上 下
115 / 212
いざ、ルークとともに新しい旅路へ!

蘇った街

しおりを挟む


「ルトラヴァイスが復活した?」

「ふぇっふえっふえっ!そうじゃ!あの滅んだ筈の街が、ある日を境に滅ぶ前の姿そのままで復活したのじゃ!」

「!?」

「ルーク?」


最後のレアアイテム『大地の腕輪』の在り処をヴァレンティーナが話した際、あのルークがいつになく焦った顔を見せた。

『ルトラヴァイス』という街はもう何年も前に戦争で滅んで今は更地であったはずなのに、その付近を通りかかった何も知らない旅人がその街の話をしたことで判明したという。


滅んだ建物が蘇り、死んだ者が蘇った街。


「わしの言葉が信じられぬなら、ほれ、自分の目で直接見てくるがよい!」

「!?」

「ちょっと待っ・・・・!!」



クローディアが言葉を言い終わる前に、いつものように足元の魔方陣が光り私達は別の場所へと飛ばされた。





『ルトラヴァイス』


まさか、その名の街を記憶の中以外でまた訪れることになるとは。


「ク・・・・ルーク!大丈夫?!」


目が覚めると、いつもなら逆の立場で声をかけていたクローディアが顔を心配げに歪めながら何度も声をかけてくる。


「良かった!中々起きないから」


ぼくの無事を確認して、ほっとした様子で息を吐いた彼女を見て不思議な感覚になった。

しかも、まさか誰かと一緒にあの地へ行くことになるとは。


「・・・・・行こうか」

「ちょ、ちょっとルーク!?」



誰が、何の目的であの地を蘇らせたのか。

知るべきはそこだ。




光る魔方陣の光が消え、豊かな木々に覆われた山々に囲まれたその道をクローディアとルークが歩いていると目の前に倒れた人影が映る。


「・・・・た、大変っ!?」


クローディアが急いで駆けつけて、すぐ命に別状がないことが彼女の安心した顔を見て分かった。


「・・・・・ッ!?」



そして、その人影の顔を見てルークの心に衝撃が走る。

その『男』の顔には見覚えがあったから。

だがその男は現在、この世にいないはずの人間だった。









「・・・・ルーク?」

 
ルークの様子が、またおかしい。

今も黙り込んだまま何の反応もない。

きっと『ルトラヴァイス』は、彼の過去に大きく関係するところなのかもしれない。

彼のルートの流れだけでも知っていれば、彼の気持ちを知った上で動けるのに。


「・・・・・ん、こ、ここは?」

「!?」


クローディアの他者自動回復機能が久々にちゃんと発動したのか、生き倒れていた男性は体力が回復したようでようやく目を覚ました。

明るめの茶色の髪に、焦げ茶色の瞳。

ルークのような華のある美形と並ぶと地味に映るが、親しみやすそうな爽やかなイケメンです!


「君が、助けてくれたのか?」

「あ、いや、私はそばにいただけで、何もしてないです」



それは事実です。


「いや、それでも体が全然軽いんだ。ありがとう!」

「い、いえ、本当に何もしてなくてですね!」


丁寧に頭を下げてお礼を言う男性に、私も戸惑ってしまう。

ちなみに立ち上がったら中々背も高く、細身だがつくべき筋肉がしっかりついてる感じ。


「故郷へ里帰りの途中だったんだが、途中モンスターに襲われて必死で戦いつつ逃げていたら、情けないことに疲れて倒れてしまっていたらしい。君たちも急いでいるだろうに、申し訳なかった」


ほら見て、この穏やかな笑みを浮かべつつ落ち着いた雰囲気もあるこの男前な男性を。

とうとうこの世界は、モブにまでイケメンが出てくるようになってしまったらしい。


「そうだったんですね。あの・・・・」

「失礼ですが、故郷はこの先にあるルトラヴァイスですか?」

「!?」



珍しく、ルークがクローディアの会話を遮って入ってきた。

いつもなら、成り行きを黙って静かに見守っていることが多いのに何かこの人にあるんだろうか?


「そうなんだ!嫁がもうすぐ赤ちゃんを産むから、これからは故郷で一緒に暮らそうということになって、俺だけ一足早く準備も兼ねて来たんだが途中道を間違えてしまって」


顔を恥ずかしさで赤くしながら面目ないと頭をかきつつ、その男性は喜びにあふれた様子で話す。

この甘々な空気が漂う感じは、新婚さんだろうか?


