパワーだけは桁違いなデスペラードといえども、繊細で複雑な魔法陣を何層にも重ねられて造られたこの鉄壁の網目からはそう簡単に逃れることはできない。




なのに、胸騒ぎがする。




村もかつての城跡も、この辺一帯の魔物もなりを潜めているのか平和そのもので薄気味悪いほどに静まり返っていた。






まるで、嵐の前の静けさのようなーーーーーーーー。











「!!??」



その時、ほんの一瞬の異変が起こった。


綻びというにはあまりにも些細な、満点の星空の中から一番光の小さき星を探すかのような、そんな普段なら見過ごしてもおかしくないぐらいの些細な異変。


それでも、なぜそのことにこれまで気づけずにいたのか。



「・・・・どういう、こと?なんでここから、ラスターの魔力が?」



一瞬の異変を感じた箇所にその美しい陶器のような真白の手をかざしてみれば、そこから感じたのは馴染みのある魔力。

いや、自分と彼とのモノが混ざった魔力がそこからわずかに感じられた。


ラスターがここへ来て何かしでかしたのか?


いや、この場所は自分に忠実な炎の戦士に守らせていたから、彼がそれをかいくぐって魔法陣にたどり着けるわけがない。






ならば、なぜーーーーーーーーーー?









『・・・・・めろっ!!兄貴っ!!!』


「!!??」




その時、この場からは少し遠い地より『彼』の声がライラの脳裏に鳴り響く。

その声には強い焦りと戸惑いと、そして恐怖が込められていた。




「・・・・・・スターッ!!」






心臓が早鐘を打つ。



胸がざわめく。



早く『彼』の元へ飛ばなくては!!



頭にはデスペラードの魔法陣がちらつく。



完璧な魔法陣に生じた、ほんの僅かな綻び。



明らかに違和感を感じてならない、『彼』の変化。



優しすぎて実の弟にですら手を上げたことがない『彼』が、村の男にその手を上げた。




一度も誰かに暴力を振るったことのない彼の拳は、そのたびに痛み赤みをおびていた。









そしてその『彼』の拳は今、血にまみれている。



「ラスター!あなた、何をして・・・ ・・ッ!?」


「ま、魔女ッ!!貴様!!今までどこで何をしていたっ!!」



ラスターの拳は、目の前で地面に倒れて気絶している自分よりも体の大きな男を繰り返し殴った為に裂傷で皮膚のあちこちが擦りむけ、痛々しいほど赤く腫れ上がっていた。

アスター自身もラスターを止める際に無傷ではいられなかったようで、あちこちに大きめの傷ができており血が流れている。




「・・・・・・・してやるッ!!」


「あ、兄貴っ!もう止めてくれっ!!」



悲鳴をあげるアスターが全力で『彼』を後ろから羽交い締めにし、その動きを必死に止めていた。

『彼』の褐色の肌には見覚えのある紋様が浮かび、その新緑を思わす瞳には穏やかな光ではなく、『憎しみ』の炎が揺れている。





そう、その紋様はーーーーーーーーー。






「・・・・・殺してやるっ!!!!」


「!!??」




その紋様は、デスペラードの全身に刻まれていたとされるもの。

ライラ自身も直接ではなく、知識としてでしかないがあの紋様を自分が間違えるはずはない。

気づけばラスターの足元からは黒い炎が湧き上がり、彼らを包み込んだ。



「な、なんだっ!?この炎はっ!?」


「ラスター!!!」



すぐさま2人の周りに赤き炎を燃え上がらせると、黒き炎ごと一気に包み込む。





「・・・・・・・なせっ!!」


「ぐあっ!!!」




黒い炎は瞬時に消えたもののラスターの表情から憎しみと怒りは消えず、自分の動きを止めていたアスターを睨みつけると強い力で殴り飛ばし、すでに血だらけで意識のないまま倒れている村の男へと再び襲いかかる。




「やめなさいっ!!!」


「!!??」



村の男がどうなろうとライラには関係ないが、ラスターの身に何が起こっているのかを見過ごすことはできない。

村の男とラスターの間に入り込んだライラはラスターの両手の手首を掴むと、そこから一気に自分の魔力を彼の中に注ぎ込む。




「・・・・・うぐっ!!あぁッ!!!」



その魔力に反応し、ラスターはうめき声をあげながら全身に走る苦痛に顔面を強くゆがませた。


生半可な魔力では『アレ』の魔力に敵うわけがないと、手加減せずにありったけの魔力を一気に注ぎ込む。





「ぐあぁぁぁーーーーーーッ!!!」


「・・・・・・・ッ!!!」




ライラの強い魔力が2人の立つ大地から大きな風を巻き起こし、亀裂を入れながら砂と石が嵐とともに吹き飛んでいく。


そして次の瞬間、2人の周りには大きな炎が湧き上がり球体となって包み込んだ。









どういうこと?


