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承・個人恋愛?ルートへ
ラファエルルートへ
しおりを挟むその日から、俺は逃げた。
メイン攻略相手の生徒会メンバーが関わると否が応でもBLが始まってしまう為、俺が逃げるしか回避策がないからだ。
だが、そうは言ってもなかなか逃げきれずにイベントが容赦なく始まってしまうのがBLだけでなくメインメンバー攻略イベント必須の理!
あんなに起こしたかったはずのフラグはやれステータスだ、やれ他のメンバーとのフラグや好感度やら、やれ必須アイテムやらでなっかなか起こさないくせに。
必須イベントと呼ばれる自動的に強制スタートされるイベントは、何をしても回避不可能。
さらに、優先順位などというものまであり、うっかり同時にイベントの条件が揃ってしまいお目当てのイベントが起こらないという悲劇まである。
たぶん、ラファエル先輩に敵視されて襲われるのはその強制イベントなのだろう。
帰り道でどんな裏道、わき道、まわり道、はては獣道までラジエルに一緒に調べ上げてもらって帰宅ルートを辿ろうとかなりの努力を全て水の泡にし必ず遭遇する、見た目は爽やか・中身はドS?ってそんな恋愛ゲームではすでにありふれた王道キャラクターがウェルカムして毎度毎度待ち構えててくれている。
最初はシンプルなステータスでのキャラ分けでキャーキャーできたのに、ありとあらゆる恋愛漫画、ゲームを網羅した女子、腐女子、腐男子にとって項目がただ『爽やか』なだけでは決して満足も許してももらえない。
「見~つけた☆この学園の悪しき敵めっ!!」
「だ、だからラファエル先輩!俺にそんなスペシャルな能力も意思もありませんってば!!」
君達のようなハイスペックチート生徒会委員をスパイできるような男なら、3つの顔持つ知能も運動能力も、外見もチートな某警察の方とか某FBIとか某CIAとか。
うん、高スペック能力持ち同士のBLもすごい萌える。
お互いがお互いしか弱いところ見せられないとか、普段は誰も寄せ付けない男前な受けが見せる攻めにしか見せない甘えた姿とか、いざとなったら攻めのピンチをそれはかっこよく救う受け!
俺の背中を預けられるのはお前だけ!とか、友情、ライバル、憧れ、嫉妬、憎しみ、優しさ、全てが色々混ざってどろっどろの甘くて苦くて深い沼になるあの感じは最高だった!!
軽い気持ちでつま先をほんの少しだけつっこんだら最後、あれよあれよという間にズブズブと底なし沼にずぼっとはまってうっかり抜けられなくなること間違いなし!
「あっれれ~~?僕みたいな小物相手には、よそ見して考え事しながらでも十分ってことかな?」
「ひいぃぃっ!!」
そうだった。
もはやこんな非現実的なことが日常になりつつあって思考がおかしくなってきているが、たった今全身をラファエル先輩の操る巨大食虫植物で拘束されて身動き取れなくっている真っ最中でした。
ラジエルやチャミエルはどうしたのかって?
ラジエルは例のごとく、少し離れたところでそれはもうかっこよく一人アクションヒーローやりながら戦ってるよ。
なんかそれっぽい熱いセリフを本気で呟きながら。
あいつ、戦隊モノなら絶対イメージカラーは『赤』だな。
んで、その中なら文句なしの『ピンク』だろうチャミエルは本日新作の『アレ』が出たとかでハイテンションで帰っていった。
近々、『お試し』要求が回避不可能でくるのかと思ったら今からとてもとても気が重い。
「い、いやもうコレいい加減やめませんか?ほら、俺ってば見ての通りこんなに無力ですし」
「えぇ~~?無力なやつが、どうして毎日この俺からの攻撃に逃げられてるのかな~?」
「だからそれは俺じゃなくて、俺以外のハイスペックメンバーと運のおかげなんです!!」
「そうそう、それがまずおかしいんだよな~。なんでお前みたいなぱっと見非力でなんの腕力も魔力も魅力もほとんど感じない、顔も中身もどこまでも普通レベルの薄っぺら~いやつに、会長やほかの奴らも肩入れしてるのか」
うん、ドスドスと見事に突き刺さる言葉のナイフをどうもありがとう。
まったくもってその通りです。
「そう、それがまず何よりの間違いなんですって!そうなるのは、俺じゃなくて・・・・ッ!!」
「へぇ~~、じゃあ誰だって言うんだよ?」
「は・・・・ッ!!」
「は?」
ハニエル君です!と、力一杯叫びそうになるなるのを慌ててつばとともに無理やりゴクリと一気に飲み込む。
まずい。
ここで名前を出したら最後、これからいざ転入してきた時にラファエル先輩とのフラグどころかほかのメンバーとのフラグにも悪い影響を及ぼしかねない。
あの天使のような、もはや中身天使でしかない純粋無垢なハニエル君に対して少しでもマイナス印象は絶対にタブーだ。
「は、ハニートースト?」
「・・・・・お前、どこまでも俺をバカにして!!」
「!!??」
植物の拘束が一層強くなり、手首、足首、首元が強く締まって息がつまる。
しまった。
BLだけでなく恋愛ゲームには死にネタ、バッドエンドが今や普通にある。
もちろん年齢制限はかかってくるが、うっかり選択肢のミスで何度も主人公を死なせてしまった経験がそれはよくあった。
あれだ。
ラファエル先輩ルートはきっと、毎回選択肢のどちらかがバッドエンドコースこんにちは的な、超ハードモードに違いない!!