「・・・・・そうですか。僕たちもちょうど、ルトラヴァイスに用があって向かってる途中なのでご一緒してもいいですか?」

「もちろんだ!ぜひ、俺の家にも寄って行ってくれ!君たちにはちゃんと礼がしたい」

「ありがとうございます♪」

「あ、ありがとうございます!」



こうして、爽やかな青年ーーーー名はシオンと名乗ったその男性と3人で、私達はルトラヴァイスへと向かうことになった。

その道中、こちらが聞いてなくても惚気とはだだ漏れるもののようで、シオンさんからはお嫁さんであるアナスタシアさんのことばかり聞かされている。

まぁ、聞いているのは私だけで、いつもの調子に戻ったルークは少し離れた後ろでニコニコと我関せずでマイペースに歩いていた。


「アナスタシアは本当にいい女なんだ!控えめであまり自分の気持ちを話したがらないんだが、優しく相手のことばかり考えて動いてるやつで、はしゃぐことは少ないんだが時々見せるわずかな笑顔がまた一段と可愛くてな!」

「・・・・・そ、そうなんですね」

「最初は相当な人見知りでまともに話してもらえるようになるまでかなり苦労したんだが、少しずつ心を開いてくれる感じがまたたまらなく可愛いんだ!」

「は、はぁ」


しまった、惚気が止まらない。

きっとルトラヴァイスへ向かう途中も、ずっとお嫁さんのことばかり考えていたに違いない。

ただ、気になるのはこの人の口ぶりからするとルトラヴァイスが以前滅んだということが全く感じられないのだ。

もしかしたら滅ぶ前に街を出て、滅んだことを知らずに戻ってきたんだろうか?


そのことをシオンさんへと話す前にルークの方へ顔だけ振り返ると、彼も分かっていたのだろう、ニッコリ笑ったまま人差し指だけを立てて口元に黙ってあてた。


それはまだ秘密で。


無言でその合図に頷き、シオンさんとの会話に戻る。


オレンジの屋根と白い壁の家が立ち並ぶルトラヴァイスの街は、もうすぐそこだった。


海沿いにあるその街は、遠くからどこを見ても橙の似た色の屋根の家が集まっていて、そういえば前世でも似たような街が世界にあったように思う。

写真でしか見たことのないその風景に、とても似ていた。

何年も前に滅び、つい最近まで更地だったとは思えないぐらいとても立派な街並みだ。


「ルトラヴァイスが見えてきた!本当にあそこは何年たっても変わらないな。ルトラヴァイスは海の幸が豊富なんだ。ぜひ、それを使った料理を食べて行ってくれ!母さんの作る料理は、そこいらの料理人のものより腕は確かでうまいんだ!」

「ありがとうございます!すごく楽しみです!」


懐かしい故郷の姿に、シオンさんは興奮気味で話し始める。

その一方で、あいつにも早く見せたいな、と今は離れているお嫁さんを思って少し寂しそうな顔も見せていた。

そしていよいよルトラヴァイスの街の中に入ると、道を行き交う人の活気がもの凄かった。

道なりにずらりと並ぶ、海で獲れた海の幸やその飲食店に貝殻等を使った装飾品を扱う店に人が次々と集まり、先へ進むのも一苦労なほど賑わっている。


「さぁ、今朝獲れたばかりの新鮮な魚だよーーー!!!」

「今流行りの、赤珊瑚を使ったネックレスはどうだい?プレゼントに最適だよ!」

「そこのお嬢さん、お一ついかが?」

「・・・・だ、大丈夫です!」

「あら、いやだ!!シオンの坊ちゃんじゃないか!!帰ってきたのかいっ!?」

「あぁ、ただいま!ファルナおばさん!」

「ちょっとみんな!!シオンだよ!!シオンが帰ってきたよ!!」

「!?」


恰幅のいい、ファルナおばさんと呼ばれた女性の一言でそこら中の人がこちらに振り返り、シオンの元へと勢いよく詰め寄る。


「本当にシオンだ!おかえりなさい!」

「いつ帰ってきたの?!」

「そばにいる人は、もしかしてお嫁さんかい?!」

「帰って来るなら、連絡をしてくれれば歓迎の祭りでも開いたのに!」

「よく帰ってきたなぁ~おかえりシオン!」


街の人気者なのか、シオンさんは老若男女問わず詰めかけられ、その1人1人に優しく穏やかに接していく。

若い女性の中には、彼を好きだというのが一目で分かるぐらい頰を赤くして喜んでいる子もおり、うっかり誤解されて足を思い切り踏みつけられてしまった。


くっ!