どうして、どうしてラスターの身体にデスペラードの紋様と魔力がっ?!


いや、それよりもこんなにも強く彼にその魔力が宿っていることを、なぜこれまで自分には全く感知できなかったのかっ!!





胸騒ぎと違和感はずっと覚えていたのに。







なぜっ!!??











『それなら答えは簡単』


「!!??」




誰っ!?


頭に直接響いてきた『声』の持つあまりに禍々しい魔力の気配に、ライラの全身に寒気が走る。



『初めまして、かな?赤い魔女のライラ』


「・・・・・初めての相手なら、自分から名乗りをあげるのが、礼儀ではないかしらっ!?」




声の主をどれだけ探しても、その姿は見えない。

もっとよく探そうにも、少しでも魔力の矛先をずらせばデスペラードの魔力で今にも暴れだしそうになっているラスターを抑え続けることができない。



『あははっ!名前なら、僕はいつも黒い魔女って呼ばれてるヨ』


「!!??」




黒い魔女、ですって?


あの、デスペラードを生み出した?



『それは前の黒い魔女♫僕が作ったわけじゃないけど、こんなに面白いオモチャを放っておくなんてもったいないじゃないか!』




ケラケラケラケラ。


ライラの気持ちを逆なでするような響きを含めて、声の主は笑い続ける。



「デス、ペラードを・・・・・蘇らせたいなら!あの魔法陣を、破壊すればいいじゃないっ!!」




それだけの魔力が声の主に在ることを、認めたくはないが嫌でも感じとってしまった。

なのに、実際に行われたのは針の穴のような小さい綻びのみ。



『だって、それじゃあまりにもつまらないじゃないヨ!どうせなら、手間暇かけて楽しまないとネ』


「くっ・・・・あの、怪物も!お前の仕業ってわけね!」



ライラの頭の中に、自分を捕らえ陵辱しようとその君の悪い舌と大きな手とで襲いかかってきた怪物の姿が蘇る。

どす黒い欲望に心を支配されたあの狂気の眼差しが、どれだけ忘れようとしても自分の中から消えない。



『あははっ!君へのプレゼントにしては、アレは陳腐な失敗作だったネ。だから、今度は君のお気に入りにしたんだ~』


「お気にいり、ですって?」


『こいつの魔力を消すのはちょ~~っと工夫が必要だっけど、一度繋がってしまえばホ~ラ簡単!ただの人間がデスペラードの力を得られるなんて、すごいことじゃない?』


「・・・・・・さないっ!あの人を、傷つけるやつは、僕が絶対に許さないっ!!」


「!!??」



怒りと憎しみで血走ったラスターの目からは、涙が溢れていた。

強く食いしばった口元からは、デスペラードの魔力でもって変形され鋭く尖らされた歯で切ってしまい血が流れている。



彼が今怒っているのは、自分の為ではない。



村人から忌み嫌われ、支配することで自身の力を誇示したいと貶めるような言動をされたライラの為。




本当の彼の心は、ずっと今も泣いているのだ。







『これは、彼が望んだんだヨ?』




ラスターの涙に目を奪われているライラの頭の中に、次々と黒い魔女の声が鳴り響く。




『彼は、願ったんだ』


『君を守る為の力が欲しいって』



『君を傷つけ、汚す輩から君を守る為の強い力が自分に欲しいって』



『そして、君を誰にも渡したくないとも願った』


『だから僕は、そのお願いを叶えてあげたんだよ?』



『君のことを村人が傷つけ、汚そうとするたびに彼の心は怒りと憎しみでいっぱいになっていった』



『そのたびにデスペラードの魔力が彼の中に流れていったけど、まさかただの人間がこれだけの闇の魔力を得てもまだ破裂しないでいるなんて、本当にすごいよね!』



「・・・・・・・・・」



『あははっ!さすがは君のお気に入りだ♫』



「黙りなさいっ!!!!」



『!?』






ゴオォォォーーーーーーーーッ!!!!