「お前達はそうやって害が全くないようなフリをしていざとなったらこちらを簡単に裏切るんだから、早く本当のことを話さないと本気で殺しちゃうよ~~」
「・・・・・ッ!!」
喋りたくとも、首の締めか強すぎて声が出せない。
BLの神様。
残念ながら、俺にはまだヤンデレに身をもって萌えるなんてまだまだ上級者向けで難しかったようです。
せめて、次回生まれ変わった際は完全なるモブでいいから危険とは離れた位置から静かに安全に平和な中での萌えを楽しませて下さい。
「いい加減、タチの悪いおふざけはその辺にしておけ」
「!!??」
急に全身の拘束が解かれ、ロードの身体がどさっと地面へと乱暴に投げ出されたかと思いきや、その痛みは来ないまま温もりある腕に抱きかかえられた。
「怖い思いをさせてごめんね。大丈夫?」
「ごほっ!ごほっ!!が、ガブリエル先輩!?」
咳き込みながら慌てて見上げてみれば、そこにはそれはそれはお美しい女神様が。
思わず、もう一度むせました。
「もう心配いらないから、しばらくはゆっくり休んでたらいいよ」
「へ?」
額に優しい温もりの口付けが降りてきたと思ったら、そのまま強烈な眠気に襲われて女神の前でまさかの意識を失った。
「あーーーあ、せっかく可愛い後輩と楽しく遊んでたのに~~!まさか2人もぼくらと一緒に遊びにきたの?ガブリエルに、ウリエルまで」
ニッコリと普段の爽やかスマイル全開で2人に向き合うと、ラファエルは拗ねた子どものように頰を含ませながら植物達を地中へと戻していく。
「・・・・・・ラファエル、最近のお前の行動は目に余る」
「あははっ!いやだな~~わざわざぼくのことをお説教しにきたの?」
「彼は、アイツとは違う」
「!!??」
一瞬でラファエルの爽やかな笑顔が消え去り凍るような冷たい眼差しになると、いつのまにかその右腕に巻き付いていた植物でできた緑の剣でもってウリエルに斬りかかる。
その剣を、ウリエルは手の甲の上に魔方陣が浮かんだ透明な盾を出現させその攻撃を防ぐ。
「お前に、お前達に何が分かるっ!!あいつのせいで、あいつのせいで俺はっ!!!」
「・・・・・・そうだな。だからこそ大目に見てきたが、少し頭を冷やせとミカエルからの伝言だ」
「なっ!?」
ウリエルのシールドを張った腕とは逆の手の中から出された直系20センチほどの光の輪がラファエルの目の前に出され、そこから光が視界いっぱいに広がり一気に弾けた。
光が収まった後に残されたのは、ラファエルではなくふわふわのそれは柔らかそうな白地の毛に緑がかった模様がついた、見た目的にはシベリアンハスキーの子犬が目を回してその場にこてんと横たわっている。
その首には、以前には無かった黄色い首輪が。
「ミカエルより、お前への罰だ。しばらくはその姿で迷惑をかけた彼の側でおおいに反省するといい」
「全く、そんなことをわざわざしなくても、ぼくに預けてくれればしっかりお仕置きしてあげるのに」
それはもう優しくね、と誰もが見惚れるだろう美しい笑顔で穏やかに告げるものの、その目の奥が全く笑っていないことがウリエルにしっかりと分かるぐらいにはガブリエルもご立腹なのだと大きなため息をつく。
「やめろ。お前に任せては血の雨が降る」
「そんなことないよ。君みたいにねちねちねちねち相手を精神的に追いつめて痛ぶったりもしないしね♪」
「・・・・さっさと己の罪を認めないからだ」
「こわいな~」
「お前には言われたくない」
先ほどももう少しウリエルがラファエルを止めるのが遅かったら、ガブリエルの手の中で現れ始めていた赤いナイフ数本が一斉にラファエルに向かって襲いかかっていただろう。
そうなれば血の雨どころか、血の海が流れてしまう。
「ねぇ、ちなみにそのしばらくってどのくらいなの?」
「10日ほどだ。表向きは、病欠として周知させる。お前も余計な手助けや他言は無用だからな」
「分かってる。その間はぼくもおとなしく見守ることにするよ」
もう一度、今度はロードの頭の上にそっと口付けを落とすとガブリエルはそのまま寮の彼の自室へと向かっていく。