ひどい冤罪だ。


ひとしきりもみくちゃにされ、なんとか誤解も解けて街の人達から解放された頃には、部外者であるクローディアまでなぜかぐったりしてしていた。

ルークはといえば、さっきのもみくちゃ騒動の際も1人で少し離れた屋根の上に避難しており、今もフードをいつもより深めにかぶってその表情を隠している。

口元はいつものように笑っているが、やっぱりいつもとは様子が少し違うようにも感じた。


「街のみんながすまなかった。大丈夫かい?」

「・・・・は、はい。一応」

「この先の家が俺の家だから、ゆっくり休んでいってくれ!」

「は、はい」


先ほどのお店が集まっていた住宅街の並びから少し外れたその奥まったところが、シオンさんの実家だということだった。

シオンさんの指差した方向に小ぶりだが他の家と同様に、オレンジの屋根に白い壁をした鉢植えや壁にも草花に溢れた温もりのある家が見えて来る。


「シオンにいちゃーーーーーんッ!!」

「!?」

「この声はまさか・・・・」


その声は1つだけではなく、だんだんと大きくなりその正体が勢いよくシオンへと飛びかかる。


「シオン兄ちゃん!!おかえりなさーーーい!!」

「兄ちゃん、ぼく兄ちゃんの為にたくさん魚釣ってきたんだよ!!」

「兄ちゃ~~ん!会えなくて寂しかったよ~~!!」

「・・・・・・」

「カルロ、エラ、ケイリー!それにお前は・・・・まだ生まれたばっかりだった、ジェーンか?」


シオンの足元に、小学生の高学年くらいのシオンをそのまま幼くしたようなカルロと呼ばれた少年に、気の強そうなエラと呼ばれた長い髪を1つに結んだ少女、そして小学生の低学年くらいの一番ワンワン泣いているケイリーと呼ばれた少年。

そして、少し離れたところでそんな兄弟たちを見つめている、唇を噛み締めた幼稚園児ぐらいの髪を高いところで左右結ったツインテールのつるっとしたおでこが可愛らしい女の子。

彼女が持つには大きなボールを胸元で抱きしめながら、唇を噛み締めて複雑な顔をしてシオンさんを見つめている。

彼女にも穏やかに笑いかけると、シオンさんはその腕を大きく広げた。


「おいで、ジェーン」

「・・・・に、にいちゃーーーーーん!!」


その胸に向かって、耐えきれなくなった少女が涙を目いっぱいに溜め、持っていたボールを落としながら駆け寄って力いっぱいに抱きつく。

そんな4人の兄弟たちを大きな腕でしっかりと抱きしめながら、シオンさんの目も涙ぐんでいた。

その姿を見ているだけで、こちらもついついもらい泣きをしてしまう。


一応前世で妹は1人いたが、果たして何年か会わなかったぐらいでこんな感動の再会をお互いできていたかというと、かなり怪しい。

『久しぶり』『元気だった?』くらいのあっさりした会話で、すんなり終わってしまいそうだ。



その後、家の玄関前でシオンさんの面影が分かるキリッとした顔つきの女性が私たちを暖かく出迎えてくれた。

出会い頭にシオンさんを殴りつけたのにはビックリしたけれど、ぼそっと『無事ならもっとマメに連絡しなさい』と彼女が呟いたのが聞こえてほんわかした気持ちになる。

それが聞こえたのだろう、シオンさんも心から嬉しそうな笑顔を見せていた。




この平和を絵に描いたような街がかつて滅んだ街とは、とてもまだ実感が湧かない。

街の人達もシオンさんの家族も、みな笑顔が眩しく生き生きとしている。

この人達が実はもう死んでる人かもしれないなど、こうして実際に接していても分からない。

だって、とても暖かいのだ。



「ねぇねぇ、おねえちゃんはにいちゃんのおよめさん?」

「えっ!?それは違うよ!!」


スカートの裾をくいっと引っ張られたと思うと、足元には大きな可愛い瞳をくりっとさせた幼い少女が目をキラキラさせて見上げてくる。


か、可愛いっ!!


「そしたら、おともだち?」

「そ、そんなかんじかなぁ?」

「それならじぇーんとあそんで!!」

「えっ!?」


喜びに頰を高揚させたジェーンがクローディアの手をつかみ、外へと引っ張り出す。


「じぇーん、ぼーるあそびがすきなの!ぼーるであそぼ!!」

「ちょ、ちょっと待って!」

「ジェーンずるいぞ!ぼくもお姉ちゃんと遊びたい!」

「えっ?!」


ジェーンとケイリーから左右に腕を引っ張られながらチラッと顔だけを振り返ると、ルークはその様子に笑顔で手を振り、シオンさんは両手を合わせてすまない!と頭を下げていた。

食事や諸々の支度の間、子どもたちと遊んでいていいのならば思いっきりさせてもらいますか!

保育士魂が唸り、私は汗だくになりながら子どもたちと全力で遊んだ。

気づけばカルロやエラも途中から加わり、手加減ができないくらい本気で遊びたおす。



彼らの笑顔はどこまでも眩しく輝いていて、とてもこれが偽物や死者のものとは思えなかった。

実は滅んだこと自体が間違いで、こっちが現実なんじゃないだろうか?