ライラの叫び声とともに、深紅に燃え盛る業火がラスターを一気に包み込む。

火が消えた時、そこには身体の紋様が消え意識を失ったラスターが現れそのままライラの元へとゆっくり倒れこんだ。

彼の腕を掴んでいたライラは手を離し、ラスターの身体を受け止めるとしっかりとその身を抱きしめる。




『お見事~!でもこれはほんの一時しのぎ!また同じようなことがあれば、彼は本格的に目覚めてしまうかもしれないネ!』



「・・・・・・いつまでも姿を現さないで声だけなんて、ずいぶんと小心者の魔女様なのね?」



未だ声のみで気配すらも上手く隠している黒い魔女に向けて、ライラが口元に怪しげな笑みを浮かべたままつぶやく。

もし目線で相手が殺せるのなら、もうすでに何度だって射殺しているだろうほどには強い怒りの感情でいっぱいだったが、どれだけ探してもその姿を捉えることができない。



『そう、僕は怖がりだから君の前になんて恐ろしくて出られないヨ。でも、その代わり僕は優しいからヒントをあげる』



「ヒント、ですって?」



『とっても簡単!君に選べる道はこの2つ。1つは彼を殺してしまうこと』



「!!??」



『彼の身体が壊れれば、彼に宿した魔力もまた行き場を無くして霧散する。君がこれまで色んな男に散々やってきたことじゃないか!ほぉら、とおぉ~~っても簡単でしょ?』





そうだ。


これまで自分を傷つけようとした男達はいつだって返り討ちにしたし、時には命を奪いかねない大怪我を負わせもした。


自分だけではなく、村の女に乱暴しようとした男達を怒りのままに炎で下半身が2度と使い物にならなくなるほど燃やしたこともあった。

女をモノのように扱う男に情けなど欠片も湧いてこず、命を奪わなかった自分を心から褒めてやりたいぐらいだった。





『もう1つはーーーーーーーーーだよ』


「!!??」



私の役割は、魔法陣を守りデスペラードを蘇らせないこと。


でも、今目の前にいるラスターの身体はデスペラードと繋がり、このままその魔力が彼の中でこもれば彼自身がそこに飲まれてしまう。



それだけではない。



デスペラードが蘇り、あの巨大な魔力が暴走してしまったら今度こそ世界の大半は滅びの道へ繋がってしまうだろう。



そう。


迷う必要などどこにもない。





『あははっ!どちらも簡単でショ?僕って、なんて優しいんだろう~♫』



「・・・・・・・・・」







迷う必要など、どこにもないーーーーーーーー。


しおりを挟む
感想 18

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(18件)

貴腐人
2023.01.27 貴腐人

めちゃオモシロいです~!!シズク、がんばれGOGO!!!

解除
kyou
2021.11.01 kyou

続きを楽しみにしています!

解除
mmtower
2018.10.31 mmtower

消えたジークフリートが気になります…!!何があったのか…焦らせますねぇ笑

赤蜻蛉
2018.11.03 赤蜻蛉

mmtower様、感想ありがとうございます!

中々ジークフリートのことが書けずで申し訳ありません!早めに詳細が伝えられるようがんばります!

気長にお待ちくださいませ!

解除

あなたにおすすめの小説

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!

みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した! 転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!! 前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。 とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。 森で調合師して暮らすこと! ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが… 無理そうです…… 更に隣で笑う幼なじみが気になります… 完結済みです。 なろう様にも掲載しています。 副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。 エピローグで完結です。 番外編になります。 ※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。

悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます

久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。 その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。 1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。 しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか? 自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと! 自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ? ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ! 他サイトにて別名義で掲載していた作品です。

『悪役』のイメージが違うことで起きた悲しい事故

ラララキヲ
ファンタジー
 ある男爵が手を出していたメイドが密かに娘を産んでいた。それを知った男爵は平民として生きていた娘を探し出して養子とした。  娘の名前はルーニー。  とても可愛い外見をしていた。  彼女は人を惹き付ける特別な外見をしていたが、特別なのはそれだけではなかった。  彼女は前世の記憶を持っていたのだ。  そして彼女はこの世界が前世で遊んだ乙女ゲームが舞台なのだと気付く。  格好良い攻略対象たちに意地悪な悪役令嬢。  しかしその悪役令嬢がどうもおかしい。何もしてこないどころか性格さえも設定と違うようだ。  乙女ゲームのヒロインであるルーニーは腹を立てた。  “悪役令嬢が悪役をちゃんとしないからゲームのストーリーが進まないじゃない!”と。  怒ったルーニーは悪役令嬢を責める。  そして物語は動き出した…………── ※!!※細かい描写などはありませんが女性が酷い目に遭った展開となるので嫌な方はお気をつけ下さい。 ※!!※『子供が絵本のシンデレラ読んでと頼んだらヤバイ方のシンデレラを読まれた』みたいな話です。 ◇テンプレ乙女ゲームの世界。 ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇ご都合展開。矛盾もあるかも。 ◇なろうにも上げる予定です。