ロードが目覚めたのは、その日の夜。
「ん・・・・ここは?」
目線の先には見慣れた天井が。
「あれ?いつのまに、部屋に帰ってきたんだっけ?」
ぼぉ~っとする頭を手を当てて考えてみるが、記憶はおぼろげでよく分からない。
だが、ふと手が何かふわふわした肌触りのものに触れると一気に意識がそちらへ向かう。
「あ、あの時のワンちゃん!!」
「うぅぅ~~!キャン、キャンッ!!」
明らかに威嚇状態で吠えられているのだが、見た目が子犬なだけに吠えてても大変可愛らしい。
今も昔もペットを飼ったことなんてないが、このふわふわな毛並みはなんとも魅力的で思わずその背をなでようと手を伸ばす。
「キャン、キャンッ!!」
「あいたッ!!」
眠っている間に何をしてしまったのか、明らかに嫌われてしまったようで手のあちこちを噛まれてしまう。
甘噛みなのでそこまでではないが、やっぱり痛い。
「ずいぶんやられてるな。大丈夫か、ロード?ウリエル先輩が10日間ほど俺らで預かってくれってさ」
「ラジエル!え、なんでっ!?」
お風呂上がりで、髪がまだ湿ったままのラジエルがタオルで髪を拭きながらこちらへ向かってきた。
「さあな。なんか、魔法でお前から遠くに離れられないようになってるらしくて、学園から特別許可降りてるから教室も一緒でいいって」
「はあ?」
なんだ、その都合のいい設定は。
遠くに離れられないとはどういうことなのかと、試しにワンちゃんから離れてみようとそっぽを向いたスキにそばを離れてみる。
1Mほど離れても異常なしな為、どうやらべったり側にいなければいけないらしいわけではないようだが、3Mほど離れた瞬間にワンちゃんの大きな悲鳴が上がる。
「だ、大丈夫!?」
慌ててワンちゃんの元へ戻ってみれば、子犬が勢いよくロードの元へと飛びついてきた。
その身体は床に突っ伏しながら震えている。
「・・・・く、くぅ~んッ」
「あ、そうそう!逃亡防止らしいんだけどあんまりお前から離れると、ワンコの方に魔法でお仕置きがされるらしいって」
「お前、そういうことは早く言えよ!痛い思いさせてごめんな、ワンちゃん」
どれほどの痛みが起きたのかは分からないが、苦しそうに震えているワンちゃんの背中を何度も優しく撫でた。
「キャンキャンッ!!」
「いってぇーーーー!!」
だが、次の瞬間その手はワンちゃんに再び強く噛まれる。
その日から、ワンちゃんと朝晩いつでもどこでも一緒の不思議な生活がスタートした。
ちなみに名前をつけてもいいとのことで、迷いに迷った結果。
ワンちゃんの名前は『Pちゃん』に決定。
かなり不服だったようで相当不機嫌なワンちゃんに噛まれまくったが、どんな名前も同じ反応だったのと最終的には名前を諦めずに呼び続けるロードに対して渋々承諾してくれた感じで命名完了。
Pちゃんは、寝る時はロードと同じベットの上に寝て、登校中から学校にいる間は基本的にはロードの背負っているリュックの中でおとなしくしている。
初日はそのふわふわモコモコに触れていたいと膝の上に乗せていたのだが、Pちゃんがことあるごとに太ももなどを噛む為それからはずっとこうしていた。
あまりに噛むような時は、Pちゃんから距離を置くようにするのが一番こたえるようで、それをされるとしばらくPちゃんが震えながらもべったりと、その顔は本当に嫌そうにしながらもロードから離れなくなるのが、実はちょっとどころでなく可愛らしくてたまらない。
ロードにSっ気は無いはずなのだが、襲いくる痛みに怯えて必死でこちらに向かってくる姿は申し訳ないがやっぱり可愛かった。
それでもご飯の時やお風呂の際に、その身体へロードから触れようとするとすぐさま噛まれてしまうので、その身体を思う存分安心して撫でられるのはPちゃんがぐっすりと眠ってから。
慣れない環境にストレスもかなり溜まるようで、毎日のように大暴れするお風呂後に体が温まると波のように襲われる眠気になんとか抗おうとまぶたを落ちてはすぐさま開き、両手両足をふんばりながら頑張っているのだがやはり最後にはこてんと頭が床に落ちて睡魔に負けてしまう。