この街を知らないクローディアでもそう思うのだ。


もし、この街で生まれ育った人がそれを知ったら果たしてどんな思いを抱くのか。




この街に一体何が起こったのか、この時はまだ何も分からなかった。
しおりを挟む
感想 18

あなたにおすすめの小説

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!

みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した! 転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!! 前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。 とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。 森で調合師して暮らすこと! ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが… 無理そうです…… 更に隣で笑う幼なじみが気になります… 完結済みです。 なろう様にも掲載しています。 副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。 エピローグで完結です。 番外編になります。 ※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。

悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます

久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。 その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。 1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。 しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか? 自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと! 自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ? ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ! 他サイトにて別名義で掲載していた作品です。

【完結】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。

氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。 私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。 「でも、白い結婚だったのよね……」 奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。 全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。 一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。 断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

ジャック&ミーナ ―魔法科学部研究科―

浅山いちる
ファンタジー
この作品は改稿版があります。こちらはサクサク進みますがそちらも見てもらえると嬉しいです!  大事なモノは、いつだって手の届くところにある。――人も、魔法も。  幼い頃憧れた、兵士を目指す少年ジャック。数年の時を経て、念願の兵士となるのだが、その初日「行ってほしい部署がある」と上官から告げられる。  なくなくその部署へと向かう彼だったが、そこで待っていたのは、昔、隣の家に住んでいた幼馴染だった。  ――モンスターから魔法を作るの。  悠久の時を経て再会した二人が、新たな魔法を生み出す冒険ファンタジーが今、幕を開ける!! ※この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「マグネット!」にも掲載しています。

悪役令嬢に転生したら、勇者に師匠扱いされました(;゜∇゜)

はなまる
ファンタジー
乙女ゲームに転生した私。 しかも悪役令嬢らしい。 だけど、ゲーム通りに進める必要はないよね。 ヒロインはとってもいい子で友達になったし、攻略対象も眺め放題。 最高でした。 ...... 勇者候補の一人から師匠扱いされるまでは。 最初は剣と魔法のファンタジー。 少しずつ恋愛要素が入ってくる予定です。

深窓の悪役令嬢~死にたくないので仮病を使って逃げ切ります~

白金ひよこ
恋愛
 熱で魘された私が夢で見たのは前世の記憶。そこで思い出した。私がトワール侯爵家の令嬢として生まれる前は平凡なOLだったことを。そして気づいた。この世界が乙女ゲームの世界で、私がそのゲームの悪役令嬢であることを!  しかもシンディ・トワールはどのルートであっても死ぬ運命! そんなのあんまりだ! もうこうなったらこのまま病弱になって学校も行けないような深窓の令嬢になるしかない!  物語の全てを放棄し逃げ切ることだけに全力を注いだ、悪役令嬢の全力逃走ストーリー! え? シナリオ? そんなの知ったこっちゃありませんけど?

闇黒の悪役令嬢は溺愛される

葵川真衣
恋愛
公爵令嬢リアは十歳のときに、転生していることを知る。 今は二度目の人生だ。 十六歳の舞踏会、皇太子ジークハルトから、婚約破棄を突き付けられる。 記憶を得たリアは前世同様、世界を旅する決意をする。 前世の仲間と、冒険の日々を送ろう! 婚約破棄された後、すぐ帝都を出られるように、リアは旅の支度をし、舞踏会に向かった。 だが、その夜、前世と異なる出来事が起きて──!? 悪役令嬢、溺愛物語。 ☆本編完結しました。ありがとうございました。番外編等、不定期更新です。

雪解けの白い結婚 〜触れることもないし触れないでほしい……からの純愛!?〜

川奈あさ
恋愛
セレンは前世で夫と友人から酷い裏切りを受けたレスられ・不倫サレ妻だった。 前世の深い傷は、転生先の心にも残ったまま。 恋人も友人も一人もいないけれど、大好きな魔法具の開発をしながらそれなりに楽しい仕事人生を送っていたセレンは、祖父のために結婚相手を探すことになる。 だけど凍り付いた表情は、舞踏会で恐れられるだけで……。 そんな時に出会った壁の花仲間かつ高嶺の花でもあるレインに契約結婚を持ちかけられる。 「私は貴女に触れることもないし、私にも触れないでほしい」 レインの条件はひとつ、触らないこと、触ることを求めないこと。 実はレインは女性に触れられると、身体にひどいアレルギー症状が出てしまうのだった。 女性アレルギーのスノープリンス侯爵 × 誰かを愛することが怖いブリザード令嬢。 過去に深い傷を抱えて、人を愛することが怖い。 二人がゆっくり夫婦になっていくお話です。

処理中です...