【完結】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。

氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。 私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。 「でも、白い結婚だったのよね……」 奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。 全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。 一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。 断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

深窓の悪役令嬢~死にたくないので仮病を使って逃げ切ります~

白金ひよこ
恋愛
 熱で魘された私が夢で見たのは前世の記憶。そこで思い出した。私がトワール侯爵家の令嬢として生まれる前は平凡なOLだったことを。そして気づいた。この世界が乙女ゲームの世界で、私がそのゲームの悪役令嬢であることを!  しかもシンディ・トワールはどのルートであっても死ぬ運命! そんなのあんまりだ! もうこうなったらこのまま病弱になって学校も行けないような深窓の令嬢になるしかない!  物語の全てを放棄し逃げ切ることだけに全力を注いだ、悪役令嬢の全力逃走ストーリー! え? シナリオ? そんなの知ったこっちゃありませんけど?

闇黒の悪役令嬢は溺愛される

葵川真衣
恋愛
公爵令嬢リアは十歳のときに、転生していることを知る。 今は二度目の人生だ。 十六歳の舞踏会、皇太子ジークハルトから、婚約破棄を突き付けられる。 記憶を得たリアは前世同様、世界を旅する決意をする。 前世の仲間と、冒険の日々を送ろう! 婚約破棄された後、すぐ帝都を出られるように、リアは旅の支度をし、舞踏会に向かった。 だが、その夜、前世と異なる出来事が起きて──!? 悪役令嬢、溺愛物語。 ☆本編完結しました。ありがとうございました。番外編等、不定期更新です。

雪解けの白い結婚 〜触れることもないし触れないでほしい……からの純愛!?〜

川奈あさ
恋愛
セレンは前世で夫と友人から酷い裏切りを受けたレスられ・不倫サレ妻だった。 前世の深い傷は、転生先の心にも残ったまま。 恋人も友人も一人もいないけれど、大好きな魔法具の開発をしながらそれなりに楽しい仕事人生を送っていたセレンは、祖父のために結婚相手を探すことになる。 だけど凍り付いた表情は、舞踏会で恐れられるだけで……。 そんな時に出会った壁の花仲間かつ高嶺の花でもあるレインに契約結婚を持ちかけられる。 「私は貴女に触れることもないし、私にも触れないでほしい」 レインの条件はひとつ、触らないこと、触ることを求めないこと。 実はレインは女性に触れられると、身体にひどいアレルギー症状が出てしまうのだった。 女性アレルギーのスノープリンス侯爵 × 誰かを愛することが怖いブリザード令嬢。 過去に深い傷を抱えて、人を愛することが怖い。 二人がゆっくり夫婦になっていくお話です。

魔性の悪役令嬢らしいですが、男性が苦手なのでご期待にそえません!

蒼乃ロゼ
恋愛
「リュミネーヴァ様は、いろんな殿方とご経験のある、魔性の女でいらっしゃいますから!」 「「……は?」」 どうやら原作では魔性の女だったらしい、リュミネーヴァ。 しかし彼女の中身は、前世でストーカーに命を絶たれ、乙女ゲーム『光が世界を満たすまで』通称ヒカミタの世界に転生してきた人物。 前世での最期の記憶から、男性が苦手。 初めは男性を目にするだけでも体が震えるありさま。 リュミネーヴァが具体的にどんな悪行をするのか分からず、ただ自分として、在るがままを生きてきた。 当然、物語が原作どおりにいくはずもなく。 おまけに実は、本編前にあたる時期からフラグを折っていて……? 攻略キャラを全力回避していたら、魔性違いで謎のキャラから溺愛モードが始まるお話。 ファンタジー要素も多めです。 ※なろう様にも掲載中 ※短編【転生先は『乙女ゲーでしょ』~】の元ネタです。どちらを先に読んでもお話は分かりますので、ご安心ください。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。