その一瞬一瞬がたとえようもないほど可愛らしく、寝入ってしまうまで動画が取れたらどんなにいいかとロードは見てないふりをしながら横目で毎回しっかり見ながら萌えていた。
だが、一緒に過ごすようになってから9日目のある日の夕方。
たまたま担任に頼まれロードがクラスで集めた書類を指定された部屋に運んだ帰り道、普段とは違う廊下を歩いていた時だった。
廊下の先にあった魔法実験室にて他の生徒がいたずらの末にうっかり棚にぶつかり、その上に置かれていたガラスや陶器の置物が通りすがりのロード達に降りかかってきた。
ロードはとっさに最近はリュックから外に出て少し前の廊下を自分の足で歩いていたPちゃんを庇って、その背中に割れたガラスの破片が突き刺さり血にまみれる。
「キャン、キャンッ!!」
「Pちゃん・・・・大丈夫?」
いたずらをしていた生徒達は早々に逃げ出してしまった為その場にはすでにおらず、ロードの真横で吠え続けるPちゃんをぼんやりした意識でその無事を確認したロードは、そのまま意識を失った。
「キャン、キャン!!キャン、キャン!!」
Pちゃんはロードの様子を伺いながら少し離れ、辺りに誰かいないかと吠えながら確認するが、夕方の時間的にも皆がいる教室から少し離れている場所的にも、ただでさえ普段から人通りが少ないその廊下には他生徒の姿は見えない。
「キャン、キャン!!キャン、キャン!!」
しばらく大声で吠えた後、それが無意味だと悟るとPちゃんはロードの元へ戻ってきてその顔を黙って見つめる。
その顔は血の気がなくなり、青ざめていた。
「・・・・・・・」
少しした後、Pちゃんがその額とロードの額をくっつけるとロードの身体が光に包まれその身体にできた傷全てがあっという間に治癒されていく。
「くうぅ~~ん」
「・・・・・・P、ちゃん?」
ペロペロとPちゃんに顔中を舐められながら意識をようやく取り戻したロードは、起き上がると同時にそっとPちゃんの小さな身体を抱き上げる。
「あれ?俺、なんで無事なんだ?」
「キャン、キャンッ!!」
「うわっ!ちょっと、くすぐったいったら!Pちゃん!うわっ!そんなとこ舐めちゃダメだってっ!」
ペロペロと、Pちゃんはしっぽをブンブン振りながら夢中でロードの顔中を舐め回す。
特に唇の辺りを念入りに。
最初ほど噛まれることは減ったとはいえ、ついさきほどまで近すぎず離れすぎずの一定の距離を保ちながら歩いていたはずなのに、一体何があったというのか。
「キャン!キャンっ!!」
「ちょ、ちょっとPちゃん!参った、もう参ったから!」
どうやらその背に触れても噛まれないことが分かったので、その背を緩やかに撫でながら抱き上げ自室へと戻るために歩きながらロードはふと思いついた1つの可能性に気がつく。
「なぁ、Pちゃん。俺のケガが治ったのって、もしかしてラファエル先輩のおかげかな?」
「!!??」
ロードの言葉に、Pちゃんの体がびくっとこわばる。
「最近、姿が見えないと思ったら病気で寝込んでるって話だったから、早く元気になるといいなとは思ってたけど。実はもうすっかり治ってて、密かに学校に遊びに来てるのかもしれないな」
毎日のように襲われて困っていたはずなのに、会えなければ会えないで何か物足りないような変な気持ちになってしまいなんとも複雑だ。
それでも、みんなにパワーを与えていた太陽のような笑顔が見れないのはやっぱり少しさみしいよな、とぼそっと呟けばPちゃんがロードの口元をペロリと舐めた。
その日の夜、Pちゃんがロードの側を片時も離れようとしないため、その胸にPちゃんをしっかりと抱きしめながら一緒に眠った。
何度もロードの口元をしきりに舐めてくるPちゃんを、優しく何度もなだめながら。
けれど、次の日の朝。
Pちゃんの姿はどこにもなかった。
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